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育てていてわかった!巷のユーカリ情報の真偽

そろそろ冬も本格的になり、
大阪でも5℃を切る寒さになってきました。

寒さに弱いと思われる品種や幼苗などは、
寒風を避けるためにホームセンターで販売されている
安価の簡易温室に入れるようにしています。

とはいえ、家のベランダは
風を通さない分厚い石壁で覆われていますから、
外気温よりプラス3℃くらいの暖かい状態になっています。
夏には日照不足を招くこの石壁も、
冬季には寒風を防ぐというありがたい役割を果たしてくれます。

冬季はユーカリの生育にストップがかかったり、
非常にスローになったりしていますので、
どうしても栽培レポート系のネタは少なくなってしまいます。

日本にはたくさんのユーカリに関する情報があふれています。
今日はその情報にズバッと鉈を入れてみたいと思います。

「ユーカリの香りは花粉症に効く」
日本で販売されているユーカリの多くはgunniiですが、
そのgunniiの説明やキャッチコピーでも良く見かけます。
花粉症に効く成分といえるのは、
厳密にはシネオールやカンファー、ピペリトンといった成分ですが、
gunniiは精油量が少なく、
これらの成分もほとんど含まれていません。
gunniiが花粉症に効くというのは明らかな過大広告ですね。
成分分析と実際に試してみた実績として有効だなと思うものは、
globulus/dives/cinerea/cordata/goniocalyx
などでしょうか。

「アップルボックスはりんごの香りがする」
「りんごを切ったような葉型なので
          アップルボックスという」

上記は全て誰かが勝手に勘違いした内容です。
bridgesiana/aromaphloia/goniocalyx
などがアップルと言われますが、
これは全て樹皮がりんごの木のようであるからです。
ユーカリの名称は樹皮、木質、花、実に起因するのがほとんどです。
アップルボックスはりんごの香りはしません!
もろシネオール系の樟脳の香りがします。
敢えてりんごの香りに近いと言ってもよいユーカリは、
grandis/glaucescensなどが考えられますね。

「レモンユーカリの耐寒性は5℃~10℃以上必要」
最近色々試してみましたが、
25cm以上の苗で鉢植えであっても、
アロエ程度(0℃以上)の管理で十分野外越冬できますね。
ただし葉は少し赤くなって痛んだりすることはあります。
耐寒性については環境もあるので一概には言えませんが、
下記のことに気をつければ耐寒性0℃でいけるように思います。
●秋の比較的暖かい間から徐々に寒さに慣らせていくこと
●夜間の水遣りは避け、用土の凍結を防止すること
●寒い風が吹き抜けるような場所は避け、軒下管理推奨

意外に寒くてもちゃんと水はそこそこ必要なんですよね。。。

「ユーカリは水切れに強い」
こあら師匠もおっしゃっていますが、
逆に水切れに強い品種は非常に少ないです。
降雨量が日本の1/6程度の環境の植物だからそう思うのでしょうね。
現地では根を深く伸ばし、豊富な地下水を激しく吸い上げています。
よって寧ろ水は大好きな品種が多いですね。
ところが「乾燥を好む」というのは大正解です。
毎日土がカラカラに乾いて、毎日欠かさず水遣りをする。
そんな用土や環境が大好きということです。
逆に土が長期間湿っているという環境は大嫌いです。

「ユーカリには肥料が効きにくい」
これは厳密には正しい部分がかなりあると思います。
日本で売られている肥料はほとんどがリン酸の多いものです。
ところがユーカリはこのリン酸をほとんど必要としません。
これはオーストラリアの土壌には
ほとんどリン酸が含まれていないことに
起因するのではないでしょうか。
逆にカリ肥料を比較的必要とするようですね。
窒素については一般的な草木と同じレベル必要とします。
特に砂漠地帯や西AZ出身の品種については、
日本の肥料を与えすぎるとリン酸に当たることがあるようです。

「ユーカリはアルカリ性の用土を好む」
これはたまに育て方などで見かけることがありますが、
95%以上のユーカリが好む用土は弱酸性~酸性の用土です。
一般的に日本で販売されている用土なら、
pHの調整は特に必要ありません。
ところが中には一部アルカリ性を好む品種もあります。
家ではMoon Lagoonなどがそうですね。
他ではアルカリ耐性のある品種もいくつか存在しますが、
アルカリ性を好むというわけではありません。

「ユーカリは根から他の植物を枯らす物質を出す」
これはよく言われていますが、
科学的にそのような事実は一切ありません。
ただユーカリは非常に根張り能力が高く吸水能力も非常に高いです。
また、用土の養分を急速に消費し、
用土を酸性にする力が非常に強いです。
一般的に寄せ植えするような花の咲く植物は、
比較的アルカリ性を好み、根張りや吸水もデリケートです。
そのため、ユーカリと一緒に寄せ植えすると
全てにおいて負けてしまって元気を失うことがあります。
ユーカリは寄せ植えにはあまり向かない植物といえます。

他にも疑問に思うような情報があれば、
私のわかる範囲で鉈を入れていきます。
お気軽にお問い合わせくださいね。

# by eucalyptus_k | 2010-12-11 22:59 | ユーカリ(品種知識)
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ユーカリ茶検証 その1

初めてのユーカリ茶(Eucalyptus robusta)
かなり美味だったために急激に興味が深まり、
どんどん色々なユーカリ茶を試飲し続けています。

ちょうど冬になる前に一斉に剪定した葉が残っていますので
連続して色々な品種のお茶を試飲することができています。

親愛なるこあら師匠よりご提案のあった、
robusta生葉でのお茶にも是非トライしてみたいと思っています。

一般的にユーカリ茶として流通しているものは
Eucalyptus robusta/Eucalyptus globulusの2種です。
これ以外の品種については、摂取の安全保障がありませんので
ユーカリ茶にされる方は自己責任でお願いいたします。

ちなみにこのブログを書いている限り、
私は無事であるという証明になります(笑)。


今までに飲んでみた品種のお茶について
下記に感想を記します。

・乾燥葉は10日以上干した葉を使用しています。
・茶葉は茶さじ一杯程度を使用しています。
・熱湯を200ccほど注ぎ、約5分置いて飲みます。


●Eucalyptus grandis茶(乾燥葉)
花の香りがするユーカリのため、
香り自体はかなり良い香りでうっとりできます。
ところが味は比較的青臭く、単用では微妙です。
これは一般的な花のお茶にも言えることですね。
紅茶などとブレンドすると絶品に仕上がると思います。

●Eucalyptus gunnii ssp. gunnii茶(乾燥葉)
スッとしたミント様の香りがあり、
ローズマリーのお茶に非常に近いものがあります。
少し茶の出が悪いので、茶葉を多めに使用した方が良さそうです。
ミント様の香りだけは非常に強く、かなり後まで口の中に残ります。
私と同居人には意外にも好評な品種です。
ユーカリ酒などにも使用してみたいなと思いました。

●Eucalyptus goniocalyx茶(乾燥葉)
味と口の中に残る香りはかなり良いのですが、
飲んだ瞬間に鼻を抜けていく香りがかなり強烈です。
その香りはシネオールメインのユーカリの香りそのもので、
この香りが強すぎるため、お茶としてはかなり癖があります。
余程ユーカリの香りが好きな方以外にはオススメできません。
また、少しくどいので胸焼けすることがあります。

現在、葉のストックがあるのが、下記の品種です。
Eucalyptus aromaphloia
Eucalyptus bridgesiana
Eucalyptus rudis
Eucalyptus websteriana
Corymbia citriodora

近日中にこちらも試飲してみたいと思います。

今のところ、安全のために一日あたり一品種と決めています。
どうぞお楽しみに~♪

# by eucalyptus_k | 2010-11-16 18:30 | ユーカリ(茶・酒)
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2010/10/24 ユーカリ育成の近況(2)

恒例の育てているユーカリたちの近況です。
今回も「鉢植えになっている」ユーカリほぼ全てを公開します。
※今回はABCD順に公開していきます。

robusuta/rudis/citriodoraなどについては、
既に大幅な剪定を行ってしまったため省いています。
robusuta/rudisについてはユーカリ紹介の写真が最新です。
またcitriodoraは2m近くまで成長していました。

この他にもポット苗が多数あります。
またポット苗にはここにはない品種もあります。
これは自身の記録としても使用しているので、
お時間のある方のみご覧になってくださいね。
何しろ数が多いですから^^;

写真は全て撮影を完了しているのですが、
数が多いため、全5回に分割してアップしています。
よろしくお願いいたします。

<バックナンバー>
・2010/5/1の状況
・2010/5/7の状況
・2010/6/5の状況
・2010/6/19の状況
・2010/8/8の状況(1)
・2010/8/8の状況(2)
・2010/8/8の状況(3)
・2010/8/8の状況(4)

●Eucalyptus dalrympleana
fancybox記事112の画像1

種播時期:今年春
現在樹高:18cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰

一時はうどんこ病でズタズタになり、枯死も覚悟しましたが、
脇芽が出て、成長も進み、今は比較的安定しています。
夏はほとんど動かず、春と秋の涼しい間にのみ成長します。
暑さにはかなり弱いらしく、多くの苗を蒸らせて枯らせました。
ところが水はかなり必要な方なので難しいところです。

●Eucalyptus decipiens ssp. decipiens
fancybox記事112の画像2

種播時期:苗を購入
現在樹高:25cm
鉢サイズ:6号プラスチック
越冬場所:野外(簡易温室も検討)
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰

これも酷いうどんこ病でほとんどの葉を失いました。
今は少しずつ芽を吹いてきていますが、
完全復活を果たすことはできずに冬を迎えることになります。
出た新芽の先が軒並み枯れていくのは
ダニ
か何かの仕業でしょうか。。。
来年にはたくさんの新しい葉を展開してくれることを願っています。

●Eucalyptus delegatensis ssp. delegatensis
fancybox記事112の画像3

種播時期:今年春
現在樹高:10cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰

葉は大きくなるのですが背丈は中々進みません。
文献によると成長の早い品種とのことですが、
イマイチ成長のキーポイントが掴めないでいます。
夏にはほとんど成長することはなく、
涼しくなってから成長の進む品種ではあるようです。
寒さにはかなり強いので冬季の活動に期待です。

●Eucalyptus delegatensis ssp. tasmaniensis
fancybox記事112の画像4

種播時期:今年春
現在樹高:20cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰

こちらはOsakano_Jieさんの元へ
ホームステイに行っていた苗です。
家のベランダよりかなり大きく成長しています。
delegatensisは家の実家の庭では壊滅状態でしたので、
ガンガンの直射日光がキーというわけでもなさそうです。
今のところ、原種と区別が付きませんが、冬季の活動に期待です。

●Eucalyptus dives
fancybox記事112の画像5

種播時期:昨年冬
現在樹高:20cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰

春先に比較的成長して、夏の間はほとんど動きませんでした。
そしてまた、秋になって少し成長し始めましたが、
かなりマイペースで成長のキーポイントは掴めていません。
日陰のものと日向のものであまり成長の差が見られません。
ただ、このdivesは一切の病害虫を寄せ付けないので安心できます。

●Eucalyptus erythrocorys
fancybox記事112の画像6

種播時期:今年春
現在樹高:35cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:簡易温室
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰

夏になると同時に急速に成長を進めていましたが、
途中でハダニの被害にあって、ストップしてしまいました。
涼しくなってからはあまり成長が進まなくなっています。
より日光に当てることでかなりの速度で
ぐんぐん成長することが分かっています。
家のユーカリ中で越冬が心配な品種の一つです。

●Eucalyptus extrica
fancybox記事112の画像7

種播時期:今年春
現在樹高:15cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:簡易温室
置き場所:直射日光が半日当たる日陰

当初は1ヵ月でわずか葉一枚分さえも成長しなかった程でしたが、
ある程度の日光を確保し、水分管理に気をつけたところ、
何とかこの大きさまで成長してくれました。
それでも家では最遅の部類に入りますので、
マイペースにベランダでの育成方法を確立したいと思います。
家ではpleurocarpaより毛が少なく、少し病害に弱いです。
越冬が少し心配な品種です。

●Eucalyptus forrestiana
fancybox記事112の画像8

種播時期:苗を譲受
現在樹高:10cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が半日当たる日陰

Osakano_Jieさんより譲り受けた苗です。
譲り受けた後の梅雨時期に酷いうどんこ病の被害にあい、
そこからほとんど成長していません。
ここにきて、少し芽を出しましたが、今は止まってしまいました。
家の中で最もうまくいかなかったユーカリの一つです。

●Eucalyptus gamophylla
fancybox記事112の画像9

種播時期:今年夏
現在樹高:15cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外(簡易温室も検討)
置き場所:直射日光が半日当たる日陰

当初はかなり難しいユーカリかと思っていましたが、
育ててみると比較的育成の簡単なユーカリでした。
夏の暑い間にどんどん成長を進めていきました。
最近成長が止まったので良く見てみると、
葉の裏にハダニがびっしりついていました。。。
葉が分厚いのでほとんど被害が視認できませんでした。

●Eucalyptus gillii
fancybox記事112の画像10

種播時期:今年春
現在樹高:40cm
鉢サイズ:6号プラスチック
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が半日当たる日陰

いつまで経っても葉が大きくならずに背丈ばかり伸びるので
心配していましたが、やっとまともな大きさの葉が出てきました。
家ではとにかくほとんど水を与えません。およそ月に2回程度です。
それでも、水切れで項垂れた姿を見たことはありません。
病害虫をほとんど寄せ付けないので安心して育てられます。

●Eucalyptus glaucescens
fancybox記事112の画像11

種播時期:昨年秋
現在樹高:25cm
鉢サイズ:6号プラスチック
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰

梅雨時期に酷いうどんこ病の被害にあって、
全ての綺麗な葉がボロボロになってしまいました。
その後、夏には全くと言っていいほど成長しませんでしたが、
秋になってたくさん新芽を出してきたので安心しています。
暑いのは少し苦手な品種であると思いました。

●Eucalyptus globulus ssp. globulus
fancybox記事112の画像12

種播時期:昨年冬
現在樹高:40cm
鉢サイズ:7号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰

暑くなる直前に定植したのですが、
調子が悪く、成長も余り進まないので、悩んでいました。
ところが秋になってから凄い勢いで成長を始めました。
どうやらあまり暑いのは得意ではなかったようです。
日本で出回っているのは主にこの品種かと思っていましたが、
多くはssp. bicostataであるように思います。
ssp. bicostataに比べると、かなり葉が大ぶりで、
白銀の新葉も早いうちから光沢のある緑葉に変わります。
横に植わっている小さな株はvar. compactaです。

●Eucalyptus goniocalyx
fancybox記事112の画像13

種播時期:苗を購入
現在樹高:60cm
鉢サイズ:6号プラスチック
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰

春からずっとハイペースで成長を続けています。
ビックリするほどの水食いですぐに水切れになります。
あまり病害虫を寄せ付けないのも大きな魅力です。
水遣り以外はほおっておいたら60cmになっていましたw

●Eucalyptus grandis
fancybox記事112の画像14

種播時期:苗を購入
現在樹高:60cm
鉢サイズ:6号プラスチック
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰

春からで数回剪定を行っていますが、成長が早すぎます。
goniocalyx/robustaと競うように水切れが早いです。
最も暑い時期には一日一回の水遣りが必要でした。
水さえしっかりやっていれば放置でどんどん成長していきます。
病害虫も一切寄せ付けませんでした。

パート2はこれで終了です。
パート5まで続きます。
お時間のある方はお付き合いください^^V

# by eucalyptus_k | 2010-10-28 01:16 | ユーカリ(栽培実績)
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今年のユーカリ育成を振り返って

今年、ユーカリの種を大量に播いて、
そして、成長の季節が、あと数ヶ月で終わります。

春に種を播いたものの中で
一番大きくなったものが1m程度
一番成長が遅かったものが6cm程度です。

ユーカリを育ててみて思ったのは、
思ったよりたくさんの日光と
少し強いくらいの空気の流れが大切だと感じました。

この2つはマンションのベランダという環境では
一番確保するのが難しい要素ですから、
それはそれは苦しみながら学びました。

今年はもう1つ、実家の親父の協力を得て、
車で5分程度離れた、一軒家の実家の庭でも
ユーカリの育成を試験的に行ってみました。

まず、家のベランダですが、
通常の一般的なマンションのベランダと異なり、
完全に風を通さない高さ120cm程度の石壁で囲われています。
そのため、冬は暖かく、強風も遮ることができる反面、
湿気がこもりやすく、特に下方での空気の流れがありません。
そこに、洗濯物を干すわけですから、
かなり湿気がこもり、ムンムンの状態となります。

また、上の階が大きく前方にせり出しているため、
台風級の横殴りの雨が降らない限りは、
雨の日でも余裕で洗濯物を干すことができます。
これは、日照がその分悪くなることを意味します。

太陽の高い季節(4~7月)は、
ベランダの1/3程度に西日が当たるだけ、

太陽の中程度の高さの季節(2~3月・8~9月)は、
ベランダ全体に4時間程午後の日差しが当たり、

太陽の低い季節(10月~1月)は、
ベランダの半分程度に2時間程午後の日差しが当たります。

最高で4時間/日程度の直射日光となるため、
ほぼ、半日陰の環境ということになります。

この環境はユーカリにはかなりよろしくありませんでした。
ある程度の樹高が稼げればそれだけ日照を得ることができますが、
背の低い苗ほど、日照が悪くなるという厄介な環境です。

この湿気のこもった、日照の悪い環境でも
良く育ってくれたユーカリは下記の品種です。
robusta/camphora/rudis/bridgesiana
citriodora/scoparia/gunnii/staigeriana
crenulata/goniocalyx/grandis/nova-anglica
aromaphloia/melanophloia

湿気に強かったり、日陰に強い品種ばかりです。
これにneglectaを足した品種が、
日本に合って、日陰でも育つ品種といえると思います。
そのまま、栽培難易度が簡単だとも考えられるでしょう。
トップ3はrobusta/citriodora/bridgesianaです。

一方、著しく生育の悪かった品種は下記です。
kruseana/albida/crucis/rhodantha
macrocarpa/polybractea/lehmannii/tetragona
Moon Lagoon/forrestiana/tetraptera/gillii
pachyphylla/torquata/caesia/uncinata/decipiens

ほとんどが中央~西オーストラリアの品種で
高温・乾燥・強い日差しを好む品種ですね。
結論としてこれらの品種をベランダで育てることは
かなりの力技だなあと思わされました。
ワースト3はtetragona/Moon Lagoon/albidaです。
tetragona/Moon Lagoon
半年で6~10cmしか成長しませんでした。

そして下記は比較的日本でもメジャーですが、
意外にも家では全然奮わなかった品種です。
cinerea/pulverulenta/perriniana/viminalis/morrisbyi
glaucescens/parvula/cordata/leucoxylon/radiata

生育が遅いこともありますが、
何よりも病気がちで株自体の元気がないものが多いです。
湿度が高く、日光が不足しており、
何よりも空気の動きがないのが一番の要因かなと思っています。

次に家の実家の庭ですが、
ここは比較的広いオーブンスペースの庭です。
太陽の一番高い季節のみ、
11時くらいまで少し日陰が生じますが、
それ以外の季節は終日直射日光がガンガンに降り注ぎます。
また、実家の前が学校のグラウンドのため、
かなり風通しが良いのも特徴です。

ここではベランダとは異なり、
下記の品種が非常に良い生育状況となりました。
pulverulenta/perriniana/kruseana/albida
crucis/macrocarpa/tetragona/tetraptera
pachyphylla/torquata/caesia/uncinata
gillii/orbifolia/camphora/aromaphloia
melliodora/erythrocorys

特に西オーストラリア品種の成長の良さが尋常ではありません。
macrocarpaなどが別品種の如く、高速で大きくなっていきます。
また、葉の硬さと葉の大きさが全く違います。
ベランダのものと比べてみると、別品種のように違います。

ところが逆に、下記の品種は生育が著しく悪く、
葉焼けや枯れが多発してしまいました。
gunnii/crenulata/scoparia/sturgissiana
melanophloia/nitens/lehmannii/smithii
delegatensis/cladocalyx nana/radiata


最後に、ベランダでも実家でも、
イマイチ実績の上がらなかった品種があります。
Moon Lagoon/radiata/delegatensis/cordata
lehmannii/forrestiana/leucoxylon

ここには私が掴み切れていない何かがあるのでしょう。
これらの品種の成長の鍵を掴むことも
次年度の大きな目標になると思います。

日々学びの連続ですね。。。
好奇心と探求心は尽きません。

# by eucalyptus_k | 2010-09-24 00:22 | ユーカリ(栽培実績)
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2010/8/8 ユーカリ育成の近況(1)

恒例の育てているユーカリたちの近況です。
今回は「鉢植えになっている」全てのユーカリを公開します。
この他にもポット苗が多数あります。
またポット苗にはここにはない品種もあります。
これは自身の記録としても使用しているので、
お時間のある方のみご覧になってくださいね。
何しろ数が多いですから^^;

写真は全て撮影を完了しているのですが、
数が多いため、全4回に分割してアップしています。
よろしくお願いいたします。

<バックナンバー>
・2010/5/1の状況
・2010/5/7の状況
・2010/6/5の状況
・2010/6/19の状況

●Eucalyptus globulus ssp. globulus
fancybox記事100の画像1

種播時期:昨年冬
現在樹高:20cm/8cm
鉢サイズ:7号スリット
置き場所:直射日光の当たらない日陰

大きい方がssp. globulusで小さい方がvar. compactaです。
原因不明の葉が巻いてしまう症状に見舞われて困っています。
一番上の葉が笹船のように巻いてしまっています。

●Eucalyptus globulus ssp. maidennii
fancybox記事100の画像2

種播時期:昨年冬
現在樹高:20cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光の当たらない日陰

ssp. globulusよりやや小振りで、
新芽がより白銀色になり綺麗です。
葉の巻く症状は発生していません。
徒長気味なので乾燥気味の管理を心がけたいと思います。

●Eucalyptus globulus ssp. bicostata
fancybox記事100の画像3

種播時期:今年春
現在樹高:10cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光の当たらない日陰(クーラー室外機横)

少し遅めに種を播いたので若干小ぶりです。
これも新芽が白銀色になり綺麗です。
葉の巻く症状は発生していません。

●Eucalyptus gunnii ssp. gunnii
fancybox記事100の画像4

種播時期:昨年春に苗を入手
現在樹高:50cm
鉢サイズ:5号陶器
置き場所:直射日光の当たらない日陰(クーラー室外機横)

最も初めに入手したユーカリです。
劣悪な置き場所にも関わらず非常に元気です。
大きくなるに従って白銀色が増し、今非常に綺麗です。
鉢が小さめなので水がすぐに切れるのが問題です。

●Corymbia citriodora
fancybox記事100の画像5

種播時期:今年春に苗を入手
現在樹高:110cm
鉢サイズ:6号プラスチック
置き場所:直射日光の当たらない日陰(クーラー室外機横)

1ケ月に数十センチずつ伸びていきます。
我が家でも最も成長が早く環境の合ったユーカリの一つです。
置き場所は悪いですが背が高いと上の方は日が良く当たります。

●Eucalyptus camphora
fancybox記事100の画像6

種播時期:昨年秋
現在樹高:25cm
鉢サイズ:6号プラスチック
置き場所:直射日光の当たらない日陰(クーラー室外機横)

昨年は6cm程度の幼苗で冬を越しました。
ユーカリには珍しく水持ちの良い用土に植えています。
水を頻繁にあげてもあまり徒長せずに元気です。
日陰にも関わらず、順調に成長を続けています。

●Eucalyptus grandis
fancybox記事100の画像7

種播時期:昨年秋に苗を入手
現在樹高:50cm
鉢サイズ:6号プラスチック
置き場所:直射日光の当たらない日陰(クーラー室外機横)

昨年は痛むことなく冬を楽々越しました。
非常に水食いで水切れにも弱く、2泊以上の外泊ができません><;
とにかく成長が早く、切っても切ってもどんどん葉を増やします。

●Eucalyptus rudis
fancybox記事100の画像8

種播時期:昨年冬
現在樹高:25cm
鉢サイズ:6号プラスチック
置き場所:直射日光の当たらない日陰(クーラー室外機横)

家の環境に良く合ったユーカリの一つです。
日陰に置いているにもかかわらずどんどんでかくなります。
特にユーカリが参り気味の梅雨時期に大きく成長しました。
少し徒長気味なので乾燥気味の管理を心がけたいと思います。

●Eucalyptus pulverulenta
fancybox記事100の画像9

種播時期:昨年夏に苗を入手
現在樹高:25cm
鉢サイズ:7号スリット
置き場所:直射日光の当たらない明るい日陰

年月は経っているにもかかわらず成長が遅いのは、
色々と不運に見舞われ、植え替えを頻繁に行ったことと、
昨年の過湿気味だった管理と置き場所の悪さからでしょう。
あまり水を必要としないことがわかったので、
今年はかなり乾燥気味の管理を心がけています。

●Eucalyptus crenulata
fancybox記事100の画像10

種播時期:今年春
現在樹高:15cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光の当たらない日陰

日陰で過湿でもグングン成長し、徒長もありませんが、
日照不足のため葉がヨレヨレで少し頼りない感じです。
より日の当たる場所への移動を検討しています。

●Eucalyptus melliodora
fancybox記事100の画像11

種播時期:今年夏に苗を入手
現在樹高:12cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光の当たらない日陰

当初から置き場所が悪かったのですが、
病害にも悩まされずにマイペースに育ってくれています。
もっと日光を当ててあげれば成長の早い品種のはずです。

●Eucalyptus viminalis ssp. viminalis
fancybox記事100の画像12

種播時期:今年夏に苗を入手
現在樹高:25cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が少しだけ当たる日陰

ほんと数週間前にこあら師匠より頂戴した苗です。
真夏の植え替えでもうまくいったので私もなかなかでしょう?w
茎が赤っぽいところが特徴のようです。
今は植え替え後の養生を終えようとしているところです。

●Eucalyptus viminalis ssp. cygnetensis
fancybox記事100の画像13

種播時期:昨年冬
現在樹高:25cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が少しだけ当たる日陰

これも数週間前にこあら師匠より頂戴した苗です。
これも真夏ながらバッチリ植え替えを成功させました。
茎がより緑色なところが特徴のようです。
今は植え替え後の養生を終えようとしているところです。

●Eucalyptus polyanthemos ssp. vestita
fancybox記事100の画像14

種播時期:今年春
現在樹高:10cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が少しだけ当たる日陰

ssp. polyanthemosよりもかなり後に種を播いたのですが、
今は全く同じ大きさに追いついています。
今のところ亜種間での区別は一切つきません。
病害もなく非常に安定して成長しています。

●Eucalyptus cephalocarpa
●Eucalyptus fasciculosa
fancybox記事100の画像15

種播時期:今年春
現在樹高:10cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が少しだけ当たる日陰

比較的安定して成長していますが、
梅雨時期には酷いうどんこ病に苦しめられました。
今もその傷跡が下葉に見られます。。。
最終的にはcinereaのようになるようですが、
今のところ似通ったところは一切見当たりません。
品種識別で判明しましたが、
こちらの品種はcephalocarpaではなく、
fascisulosaという品種になります。

●Eucalyptus uncinata
fancybox記事100の画像16

種播時期:今年夏に苗を入手
現在樹高:15cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が少しだけ当たる日陰

これも数週間前にこあら師匠より頂戴した苗です。
少しだけ根を切ってしまったため、日陰で養生させていますが、
復活後には半日直射日光が当たる場所に移動させる予定です。
いつかツキヌキ状になってくれると期待しています!

パート1はこれで終了です。
パート4まで続きます。
お時間のある方は続いてお付き合いください^^V

# by eucalyptus_k | 2010-08-11 22:47 | ユーカリ(栽培実績)
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