続 困ったユーカリの症状
先日、こちらの記事で紹介した
ユーカリの困った症状ですが、
親愛なるこあら師匠からの情報によると
どうやら菌類による病気の可能性が高そうです。
私は基本的にはトップジンMを使用していたので、
そろそろ別の殺菌剤へローテするために
昨日、早速、ベンレートを購入しました。
今の時期に殺菌剤を使用しても効果は微妙なので、
もう少し暖かくなったら
一斉に殺菌剤を散布したいと思います。
それでは、少しマズイ状況のユーカリたちです。
冬場はどうしても温室管理が多くなり、
湿気がこもりやすいので、
症状が回復に向かうようなことはありません。
この症状はEucalyptus pachylomaにのみ発生します。
というか、全てのpachylomaに発生しています。
葉にシミができて隆起して固くなります。
サビ病?という感じでしょうか?
この症状は下葉から発生して、
徐々に上の方の葉に転移していきます。
感染した葉はしまいには枯れて散ってしまいます。
今のところ有効な対処法はありません。
次にEucalyptus tetrapteraの症状です。
この赤班はその他の品種でも比較的頻繁に発生します。
あまり、広がることはなく、
その葉がダメになってしまう程度ですむことが多いです。
これはEucalyptus viminalis ssp. cygnetensisの症状です。
酷いクロロシス様の症状になり、
葉先がカールして枯れたりします。
新芽が全てこのように貧弱に生えてきます。
下の方の青々とした葉が正常なものです。
この症状は栄養素の不足によるものかもしれません。
次が、こあら師匠のところでも発生していた
Eucalyptus macrocarpa ssp. elachanthaの症状です。
これも全てのssp. elachanthaに発生しており、
ssp. macrocarpaにはほとんど発生しません。
クロロシス様の葉が生え続けて、斑点ができます。
いつになったらまともな葉が生えてくるのでしょうか?
この症状もしまいには葉が枯れてしまいます。
次は菌による症状ではなく、
事故による悲惨な状況のご報告です
マンション12Fのベランダでは、冬~春にかけて、
風速10m以上の強風が吹き荒れることがあります。
このような風が吹くと、立っているのも困難で、
どこかから洗濯物が飛来することもあります
その強風によって、我が家のタオルかけが転倒し、
大切なEucalyptus urnaが折れてしまいました。
パッと見はまともに見えますが、
下の写真の黒いビニタイのところで
ポッキリ折れて皮一枚で繋がっていました。
折れた箇所から上は完全に枯れることもありますが、
このようにしていると、自然とくっついて
修復されていることがあります。
今のところ1週間以上経過していますが、
特に枯れが出たり、萎れることもありません。
暖かくなってから、ダメージが出ることもありますが、
元気に復活してくれることを願っています。
ちなみに、10cm程度のmacrocarpaの苗を
ドバトにポッキリ折られてしまったことがありますが、
そのときもこのように固定していたところ、
無事にくっついて今は50cmを超える株に成長しています。
本当にユーカリの生命力にはびっくりさせられます!- # by eucalyptus_k | 2012-03-20 16:48 | ユーカリ(栽培知識)
困ったユーカリの症状
最近、家のほぼ決まった品種のユーカリに
厄介な症状が発生して困っています。
それは、どのような症状かというと、
まず初めに葉の緑色が薄くなり、
(これは全く色素には変化のない場合もあり)
葉に赤いシミや茶色い斑点が無数にできて、
その後、葉が枯れたりボロボロになったりします。
これは当初、菌類による病気であろうと考えていましたが、
殺菌剤散布による改善は全く見られませんでした。
親愛なるこあら師匠のところでも
同じ症状に悩まされていらっしゃるとのことです。
その記事はこちら>>>
家でこの症状に合う品種は
主に西オーストラリアの品種に多く、
macrocarpa/macrocarpa ssp. elachantha
pachyloma/Moon Lagoonなどに発生します。
特にmacrocarpa ssp. elachantha/pachylomaでの発生率は
ほぼ100%に近くなっているほどに深刻です。
この症状は、
・鉢の小さな(用土の少ない)株から発生する
・植えつけて半年以上経ってから発生する
という特徴があるため、
用土中の物質が関係しているのではないかと推測し、
現地の栽培者にヒントを求めてみました。
その結果、
用土内のミネラル分の不足による壊死
という回答が得られました。
不足している可能性のある成分については
特に回答は得られませんでしたが、
色々試してみると良いと言われました。
基本的にはユーカリは肥料分をあまり必要とせず、
海外の園芸指南書によると、
ほぼ施肥なしでも育てられるとあります。
ところが育てていると、
一部で比較的多肥を好むものも存在することがわかりました。
例えば、Moon Lagoonは比較的多肥を好み、
用土もアルカリ性よりの用土を好む傾向にあります。
上記の症状が発生したMoon Lagoonは
実家の庭で半ば放置気味のもので、
ベランダで多肥気味に育てているものには全く発生していません。
また、こあら師匠のところではtetragonaにも
症状があらわれているとのお話ですが、
家ではtetragonaにはほとんどこの症状は現れていません。
実はtetragonaは実験的に、
植えつけ時に少し多めに苦土石灰を混ぜ込んであり、
もしかするとこれが功を奏したのかもしれません。
別にある硬質赤玉土単用の放置tetragonaポット苗では
二年目から少しこの症状が発生し始めています。
pachylomaはとても深刻で、
一年目の秋くらいから酷い状態になっています。
これも、現在、苦土石灰や有機石灰を多めに与えて様子を見ています。
最も酷いmacrocarpa ssp. elachanthaでは、
早い時期から苦土石灰や有機石灰などを与えていますが、
今のところほとんど改善が見られていない状況です。
総合的で一般的な肥料を与えながら
様子を見るのが最も良い方法ではありますが、
敢えて、各成分ごとに与えていきながら、
その経過を観察していきたいと思います。
取り急ぎは、
Osakano Jieさんがトライされているカキ殻石灰や、
カリウム、マグネシウム、カルシウム、窒素などを
敢えて少し多めに与えながら様子を見ていきたいと思います。
他にも葉面散布できる
効果的な化学肥料がありそうですが、
これはどれも少し高価なので、
親愛なるこあら師匠にお任せしたいと思います- # by eucalyptus_k | 2012-01-27 17:16 | ユーカリ(栽培知識)
新年早々!我が家のユーカリ達
前回の12月初頭の写真に引き続き、
本日撮影したてのユーカリ達を公開します
前回の写真で最も日照の良い場所に置いてあった品種は
同時に寒風に弱いものも多いので、
多くは簡易温室に避難させている状態です。
恐らく多くの品種が温室外でも越冬可能かと思いますが、
敢えて葉を痛ませたくないという考えからです。
こちらが背の高い温室で、
三段のものを二段にして使用しています。
上段は苗、下段は寒さに弱い鉢ものです。
こちらが背の低い方の温室です。
温室の下段をさらに寄って見てみます。
まずは左の大きな温室からです。
銀大葉が目立っているのはmacrocarpaです。
その他ではkruseana/pachyphylla/pachyloma
staigeriana/rhodanthaなどがあります。
この中で本当に寒さが心配なのは
真ん中あたりのとても小さな苗サイズの
socialis/woodwardii/torwood/gongylocarpa
の4品種とpachylomaだけです。
次に右の温室です。
こちらも銀大葉が目立っているのはmacrocarpaです。
左の奥のピンクになっている大葉はpleurocarpa、
右手前の大きな葉のものがtetrapteraです。
小さな葉が特徴的なものは全てdecipiens(亜種3種)です。
このdecipiensが最も寒さに弱いように思います。
既にかなり葉は痛みかけています。
macrocarpaの右横の小さなpimpinianaも
寒さにはまり強くなさそうです。
私の背丈程の高さがあるrisdoniiです。
夏は比較的深緑の葉色をしていますが、
冬になるといきなり銀葉が美しくなってきます。
寒さにはめっぽう強く、冬は寧ろ調子が良いくらいです。
左の銀葉はcrucis、右手前がalbopurpureaです。
さらにその足元に寄ってみます。
右がalbopurpureaで真ん中左の銀葉はgilliiです
左手前がとても珍しいユーカリpruinosaです。
サバンナ出身なので寒さがとても心配でしたが
今のところとくに大きな葉痛みも起こっていません。
次は少し左側を見てみます。
銀葉が美しいのは先程も写っていたcrucis、
そして葉が真っ赤になっているのが
先日ユーカリ紹介で紹介したmelanophloiaです。
このように真っ赤になって葉痛みも激しいです。
albopurpureaの更に手前です。
大きな毛の生えた葉はerythrocorysです。
寒さにはとても弱いユーカリですが、
この大きさになると大阪の冬では問題ありません。
手前の細葉はlehmanniiです。
これも風さえ防げれば葉痛はありません。
さらに奥にあるtenuiramisです。
夏の葉はとっても濃い緑色なのですが、
冬になると別品種かの如く銀葉になります。
とても丈夫で美しく冬こそ本場のユーカリです。
我が家のノッポ君たちです。
どれも寒さに強いというわけではありません。
一番背の高いのがrobusta、右がglobulus、
手前の下葉が紅葉しているのがcamaldulensis、
左下の方で銀葉の美しいものはmaideniiやbicostata、
奥に見えるのがcitriodora(レモンユーカリ)です。
そのレモンユーカリに焦点を当ててみました。
今のところ別に大した葉痛みも起こっていません。
右下で綺麗に紅葉しているのはgrandisです。
これもあまり寒さに強いとは言えませんが、
春になれば一気に復活してくるでしょう。
さらに奥の日当たりの悪いゾーンです。
背の高い丸葉はrudisです。
これは我が家でもトップクラスに寒さに弱いですが、
ここまで大きくなれば越冬は問題ないと思います。
今のところ少しだけ葉が傷んでいる程度です。
真ん中の葉のでかいのはcypellocarpa、
その右横の銀葉はgunniiです。
この辺りは寧ろ冬の方が調子が良くなります。
そこから少し手前にあるsmithiiです。
これも今の時期の方が圧倒的に調子が良いです。
新芽はピンクで少し銀葉がかる部分もあります。
viminalisと比べて、今の時期はかなり白っぽくなります。
右下の方に見えている若葉色の新芽がviminalisですが、
夏には全く見分けがつかなくなります。
次はベランダの右手の方になります。
ここは日当たりは良いですが、
結構風が当たって寒くなります。
右の銀葉ハートリーフがorbifolia、
その左隣がtorquata、
一番手前の銀小葉がMoon Lagoon、
その後ろの銀葉がalbidaです。
ここの品種たちは比較的寒さには強いです。
その左側の場所です。
室外機の下なので暖かく、
養生場所のようになっています。
一番左の銀葉はcinerea、奥の銀葉はperriniana、
手前の背の低い銀葉はaccedensです。
accedens右側の小さなcoolabahと
左側の細長葉のleptophyllaは少し養生中です。
それでも温室内よりは寒いですから、
もう少し樹高が伸びれば屋外越冬は問題なさそうです。
それでは最後に大きな温室の手前にあった
特徴的なユーカリ3種を
紹介して終わりにしたいと思います
どれもあまり寒さには強くないかなと心配でしたが、
今のところとくに葉痛みもないようなので
安心して温室外(真前)に置いてあります。
Eucalyptua urna
これは他にはないようなとても珍しい葉をしています。
生息地はalbidaなどと同じ地域になっています。
写真でわかりますでしょうか?
良く見て頂くと葉が下の図のように生えていることがわかります。
このユーカリ、香水系の中々良い香りがします。
Eucalyptus preissiana
とても大きな緑色の葉をしています。
このユーカリは数メートルの茂み状に育ちます。
下の写真のような黄色い花が魅力のユーカリです。
成長はとっても遅いですが、開花が楽しみですね
Eucalyptus platypus
育ててみるとdecipiensにとても良く似ていますが、
葉には毛が生えており、色々な意味で
decipiensよりも頑丈です。
現地ではmoortと呼ばれて親しまれているユーカリで、
これも下の写真のように花が魅力のユーカリです。
花は写真のようなクリーム色の他に
黄色やライムグリーンなど多岐にわたっているようです。
これから先、厳しい冬を耐えしのんで、
春にはまた元気に育っていって欲しいですね。
皆さんのユーカリの近況も
また聞かせて頂ければ嬉しいです- # by eucalyptus_k | 2012-01-03 20:10 | ユーカリ(栽培実績)
新年のご挨拶とユーカリ
あけましておめでとうございます!!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
ブログの改訂も何とか年越しまでに間に合いました。
今年も当ブログをよろしくお願いします。
少し前(2011年12月初頭)の写真になりますが
ベランダの近況をがわかる写真をいくつか載せてみます。
これは昨年の春の写真です。
そこから冬まででここまで成長しました。
次に各品種をフィーチャーしていきます
左奥の右曲がりなのがrisdoniiです。
これは今年一年でビックリするほど伸びました。
今は私の背丈ほどまで成長しています。
真ん中右の細葉はalbopurpurea、
手前の一番右がerythrocorysです。
この辺りも全て1m級で次年度は開花に期待です!
家のベランダで一番ノッポなユーカリ達です。
右奥の一番高いのがrobusta、右手前がglobulus、
左手前がcamaldulensis、左奥がcitriodoraです。
robustaは私の背丈を軽く超えています。
そしてこれがcamaldulensisの大葉です。
このユーカリの成長力は家のような日照の悪い場所でも
びっくりするほどに爆発的です!
更に奥の写真です。
この辺りはあまり日当たりが良くありません。
右がcitriodoraで左がrudisです。
rudisも家では成長力が抜群で、
これでも既に一年間で数回切り戻しています。
白い葉が綺麗なtenuiramisです。
これも家のベランダの環境に合っているようです。
左奥の丸葉はpolyanthemosです。
そして家では最も調子の良い西AZ軍団のcrucisです。
右奥の真っ直ぐなのはuncinataです。
写真ではわかりにくいですが、この辺りでも、
真っ直ぐに伸ばすと1m近くあります。
ここは最も日当たりの良い場所です。
左から順にmacrocarpa/rhodantha
pluricaulis/kruseanaです。
ベランダの左手に置いてある品種達です。
右の銀葉ハートリーフはorbifoliaです。
左の長い葉のものはtorquataです。
この辺りも早い段階での開花が期待できます!
これも家では爆発的な成長を遂げたcypellocarpaです。
これは何と今年の5月にタネを播いたものです!
右の大きな木はゴールドクレストです。
真ん中の特徴的な細葉は当初ユーカリかと思っていましたが
メディカルティーツリーという植物のようです。
成長が早いので開花してくれないか楽しみにしています。
とても爽やかなミント臭が特徴です。
次は年を越してからの写真をアップしたいと思います- # by eucalyptus_k | 2012-01-03 03:15 | ユーカリ(栽培実績)
【ユーカリ紹介-28】
ユーカリ・マクロカルパ
(Eucalyptus macrocarpa ssp. macrocarpa)続きまして第28回目は
ユーカリ中で最大の赤い花を咲かせ、
ほとんど白色に近いまでの白銀葉の美しさは
まさにユーカリの王者と呼ぶにふさわしい、
ユーカリ・マクロカルパです。
◎ユーカリ・マクロカルパ
【学名:Eucalyptus macrocarpa ssp. macrocarpa】
【英名:Mottlecah / Mottleceae / Desert Mallee
Blue Bush / Bush Rose / Mallee Rose / Rose of the West】
macrocarpaは日本では知る人ぞ知るユーカリですが、
世界的にはかなり有名で、たくさんの英名や呼称を持つ、
ユーカリの王者的存在といえるユーカリです。
ユーカリ、強いては園芸に興味のある人で、
その際立った外観を目にした人は、
咄嗟に育ててみたいと思ってしまうほどに美しいユーカリです。
ところが栽培難易度の高さでも
恐らくユーカリの王者的存在・・・といえます。
macrocarpaは率直に言うと、
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・土が完全に乾いたら即水遣りが必要
・菌に弱く非常に根腐れしやすい
・半日直射日光以上の日照量が最低限必須
・雨の残り雫でも葉が傷み、病気に弱い
・肥料あたりしやすくリン酸を嫌う
・株だけでなく鉢にも日光を当てる必要がある
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といった厄介な性質をもったサボテンを育てるイメージです。
植物は放置が一番という人より、
雨が降るたびにわざわざ鉢を移動するくらいの
非常に熱心でマメな人向きのユーカリといえます。
生息地は西オーストラリア州の州都パースの
東部から北東部にかけて広がる半砂漠地帯です。
年間降水量は250mm(大阪の1/6)程度で
最高気温が50℃近くにまでなるような過酷な環境です。
パースに留学していた従弟に聞いたのですが、
この辺りは夏でも長袖で行動し、帽子や飲料水を忘れると、
気づかないうちに体内の水分が不足し、死に至ることもあるため、
喉の渇きだけではなく、時間を決めての給水が必須とのことでした。
また、夏はほとんど雨が降らずに
雨のほとんどは冬季に集中していることも、
日本と真逆の環境であることがわかります。
この環境の違いからmacrocarpaは高温多湿を極度に嫌います。
樹木としては大きくても3m程度といった低木で、
Bush(茂み)という名称からもわかるように、
木というよりは藪のように広がって育ちます。
西オーストラリア出身のユーカリには
原住民アボリジニーの言葉による
名前を持っているものがいくつかあります。
このmacrocarpaも
Mottlecah(モトレカ)やMottleceae(モトルセア)
といったアボリジニーの言葉による名前があります。
現地ではMottlecahと呼ばれているようです。
ちなみに学名のmacrocarpaは、大きな実の意味です。
花がユーカリ中で最大ですから、
必然的に実もユーカリ中で最大ということになります。
macrocarpaの最大の魅力は何といっても
まずその白銀大葉の美しさではないでしょうか
十分日光に当たり、乾燥気味に育てられた
健康な株の葉の長さは15cm近くにもなります。
写真の株で10cm程度の長さがありますが、
これでもかなりダイナミックで圧倒される外観です。
またもう一つの魅力は
直径10cmにもなるユーカリ中で最大の花でしょう。
この花はただ大きさが最大であるだけではなく、
茂みの薔薇に例えられるほど美しい花でもあります。
下の写真は開花を実現することができた、
実家の庭のmacrocarpaです!
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実家の庭のmacrocarpaが開花!
※更に詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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この花を咲かせることは、
macrocarpaを育てる人にとって、
ある種のゴールであるといえると思います。
このmacrocarpaの花を咲かせるためには
タネを播いてから平均以上の環境・状態で育てて、
最短で5年程度かかるといわれています。
これは丈夫な株、十分な樹高(1m以上)へと育ち、
花を咲かせるための体力を維持できるほどに
根を伸ばすまでにかかる年月と言われています。
ただ栽培環境が良ければ、
3年程度での開花も可能なようです。
macrocarpaが日本で花を咲かせる時期は
ミモザアカシアと大体同じで早春と言われています。
蕾は夏~秋口にかけてでき出して、
そのまま越冬することになります。
急な寒波で蕾が傷んでしまうことがあるため、
蕾ができてからはマメなケアが必要とのことです。
macrocarpaの育て方のポイントとしては
下記のような感じです。
<水分管理>
鉢の表面はカラカラに乾いているのに、
土をひっくり返してみると
中はまだ湿っているといった状態を嫌います。
用土の中の方の状態までは中々わかりませんから、
日光の良く当たる風通しの良い環境で育てて乾燥力をあげます。
スリットポットなどのように底面からも
用土の乾燥状態を確認できる鉢があると便利です。
水切れ耐性をそこそこ兼ね備えており、
水が切れると大きな葉が犬の耳のように垂れさがります。
真夏でもそこから1日程度であれば枯れることはありません。
どうしても水分管理に自信がない人は、
葉が垂れさがったら水遣りを心がけるといいでしょう。
ただし、毎日確認することを忘れないでください。
夏季にフルタイム直射日光の環境で育てていると、
macrocarpaは何て水切れが早いのだろうと思われることでしょう。
夏季に株から鉢まで1日中直射日光が当たっている暑い場所なら、
macrocarpaは確実に1日1回程度の水遣りが必要になります。
ところが最高気温が30℃を切った途端に
その激しい吸水量はびっくりする程激減します。
慣れていない人は、毎日の最高気温をチェックして、
水遣りをしっかりと調整していく必要があります。
この吸水量の変化に気づけずに枯らせることが多いです。
我が家のベランダは日照がイマイチのため、
最高気温が30℃を切った途端に
鉢表面からの吸水をストップして、
完全に底面吸水のみにチェンジしています。
また、株には非常に良く日光が当たっているのに、
鉢や鉢土に日光が当たっていない場合なども
あまり生育がうまく進まないことがあります。
下記は吸水量の変化の目安です。
※これはあくまでも目安です!
※実際の結果は環境によって大きく変化します。
※どのくらい大きく変化するかの目安にしてください。
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※終日直射日光の当たる環境で晴れの日が続いた場合
気温30℃以上 ... 毎日1回の水遣り
気温25℃以上30℃未満 ... 3日に1回の水遣り
気温20℃以上25℃未満 ... 5日に1回の水遣り
気温20℃以下 ... 週1回程度の水遣りか底面吸水
冬季 ... ほぼ断水か底面吸水のみ
※20℃以下の底面吸水は3日に1回程度
※冬季の底面吸水は5~7日に1回程度
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<雨の管理>
用土の乾燥力と日照さえ十分であれば、
必ずしも必須の条件ではありませんが、
雨は極力避けた方が無難なようです。
完全に雨ざらしと雨を避ける環境では、
後者の方が健康で葉も綺麗に育っています。
特に梅雨時期はmacrocarpaには雨量が多すぎるため、
この時期だけでも雨が降ったら軒下に移すなどすると良いです。
軒下に置きっぱなしでもかまいませんが、
その際は日照量と風通しには気をつけてください。
梅雨時期など湿度の高い環境下で
葉に水がたまると中々蒸発せずに葉が傷むことがあります。
また冬季も葉にたまった水が冷えて、
枯れが出ることがありますので、
葉に水がかかったときには、軽く葉をゆすって
葉にたまった水を落とすようにしてください。
<肥料について>
全く与えないか、化成の置肥を指定量以下で与える程度でOKです。
また成長期に少し液肥を与えるのもOKです。
置肥や液肥はリン酸分が少なく、
窒素やカリウム分の多い肥料にすると良いでしょう。
ユーカリの中では、とても鉄分を必要とするユーカリで、
pHが上がり過ぎると、鉄分欠乏症の症状が出ることがあります。
化成肥料の与えすぎには十分注意してください。
葉面散布の鉄分系肥料などは効果的です。
※macrocarpaは酸性~弱酸性のpHを好みます。
基本的には荒れた貧しい大地を好む品種のため、
植え替え時に肥料を混ぜ込むのは止めた方が良いでしょう。
成長速度を上げたい場合には肥料ではなく、
macrocarpaの好む環境づくりをした方が効果的です。
<日光について>
半日以上直射日光の当たる環境が最低限必要で、
1日中ガンガンに直射日光が降り注ぐような環境が望ましいです。
ただし、半日陰程度の日照はあくまでも最低限で、
この場合は著しくパフォーマンスが落ちます。
元気に丈夫な株を育てたい場合には、
フルタイム直射日光が必須になるでしょう。
また、夏は少し涼しい場所よりも、
コンクリートやアスファルト、レンガなどの照り返しがきつく、
地上付近の温度が異様に高くなるような場所が寧ろ向いています。
葉の白さからもわかるように強烈な日焼け止めを持っていますので、
遮光は一切不要、葉焼けなどすることはありません。
※ただし日陰にあった株を急に夏の日差しに当てるのはアウトです。
いつまで経っても葉が大きくならないのは日照不足が原因です。
日照不足の場合は、激しいうどんこ病の被害が出ることがあります。
macrocarpaはうどんこ病にはかなり弱いユーカリです。
日照不足はそのまま水分管理の難易度を大幅に上げます。
十分な日照環境を完備することが最も重要なポイントになります。
また、葉だけでなく、鉢や用土にも良く日光を当てて、
鉢内の土中温度と乾燥力を上げることも成長力増進に役立ちます。
ここまで書くとかなり難しいと思われるでしょうが、
難しいというよりはとにかくマメに育てる必要があります。
旅行や出張が多い人や片手間の人には少し辛いかもしれません。
どうしても自信がないという人は、
kruseana/lehmannii/tetragona/albida/crucisといった
西オーストラリアのユーカリをまず育ててみて、
その水分管理の特徴を身につけると良いと思います。
macrocarpaの耐寒性ですが、思っていたよりもかなり強く、
一般的には-7℃程度までは大丈夫です。
うまく育てればもっと頑張れそうな気がしています。
-5℃程度でもほとんど葉痛みはありませんでした。
葉が分厚いためか、寒風にもかなり強かったです。
ただし、冬季の水分管理はよりデリケートになりますので、
冬季は葉が垂れさがったら水遣りをするか、
たまに行う底面吸水のみで乗り切った方が良いでしょう。
冬季の吸水の少なさにも本当にびっくりさせられます。
80cm近い大きな株が、月に1回か2回の水遣りで十分なのです。
ただ月に何回という水遣りはあまりよろしくないですし、
用土によっては月に1回の水遣りでも傷むことがあります。
※無駄な水分が用土内にいつまでも残るため。
日照や風通しがあまり良くない場所で管理する場合には、
たまに行う底面吸水で乗り切った方が良いです。
寒さが心配だということで、
冬季に室内で管理するのは絶対に止めましょう!
室内管理は鉢に余分な水分が残るために根が傷み枯れます。
私や先人の室内管理での枯死率は100%です><;
最近、良く栽培のポイントなどでお話ししていますが、
冬季に寒さが心配な人は、
ホームセンターなどで売られている簡易温室に入れましょう。
もちろん昼間は扉全開で
気温がマイナスにいくような日の夜間のみ扉を閉じます。
macrocarpaは本当に思っていたよりも寒さには強いユーカリです。
水分管理については梅雨時期と冬を乗り越えることができれば、
もうマスターしたようなものです!
気になるmacrocarpaの香りですが、
これがかなり良い香りで香り自体も中々に強いです。
手で葉を軽くはたいただけでほんのりと良い香りが漂います。
また水遣りのときなどに葉に水をかけたときも微かに香ります。
シネオールベースの香りですが、爽やかな花の香りがします。
葉をクラッシュして強く香ると、
シネオールの香りが強くなってしまいますが、
軽くはたくなどで微かに漂わせる方が
花の香りが強くなって、魅力的な香りに感じます。
最近良く見かけるようになったmacrocarpaですが、
もし興味のある方がいらっしゃったら
在庫をお持ちの素晴らしい農場をご紹介します。
macrocarpaはタネから販売できる苗サイズにまで育てるのが、
非常に厄介で手もかかり難しいのです。
これがネックで過去に生産を断念した栽培業者もいたほどです。
そのため、少しだけ値は張りますが、何卒ご理解ください。
macrocarpaに関しては、私もずっと勉強中です。
もしmacrocarpaを購入された方がいらっしゃったら、
一緒に情報をシェアしながら育てていけたらと思っています。
もしよろしければ、
この記事に非公開でメアドを書いてくださるか、
お問い合わせフォームからお問い合わせをいただければ
必ずメールを返信させていただきます。
よろしくお願いします。
この記事で興味を持った人が
macrocarpaを育てるようになったらいいなと思っています。
本当に写真で見るよりもっともっと美しいですよ!
macrocarpaを育てる技術を確立して、
macrocarpaを育てる人を日本に増やして、
macrocarpaを日本に溢れさせること。
ユーカリに本格的に手を出そうと決めた
私の大きな夢の一つなんです。
最近良く見かけるようになったことに、
少しこのブログが貢献できていたら嬉しいです
------------------------------
<栽培難易度:E+>
香良さ:★★★★★
香強さ:★★★★★
成長力:★★
要水分:★
耐過湿:☆
耐水切:★★★★
耐日陰:☆
耐移植:★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★★★★
耐病虫:★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい- # by eucalyptus_k | 2011-05-02 17:37 | ユーカリ紹介