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2010/5/1 大量の鉢上げ完了!

先日から大量の鉢上げを行っています。
今のところ葉を落とすものが出たり、
先日の強風で新芽が飛んでしまったり等ありましたが、
一種たりとも枯らすことなく、鉢上げを完了しました。

これは自分としては極上の成果です。
思えば、先年は植え替えの失敗で
多くのユーカリを枯らせてしまいました。
ユーカリ紹介で載せているいくつかのユーカリも
今はもうここには存在しなかったりします。。。


枯らせた時はマジで半泣きでした。
そんな悔しさをバネに何とかここまできました。
今、鉢に植わっているユーカリは31種
そしてこれから鉢上げを待つものが45種
それをベランダに全て配置する。
遂に驚異的なマニアの領域に来てしまいましたね。
でもやるからにはしっかり育てますよ。

それでは、先日鉢上げを完了したユーカリ達をご紹介します。
極力植え替えによる根の痛みを避けるために
小さな苗のうちから5~6号鉢に鉢上げしています。
植え替え日は1~2週間前くらいで撮影日時は4日前です。

●Eucalyptus albida
fancybox記事79の画像1

西オーストラリア軍団なので心配していましたが、
植え替えによる痛みもなく安心しました。
植え替えてからはまだあまり成長していません。
こんな小さな苗ですが根は6cm以上ありました。
用土は肥料分なしの砂漠Mixです。

●Eucalyptus pulverulenta 'Baby Blue'
fancybox記事79の画像2

冬季に播いたのですが、成長はかなり早く、
植え替え時には結構大きくなっていました。
根も10cm以上あり、安心して植え替えを行えました。
植え替え時にもかなり良い香りを漂わせていました。
用土は標準のユーカリ用土です。

●Eucalyptus camphora
fancybox記事79の画像3

去年の秋に播いた苗なのでかなり大きくなっています。
成長力は旺盛なのですが、ウドンコ病にかかりやすいです。
薬はすぐに薬害を引き起こすため、困っています。
用土は保水性を高く、堆肥分を若干多めにしています。

●Corymbia citriodora
fancybox記事79の画像4

これは同居人の両親に頼まれたものです。
ボリュームが欲しいので敢えて2株植え込んでいます。
私が育てていくものではないので
用土は一般的な樹木培養土に近くしています。

●Eucalyptus cordata
fancybox記事79の画像5

ユーカリ紹介で載せた株は植え替えで枯らせてしまい、
新たに種を播いて、この苗を育てています。
葉に模様があり、日が当たると白く見えるのが特徴的です。
水が大好きなので用土は保水性を若干上げています。

●Eucalyptus decipiens ssp. decipiens
fancybox記事79の画像6

こあら師匠の農場より購入した元気な苗です。
昨年の秋頃に購入したもので、
冬は完全に成長をストップしていました。
最近暖かくなりだしてから急に成長を始めています。
用土は肥料分なしの砂漠Mixです。

●Eucalyptus extrica
fancybox記事79の画像7

tetragonaのGreenで成長は激遅いです。
でも根はかなり育っており6cm以上ありました。
このままのペースでは先が思いやられます。
用土は少し保水性を上げた砂漠Mixで、
pHを若干アルカリに寄せています。

●Eucalyptus gillii
fancybox記事79の画像8

一度は立ち枯れ病で全滅させてしまい。
再トライした当初は小さな苗のままで心配していましたが、
野外に出してからはぐんぐん成長していきました。
植え替えてからはまだあまり成長していません。
用土は標準のユーカリ用土に軽石を加えています。

●Eucalyptus glaucescens
fancybox記事79の画像9

去年の夏に初めて播いたユーカリ種播第一号です。
成長は比較的緩慢ですが、元気に育っています。
オーストラリア産とニュージーランド産では
少し外観が異なるようで、こちらはオーストラリア産です。
用土は標準のユーカリ用土です。

●Eucalyptus goniocalyx
fancybox記事79の画像10

こあら師匠の農場より購入した元気な苗です。
昨年の秋頃に購入したもので、
冬もささやかながら成長を続けていました。
最近暖かくなりだしてから激しく成長しています。
用土は標準のユーカリ用土です。

●Eucalyptus kruseana
fancybox記事79の画像11

こあら師匠の農場より頂戴した苗です。
冬の寒さで痛み、全体が紫色で
まるで枯れているかのようでしたが、
暖かくなってからぐんぐん成長を続けています。
最初はヨレヨレの葉ばかりが出てきていましたが、
最近はしっかりとした葉が出始めてきました。
用土は肥料分なしの砂漠Mixです。

●Eucalyptus macrocarpa ssp. macrocarpa
fancybox記事79の画像12

冬季室内では立ち枯れ病で育成不可能かと思われましたが、
トップジンMの導入と野外育成に切り替えてからは
立ち枯れは一切なく、順調に育っていて恐ろしいくらいです。
このまま引き続き順調に育ってくれることを願っています。
用土は砂漠Mixに少しピートモスを加えています。

●Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha
fancybox記事79の画像13

冬季室内では立ち枯れ病で育成不可能かと思われましたが、
トップジンMの導入と野外育成に切り替えてからは
立ち枯れは一切なくなりました。
この苗は植え替え時にミスって根の2/3を切ってしまいました。
翌日にはお辞儀をして、もうダメかと諦めていましたが、
持ち直してくれて、何とか大丈夫そうです。
ssp. macrocarpaに比べると成長がより遅いです。
用土は肥料分なしの砂漠Mixです。

●Eucalyptus melanophloia
fancybox記事79の画像14

マニアックなユーカリですが、比較的順調に育ってくれました。
元々はかなり綺麗で明るい緑色の葉をしているのですが、
寒いうちから野外に出したところ、色あせてしまいました。
植え替えてからはまだあまり成長していません。
用土は標準のユーカリ用土です。

●Eucalyptus parvula
fancybox記事79の画像15

強健で成長もそこそこ早いので、安心して植え替えられました。
植え替えてからも問題なく成長を続けています。
根も10cm近くまで成長してくれていました。
用土は標準のユーカリ用土です。

●Eucalyptus pleurocarpa
fancybox記事79の画像16

tetragonaのSilverで成長はExtricaよりましですが遅いです。
これも同様にこのままのペースでは先が思いやられます。
用土は少し保水性を上げた砂漠Mixで、
pHを若干アルカリに寄せています。

●Eucalyptus pruinosa
fancybox記事79の画像17

去年の秋から播いたもので
たくさんの苗の中から淘汰されて一本だけ生き残った苗です。
これは珍しく予備苗を一切用意していません。
とにかく地道に地道に成長を続けています。
用土は標準のユーカリ用土に軽石を加えています。

●Eucalyptus rhodantha
fancybox記事79の画像18

macrocarpaの類似種でとにかく成長が激遅いです。
まず発芽に恐ろしく時間がかかり、
そこから本葉が出るまでに1カ月は普通にかかります。
おそらくかなりの高温が必要なのだと思います。
時間をかけて、何とか順調に育った期待の一苗です。
植え替えてから少し葉の痛みが出ていますが、
見ている限りでは大丈夫そうです。
植え替えてからはまだあまり成長していません。
用土は肥料分なしの砂漠Mix強乾燥Verです。

●Eucalyptus robusta
fancybox記事79の画像19

強健でトップクラスに育てやすいユーカリです。
冬季の間の成長は緩慢でしたが、
暖かくなってからは非常に激しく成長しています。
ウドンコ病にかかりやすいのが難点です。
とにかく新芽の明るい緑色が美しいです。
里親募集で人気がないのが不思議なくらいです。
水が大好きなので用土は保水性を若干あげています。

●Eucalyptus rubida
fancybox記事79の画像20

植え替えてから何の痛みもなく、
置き場所も悪いのに、一番順調に成長しています。
綺麗な丸葉ユーカリになるとのことですが、
この葉が本当に丸葉になるのか半信半疑です。
用土は標準のユーカリ用土です。

●Eucalyptus rudis
fancybox記事79の画像21

植え替えてから何の痛みもありませんが、
成長もなく、ほとんど変化が見られません。
そのくせに短時間で太陽の方向へすぐに向きを変えます。
一日に何度もくるくる鉢を回さなければいけません。
用土は少し保水性を上げた砂漠Mixです。

●Eucalyptus urnigera
fancybox記事79の画像22

fancybox記事79の画像23

植え替えてから比較的日が浅いので、
今のところ大きな変化はありません。
上の写真が通常のurnigeraで、
下の写真がより白色の強いurnigeraです。
この2種類を同じ鉢に植えてみました。
今の段階では幹の色以外余り違いは感じられません。
用土は標準のユーカリ用土です。

今回はとにかく写真ばかりのネタになりました。
今後も鉢上げしたものを適宜アップしていきます。
自分の育成記録にもなりますので、
何卒お付き合いの程お願いします!

# by eucalyptus_k | 2010-05-01 03:24 | ユーカリ(栽培実績)
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ハートリーフユーカリの品種特定

世間ではハートリーフユーカリという名称で
販売されているユーカリがたくさんあります。
もちろんそんな学名のユーカリはありませんので
販売用に名付けられた販売名ということになります。

日本でハートリーフユーカリというと、
一番有名なのが何といっても
polyanthemos(ポポラス)です。
フラワーアレンジ等で良く使われる品種としてお馴染みですね。

そのため、ハートリーフユーカリ=polyanthemos
として売られていることが多いです。
ところが実際はハートリーフ名で売られているものは
ほとんどがorbifoliaであることが多いです。

このたび、Osakano_Jieさんがお育てになっている
ハートリーフユーカリの特定を行いました。
もちろん正答率100%とはいきませんが、
私が今まで色々調べてきた知識と経験に照らし合わせて、
この品種はorbifoliaであると特定しました。

Osakano_Jieさんは、わざわざその葉をお送りくださいました。

fancybox記事78の画像1

この葉を早速拝見して、
私が所持しているorbifoliaの葉と似ていると思いました。
下の写真が私の所持しているorbifoliaの写真です。

fancybox記事78の画像2

そして次に、葉を一枚裂いて、その香りを嗅がせていただきました。
非常に爽やかで、ほんのり甘い、柑橘系の香りがしました。

ここで、その外観と香りから判断して、
polyanthemosではないなと特定しました。

外観については、うまく表現できないのですが
とにかくたくさん見てきた経験です。
polyanthemosorbifolia
とにかくたくさん見ていただくと必ずわかります。
葉の付き方、葉脈、葉の形、色、見所はたくさんあるのですが、
下の写真がpolyanthemosの特徴を明確に表している一枚です。

fancybox記事78の画像3

香りについては、polyanthemosはシネオールの濃い品種です。
pulverulentacinerea等のような、
スーッとしたペパーミントや樟脳のような香りがします。

polyanthemosではなく、甘く爽やかな柑橘系の香り、
ということで、絞られるのは
orbifolia、websteriana、decipiensの三種です。
私のブログでハートリーフ三兄弟と呼んでいる3種ですね。

この3種の特定は非常に難しいです。
はっきりいって100%の正答率を出すことは不可能です。
よってここでは違った見方で特定していきます。

まず、decipiensはこの三種の中で少しだけ外観が異なります。
比較的、ツル性植物のような生え方、
真っ赤な幹の色、そして他種に比べて葉柄が短いことです。
また日本では余り見かけることのない品種でもあります。
上記の特徴と比較して、decipiensではないと特定しました。

次にorbifoliawebsterianaの比較ですが、
これは外観での判別はほぼ不可能です。
敢えていうならば、orbifoliaの方が新芽が白くなる、
websterianaは新芽のうちから綺麗なハート型だが、
orbifoliaの新芽は団扇型の傾向が強い、
orbifoliaは中心の葉脈以外目立たない、
orbifoliaは幹が緑~黄色でWebsterianaは赤茶色、
orbifoliaの方が葉の大きさが大きくなる。
といくつか特徴をあげることはできるのですが、
これは個体差で十分潰されてしまう程度の特徴です。

まず上記の特徴に照らし合わせてみると、
orbifoliaの可能性が高いと思われました。

次が決め手の要因です。
websterianaはとにかくマニアックで激レアです。
私も種子の輸入を試みましたが、
いくつかの種屋で手に入らないと断られました。
(今は何とか販売している種屋を発見しています。)

そのため、親愛なるこあら師匠の農場で苗を購入しました。
それから色々調べているうちに、websteriana
日本ではこあら師匠の農場にしかないと気づきました。

現地でも知る人ぞ知る品種で生息地も非常に限られています。
またユーカリ栽培の盛んなアメリカやイギリスでも
websterianaはほとんど知られていません。
そんなマニアックなユーカリが日本で売られているはずがない。
それに反して、orbifoliaは結構たくさん売られています。
ハートリーフ名でネットでいくつか見つけることもできます。

Osakano_Jieさんは特定対象のハートリーフユーカリ
こあら師匠の農場で購入されたわけではありません。
よって、最後の要因、日本での流通を考えて、
Eucalyptus orbifoliaであると特定しました。

最後にpolyanthemosは大阪の冬に野外に出しておくと、
紅葉のように赤く紅葉することになります。
orbifoliaは紅葉することなく、
冬でも葉をほとんど傷めずにいきいきと育ちます。

# by eucalyptus_k | 2010-05-01 00:34 | ユーカリ(品種知識)
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いつもマニアックなブログをありがとうございます!

いつもマニアックなブログを
わざわざ読んでいただいて本当にありがとうございます。


今は精油の話とか西オーストラリアのユーカリとか
勝手にハマっちゃっていますが、
ユーカリって本当に日本では情報が少ないのです。

こんなことを言ったら怒られちゃいますが、
多分変な文献を読んだり調べたりするよりも
こあら師匠のユーカリ農場でユーカリ購入の際に
師匠のお話を拝聴する方が遥かに参考になります。

ぶっちゃけ日本の本とか結構読んだんですが、
今考えると結構違うなってことがあるんです(笑)。
多分、日本でメジャーなユーカリのgunniiglobulus等に
限定したお話になっているのかなと思っています。

では、このマニアックな知識はどこで得ているのでしょうか?
実は今は90%が海外のWebサイトや文献
残りの10%は実際の栽培者との情報交換です。
また、海外の栽培者や園芸家との情報交換も非常に参考になります。

私はこれでも英文学科卒で、ホームステイや留学をしたり、
英語圏一人旅が趣味だったので英語だけは何とかなるのです。

でも、園芸やユーカリ固定の専門用語が多発で
本当に日々泣きそうになることが多いです><;
※例えば双葉ってcotyledonと言ったりするんです。

今は海外から取り寄せた「EUCLID」という、
ユーカリ識別機能付きの
ユーカリ辞典ソフトを片手に頑張っています。
これは凄くお役立ちなのですが、
専門用語多発の英語オンリーソフトです(苦笑)。

そして、今凄く凄く欲しい本があります。
もちろん英語オンリーの本ですが、
凄くユーカリについて詳しく書かれています。
化学的な観点からのお話や精油の話も満載です。

Eucalyptus: the genus Eucalyptus
fancybox記事77の画像1

欲しい欲しい欲しい~っ!
でも、17,000円以上もするのですよ。。。><;
誰か私にこの本をプレゼントしてくださーい

# by eucalyptus_k | 2010-04-23 02:24 | その他
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ユーカリに含まれている精油成分について(1)

今日は最近調べた情報について書きます。
ユーカリに含まれている精油成分についてです。
まずはどんな成分が含まれているかをご紹介します。

<ユーカリに含まれている成分>

1.シネオール
殺菌・消炎効果、清涼作用があり、鼻や喉にも良く、
ちまたでは花粉症に効くなどと言われています。
別名ユーカリプトールともいうユーカリの主成分です。
樟脳に似た、スーッとした爽やかな香りがします。
メンタームの匂いといったらわかりやすいでしょうか。

2.ピネン
松に多く含まれる森林浴的芳香のする成分。
ヒノキやスギ等のその他の針葉樹にも含まれ、
新しい木の家具や木造の住宅から香る木の香りの元です。
良く香るとパイナップルのような香りにも感じられます。
殺菌・消炎効果があり、高いリラックス効果があります。

3.フェランドレン
高い鎮咳効果を持つペパーミント+柑橘系の香りがする成分。
名称はEucalyptus radiataの旧学名に由来します。

4.ピペリトン
ミント系の植物に多く含まれるペパーミントの香りがする成分。
精神高揚・鎮咳効果があり、虫やダニに対する忌避効果もあります。
また利尿作用があるともいわれています。

5.パラシメン
鎮痛・鎮静効果があり、
非常に爽やかなシトラス調の香りがする成分。
タイムなどのハーブにも多く含まれています。

6.アロマデンドレン
鎮静・消炎効果があり、
ユーカリの芳香成分として近年認められました。
ウッディーな香りを軸に、非常に甘みが強く官能的な香りがします。
甘い香がするユーカリの芳香成分の中心となっています。

7.グロブロール
高い殺菌・消炎効果、抗ウイルス効果、ホルモン様作用のある成分。
Eucalyptus globulusから発見された芳香成分で
ミントのような香りを軸に、
少し甘みのあるウッディな香りがします。

8.リモネン
細菌の感染を防いだり、消炎効果や精神高揚効果のある成分。
オレンジの皮などに多く含まれ、
少し甘みのあるオレンジの香りがします。

9.エステル
鎮静・鎮痛・消炎効果があり、りんご、マンゴー等
主なフルーツの香りの主成分です。
香料として評価が高く、甘く官能的なフルーツの香りがします。

10.アルデヒド
殺菌・消炎効果、抗ウイルス効果、
虫の忌避効果、免疫刺激作用のある成分。
食品の香料にも多く使用され、
少し青臭さのある甘酸っぱい香りがします。

11.テルピネオール
細菌の感染を防いだり、
消炎効果や神経の調整、催眠効果のある成分。
甘く爽やかなライラックの花のような香りがします。

12.テルピネン
殺菌・消炎効果、組織再生作用、
鬱滞除去作用、静脈強壮効果のある成分。
化粧品の香料等に使用され、
シトラス調のトロピカルで甘い香りがします。

13.テルピネン-4-オール
高い殺菌・消炎効果、抗ウイルス効果、
副交感神経強壮効果のある成分。
ティーツリーに多く含まれ、
ウッディ調でスーッとした香りがします。

14.ユーデスモール
蒼朮という漢方薬や生姜に多く含まれ、
胃腸機能改善や利尿作用があり、
解熱効果や疲労回復、抗鬱作用まである非常に優れた漢方成分。
甘辛くツンとした強い木や草の香りがします。

15.ビシクロゲルマクレン
鎮静効果、抗アレルギー作用、通経作用のある成分。
オーストラリア出身のハーブに多く含まれ、
スパイシーな木の香りがします。

16.スパスレノール
ホルモン様作用、鬱血除去作用、強壮刺激効果のある成分。
ハーブ調でフルーティーな強い香りがします。

17.ピノカルべオール
細菌の感染を防いだり、消炎効果や神経の調整効果のある成分。
パイナップルのような爽やかでフルーティーな香りがします。

18.オシメン
鎮静・消炎効果があり、様々な花の香りに多く含まれている成分。
甘くて爽やかなシトラスライムのような香りがします。

19.カリオフィレン
鎮痛・消炎効果、高い通経作用があり、
更年期障害や月経前症候群等にも効果のある成分。
シクラメンや黒胡椒、クローブ等に多く含まれ、
やや甘みのあるウッディーでスパイシーな香りがします。

20.クリプトン
細胞保護効果と高い殺菌・抗ウイルス効果のある希少成分。
非常にソフトでウッディーなペパーミントの香りがします。
軽い神経毒性があるため、使用には注意が必要です。

21.レプトスペルモン
鎮静・消炎効果があり、高い殺菌効果のある成分。
マヌカに多く含まれ、ソフトで甘く優しい花の香りがします。

22.ネロリドール
高い鎮静効果や通経作用があり、
鬱滞除去作用、更年期障害等にも効果のある成分。
ネロリ精油に含まれ、フェロモン香水としても利用されます。
ウッディな香りの奥に非常に官能的な花の香りがします。

23.リナロール
鎮静・殺菌効果、免疫調整・
強壮刺激効果や血圧降下作用のある成分。
ローズウッドに多く含まれ、
ラベンダー等の花の香りの元になります。
香料として評価が高く、ラベンダーやスズランの花の香りがします。

24.シトラール
消炎・鎮痛・鎮静効果、
血圧降下作用、抗ヒスタミン作用のある成分。
レモンやグレープフルーツのような爽やかな香りがします。

25.シトロネラール
消炎・鎮痛・鎮静効果、虫の忌避効果、殺虫・殺菌作用がある成分。
レモンそのままの香りがします。山椒の芳香成分にもなっています。


細かいところを言えば、まだまだたくさん含まれていますが、
特に主要なものをいくつかピックアップしました。
次回はどのユーカリにどの成分が含まれているかをお話します。

# by eucalyptus_k | 2010-04-14 19:16 | ユーカリ(品種知識)
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【ユーカリ紹介-14】
ユーカリ・ウェブステリアナ (Eucalyptus websteriana)

続きまして第14回目は
ハートリーフユーカリのレアもの品種。
ハートリーフ三兄弟の中で
もっともスタンダードなサイズのハートリーフ。
ユーカリ・ウェブステリアナです。

◎ユーカリ・ウェブステリアナ
【学名:Eucalyptus websteriana】
【英名:Webster's Mallee / Heart-leaved Mallee】

fancyboxウェブステリアナ(Eucalyptus websteriana)の画像1

fancyboxウェブステリアナ(Eucalyptus websteriana)の画像2

fancyboxウェブステリアナ(Eucalyptus websteriana)の画像3

ハートリーフユーカリと呼ばれるユーカリは数多く存在しますが、
私が本当にハートリーフの葉形だと思う3種を
勝手にハートリーフ三兄弟と呼ぶことにしています。

----ハートリーフ三兄弟----------------------------------
●Eucalyptus orbifolia(オービフォリア)
●Eucalyptus websteriana(ウェブステリアナ)
●Eucalyptus decipiens(ディシペンス)
----------------------------------------------------------

この3種の中で、最も葉のサイズがスタンダードな大きさで、
一番手頃で可愛くて誰にも好かれそうなのがwebsterianaです。

ところが、実際、この3種は非常に良く似ていて、
素人が識別するためには、大きく育てて、
花が咲いてからの蕾や実の形状、
樹皮や樹形で判断するしかないほどです。

敢えてwebsterianaの特徴を挙げるのであれば、
幹の色は赤茶色で、葉は最も整ったハート型、
葉の真ん中に通っている主葉脈だけでなく
葉の端まで広がる葉脈も良く目立ち、
葉柄が短く、左右対称に葉がつきやすいというところでしょうか。
また、新芽はorbifoliaほどではありませんが綺麗な白銀色になります。

また、このwebsterianaは三兄弟の中で最もレアな品種です。
写真の株は親愛なるこあら師匠の農場で購入したものですが、
おそらく日本ではここにしかないものと思われます。

実は私もタネを購入しての栽培を試みたのですが、
中々タネを手に入れることができず、
大手のタネ屋も音をあげるような始末でした。

日本でハートリーフ三兄弟らしきユーカリを見かけたら、
かなりの確率でorbifoliaだと思って良いと思います。

三兄弟は全て西オーストラリア出身のユーカリですが、
websterianaはその中でも南西部内陸の
ごく限られた一部の地域にしか生息していません。
この辺りからも非常にレア度の高いユーカリ
であることがわかります。

西オーストラリアのユーカリは
比較的寒さには弱いと言われていますが、
このwebsterianaは大阪の冬なんてものともしません。
冬を感じさせないくらい元気に新芽を伸ばしていくほどです。

オーストラリアの内陸部は夜間がかなり寒くなるようなので、
実はかなりの耐寒性を持っているのかもしれませんね。
恐らく-7℃くらいまでは耐えられると思います。

websterianaの成長はユーカリ中でもかなり遅い方です。
プロでも1m近くまで育てるには数年を要するようです。
どちらかというと温度の高い季節をメインに成長します。
急に成長したなと思ったらしばらく動きがなかったりと、
成長については中々読めない品種です。

websterianaユーカリ中で最も水を必要としない品種の一つです。
またorbifoliaと同じく、過湿には非常に弱いところがあり、
少しデリケートな水分管理が必要になります。

植え替え直後でもなく、しっかりと日光に当てているにも関わらず、
葉がパラパラと散ることがあったら十中八九は過湿が原因です。

一般的な観葉植物などとは比べ物にならない程に
超乾燥気味に管理することが望ましいでしょう。

また、あまり肥沃ではない土壌を好むことも大きな特徴です。
わずかに耐陰性を備えてはいるようですが、
基本的には、日光が大好きな品種ですから、
できる限り直射日光の当たる環境で管理してください。

慣れない人は、ワンサイズ小さな鉢で育てると、
過湿を避け、問題なく育てられることと思います。

用土は軽石や川砂を配合した乾燥気味のものを使用します。
また水遣りは用土が完全にカラカラに乾いた時がタイミングです。

私のところのwebsterianaは樹高50cm程度、
6号のプラスチック鉢で半日陰に置いています。
それでも真夏では乾燥気味の用土のため、
真夏には表面が一日で乾きますが、
水遣りの頻度は真夏でも週一回程度とかなり少ないです。

聞いた話によると、
一般的な植物に比べるとほとんど蒸散を行わないようです。
そのためにほとんど水分を必要としないのでしょうね。

葉はorbifoliaに比べると少しだけ柔らかいです。
香りは葉が柔らかいためか、指で軽くこすると良く香ります。
ただし放っておいて香ってくるようなことはありません。

その香りについてはorbifoliaよりも
シネオール系の香りが強く、ほんの僅かに柑橘系の香りがします。
どちらかというと、cinereabridgesianaなどに近い香りです。

こちらがwebsterianaorbifoliaの比較写真です。
左がwebsterianaで右がorbifoliaです。

fancyboxウェブステリアナ(Eucalyptus websteriana)の画像4

少し背が高くなり、徒長しやすいorbifoliaより
小さい鉢植えでシンプルに育てたい人には
websterianaが非常にオススメです。

何度も言いますが、
ハートリーフ
のサイズが本当に手頃で可愛いくて、
脇芽を出す性質がかなり強くなっています。

手に入れたい方は、こあら師匠の農場をお訪ねください。
主力商品ですので、いくつか在庫をお持ちのはずです。

十分な日光に当て、水さえ控え目に育てれば、
耐寒性もあり、そんなに難しいユーカリではありません。
是非、一度育ててみてください!

------------------------------
<栽培難易度:C>
香良さ:★★★
香強さ:★★★
成長力:★

要水分:★
耐過湿:★
耐水切:★★★★★
耐日陰:★★★
耐移植:★★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★★★
耐病虫:★★★

------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

 
# by eucalyptus_k | 2010-04-12 03:49 | ユーカリ紹介
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