
高山植物のユーカリ・ベルニコサ (Eucalyptus vernicosa)
先日はイチゴの香りがするolidaを紹介しましたが、
その他にも貴重でレアで魅力的なユーカリがあります。
今回ご紹介するのは、
完全に高山植物で、とてつもなく成長が遅く、
樹高はわずか数十センチにしかならないという
非常に奇特で貴重なユーカリです。
その名は
Eucalyptus vernicosa
英名は
Varnished Gum
その英名の元にもなっているように
葉には非常に分かりやすい光沢があります。
生息地は標高1500m以上のタスマニアの高山で
耐寒性は-15℃以上とユーカリ中でも最強クラス。
過湿から猛暑にも幅広く対応できる
非常に強靭なユーカリではあるのですが、
育てていてびっくりすることがあります。
それは、、、
恐ろしく成長が遅いのです。
私が今育てている株が二年目ですが、
樹高が4cmで、葉の直径がわずか7mm程度です。
これは当初、私の育て方が
悪いのかとかなり悩んでいましたが、
現地の栽培者に確認したところ、
非常に順調な育ち具合だそうです!
我が家は決して良い栽培環境ではありませんが、
最高の栽培環境で育てたとしても
10年で25cm程度まで育てば良いそうです。
このような性質ですから、
タネを手に入れることも非常に困難で、
また非常に高価になっています。
現在、タネを販売しているところを
一カ所発見することができて、
そこから取り寄せて育てていますが、
タネはわずか40粒が800円近くもします。
これはびっくりするほど高価ですし、
在庫も限られた数しかありません。
これから何年もかけて、
上手く育てて、花が咲いたら
タネを量産してみたいなと思っています。
ユーカリ紹介で紹介できるのは
果たしていつの日になるのでしょうか。- # by eucalyptus_k | 2011-10-17 08:48 | ユーカリ(品種知識)

今がイチバン良い季節♪
南向きの家のベランダは
天井がかなり先までせり出しているので、
雨の日でも洗濯物が干せます♪
でも、夏季には
日照が皆無となってしまいます(><)
ベランダと外を仕切る壁は
硬い石造りで全く日光を通す隙間もありません。
そのため、冬季は陽が傾きすぎて、
全ての日光はユーカリを飛び越えて、
室内にのみ降り注ぐことになります。
最も日照が良くなるのが春と秋。
今の季節だけですね。
その季節限定でようやく、
半日もの間、直射日光が当たる
半日陰の環境となっています。
最近はあまり剪定もしなくなったので
ベランダはかなり茂み状態ですw
我が家でユーカリが最も成長するのは
3~5月と9~11月なんですね。
真冬はともかく、梅雨~真夏はズタボロ...
本当にこんな環境でユーカリを育てている私は
正直、ちょっとマゾで凄い?と思います!(笑)- # by eucalyptus_k | 2011-10-14 08:15 | ユーカリ(栽培実績)

【ユーカリ紹介-37】
ユーカリ・スタージシアナ (Eucalyptus sturgissiana)続きまして第37回目は、
超レアで特徴的な外観を持ち
人呼んで「東AZのマクロカルパ」
ユーカリ・スタージシアナです。
◎ユーカリ・スタージシアナ
【学名:Eucalyptus sturgissiana】
【英名:Ettrema Mallee】
写真を見ていただくとわかりますが、
このsturgissianaはとにかく面白い外観をしています。
確かに「東AZのマクロカルパ」と呼ばれるように
Eucalyptus macrocarpaのようでもあり、
Eucalyptus perriniana(ツキヌキユーカリ)
のようでもあります。
sturgissianaは元々、Ettremaという
非常に限られた地域にのみ生息している、
超マニアックなユーカリなのですが、
その面白い外観からか、
園芸用として若干タネが流通しています。
このsturgissianaは、
私の特にお気に入りのユーカリなのですが、
実は私の鬼門のユーカリでもあります。
私は既に100種類以上のユーカリを育てていますが、
その中でも、酷く失敗したユーカリなんです。。。
私は始めての品種を育てる場合、その生息地の気候や
同じ地域に生息するユーカリを割り出し、
大体の性質を予測して、用土や育て方を考えているのですが、
このsturgissianaについては
大きくその性質を読み間違えてしまいました。
このsturgissianaの生息する地域のユーカリは
比較的湿潤を好む、強健な品種が多いのですが、
sturgissianaはそれに反して、
かなり乾燥を好む、少しデリケートな品種だったのです。
これらを踏まえて再度タネ播きをした結果、
写真の株とは別の株も非常に順調に育っています。
海外のとある文件には沼地生息種で
かなり湿潤を好むという情報もありますが、
それを信じて失敗したということもあります。
ユーカリは非常に情報が少なく曖昧なので、
このように実際に自分で育てて経験してみるしか
わからないことがとてもたくさんあります。
ただそのデリケートさも主に育苗初期だけで、
しっかりと根を張りきった株であれば、
ほとんどデリケートさを感じることはなくなります。
sturgissianaを実際に育ててみた感じとしては、
乾燥と風通しの良さを好み、暑い夏よりも涼しい季節を好む性質から
Eucalyptus pulverulentaやEucalyptus perrinianaに
良く似た性質を持っているように思います。
樹木としては、かなり小さめの灌木型で
大きくても5m程度にしかならないようです。
また、あまり幹を太らせることをせずに、
幹の細い頼りない樹形の樹木に育つようです。
例えるなら常に風に揺られているような、
竹のようなイメージでしょうか。
樹高は低めのため、早い段階で
開花を目指すことができると思われます。
十分な日光を受けて、
硬く丈夫な葉に育った個体は大丈夫ですが、
育苗初期の薄い葉のときには
うどんこ病やハダニなどの酷い被害を受けます。
成長力については、
初期にはかなり緩慢な品種と思わされますが、
根張りが完了して、栽培環境に慣れてからは、
平均的な東AZのユーカリ並になります。
暑い季節にはほとんど動かずに
4~5月や10月以降の涼しい季節メインで育ちます。
ただし耐暑性は決して低くはなく、
我が家では高温障害の症状が出たことはありません。
成長期に十分な日光を浴びずに育つと、
葉が薄っぺらく貧弱な状態のままとなり、
病害虫による被害を酷く受けてしまいます。
少しデリケートなsturgissianaですが、
その耐寒性についてはぴか一で、
-12℃くらいまでは全然大丈夫です。
大阪の冬では降雪があったとしても
葉の痛みさえ起こることはありませんでした。
気になるsturgissianaの香りですが、
ずばりシネオール!といった非常に男前の香りです。
非常に爽快でクールな香りがスッと突き抜けます。
globulusやviminalis、cinereaよりもっとシネオール!です。
実際にその精油の成分を調べてみると、
ほとんどがシネオールという内容です。
シネオールがお好きな人にはオススメのユーカリです。
この面白い外観が魅力のsturgissianaですが、
今のところ日本で手に入れる方法はありません。
タネを買って自分で育ててみるしか
手に入れる方法はないかと思います。
かなりレアなユーカリですから
タネの入手方法も少しマニアックなので、
なかなか日本で出回ることもないでしょう。
ただ、鬼門はしっかり克服したいので、
これからも何度かタネを播いていきたいと思っています。
今後、私のところでもしかしたら
苗のプレゼントがあるかもしれません。
何度かタネ播きをして、現在はこの鬼門を克服しました。
初期は乾燥気味に管理をして、根張りを万全にすることがキーでした。
初期にしっかりと根を張らせた健康な株は、
他の東AZのユーカリのように、楽に管理することができます。
とにかく!この面白い外観が
たまらなく愛おしい私の超お気に入りです♪
------------------------------
<栽培難易度:B>
香良さ:★★★
香強さ:★★★
成長力:★★★
要水分:★★
耐過湿:★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★★★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★★
耐暑性:★★★
耐病虫:★★
------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい- # by eucalyptus_k | 2011-10-11 19:45 | ユーカリ紹介

【ユーカリ酒-2】Eucalyptus globulus ssp. globulus
続きましてユーカリ酒、試飲のコーナーです!
既に一ヶ月半以上が経過しているために、
かなり熟していると思われます。
記念すべき第二号は
Eucalyptus globulus ssp. globulus酒
シネオールはかなり強めで、精油も多く、
強烈な香りのするユーカリの代表格です。
お酒もかなり濃厚な色に仕上がっていますね(@0@)
いざ、飲んでみると。。。
なんと!こ、これはかなりの絶品!!!
リキュールの女王と呼ばれるシャルトリューズには、
ジョーヌ(黄)とヴェール(緑)の二種類があるのですが、
特にこのglobulus酒は辛口のヴェール(緑)の味わいです。
元々のベースになっているホワイトリカーが
なぜか強くなったように思えるほどにスッとして、
ユーカリの香りよりもハーブ酒としての爽快感が前面に出ており、
作った私本人もビックリするほどの美酒でした。
圧倒的な完成度の高さから、
Eucalyptus globulus ssp. globulusは
お茶だけでなく、お酒でも大金星が付きましたね★
それでは毎度お決まり、
かなり薬草系の酒に関しては通の
中立的立場の同居人からの感想です。
-------------------------------------------------------------
意外にもユーカリが感じられるような香りはあまりなく、
消毒用アルコールを思わせる。
crenulata酒とは砂糖と葉と酒の比率は
全く同じなのに、全然感じの違う仕上がり。
目の覚めるような濃い味のする
スッキリした気持ちの良いお酒。
-------------------------------------------------------------- # by eucalyptus_k | 2011-10-06 00:14 | ユーカリ(茶・酒)

【ユーカリ酒-1】Eucalyptus crenulata
ついにユーカリ酒、試飲のコーナーが始まります!
既に一ヶ月半以上が経過しているために、
かなり熟していると思われます。
記念すべき第一号は
Eucalyptus crenulata酒
シネオールが弱めで、
少しソフトな香りのするユーカリです。
お酒もかなり薄めの色に仕上がっています。
いざ、飲んでみると。。。
メチャクチャうまい!!!
私は過去バーテンをしていたことがあり、
少しマニアックなお酒が好きなのですが、
その中にリキュールの女王と呼ばれている
シャルトリューズというお酒があります。
このお酒、女王と呼ばれるだけあって、
リキュールでもトップクラスに高価です。
そのシャルトリューズにそっくりな風味です。
いわゆる薬草系のお酒に属するので、
そういった類のものが苦手な人にはダメかもです。
私的にはかなり完成度が高く、
シャルトリューズがいらないかも?
と思うほどに美味しいお酒に仕上がっています。
以下、かなり薬草系の酒に関しては通の
中立的立場の同居人からの感想です。
-----------------------------------------------------------
想像していたものと違い、かなり飲みやすい!
ユーカリの香りが漂い、氷砂糖の甘みがマッチして
薬草系のお酒としては、かなりレベルが高い。
もし普通に売られていても、
「まぁまぁ美味しいのでは?」と思う。
------------------------------------------------------------ # by eucalyptus_k | 2011-09-27 23:41 | ユーカリ(茶・酒)