
クロロシス様症状の改善
先年から悩まされてきた
葉のクロロシス様(色素不足)の症状についてです。
この症状が発生すると、
葉が白くなり、葉脈があばら骨のように
緑に透けて見えてしまいます。
またもちろん、色素不足で生えてきた葉は貧弱で、
すぐに菌類などの影響を受けて、
角班を作ったり、酷いうどんこ病にかかり、
最終的には汚く枯れてしまいます。
一度この症状になった場合、
今日までは特に有効な対策がありませんでした。
また、この症状は発生する品種が決まっており
Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha
Eucalyptus pachyloma
Eucalyptus pleurocarpa
Eucalyptus extrica
Eucalyptus viminalis ssp. cygnetensys
Eucalyptus cordata
などの品種が主となっています。
特に一番上の二品種については
全ての株に酷い症状が発生するという有様でした。
基本の窒素、リン酸、カリ補給などを試し、
牡蠣殻石灰によるカルシウム補給、
苦土石灰によるマグネシウム補給を行いましたが
特に改善は見られませんでした。
そして、この度、Osakano Jieさんよりご提案を頂いた、
アミノール化学の微量要素8
という微量要素(主に鉄分系)の補給を行ってみました。
説明書きにあるように、
錠剤を水に溶かし、上澄みを葉面散布してから、
残りを土壌に潅水してみました。
すると!三日後にはその成果が現れました!
以下はmacrocarpa ssp. elachanthaの結果です。
クロロシスに悩まされていた葉でしたが
三日後には症状のない
丈夫な詰まった葉が生えてきました。
その他の株です。
↓
↓
写真では本当にわかりにくいのですが、
葉脈だけが残った症状が完璧に消えています。
新芽がやたら白いのは品種の特性と新芽だからです。
症状が発生しているときには
新芽の状態でもくっきりと葉脈が浮き出ていました。
ちょっと軽く症状の出ていたcordataも
新芽に改善が見られています。
鉄分が不足しているなんて、
少し人間みたいだなあと思いました。
あまり、日本では話題にならない微量要素ですが、
鉄分が多く含まれるオーストラリアの土壌で
生息する植物には、重要な要素なのでしょう。
海外の植物の面白くも難しい一面を見ることができました。
何ごとも経験と学習ですね!- # by eucalyptus_k | 2012-05-14 14:09 | ユーカリ(栽培知識)

Eremophila nivea (エレモフィラ・ニベア)
今日はユーカリ以外の植物のお話です。
良く、オージープランツ全般に興味がありますか?
と聞かれますが、私は基本はユーカリ一本です。
ところが、日照不足のベランダでは、
なかなか花が咲かずに、花っ気がないので、
花の咲きそうな植物をいくつか育てています。
私は一番好きな色が紫なので、
Umeroom 園芸科のUmeさんがblogで紹介されていた
Eremophila nivea(エレモフィラ・ニベア)を育てています。
そして、ついに春になって、
蕾が膨らみ始めました。
このnivea、結構大きくなるようですが、
ユーカリに比べると、成長も全然控えめです。
また、難易度的にも、
ユーカリに比べるとかなり簡単です!
ホームセンターなどで、
気軽に手に入れることができるのも良いですね。
ただ、雨に当てていると、
白銀の幹にカビが生えて黒くなったりするようです。
雨のかからない我が家には、最適の植物です。
早く花が咲かないか楽しみです- # by eucalyptus_k | 2012-05-07 14:07 | その他の植物

スリット鉢は素晴らしい!!! その2
前回のスリット鉢の効果に関する記事に続いて、
その効果を実際にお写真でご紹介したいと思います。
その中で同時に植え替えの仕方についても
簡単にご紹介していきます。
今回はこの5号のスリットポットに植わった
pleurocarpaを6号にサイズアップする作業です。
まず、5号と6号の鉢の高さの差分だけ
6号鉢の底面に土を入れて準備します。
鉢を横に倒して、
鉢の側面をパンパン手で叩いて鉢から出します。
この時に絶対に幹を引っ張って出そうとしないこと!
叩きながら自然に出てくるのを待ちます。
鉢底石だけほぐしていますが、
出てきてすぐの状態です。
私の配合用土は粒状すぎて、
スリットから土がこぼれるため、
敢えて鉢底石を引いていますが、
通常は鉢底石なしでやった方が
スリットポットの効果が高くなるようです。
それでは根の状態を見てみましょう。
サークリング現象は全くありません。
根鉢はカチカチで中心部は全くほぐすこともできません。
鉢の外側よりも、内側に根が集まっており、
余分に伸びた貧弱な根は全く見られません。
また、根が中心部に詰まっているため、
支柱もそのまま一切触らずに植え替えができています。
根の生育状況はとても良いことがわかります。
通常の鉢では先端にこのような
太い根が生じることは経験上考えられません。
ひとしきり観察して、形を整えたら、
用意していた鉢にスポッと入れてしまいます。
根鉢の表面部を見ると
中心に根が集まっているのが
わかっていただけるかと思います。
そして、隙間に土を詰めていきます。
この際に棒でつついたり、
指で強く押してはいけません。
鉢から出すときと同じように
強く鉢の側面を叩くと、土が勝手に落ちて
隙間に詰まっていってくれます。
この時に、株が傾かない様に注意して叩いてください。
とにかく、鉢を叩いて、土を足しての繰り返しで、
土をしっかりと隙間に詰めていきます。
最後に、水をたっぷりやって、
微塵を洗い流し、用土を安定させます。
ここで用土の詰めが甘いと
穴が開くので、もう一度土を追加してください。
植物に水を与えるというよりは、
土を洗い流すというイメージで
少し長い時間、水をたっぷりかけまくります。
スリット鉢の場合は、底からも水をかけて
微塵を良く洗い流してください。
これで植え替え作業は完了です。
撮影をなしにすれば、大体水を流す前までで
1分以内には完了している感じです。
暑くなる時期には、ただちに行うことが
根のダメージを軽減することに繋がります。
スリット鉢の効果、
ご理解いただけましたでしょうか?
少なくとも、一般のご家庭でのユーカリの栽培には
とても向いている鉢だと思っています。
困ったことは、あまりホームセンターなどで見かけないことです。
家の近所のホームセンターでは一時良く見かけましたが、
業者さんらしき人が、買い占めまくっていて、
入荷後即日で販売終了したりしていました(苦笑)
そして、最近はほとんど見かけることはなくなりました。。。
私の場合は数十鉢以上必要になりますので、
ネットでまとめて購入してしまいます。
数鉢程度であれば、
親愛なるこあら師匠の農場で、ユーカリ購入時に
いくつか販売していただけるかもしれませんね。- # by eucalyptus_k | 2012-05-03 10:13 | ユーカリ(栽培知識)

今年のお目見え品種
今年から新たにタネ播きする品種と、
昨年晩秋にタネ播きして、
今年が成長メインの品種をご紹介したいと思います。
●Eucalyptus grossa
葉に光沢のある、caesiaに良く似た感じのユーカリです。
1.5m程度の超低木品種で、黄色い花が特長のユーカリです。
既に成長がスタートしていますが、
西オーストラリアのユーカリにしては、中々の水食いです。
●Eucalyptus aggregata
細葉ミント系の湿地帯出身のユーカリです。
成長はとても激しそうなイメージですが、
今のところまだスタートダッシュは始まっていません。
たしかに、湿地帯出身で過湿には強そうです!
●Eucalyptus eugenioides
光沢のある、クスノキのような葉が特長のユーカリです。
過湿や寒さにも弱く、中々デリケートなユーカリです。
昨年秋にはうまくいかなかったので、今春に再トライです。
●Eucalyptus oleosa
超細葉の精油量豊富なoilから名前の付いたユーカリです。
南オーストラリア出身で異様に過湿に弱く、
思っていたよりも難易度が高く、デリケートなユーカリです。
●Eucalyptus macrandra
発芽は上々なのですが、中々うまくいきません。
River Yateというので水が好きそうなのですが、
意外に過湿に弱く、イマイチ掴めないユーカリです。
眩しい程に明るい黄色の花が特長です。
●Eucalyptus salmonophloia
昨年から密かに養ってきましたが、
今年に来て、ようやっと少し成長が進み始めました。
過湿嫌いの典型的な西AZのユーカリです。
●Eucalyptus campaspe
白銀細葉というとても珍しいタイプのユーカリです。
西AZのユーカリの中では比較的育てやすい方です。
とても楽しみなユーカリの一つです。
●Eucalyptus vesiculosa
platypusの花の赤い矮性種です。
とても苦手なタイプのユーカリなのですが、
先年にたくさんタネを播いたので、何とか数は揃いそうです。
水は好きなくせに、変にデリケートなユーカリです。
次は新たにタネを播いたユーカリです。
●Eucalyptus youngiana
真っ赤な大きな花が魅力のユーカリです。
砂漠地帯出身のはずですが、既に水切れが出るほどに
水が好きで、成長力も旺盛です。
比較的、相性が良く、スタートから順調です。
●Eucalyptus dolichorhyncha
forresutianaの変種です。
この手のユーカリは発芽~初期はうまくいくのですが、
大きく育てていく過程でうどんこ病に弱いので注意が必要です。
●Eucalyptus calycogona
ピンクのとても美しい花が魅力の短細葉ユーカリです。
思っていたよりも相性が良く、比較的順調です。
これも思っていたよりも水が好きなようです。
●Eucalyptus gracilis
白銀短細葉の珍しいタイプのユーカリです。
今のところ発芽時点で少しつまずいているので
再度タネを播いて、他に追い付きたいと思います。
●Eucalyptus nutans
vesiculosaに似た、赤い花が自慢の超低木品種です。
西AZながら湿地帯出身のようなので、
今の時点では、比較的育てやすいなと感じています。
さて今年は、いくつうまくいくでしょうか?
無事生き残って、ユーカリ紹介への道を突き進んで欲しいものです。
今年も余った苗については、
ユーカリプレゼントを行おうかと考えています。
ただし、、、
どんどんマニアックな品種ばかりになっていきますが。。。- # by eucalyptus_k | 2012-05-01 11:37 | ユーカリ(栽培実績)

今年のユーカリは一味違う!
今年の冬に水遣りを控えて根を養ったお陰でしょうか?
それとも、私の水遣りテクが上達したのでしょうか。
全てのユーカリがサイズ的に大きくなっているのもありますが、
今年のユーカリは一味違います!
元々、雨の次の日の快晴は危険なのですが、
金・土の快晴で水切れ、枯れ一歩手前が続出しました。
例年ではこの季節でこんなことはなかったので、
相当元気に育ってくれている証でもあると思いますが、
このままでは、一泊のお出かけも危ういです><;
どうしようか、今から悩んでいます。
嬉しい悲鳴です- # by eucalyptus_k | 2012-04-29 22:53 | ユーカリ(栽培実績)