【ユーカリ紹介-63】
ユーカリ・マクロカルパ・エラチャンサ
(Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha)続きまして第63回目は
少し丸みを帯びた小型の葉を持ち、
ユーカリ中で最大の赤い花も若干小ぶり、
ユーカリ・マクロカルパの矮性種である
ユーカリ・マクロカルパ・エラチャンサです。
◎ユーカリ・マクロカルパ・エラチャンサ
【学名:Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha】
【英名:Small-flowered Mottlecah】
このssp. elachanthaは、
ユーカリの王者的存在であるmacrocarpaの矮性種で、
原種のssp. macrocarpaと比較すると、
葉や実、その花のサイズが若干小ぶりになります。
原種の花は、最大で直径10cmにもなるのですが、
ssp. elachanthaの花は、最大で直径8cm程度と
若干小ぶりになるようです。
この花のサイズは、rhodanthaの花と
ほぼ同じ程度の大きさになりますので、
rhodanthaと同率で、ユーカリ中で
二番目に大きな花を咲かせるユーカリということになります。
矮性種ということで、原種と非常に良く似ており、
素人目にはなかなか見分けはつかないでしょう。
2種を並べて育ててみると、全体的なパーツのサイズや、
その葉の形状の違いで何となく識別できるようになります。
では早速、原種のssp. macrocarpaと、
ssp. elachanthaの葉の形状とサイズを見比べてみましょう。
まず原種のssp. macrocarpaの葉です。
葉は全体的に長細くなり、
最大のものでは、15cmもの長さになります。
次にssp. elachanthaの葉です。
ssp. macrocarpaの葉と比べてみると、
全体的にかなり丸みを帯びています。
また、最大のものでも、長さは9cm程度と
原種よりも6cmほど短い葉になります。
私の指と比較していただくと、ssp. elachanthaの方が、
かなり小ぶりなのがお分かりいただけると思います。
長さは原種の方がかなり大きくなるのですが、
葉の幅の最大サイズになると、両者とも8.5cm程度となるため、
自ずから、原種の葉は長細くなり、
ssp. elachanthaの葉は丸みのある葉になります。
我が家の株では、株元から枝分かれした幹に、
とても丸い葉が生じています。
この葉を見ると、ssp. macrocarpaより、
寧ろrhodanthaにも見えてしまいますね。
どちらかというと、rhodanthaは、
長さより幅の方が大きいような際立った丸葉が生じますので、
実際の見た目はかなり異なってくるのですが、
原種の方で、このような丸葉が生じることは、
ほとんどありえないことです。
葉の白さや外観の美しさに全く差はなく、
原種と同様に、際立って美しい純白の葉と
その見事な茂みの薔薇にも例えられる大きな花は、
まさにユーカリの王者的存在といえるユーカリです。
ところが、ssp. elachanthaのタネを手に入れるのは非常に困難で、
現在、販売しているタネ屋はたった一つしかありません。
このタネ屋での在庫がなくなってしまうと、
その次の入手手段は未知数になってしまいます。
そのくらいマイナーでマニアックなユーカリですし、
ssp. elachantha限定で育てたいというマニアの方以外は、
普通に原種のssp. macrocarpaを育てれば良いのかもしれません。
ssp. elachanthaと原種との差は、
上記で挙げたような僅かな差しかありませんし、
ssp. elachanthaは原種よりも色々とデリケートなので、
最高レベルの栽培難易度を持つssp. macrocarpaよりも、
さらに少しだけ厄介になってきます。
ssp. elachanthaもssp. macrocarpaと同様に、
水分管理にかなりうるさい性質を持っています。
----------------------------------------
・土が完全に乾いたら即水遣りが必要
・菌に弱く非常に寝ぐされしやすい
・半日直射日光以上の日照量が最低限必須
・雨の残り雫でも葉が傷み、病気に弱い
・肥料あたりしやすくリン酸を嫌う
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といった厄介な性質をもったサボテンを育てるイメージです。
植物は放置が一番という人より、
雨が降るたびにわざわざ鉢を移動するくらいの
非常に熱心でマメな人向きのユーカリといえます。
また、ssp. elachanthaは、
原種のssp. macrocarpaと比べると、
土のpHに非常にうるさい性質を持っています。
肥料や石灰などを与えすぎたり、
土の配合によってpHがアルカリ寄りに傾くと、
途端に鉄分欠乏症となり、葉がボロボロになります。
葉の葉緑素が抜けて、葉脈だけに葉緑素が残り、
葉に褐色の斑点ができてボロボロになるのは、
典型的な鉄分摂取障害による欠乏症の症状です。
元々、macrocarpaは多肥を嫌い、
土も酸性~弱酸性の貧しい用土を好むユーカリですが、
ユーカリの中でも、かなり鉄分を必要とする品種でもあります。
macrocarpaにも全く肥料の効果がないわけではありませんが、
日本に売っている多くの化成肥料には、
pHをアルカリ寄りにしてしまう成分が多く入っており、
鉄分を与えようと肥料を与えすぎてしまうと、
結果としてpHが高くなって、土中には鉄分は豊富にあるのに、
それを摂取することができないという状況が起こります。
原種のssp. macrocarpaについては、
高pH耐性が弱いながらもあるようですが、
ssp. elachanthaは高pHによる鉄分欠乏症には特に弱く、
今私の育てているユーカリの中でも、
間違いなく最も酷い結果を残しています。
私は3株のssp. elachanthaを育てていますが、
肥料や苦土石灰などを豊富に与えた2株は、
酷い鉄分欠乏症の症状が出て、見るも無残です。
我が家では、配合用土に高pHのゼオライトを
デフォルトで混ぜ込むため、この写真の3株目には、
敢えて用土に少しだけ、pH調整なしのピートモスを混ぜ込み、
肥料の類は一切与えないという方針で育てて、
ようやく写真のように見事な株に育ってくれました。
macrocarpa全般に言えることですが、
特にssp. elachanthaを育てるときには、
pHは少し酸性寄りに設定し、肥料は全く与えないか、
与える場合でも、非常に稀で少量にした方が
良い結果が出るかもしれません。
ちなみに、見るも無残な他の2株ですが、
pH調整なしのピートモスを混ぜ込んだ用土に変更し、
現在、養生中&仕切り直しとなっています。
ssp. elachanthaは、
内陸部の半砂漠地帯を中心に生息する原種と比べると、
沿岸部の草原地帯を中心に生息しています。
西オーストラリア州の州都パースから北の沿岸部です。
年間降水量は500mm(大阪の1/3)程度と
原種の生息する半砂漠地帯に比べると、
若干湿潤な地域となっています。
そのため、本当にわずかではありますが、
原種よりも少し過湿に強く、吸水量も多めなります。
とはいえ、夏はほとんど雨が降らずに
雨のほとんどは冬季に集中しているため、
ssp. elachanthaも高温多湿を極度に嫌うユーカリです。
大きくても3m程度の低木であることは、
原種のssp. macrocarpaと全く同じです。
木というよりは藪のように広がって育ちます。
このあたりの性質には、全く差はありません。
西オーストラリア出身のユーカリには
原住民アボリジニーの言葉による
名前を持っているものがいくつかあります。
このssp. elachanthaは
Mottlecah(モトレカ)という名前を持つ原種に対して、
若干花のサイズが小さくなることから、
Small-flowered Mottlecahと呼ばれています。
elachanthaの意味もそのまま
「小さな花」という意味になります。
ssp. elachanthaの魅力は何と言っても
まずその白銀大葉の美しさではないでしょうか
十分日光に当たり、乾燥気味に育てられることで
葉の白みはさらに美しさを増していきます。
ssp. elachanthaの花を咲かせるためには
タネを播いてから平均以上の環境・状態で育てて、
最短で5年程度かかるといわれています。
ただ栽培環境が良ければ、
3年程度での開花も可能なようです。
私の実家に置いているssp. elachanthaでは、
2年半にして蕾が付いていることを確認しました。
※詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ssp. elachanthaが日本で花を咲かせる時期は
ミモザアカシアと大体同じで早春と言われています。
蕾は夏~秋口にかけてでき出して、
そのまま越冬することになります。
急な寒波で蕾が傷んでしまうことがあるため、
蕾ができてからはマメなケアが必要とのことです。
ssp. elachanthaの育て方のポイントとしては
下記のような感じです。
<水分管理>
鉢の表面はカラカラに乾いているのに、
土をひっくり返してみると中はまだ湿っているといった状態を嫌います。
用土の中の方の状態までは中々わかりませんから、
日光の良く当たる風通しの良い環境で育てて乾燥力をあげます。
スリットポットなどのように底面からも
用土の乾燥状態を確認できる鉢があると便利です。
水切れ耐性をそこそこ兼ね備えており、
水が切れると大きな葉が犬の耳のように垂れさがります。
真夏でもそこから1日程度であれば枯れることはありません。
どうしても水分管理に自信がない人は、
葉が垂れさがったら水遣りを心がけるといいでしょう。
ただし、毎日確認することを忘れないでください。
ちなみにssp. elachanthaとssp. macrocarpaを、
両方育てて比較してみると、ssp. elachanthaの方が、
若干水切れが早いことがわかります。
<雨の管理>
用土の乾燥力と日照さえ十分であれば、
必ずしも必須の条件ではありませんが、
雨は極力避けた方が無難なようです。
完全に雨ざらしと雨を避ける環境では、
後者の方が健康で葉も綺麗に育っています。
特に梅雨時期はssp. elachanthaには雨量が多すぎるため、
この時期だけでも雨が降ったら軒下に移すなどすると良いです。
軒下に置きっぱなしでもかまいませんが、
その際は日照量と風通しには気をつけてください。
梅雨時期など湿度の高い環境下で
葉に水がたまると中々蒸発せずに葉が傷むことがあります。
また冬季も葉にたまった水が冷えて、
枯れが出ることがありますので、
葉に水がかかったときには、軽く葉をゆすって
葉にたまった水を落とすようにしてください。
<肥料について>
原種に比べると、鉄分欠乏症の症状が出やすいので、
肥料はほとんど与えない方が良いでしょう。
成長期に少し液肥を与えるのはOKです。
また、葉面散布の鉄分系肥料などは効果的です。
基本的には荒れた貧しい大地を好む品種のため、
植え替え時に肥料を混ぜ込むのは止めた方が良いでしょう。
成長速度を上げたい場合には肥料ではなく、
ssp. elachanthaの好む環境づくりをした方が効果的です。
<日光について>
半日以上直射日光の当たる環境が最低限必要で、
1日中ガンガンに直射日光が降り注ぐような環境が望ましいです。
また、夏は少し涼しい場所よりも、
コンクリートやアスファルト、レンガなどの照り返しがきつく、
地上付近の温度が異様に高くなるような場所が寧ろ向いています。
葉の白さからもわかるように強烈な日焼け止めを持っていますので、
遮光は一切不要、葉焼けなどすることはありません。
※ただし日陰にあった株を急に夏の日差しに当てるのはアウトです。
いつまで経っても葉が大きくならないのは日照不足が原因です。
日照不足の場合は、激しいうどんこ病の被害が出ることがあります。
ssp. elachanthaはうどんこ病にはかなり弱いユーカリです。
葉だけでなく、鉢や用土にも良く日光を当てて、
鉢内の土中温度を上げることも成長力増進に役立ちます。
ここまで書くとかなり難しいと思われるでしょうが、
難しいというよりはマメに育てる必要があります。
旅行や出張が多い人や片手間の人には少し辛いかもしれません。
どうしても自信がないという人は、
kruseana/lehmannii/tetragona/albida/crucisといった
西オーストラリアのユーカリをまず育ててみて、
その水分管理の特徴を身につけると良いと思います。
ssp. elachanthaの耐寒性ですが、思っていたよりもかなり強く、
一般的には-7℃程度までは大丈夫です。
うまく育てればもっと頑張れそうな気がしています。
-5℃程度でもほとんど葉痛みはありませんでした。
葉が分厚いためか、寒風にもかなり強かったです。
ただし、冬季の水分管理はよりデリケートになりますので、
冬季は葉が垂れさがったら水遣りをオススメします。
冬季の吸水の少なさにも本当にびっくりさせられます。
80cm近い大きな株が、月に1回か2回の水遣りで十分なのです。
寒さが心配だということで、
冬季に室内で管理するのは絶対に止めましょう!
室内管理は鉢に余分な水分が残るために根が傷み、枯れます。
私や先人の室内管理の枯死率は100%です><;
最近、良く栽培のポイントなどでお話ししていますが、
冬季に寒さが心配な人は、
ホームセンターなどで売られている簡易温室に入れましょう。
もちろん昼間は扉全開でマイナスにいくような日の夜間のみ扉を閉じます。
本当に思っていたよりも寒さには強いユーカリです。
水分管理については梅雨時期と冬を乗り越えることができれば、
もうマスターしたようなものです!
気になるssp. elachanthaの香りについてです。
外観などでほとんど差のないssp. elachanthaと原種ですが、
香りにはかなりの違いがあります。
ssp. elachanthaは魅力的な花の香りのする原種とは、
全く違った少し生臭くも感じるような香りがします。
シネオールをベースに中途半端なパセリやバジルのような
ハーバルな香りが強く、余り良い香りとは言えません。
実際に含まれる芳香成分が大きく異なるようですね。
また香り自体も原種よりかなり弱くなり、
葉を軽くはたいただけで香る原種とは異なり、
葉を千切って砕いてみないとほとんど香りません。
残念ながら香りを楽しむユーカリとしての利用は
ちょっと難しいかもしれません。
他のユーカリでは、
亜種間であまり香りが異なることはないのですが、
macrocarpaに関しては、全く香りが異なるという
とても珍しい例になっています。
このssp. elachanthaを今取り扱っているのは、
恐らく親愛なるこあら師匠の農場くらいかなと思います。
もし興味のある方がいらっしゃったら喜んでご紹介します。
ssp. elachanthaはタネから販売できる苗サイズまで育てるのが、
非常に厄介で手もかかり難しいのです。
また前述した通り、タネもかなり希少です。
そのため、少しだけ値は張りますが、何卒ご理解ください。
ssp. elachanthaに関しては、私もずっと勉強中です。
特に酷い鉄分欠乏症という結果は、
私に肥料やpHに関する大きな勉強をさせてくれました。
もしssp. elachanthaを購入された方がいらっしゃったら、
一緒に情報をシェアしながら育てていけたらと思っています。
もしよろしければ、
この記事に非公開でメアドを書いてくださるか、
お問い合わせフォームからお問い合わせをいただければ
必ずメールを返信させていただきます。
よろしくお願いします。
この記事を読んで、
原種よりもこのssp. elachanthaを選択する人がいたら
その方はかなりマニアの素質ありです!
とはいえ、今のタネ屋の在庫も多くはないですし、
そこの在庫が切れたら、次の宛てはありません。
もしssp. elachanthaに興味をお持ちでしたら、
今のうちに手に入れておいた方が良いかもしれません。
とにかくssp. elachanthaでもssp. macrocarpaでも、
macrocarpaはびっくりするほど美しいユーカリです。
ちょっと慣れるまでは大変なところもありますが、
原種のssp. macrocarpaと共に、
このssp. elachanthaも育てていきながら、
その花のサイズ等の違いを見比べてみませんか?
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<栽培難易度:E+>
香良さ:★
香強さ:★★
成長力:★★
要水分:★
耐過湿:★
耐水切:★★★★
耐日陰:☆
耐移植:★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★★★★
耐病虫:★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい- # by eucalyptus_k | 2013-04-12 17:44 | ユーカリ紹介
ユーカリの発芽と事前処理
ユーカリはオーストラリアの各所に生息し、
暑いのが好きなものから、寒いのが好きなもの、
湿潤を好むものから、乾燥を好むものまで
本当に多種多様な品種があります。
その中でも特に寒いのが好きな品種で、
高山や純高山に生息しているような品種には、
上手く発芽をさせるために、
コールドトリートメント(冷却処理)を
必要とする品種がいくつかあります。
この処理は、収穫仕立てのタネでもない限り、
大概は冷蔵庫などの中で長期保管されていますから、
全く行わなくても発芽ゼロということは滅多にありません。
私も数株程度確保できればいいので、
この処理をしっかりと行うようなことは滅多にありませんが、
商用などで、より多くを発芽させるためには、
この処理を工夫する必要がありそうです。
先年の秋口に下記のタネを播きました。
Eucalyptus kybeanensis
Eucalyptus glaucescens(Mallee)
glaucescensについては、
以前から育ててはいますが、
珍しいMallee(灌木)タイプのものが
新たに手に入ったので新しく播きました。
これらの品種は、比較的長い
コールドトリートメントを必要とする品種です。
どちらももちろん購入した時点で
収穫仕立てではないでしょうから、
そのまま何もせずに播きました。
私は5.5cmの小さなポリポットに
少しタネを播くくらいですが、
それでも発芽率の良いものであれば、
数えられないほど発芽することがあります。
上記の品種の結果としては、
kybeanensisがわずか3株、
glaucescensが4株という結果でした。
これは信じられないくらい悪い率です。
どちらも寒さにはとても強い品種なので、
そのまま屋外放置で育てながら、
冬を超えて、最近暖かくなってきてから、
そのポットの状態を見てみました。
すると!
信じられないくらいたくさん発芽しています!
恐らく、冬季屋外放置(水は切らしません)で
天然のコールドトリートメントが成立したのでしょう。
趣味で育てているような人は、
少し冷蔵庫でそのままタネを保管してから播けば、
発芽率は悪くとも、それなりに発芽するものです。
冷蔵庫でそのまま保管するという方法は
簡易コールドトリートメント
とでも言ったところでしょうか。
ところが実際の正式なコールドトリートメントは、
タネにしっかりと吸水を行いながら、
指定期間冷蔵保存するというのが正しいのです。
一例として、公開されているやり方としては、
湿らせた不織布などにタネを包み、
容器に入れて、冷蔵庫などで指定期間保管します。
不織布が乾いたら適宜湿らせていきます。
下記は一般的にトリートメントが必要とされている品種です。
確かにcoccofera/pauciflora/nitens/delegatensisなどでは、
冬を超えてから大量に発芽したということが何度もありました。
※期間は必要とされているトリートメントの期間です。
※☆のついている品種ではトリートメントの重要度は低いです。
※あくまでも一例で他にもあります。
Eucalyptus serraensis ... 6週間
Eucalyptus aggregata ... 4週間☆
Eucalyptus coccifera ... 6週間
Eucalyptus crenulata ... 6週間☆
Eucalyptus cypellocarpa ... 1週間程度☆
Eucalyptus dalrympleana ... 4週間☆
Eucalyptus delegatensis ... 8週間から冬季中
Eucalyptus glaucescens ... 6週間
Eucalyptus globulus ... 3週間☆
Eucalyptus gregsoniana ... 4週間
Eucalyptus johnstonii ... 4週間
Eucalyptus kybeanensis ... 4週間
Eucalyptus melliodora ... 3週間☆
Eucalyptus moorei ... 5週間☆
Eucalyptus nitens ... 4週間
Eucalyptus obliqua ... 4週間
Eucalyptus ovata ... 6週間
Eucalyptus pauciflora(亜種含む) ... 6週間以上
Eucalyptus perriniana ... 4週間
Eucalyptus pulverulenta ... 4週間☆
Eucalyptus radiata ... 2週間程度☆
Eucalyptus regnans ... 4週間
Eucalyptus rodwayi ... 4週間☆
Eucalyptus rubida ... 4週間☆
Eucalyptus subcrenulata ... 4週間
Eucalyptus tenuiramis ... 4週間
Eucalyptus vernicosa ... 6週間
多くの苗がちゃんと必要な人は、
コールドトリートメントを
しっかりと行った方が良さそうですが、
気長に育てている趣味レベルの人は、
秋口にタネを播いて、水を切らさないように
そのまま越冬すれば春にはたくさん発芽しているでしょう。
この真性のコールドトリートメントですが、
保管状態や場所が悪いと、
そのままタネが腐ってしまうこともあるので、
少し気をつけてくださいね。- # by eucalyptus_k | 2013-03-26 12:21 | ユーカリ(栽培知識)
もうすぐ春!現在のユーカリ達
今年は簡易温室を全く使用することなく、
全てのユーカリを屋外越冬することができました。
※ベランダなので軒下越冬ですが。
まだまだ寒さの残る季節ですが、
もうほぼ冬は越えたと言っても良いでしょう。
結果としては、
いくつかポット苗の株を水切れで枯らせた以外は、
鉢に定植済みの全ての株が無事です。
今日はそんな冬を越えかけている
我が家のユーカリたちをいくつかレポートします。
寒くなった当初、
酷く枯れ出した品種がありました。
Eucalyptus macrandraという西AZのユーカリです。
このmacrandraは、前評判では、
なかなかの耐寒性を持っているとのことでした。
恐らく、まだ株がかなり小さいので、
通常の水遣りでは過湿になったのが原因かと思います。
そこで、鉢表面からの水遣りを完全に停止して、
鉢底のスリットからの微量な底面給水のみに切り替えたところ、
そこから枯れがピタッとストップしました。
大部分の葉は枯れかけていますが、
新芽などは全く無傷なので、
暖かくなれば復活してくれることと思います。
次に前の冬に屋外越冬を試みて、
瀕死の重傷を負ったerythrocorysです。
昨年、毛の生えた葉から
毛のない細葉に変わり始めて、
かなり耐寒性が上がったようです。
下の方の毛の生えた葉は、
前の冬と同じようにボロボロになっています。
ところが、株上部の毛のなくなった葉は、
ほとんど無傷に近い状態です。
他の毛の生えた葉を持つユーカリもそうですが、
毛のない葉に変わったところで、
かなり耐寒性があがるようですね。
この結果であれば、
葉の毛がなくなったerythrocorysであれば、
関西圏では問題なく屋外越冬ができると思います。
次にこれもあまり寒いのが得意ではない、
decipiens ssp. decipiensです。
寒風吹きっ晒しの場所に置いてありましたが、
特に大きな葉痛みもなく、至って元気です。
この株も潅水量をびっくりするほど減らしていました。
鉢表面からの水遣りは完全に停止して、
鉢底のスリットから週に2回程度、
サラッと水をかけるだけでしたが、
それが耐寒性の大幅アップにつながったようです。
思ったよりも傷んだのが、
Eucalyptus pruinosaです。
この品種は元々さほどの耐寒性は
持ち合わせていないようです。
新芽はとても綺麗なのに、
古い下の方の葉だけ傷んでいるという不思議な状態です。
恐らく、鉢がスリット鉢ではないため、
用土の乾きが掴みにくく、
どうしても潅水が多めになったからかもしれません。
下の方の葉はボロボロ散っていきますが、
新芽付近は元気なので、
いずれ復活してくれることと思います。
最後に、見た目だけはかなり紅葉が激しくなる、
我が家の2mオーバーの品種たちです。
左の大きな葉の紫になっているものはcamaldulensis、
真ん中奥の同じく紫の大葉のものはrobusta、
右のあまり変化のないものはglobulus ssp. globulusです。
前者の2種は毎年、激しく色が変わってびっくりしますが、
痛みなどはなく、至って元気なものです。
この他では、melanophloiaなども激しく色が変わります。
これ以外のユーカリは至って元気、
葉痛みなどもほとんどありません。
これから春を迎えて、
どんどん元気な葉を出して欲しいものです- # by eucalyptus_k | 2013-03-18 17:02 | ユーカリ(栽培実績)
【ユーカリ紹介-62】
ユーカリ・ベルニコサ (Eucalyptus vernicosa)続きまして第62回目は
ユーカリ中で最も成長が遅く、樹高も低い、
1500m近いタスマニアの高山地帯に生息する
完全に高山植物の超際物ユーカリ、
ユーカリ・ベルニコサです。
◎ユーカリ・ベルニコサ
【学名:Eucalyptus vernicosa】
【英名:Varnished Gum】
このvernicosaは、700m~1500m以上の
タスマニアの高山地帯に生息する
完璧な高山植物のユーカリです。
現地でも超レアなユーカリで、
タネを手に入れるための手段は非常に限られています。
このvernicosaには、
非常に成長が遅いという大きな特徴があります。
その成長の遅さはどのくらいかというと、
我が家で2年目の写真の株が15cm程度。
現地のプロの栽培者が育てたものでも、
12年目で60cmというからびっくりです。
※現地のプロの3年目の株です。
その成長の遅さが原因となって、
栽培した株からタネを収穫するのは非常に困難で、
収穫できるのはほんの一握りの
長期間栽培を続けている栽培者だけです。
そのため、このvernicosaのタネを手に入れるには、
その非常に限られた栽培者から購入するか、
実際に1500m近いタスマニアの高山まで、
タネが実る季節に合わせて収穫に行くしかありません。
このような理由から、
vernicosaのタネはまず市場に出回ることはありません。
現在、私はvernicosaのタネの販売先を
わずか2件だけ見つけることができましたが、
この2件はいずれも上記の「限られた栽培者」になるので、
その価格はびっくりするほど高価です。
何と!そのタネの価格は、
わずか40粒が約800円近くもします!
また在庫も非常に限られているため、
数gという量での大口販売はしてもらえません。
他のユーカリではありえない程に
高価でレア度の高いユーカリなのです。
その他のユーカリのタネであれば、
広いスペースに無作為に播くのが普通ですが、
vernicosaのタネはもったいないので、
1つのポットにしっかりと
1つのタネを播くようにしています。
他にもいくつかvernicosaのタネを
売っているタネ屋が存在しているのですが、
これらは全てまがいものの可能性が高いです!
樹高や生息地は大きく異なりますが、
vernicosaと良く似た、
subcrenulataというユーカリがあります。
特に育苗初期の外観が良く似ており、
発芽してしばらくするまでは、
ほとんど区別が付かないほどに良く似ています。
巷で良く売られているvernicosaは、
大概がこのsubcrenulataなので、
vernicosaのタネを購入しようとする場合には
そのタネ屋がしっかりとした出所のタネを扱っているのか、
十分に確認してから購入するようにしてください。
vernicosaの葉は、
その樹高と同じくとても小さいものです。
葉の直径は大きく育った株の最大サイズでもわずか2cm、
数センチの苗木サイズであれば、1.5cm以内です。
我が家の株のように樹高が30cmにも満たないような、
数年レベルの株であれば、直径1cmにも満たない葉がたくさんあります。
タネを購入して育てた場合、
最初から直径2cm以上の大きな葉が生じたり、
1年目で30cmを超えるような株は、
残念ながらvernicosaではなく、subcrenulataです。
※subcrenulataは大型品種です。
vernicosaの葉はとても強い光沢を持っており、
陽に当たると非常に良く光ります。
その学名も英名もその葉の光沢に起因しており、
vernicosaもVarnishedも全く同じで、
ニスや上薬を塗ったようなという意味になります。
そしてその茎は、少しザラザラしており、
綺麗な赤い色をしていることが多いです。
こんなレアなvernicosaですから、
さぞかし栽培の難しいユーカリであろうと
思われることと思います。
ところが、vernicosaは、
あらゆる環境に適応できる非常に強健なユーカリです。
vernicosaの生息している高山は、
年間降水量が1000mmにも満たないときもあれば、
2500mm以上にまでもなることがあります。
また、樹木もまばらな高山では、
真夏は40℃を超えるような高温になるときもあれば、
真冬は-20℃以下になり、積雪も激しい環境です。
そのため、かなりの過湿耐性と同時に、
そこそこの乾燥耐性も兼ね備えています。
また、高山生息種は、大概が寒さには強くても、
暑さに弱いユーカリが多くなっていますが、
vernicosaは暑さにも決して弱くはありません。
もちろんその耐寒性はユーカリ中屈指の強さを持っています。
また、用土の凍結や積雪、霜に対してもとても強いです。
ただし、vernicosaは特に日光が好きな品種なので、
半日陰などでは、貧弱で病気がちな株になりますので、
終日直射日光の当たる環境での管理が重要になります。
vernicosaは、とにかく日照以外には、
目だった注意点も弱点も見つからないユーカリです。
vernicosaを育てていて感じるのは、
どちらかというと、過湿耐性よりも乾燥耐性の方が弱いので、
暑い時期の水切れに注意が必要になります。
こんなに成長が遅く、小さな小さな株ですが、
びっくりすることに写真の株は、根がすでにパンパンです。
樹高の割には、根張りはしっかりしているので、
気づかないうちに水が切れているということもあります。
5.5cmのポット苗で育てている株も、
わずか3cmくらいの苗で、ポットが根でパンパンになります。
これは他のユーカリでは考えられないことなので、
育てる際には少し注意してください。
冬場の管理では、全く心配するところはありません。
逆に、冬場でもそこそこ水を吸うので、
水切れに気をつけて欲しいくらいです。
水を遣り過ぎて、用土が完全に凍結しても、
ダメージどころか、葉痛みさえ起こりません。
我が家の株は根がパンパンなこともあり、
冬場でも、表面がカラカラに乾いたら、
その日のうちか翌日の朝には
必ず水を与えていますが、とても元気です。
現地のデータによると、vernicosaは、
crenulataと並んで、ユーカリ中でも
トップクラスの過湿耐性を持っているようです。
光沢のあるユーカリは、
どれもうどんこ病に弱いという特徴がありますが、
vernicosaもどちらかというとうどんこ病に弱い方です。
日照不足の際には、
激しいうどんこ病の被害が出ることもありますので、
他には弱点のないvernicosaですが、
日照にだけは十分に気をつけてください。
もう語る必要もなさそうなvernicosaの耐寒性ですが、
地植えの成樹であれば、-20℃以上という実績があります。
これは、北海道であっても、
かなりの場所で屋外越冬が可能なレベルです。
我が家には、他にもgunniiなどの
高い耐寒性を兼ね備えたユーカリがあります。
これらのユーカリは厳冬期に気温がそこそこ下がると、
紅葉や少しの葉痛みが生じることがあります。
ところがvernicosaは、冬になっても、
夏場と比べて、葉に全く変化が起こりません。
一度、厳冬期に1cm程度のタネ播きから間もないポット苗が、
ガチガチに凍結したことがありましたが、
vernicosaはヘタることも、傷むこともありませんでした。
※そのときの記事はこちら
冬場は放置しすぎの水切れ以外には、
気をつける必要のあるポイントは見当たりません。
気になるvernicosaの香りですが、
シネオール中心のスッとした香りがします。
cinereaなどのように生臭みはなく、
非常に爽快な生粋のシネオールの香りです。
香りは強くもなく、弱くもないといったところで、
cinereaなどと同じか少し控え目なくらいで、
指で葉をサッと撫でると良く香ります。
成長速度の遅さから、リースなどに使用するのは困難でしょうが、
それなりに香りを楽しむこともできるユーカリです。
最近は西AZの砂漠地域のユーカリを
メインに育てている私ですが、
一方で、このvernicosaを育てていると、
本当にユーカリの多彩さに驚かされます。
成長が遅いことは、長期間安定して育てられる
というメリットにもなり、成長の遅い盆栽を、
のんびり育てるような感覚で栽培できます。
ただし、非常にレアなユーカリなので、
育てるためには、少し高価なタネを買って
そこから育てる必要があります。
現地の限られた栽培者が、私に、
日本人でvernicosaのタネを買うやつは
君が初めてだと言っていました。
もしかすると今、
日本でvernicosaを栽培しているのは、
この私だけかもしれません!
次に名乗りを挙げて、
栽培にチャレンジしてみたい方には、
タネの販売先をご紹介します。
在庫は限られているので、
vernicosaを育てたい方はお早めに!
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<栽培難易度:A+>
香良さ:★★★
香強さ:★★★
成長力:☆
要水分:★★★
耐過湿:★★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★
耐移植:★★★★
耐寒性:★★★★★
耐暑性:★★★
耐病虫:★★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい- # by eucalyptus_k | 2013-03-04 17:52 | ユーカリ紹介
【ユーカリ紹介-61】
ユーカリ・ポポラス・ベスティタ
(Eucalyptus polyanthemos ssp. vestita)続きまして第61回目は
人気のあるユーカリ・ポポラスの亜種で
より丸みのある葉と白みの強さが魅力の
ユーカリ・ポリアンセモス・ベスティタです。
◎ユーカリ・ポリアンセモス・ベスティタ
【学名:Eucalyptus polyanthemos ssp. vestita】
【英名:Red Box】
生花やフラワーアレンジの世界では、
葉と蕾や実のセットで
ポポラスベリーと呼ばれて重宝されているpolyanthemos。
巷で見かけるポポラスは、
十中八九が原種のssp. polyanthemosです。
その亜種であるこのssp. vestitaは、
時折、そんな中に混ざっていることがあるかもしれません。
実はこのpolyanthemosという学名は、
Many Flowers(たくさんの花)の意味で、
その名の通り、たくさんの花を咲かすユーカリなのです。
このたくさんの花=蕾がポポラスベリーを形作っています。
polyanthemosは、日本では何故か
Silver Doller Gumと呼ばれることがあり、
cinereaの英名であるSilver Doller Gumと全く同じなので
呼び名や販売名では少々ややこしいところがあります。
とにかく日本ではハートリーフユーカリ=ポポラスと思われるほど、
メジャー&人気のあるユーカリで、園芸店でもたまに見かけられます。
非常に良く見かけるgunniiなどの丸葉ユーカリとは、
一風変わったハートリーフが可愛いと女性に人気があります。
ssp. vestitaは、原種のssp. polyanthemosと同様に、
ハートリーフユーカリとして販売されていることもあり、
同じハートリーフ名で販売されるorbifoliaとも良く混同されます。
polyanthemosはorbifoliaに比べると
葉の葉脈がハッキリしています。
またorbifoliaは横広の葉になるようなこと絶対にありません。
※polyanthemosとorbifoliaの識別についてはこちらで詳しく紹介しています。
このssp. vestitaと、原種のssp. polyanthemosは、
苗木の間の大きな差はほとんどなく、
全てが個体差で補われてしまう程度の差なので、
私にも完璧な識別はできないほどに良く似ています。
もし、誰かが、
「これはssp. polyanthemosですか?ssp. vestitaですか?」
と苗を実際に持ってこられたとします。
私も恐らくプロの方でも、
「恐らくこれはこちらの可能性が高いです。」
という程度の判断しかできないでしょう。
それでも敢えて、苗木の間に、
ssp. vestitaとssp. polyanthemosを比較するならば、
ある程度成長してからの葉の形状で判断します。
まず下の写真はssp. polyanthemosの葉の写真です。
ssp. polyanthemosでは、
ある程度の樹高になってくると、
葉が特に横広になってくるという特徴があります。
また、葉柄(葉と幹をつなぐ部分)から
葉が90°に近い程の横方向に広がるというのが
ssp. polyanthemosの大きな特徴です。
その他では、かなり大葉になる傾向も強いです。
次にssp. vestitaの葉の写真です。
ssp. vestitaでは、葉が横に広がる際に、
原種のように、葉柄から90°に広がるのではなく、
斜めに広がっていく傾向があります。
そのため、葉は全体的に丸みを帯びており、
よりハートリーフに近い形状に見えます。
またサイズが若干小ぶりになることも多いようです。
その他では、葉や茎が原種よりも
白く粉を吹く性質が強くなっているようです。
ただし、これは個体差で変わってくる程度の差で、
この特徴だけで完璧な識別はできません。
この2種を識別する際に
最も大きな差が出るのは、その樹皮です。
まずssp. polyanthemosの樹皮です。
毛羽立った樹皮が今にも剥けそうです。
そして、木の上部になるほど、
徐々に樹皮が剥けていき、
白く美しい木肌が現れています。
次にssp. vestitaの樹皮です。
ssp. polyanthemosに比べると
幾分スムーズで落ち着いています。
ssp. polyanthemosのように激しく剥けることはなく、
木の上部までしっかりと樹皮に覆われています。
このように樹皮で見分けるのが
最も良い識別方法となっています。
ssp. vestitaは、ssp. polyanthemosと同じように、
20m程度の中規模の樹木に育ちます。
地植えをしたいという方も多くいらっしゃいますが、
広い庭があるならば不可能ではないという感じです。
かなり小まめに剪定を行ってサイズを調整しないと、
簡単に家の2階を超えてしまうことになります。
ほぼ全てがTree(木立型)になる原種に対して、
ssp. vestitaは、Mallee(灌木型)に成長する個体が多いようです。
その性質から、ssp. vestitaは、原種よりも遥かに、
脇芽を出しやすい性質を強く持っています。
比較的涼しい季節に成長するgunniiなどと比べると、
かなり温度の高くなる季節に大きく成長する品種です。
環境さえ合えば、成長力は旺盛な方ですから、
小まめな摘芯を心がけてください。
もしポポラスベリーのために開花を目指す場合には、
最低でも2m以上の樹高にまで育てる必要があると思います。
ssp. vestitaの生息地は、原種のssp. polyanthemosよりも、
さらに南、Victoria州のほぼ全域となっており、
globulus ssp. bicostataなどと同じ地域なので、
比較的日本でも育てやすいユーカリの代表格です。
ただ砂利土の多い土壌を好んで生息するため、
cinereaなどに比べると、より排水性の高い用土を好みます。
水はけの悪い用土や過湿には少し弱いところがあり、
根腐れには注意が必要な品種です。
川砂や軽石などを配合した乾燥力の高い用土を使用しましょう。
また、西AZのユーカリ程ではありませんが、
東AZのユーカリの中では、中々の水切れ耐性を持っています。
ユーカリの中でも特に日光の好きな品種で、
日光に当てれば当てる程、どんどんと元気に成長します。
分厚く元気に育った葉は、
真夏の直射日光でも葉焼けするようなことはありません。
ssp. vestitaは、
半日陰でもそこそこ育つ原種と比べると、
若干、耐陰性が弱く、日照が足りないと、
貧弱な葉ばかりを生成します。
このような葉はすぐに
うどんこ病などの被害にあうことになります。
また、高い空中湿度もあまり得意ではないらしく、
風通しの悪い場所や湿気のこもった場所で育てると、
褐斑病の症状が出ることもあります。
ssp. vestitaは、原種と比べると、
少しデリケートな性質を持っているといえます。
耐寒性については、cinereaやpulverulentaなどの
同じ地域に生息するユーカリに比べると高い方ではありませんが、
それでも-7℃程度までは耐えることができます。
英名のRed Boxが表しているように、
非常に寒さの厳しい環境では、
冬に真っ赤なモミジのような色に紅葉します。
この紅葉もpolyanthemosの冬の醍醐味といえます。
我が家では、毎年寒さが足らずに全く紅葉することはありません。
おそらく、置き場所の都合で寒風を防げるためかもしれません。
polyanthemosの葉は、
苗のうちは緑色の強い葉色をしていますが、
大きくなるに従って白銀色が強くなり、
ブルーグレイの葉色になっていきます。
特にこのssp. vestitaは、
葉の白銀色が強くなる性質を持っているため、
その葉はとても美しく魅力的です。
気になるpolyanthemosの香りですが、
ssp. vestitaと原種での香りの違いはありません。
シネオール系の香りをベースに、
少しミント様の甘く爽快な香りを感じます。
シネオールがガツンとくるcinereaなどよりも、
かなり親しみやすく、魅力的な良い香りです。
ところが、葉が肉厚でしっかりしているため、
葉を強く指でこすったり、
葉を千切ったときにほのかに香る程度です。
比較的、良い香りではありますが、
あまり香りを楽しむユーカリとはいえません。
polyanthemosは人気があり、良く知られているユーカリです。
近所のオシャレなケーキ屋さんの入口にも置いてありました。
ところがgunniiなどと比べると、
売っているところはあまり多くありません。
特に、原種ではなく、このssp. vestita指定となると、
タネからしっかりと品種管理をしているような
コアなショップから購入するしかありません。
※ssp. vestitaのタネは入手が中々困難なのです。
ポポラスで、どうしてもssp. vestitaが欲しい!
という方には素晴らしい農場をご紹介します。
特にオススメです。是非、育ててみてくださいね^^
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<栽培難易度:B>
香良さ:★★★
香強さ:★★
成長力:★★★★
要水分:★★★
耐過湿:★★★
耐水切:★★★★
耐日陰:★★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★★★
耐病虫:★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい- # by eucalyptus_k | 2013-02-21 14:48 | ユーカリ紹介