ユーカリ・プレウロカルパ(pleurocarpa)の開花
先日から嬉しい蕾ラッシュが続いていますが、
私の方は少し多忙になっています。
ネタはそれなりにあるのですが、
なかなかブログ更新ができずに歯がゆい状況です
そんな中で、
先日、蕾を紹介したpleurocarpaが開花しました。
花の中心には蜜がたっぷりです!
開花したのが3日程前で、
今朝が最も満開でした。
残った蕾も開きかけています。
このpleurocarpaは
テトラゴナ・シルバーとも呼ばれており、
その兄弟分には、
テトラゴナ・グリーンのextricaがあります。
そのextricaについては、
こちらの記事でご紹介している通り、
昨年開花を実現することができました。
少し前までは同種扱いであった2種ですから、
恐らく花はほとんど同じだろうと思っていました。
ところが、pleurocarpaの花は
extricaのものよりもかなり大きく、
さらに美しく、かなり存在感があります。
学名の元になっている通り、蕾には4つの角があり、
ひとつ前の記事で紹介したように
蕾の頭に×ペケポンがあったことの結果でしょうか。
花は四つのパートに分かれています。
他にはない中々面白い特徴ですね。
白基調のあまり面白みのない小さな花が多いユーカリですが、
pleurocarpaの花はなかなかに美しいです。
pleurocarpaはとても花が咲きやすく、
葉の美しさもかなりのものがありますので、
是非とも育てて欲しいユーカリです。
ちなみにこのpleurocarpaは少し前まで、
ポット苗のまま放置されていた株なんです。
次は、今回話題に上がったextricaと、
lehmanniiの開花が迫っています。
今からとても楽しみです- # by eucalyptus_k | 2013-07-09 16:06 | ユーカリ(花と蕾)
嬉しいユーカリ蕾ラッシュ!
今年は昨年よりもたくさんの蕾ができました。
ちょうど今、蕾のラッシュが始まっています。
昨年の秋から蕾ができているものもあれば、
今年の春になってから急にできたものもあります。
まずは昨年から蕾を作っている
期待の星のlehmanniiです。
昨年の秋ごろから蕾ができていましたが、
当初はとても小さな蕾でした。
ところが今年の春に入って
気温が上昇してからは
急激に大きくなってきています。
以外に大きいのでもし咲いたら
かなり見ごたえがありそうです♪
次に我が家でも今年初めて蕾のできた
pleurocarpaです。
昨年は自慢のpleurocarpaを
転倒で折って枯らせてしまいました。。。
※そのお話はこちら(ToT)
この株は元々予備で育てていた小さな苗でしたが、
順調に育って蕾を付けてくれました。
それでもまだ樹高は50cm程度で、
葉の毛がなくなってからまだ大した間がありません。
とても小さな蕾ですが、
下の写真のように蕾の先端に
×ペケポンがあるのが面白いです。
そしてこちらも
我が家のベランダでは初のkruseanaです。
置き場所や湿気・日照の都合からか
毎年kruseanaは越冬時に激しく痛みます。
この写真で見える変な色の葉や
斑点のある葉は触ると簡単に散ってしまいます。
パッと見はボロボロに見えますが、
新芽はしっかりと展開していますし、
何よりも蕾が付いてくれて感激でした!
最後は去年も開花してくれた
extricaです。
こちらは昨年花の咲いた株で
まだまだ蕾は小さいです。
これも樹高はわずか50cm程度です。
引き続き病気がちですが、
傷んだ葉などを取り除いて
少し掃除がてら剪定をして、
さらに少し置き場所の改善をしたところ
病気の症状は若干改善されてきました。
実はextricaは我が家には
予備にもう一株あるのですが、
何と!こちらの株も蕾を付けました!
こちらは予備苗だったために、
長らくポットに植えたままだったので
少し徒長して65cm程ありひょろ長いですが、
それでも立派な蕾を付けてくれています。
去年の実績を考えると
うまくいけば夏前くらいには一斉に開花しそうですね。
他には実家のpulverulentaなどにも蕾ができており、
一度花の咲いた株は、次年度も高い確率で
また花が咲いてくれるようですね。
これからの蕾の展開が楽しみです- # by eucalyptus_k | 2013-06-24 16:57 | ユーカリ(花と蕾)
【ユーカリ紹介-64】
ユーカリ・プラティパス (Eucalyptus platypus)続きまして第64回目は
とても西オーストラリア的な低木品種で
ニスを塗ったかのような光沢の強い
鮮やかな緑色の葉が特徴的な
ユーカリ・プラティパスです。
◎ユーカリ・プラティパス
【学名:Eucalyptus platypus】
【英名:Moort / Round-leaved Moort】
日本ではまず知る人もいないほどに
マイナーなユーカリであるplatypusですが、
現地オーストラリアでは、園芸用に人気があり、
特に生息地の西AZではかなり身近なユーカリだそうです。
Moort(ムート)というアボリジニー名を持つことからも、
現地では親しみの深いユーカリであることがわかります。
その葉や外観にも色々と特徴的なところはありますが、
どちらかというと、花を咲かせるユーカリとして
人気があり、現地では頻繁に栽培されています。
前の記事でcrenulataがとても良く茂るという
お話をさせていただきましたが、
このplatypusも非常に良く茂る性質を持っています。
日本にはない樹種ですが、
現地ではMarlockという樹種になるようです。
このMarlockは樹高は10m以内の低木ですが、
とても細くひょろ長い幹にたくさん枝葉が茂るというような、
日本で言うとちょっとした藪を形成しているような
そんな樹種になるようです。
そのため、このplatypusは育て始めてから、
ほとんど真っ直ぐ上に伸びるようなことはなく、
どんどんと枝葉を増やしながら茂っていきます。
写真のplatypusは少し前のもので、
現在はこれよりも遥かに激しく茂っています。
5号鉢ではもう根がパンパンで、
そろそろ鉢増しをする必要があるほどですが、
その樹高はわずか35cm程しかありません。
ところが、横には45cm以上も茂っています。
現在は無理やり支柱で真っ直ぐに矯正しているのですが、
全く矯正を行わなかった場合は、
どんな風に茂って広がっていくのか想像もつきません。
この性質であれば、上手く剪定して育てれば、
玉もの仕立てとして美しい樹形を作ることができるかもしれません。
そんな特徴的なplatypusの葉ですが、
ニスを塗ったかのような非常に強い光沢があり、
とても濃く鮮やかな緑色の葉色をしています。
またその葉は非常に硬くしっかりとしています。
整った葉型の品種が多いユーカリでは珍しく、
platypusの葉はかなり不定形です。
platypusの葉は、基本的にはしゃもじのような形をしていますが、
ハート型のものがあったり、団扇型のものがあったり、
槍の先のように尖ったものがあったり、
本当にその形は多種多様で同じ葉型の葉はほとんどなく、
全ての葉がそれぞれ微妙に異なった形をしています。
また多くの葉の周囲はとてもデコボコしており、
左右対称ではないようなヘンテコな形の葉も
結構たくさん生じています。
また、精油の分泌腺が豊富なようで、
葉もとてもザラザラでデコボコしています。
茎も葉と同じようにザラザラしており、
葉・茎ともに粉を吹いているような箇所はありません。
platypusは幼葉と末葉で、ほとんど差の生じない品種です。
ただ、大きく育っていくことによって、
少し葉の形は丸みを帯び、整っていくようです。
生息地は、西AZのアルバニー周辺という、
非常に我儘なユーカリの多い地域ではありますが、
platypusは意外にも、強健で非常に育てやすいユーカリです。
樹高については、本に書いてある最高樹高は8m程度ですが、
そこまで真っ直ぐに大きくなることは稀で、
大概が数メートル程度で激しく横に茂るようです。
platypusはこのような性質から、
とても鉢植え管理向きのユーカリであるといえます。
ただし、激しく横に広がる性質もあるので、
少し場所をとってしまうかもしれません。
先述した通り、花を咲かせるユーカリとして、
現地では人気があり、花の色も様々で面白いです。
基本的には、下の写真のような
ライムグリーンの花がメインのようですが、
クリームホワイトの花が咲くものがあったり、
稀にピンク色の花を咲かせる個体も
存在しているようです。
またこのplatypusの近似種に
vesiculosaというユーカリがあります。
こちらはピンク色の花限定の品種で、
さらに樹高の低い低木品種になります。
このvesiculosaも別途栽培していますので、
またいつかユーカリ紹介でご紹介したいと思います。
platypusの最高樹高を考えると、
1m程度の樹高で開花を目指せるのではないでしょうか。
ただし、必ずしも順調に樹高を伸ばすユーカリではないので、
何mの樹高でというのはあまり参考にならず、
何年目で開花などと考えた方が良いとは思います。
学名のplatypusの意味ですが、
直訳すると「幅の広い足」という意味になります。
これは、platypusの花梗(花が付いている茎)の幅が
とても広いことに起因するようです。
上の写真はそれぞれ蕾と実の写真ですが、
蕾や実が付いている部分が
とても幅広く平たいのがわかるかと思います。
とても面白い特徴がたくさんあるplatypusですが、
この、他にはないような変な特徴の数々は
とても西AZのユーカリ的だなあと思わされます。
こんな特徴的で面白いplatypusの育て方についてですが、
西AZのユーカリらしく、強烈な日光と乾燥を好みますが、
過湿に対する耐性が比較的強く、
とても育てやすいユーカリであると言えます。
ところがタネ播きから育苗初期については、
とても立ち枯れしやすく、中々に難しかったです。
あまりにも育苗初期が難しかったので、
これは中々厄介なユーカリだなあと心配していたのですが、
ある程度育って、丈夫な葉が生じるようになってからは、
とても楽に育てられるようになっています。
まず、小さな間は強乾燥力の用土で且つ、
少し小さめの鉢で育てながら、
しっかりとした根張りを確保したいところです。
platypusの育苗初期の小さな柔らかい葉は、
うどんこ病などの影響を受けることもありますが、
根張りがしっかりと完了した後の分厚く丈夫な葉は、
病害虫の影響をほとんど受けることはありません。
恐らく精油が豊富なこともあるでしょうが、
我が家でも珍しく、ハダニなどの影響を全く受けません。
またしっかりとした根張りを確保できた株では、
西AZのユーカリではとても珍しく、
半日陰程度でも丈夫に育つ、
少しの耐陰性も兼ね備えています。
成長は、東AZのユーカリと比べると遅い方ですが、
西AZのユーカリの中では、それなりに早い方です。
ちょうどlehmanniiやtetragonaなどと同じくらいです。
この成長速度は、育てている上で都合が良く、
遅すぎて退屈にもなりませんし、
早すぎて困ることもないという程度でとても管理しやすいです。
platypusは、西AZのユーカリの中では
かなり水が大好きな方で、
特に初期の根張りが確保できている場合、
暑い時期には東AZのユーカリが顔負けするほどに
水を吸うので、水切れにも注意が必要です。
また、水切れ自体にもあまり強くないようで、
水が切れるとすぐに、丈夫で硬い葉がヨレヨレになり、
葉の艶を失って、だらんと垂れてきます。
水切れに強いユーカリであれば、
そこからしばらくは枯れずに頑張るのですが、
platypusは水が切れるとすぐに、
下葉に枯れが出たりなど傷みやすいので、
水切れには特に注意が必要になります。
冬季になると、吸水量は激減しますが、
それでも西AZのユーカリの中では、
かなり吸水を必要とする方です。
※tetragonaと同程度
冬季でも気づかないうちに水が切れて、
葉が枯れ出していることもあるので気をつけてください。
また、冬季の過湿には、西AZのユーカリの中では、ですが、
ビックリするほど耐えることができます。
また多くの西AZのユーカリが葉痛みしやすい梅雨時期でも、
あまり葉に痛みが出ることはありません。
platypusは、西AZのユーカリらしく、
強烈な日光や高温にはとても強いです。
葉は全く粉を吹いていませんが、
真夏の直射日光などものともせずに元気に育ちます。
ザッと育ててみた感じの印象ですが、
とても楽で丈夫なlehmanniiと言った感じです。
lehmanniiを問題なく育てられる人なら、
platypusは楽に管理できることと思います。
気になるplatypusの耐寒性についてですが、
恐らく、macrocarpaやalbidaなどと同じく、
-8℃くらいまでは耐えられるものと思います。
-8℃程度の耐寒性を持つとされる
西AZのユーカリは、-5℃程度になる我が家のベランダでも、
それなりに紅葉したり、少し葉痛みが生じることがあります。
ところがplatypusは全く紅葉することがなく、
夏場と同じように、鮮やかな葉色を保ち続けています。
昨年の冬は屋外に完全放置していましたが、
目立った葉痛みはほとんどなかったので、
本当はもっと高い耐寒性を兼ね備えているのかもしれません。
platypusの香りについてですが、
シネオールベースのスッとした強い香りに
柑橘系の香りが少しだけ加わったような爽快な香りです。
これは万人受けするであろうとても良い香りです。
orbifoliaやdecipiensなどの香りにも似ており、
さらにシネオールを強くしたような感じです。
葉が硬く分厚いためか、
軽く葉に触れただけではほとんど香りませんが、
強く葉をこすったり、葉を千切ったりしたときには、
周りが香りでいっぱいになるほど強く香ります。
恐らく精油の含有量もかなり多いと思われます。
精油の含有量の多いユーカリは、
支柱を施すときや、剪定などの際に
たくさん触ると、すぐに手がベトベトになるのですが、
platypusもすぐに手がベトベトになります。
栽培したり、花を咲かせたりする用途以外にも、
香りを楽しむユーカリとして十分に利用できます。
現地の文献などでは、platypusの葉を
リースなどにして利用している例を見かけますが、
個人的にはリースにはどうなの?と疑問に思っています。
何故かというと、platypusの葉は、
枯れるとすぐに茶色くなって、
通常の枯れ葉のようになって縮れてしまうからです。
もっとボリュームが付いてきたら、
色々と試してみたいと思っています。
platypusには様々な特徴があり、
本当に育てていると飽きないユーカリです。
西AZのユーカリの中では、
accedensなどと並んでトップクラスに育てやすく、
西AZのユーカリ入門編にも最適です。
コンパクトに管理しやすく、
樹形もこんもりと茂りやすいというのも
とても魅力的な性質です。
platypusは、日本ではとてもマイナーなユーカリなので、
タネから育てるしかないのでは?と思われるでしょうが、
親愛なるこあら師匠の農場では、
すでに栽培が始まって、商品として並んでいます。
育苗初期には少し難しいところがあるので、
慣れない人は、苗を買って育てた方が良いかもしれません。
興味のある方は是非とも育ててみてください!
そして花が咲いた暁には、
何色の花が咲いたか、是非とも教えてくださいね♪
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<栽培難易度:B+>
香良さ:★★★★
香強さ:★★★
成長力:★★★
要水分:★★★
耐過湿:★★★
耐水切:★
耐日陰:★★★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★★
耐病虫:★★★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい- # by eucalyptus_k | 2013-06-14 12:39 | ユーカリ紹介
樹形が整いやすいcrenulata (クレヌラータ)
ユーカリを育てていると
なかなか思い通りの美しい樹形にならずに
困ったり悩んだりすることがあります。
これはもちろん他の植物にも言えることですが
特に大型樹木が多く、外国の植物であるユーカリでは
前の記事の幹が太りにくいなどの問題も含めて、
なかなか思い通りにならないことが多いです。
そんな中でとても樹形が整いやすく、
どんどんと葉が茂ってくれるユーカリがあります。
それはEucalyptus crenulata(クレヌラータ)です。
下の写真は我が家の樹高140cm程度になるcrenulataです。
私は、特に考えてテクニカルな剪定などは行わず、
基本的にはこちらの記事で書いた内容を実践しただけですが、
勝手に見事な樹形に育ってくれています。
crenulataはどうしても葉がたくさん茂り、
頭が重くなるので、風の強いベランダでは
念のために支柱を施していますが、
支柱なしでも一応しっかりと自立します。
木肌もなかなかシックでオシャレです。
このユーカリを育てる利点は、
茂りやすさの他にもたくさんあります。
とにかく、ユーカリ中でも
トップクラスの過湿耐性と耐陰性を兼ね備えています。
冷涼地の湿地帯に生息しているので、
高温多湿が大得意というわけではありませんが、
特に涼しい季節や冬季の過湿に強いです。
また、さすがに室内管理は不可能ですが、
半日陰以下の場所でも育てることができます。
上記のような利点から、
日本の狭い庭や暗い軒下・ベランダなどでも
比較的容易に栽培が可能になっています。
また、あまり水分管理に自身のない人にも、
特に難しい低温期の水遣りがとても簡単なので、
過湿で枯らせるようなこともほとんどありません。
ただし、相当の水食いなので、
放置気味の人は寧ろ水切れに注意が必要です。
そして、丸葉ユーカリ以外では、
新芽の白銀色と下葉の深緑色のコントラストが生えて、
外観もとても美しくなっています。
香りもそこそこ強く、
アロマオイルとしての利用もされているようです。
また最高樹高も12m程度と在来の樹木並みで
ほとんどが数メートルで収まるようなので、
鉢植えはもちろん、地植えの庭木としても利用が可能です。
大きく育っても、その他の多くのユーカリのように
葉が槍のような細葉に変わることもありません。
ありふれた丸葉ユーカリ以外で
楽に育てられるユーカリをお探しの方には
特にオススメの素晴らしいユーカリです。
美しい樹形で管理されたい方にも最適!
こんな魅力満載のcrenulataを育ててみたい方には
販売実績のある素晴らしい農場をご紹介します。
ぜひ一度育ててみてください。
【追記】
ユーカリ紹介のcrenulataについても
写真や文章を大幅に更新しています。- # by eucalyptus_k | 2013-06-12 13:36 | ユーカリ(品種知識)
ユーカリの幹が太らない?
最近、「ユーカリの幹が太らない!」
というお問い合わせをいくつかいただいています。
確かに私もたくさんユーカリを育てていますが
支柱をせずに自立するようなユーカリは
本当にわずかしかありません。
この理由はいくつか考えられますが、
まずほとんどのユーカリは
かなりの大型樹木であるということがあります。
特に日本で良く見かけるユーカリは
どれも大きくなるものばかりです。
gunnii(グニー)...25m程度
globulus(グロブルス)...45~70m超
polyanthemos(ポポラス)...20m程度
cinerea(銀丸葉)...20m程度
citriodora(レモン)...50m程度
bridgesiana(アップルボックス)...25m程度
どれも家の2階なんて
簡単に超えてしまうようなサイズですね。
良く聞くのが、2~3mでも
幹が一向に太らないというお話ですが、
これらのユーカリにとって、
2~3mなんてまだまだ子供で、
苗木レベルでしかないということになります。
サクラなどの植樹を思い浮かべていただくとわかりますが、
数メートル程度の苗木はそれはそれはヒョロヒョロで
どれもしっかりと支柱や添え木がされていると思います。
丁度これと全く同じ状態になるのです。
幹を早く太らせるためには
環境やその他様々な要因も絡んでくると思いますが、
樹木は先に背丈を伸ばそうとする性質が強いので、
相応に年月をかけて太らせていくものだとご認識ください。
だって、考えてもみてください。
ユーカリ自体は、20m以上の高い樹高を目指して、
どんどん枝や葉を出して樹高を伸ばそうと頑張っているのに、
わずか2~3mで新芽を摘まれたり、
剪定で樹高を抑えられてしまうので
幹を太らせる余裕なんて中々ないというわけです。
おまけにそれが鉢植えだったり、
いくら地植えでも、根を伸ばせば
すぐに家の基礎や壁、他の植物の根があるような場所では、
なかなか根も満足に伸ばせないので、
もちろん幹を太らせる力も満足に出せないのです。
gunniiは先述した通り25m級のユーカリですが、
良くご近所のお庭に植わっているgunniiは
25mになっているものなんてほとんどないと思います。
恐らく、樹高は2~4m程度で止まり、
幹もとても細くヒョロヒョロしていると思います。
これは上記の要因の通り、小まめな剪定のたまものでもあり、
日本の庭がどうしても狭いという事情によるものでもあります。
試しに広い畑の真ん中にgunniiを地植えした人がいますが、
何も邪魔をするものもなく、ふんだんに根を伸ばすことができ、
日光もガンガン浴びることのできるそんなベストな環境では、
3年程度の短期間で簡単に電信柱を超えたそうです。
もちろんこのような株は幹も早く太ります。
ソースは忘れてしまいましたが
大型樹木の成長の変遷として、
樹高を伸ばす→葉を茂らす→幹を太らす
という大まかな順序があったかと思います。
そのため、大きな樹木であるユーカリは
まず樹高を伸ばすことに必死で
幹を太らすのは後回しになるというわけですね。
5年前に近所で見つけた地植えのgunniiがあります。
その当時このgunniiは良く見かける通りヒョロヒョロで
それはそれは頼りない印象がありました。
そのお宅は植木屋さんの親戚がいるので、
毎シーズン見事に剪定を行っており、
いつ見ても3m程度の樹高に収まっていました。
そして5年が経過して、先日見たそのgunniiは
樹高は5年前と全く同じく3m程度で収まっていましたが、
幹はとても太くなり、とても立派な木になっていました。
このように、根気良く管理を続けていれば
いつかは必ず立派な幹になるものです。
あと、日本ではあまり見かけないレアなユーカリで
最高樹高が2~4m程度という品種がいくつかあります。
このようなユーカリは品種ごとの性質にもよりますが、
比較的早い段階で幹が太り、自立しやすいものが多いです。
我が家でも250cmを超えるcamaldulensisの
株元の直径はわずか1.5cm程しかありませんが、
70cmのalbidaの株元の直径は2.5cm以上、
120cmのcaesia ssp. magnaの株元の直径は4cm以上、
100cmのmacrocarpaの株元の直径も4cm以上あります。
camaldulensisは45m級の大木品種ですから、
250cmでもわずか1/18しか成長していません。
ところが、macrocarpaであれば、3m程度ですから、
既に樹高の1/3は成長しているわけです。
その他では、日本はオーストラリアよりも
かなり湿潤でジメジメしているので、
現地よりも根張りが悪くなる傾向があり、
地植えでも徒長しやすいという話もあります。
このような理由により、
多くのユーカリはちょっと幹が太りにくいのですが、
ぜひ根気よく育てていってみてください。- # by eucalyptus_k | 2013-06-10 18:13 | ユーカリ(栽培知識)