ユーカリ・ギリー(gillii)の地植え例
常日頃からユーカリの地植えについては
しっかりとご検討なさった上で
決断なさった方が良いと申し上げています。
これはユーカリは大型樹木であり、
非常に根張りの激しい植物ですので、
思った以上に短い期間で
かなりの大きさに達することがあるからです。
地植えの際の成長スピードは
鉢植えのそれとは比較になりません。
またユーカリは一般的にハーブ草木と思われがちですが、
多くの品種、特に日本でありふれているような品種では、
最高で20mを越えるようなものがほとんどだからです。
ところが西AZや中央AZのユーカリに関しては、
そこまで樹高が大きくならないものもあります。
最高樹高は2~10mといったところですので、
大きなツバキやハナミズキやヤマボウシ、
サルスベリなどと同じような感じですね。
10mというとかなりの樹高ではありますが、
これらのユーカリの多くは日本ではあまり気候が合わず、
最高樹高にまで育つことは稀なようです。
私の親の実家にも一つユーカリの地植えがあります。
その品種とはEucalyptus gilliiです。
gilliiは最高樹高が10mになることもある品種ですが、
非常に暑く乾燥した環境を好むため、
日本ではあまり成長の激しいユーカリではありません。
また10mというのはあくまでも最高樹高で、
多くの場合は数m程度の灌木上に育つようです。
この実家の地植えgilliiは、
現在の樹高が2m弱くらいの大きさです。
年に二回程度の一般的な剪定を行っていますが、
そこまで成長が早く、手に余る印象はありません。
gilliiはユーカリの中でも、
とにかく花の咲き易いユーカリの一つです。
鉢植えの場合、株によっては咲かないものもありますが、
地植えをすると長い期間、たくさんの花を
引っ切り無しに咲かせてくれます。
地植えをすると手に余るといわれるユーカリですが、
しっかりと品種を選択することで、
楽に管理を行うこともできます。
とはいえ、日本で普通に売られているユーカリは、
どれも中~大型樹木が多く、
ありふれたgunniiでも亜種によっては、
25m級の樹木になるケースがあります。
地植えであれば、水遣りは不要で、
虫もほとんど付かない管理の楽なユーカリですが、
いざ地植えをする際には、
その品種が本当に適切であるか、
良く考える時間を持ってみてください。- # by eucalyptus_k | 2014-11-14 17:14 | ユーカリ(栽培実績)
ユーカリプレゼントの里親急募!
今回実家の庭の整理のために
私の親の実家にあるユーカリの里親を探しています。
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おかげさまで全ての里親が決定しました!
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どれも我が家のベランダの株とは
比較できないくらいに
丈夫で立派な鉢植えの株となっています。
当初はYahooオークションなどでの
販売も検討しましたが、配送の手間が面倒なことと、
数年かけて大切に育てていた株なので
やはり好きな方に引き取っていただきたいと思いました。
樹高はどれも120cmを超えていますので、
小さな苗ではなく、相応の大きさがあります。
樹形はどれも悪くはないので、
現状でもそれなりに見栄えは良いです。
発送ができませんので、
里親に名乗りを挙げて下さる方は、
苗の所在地である大阪府北東部(枚方市)まで
直にお引き取りにきて頂ける方のみとさせていただきます。
お一人様につき何株でも
お引き取りいただくことができます。
※全株一括引き取りでもOKです。
またこちらに来ていただく交通費以外に
一切の費用はかかりませんし、
植わっている鉢もそのまま一緒に引き取っていただきます。
お申し込みは必ずこちらの
「ユーカリプレゼント」ページ
からお願いします。
早い者勝ちになりますので、
検討中の方もまずはこちらから苗を押さえてください。
下記が苗の写真と情報になります。
※ユーカリプレゼントページにも詳細が載っています。
■Eucalyptus cinerea(銀丸葉ユーカリ)-01 【里親決定済】
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ご存じトップクラスに美しいユーカリ、
銀丸葉ユーカリことシネレアです。
樹高130cmクラスの大株で幹は太いです。
実家の庭の余剰株の整理のために
今回限りの一品です。
樹形は上部と下部に広がりがあり、樹勢は旺盛です。
樹高が大きめのため発送する手段がないので、
お引き取りに来ていただける方のみにプレゼントします。
■Eucalyptus cinerea(銀丸葉ユーカリ)-02 【里親決定済】
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ご存じトップクラスに美しいユーカリ、
銀丸葉ユーカリことシネレアです。
樹高120cmクラスの大株で幹は太いです。
実家の庭の余剰株の整理のために
今回限りの一品です。
樹形は全体的に広がりがあります。
樹高が大きめのため発送する手段がないので、
お引き取りに来ていただける方のみにプレゼントします。
■Eucalyptus gillii(ギリー)【里親決定済】
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白さの際立つ逆ハート葉のユーカリ・ギリーです。
樹高140cmクラスの大株です。
実家の庭の余剰株の整理のために
今回限りの一品です。
樹形も良く、現在蕾がついていて、
もちろん毎年定期的に花を咲かせてくれます。
樹高が大きめのため発送する手段がないので、
お引き取りに来ていただける方のみにプレゼントします。
■Eucalyptus leucoxylon(リューコキシロン)-01 【里親決定済】
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イエローガムことリューコキシロンです。
残念ながら亜種が何かはわからなくなっていますが、
ssp. megalocarpaかssp. pruinosaのどちらかです。
こちらの方が少し葉の白みが強い感じなので
ssp. pruinosaの可能性が高いかもしれません。
樹高120cmクラスの大株で幹は太いです。
実家の庭の余剰株の整理のために
今回限りの一品です。
樹高が大きめのため発送する手段がないので、
お引き取りに来ていただける方のみにプレゼントします。
■Eucalyptus leucoxylon(リューコキシロン)-02 【里親決定済】
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イエローガムことリューコキシロンです。
残念ながら亜種が何かはわからなくなっていますが、
ssp. megalocarpaかssp. pruinosaのどちらかです。
こちらの方が少し葉の緑色が強い感じなので
ssp. megalocarpaの可能性が高いかもしれません。
樹高120cmクラスの大株で幹は太いです。
実家の庭の余剰株の整理のために
今回限りの一品です。
樹高が大きめのため発送する手段がないので、
お引き取りに来ていただける方のみにプレゼントします。
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おかげさまで全ての里親が決定しました!
--------------------------------------------- # by eucalyptus_k | 2014-11-09 15:08 | その他
室内管理について
多くの人は観葉植物を室内で管理することを
ごく当たり前のことだと思っていると思います。
私も以前はそうでした。
ただ室内で管理するという行為は
植物にとっては最悪であるということは
多くの栽培ガイドにも書かれていますし、
これは間違いのない事実であると実感しています。
我が家も室内で観葉植物をいくつか育てていますし、
多くの御宅でも室内の観葉植物を見かけますが、
まあ大概の場合、その植物の状態は最悪です。
葉色も悪く、徒長して、生育も悪い。
これは屋外でそれらの植物の
本来の姿を見ると一目瞭然です。
大手ショッピングモールなどにある
観葉植物はいつ見ても綺麗だなと思いますが、
これは実は見た目が悪くなると
速攻で新しいものに変える業者が入っているからです。
園芸に興味を持った初期に
ベンジャミンなどの栽培に
少々てこずったことがあります。
その際に樹医と呼ばれる人にアドバイスを貰ったところ、
そんなもん外に出して日に当てれば速攻で復活だよ!
そもそも室内で植物を管理しようということ自体が
人間の我儘で無理のある行為なんだよ。
と嘲笑されたことがあります。
その時はちょっとムッとしたのですが、
今は全くこの方と同じ意見を持っています。
そこでユーカリですが、
ユーカリの室内栽培は不可能
私は色々試しましたが
はっきりと言い切ります。
台風などで取り込む場合も
1週間が限界ではないでしょうか?
明るい室内だから大丈夫では?
常に日が当たるし、窓も開け放っているから、
とご相談をいただくこともありますが、
常に枯れても良いなら自己責任でとお話しています。
理由は色々と実験もしてみましたが、
一番わかりやすい例は
虫を飼ってみると良くわかります。
最近鳴く虫の飼育にはまっていますが、
例えばスズムシでもバッタでも、
何でも良いので、飼育してみると実感できます。
虫は直射日光を嫌いますので、
屋外とはいっても、必ず完全な日陰に置きます。
我が家ではクツワムシを飼育していますが、
これは鳴き声が非常にうるさく、
夜間の屋外管理は騒音公害のために不可能です。
それでも何とか鳴かない日中は
必死で外に出して風通しを良くしています。
鳴き声のうるさくないマツムシの場合、
常に屋外に出していますが、
まず土の乾きの早いことに驚きます。
逆に室内で管理をしていると
いつまで経っても土がジメジメしていて、
たった1日で糞にカビが生えてきます。
屋外管理では糞にカビなど滅多に生えません。
虫の場合、屋外屋内どちらも完全日陰なので、
全てが風通しの成せる業ということになります。
次に日光についてです。
専門器具になりますが、
単純に照度計で測ってみるとわかります。
我々人間が明るいと思う室内と
暗いと思う屋外を測ってみると、
圧倒的に屋外が明るいことがわかります。
我々人間の目は大した画素数を見れませんが、
集光能力はどんな機械もかなわない
無限大の力があります。
逆にその弊害として
どこが明るく、どこが暗いのかという事実を
認識することがとても困難なのです。
それからもう一つ、ユーカリでは、
株が日光を浴びることは大切ですが、
実は鉢や用土も日光を浴びることが重要です。
これはもちろん乾燥を促し、
用土の消毒になるという効果がありますが、
特に西AZの半砂漠地帯のユーカリの場合、
非常に高い土中温度が強い根張りに影響するからです。
我が家のmacrocarpaで実験を行いましたが、
株のみほぼ終日直射日光が当たる株と
鉢や用土までほぼ終日直射日光が当たる株を比較してみました。
すると全く同じ時にタネを播いた株であるにも関わらず、
前者と後者では既に樹高に2倍近い差があり、
幹の太さや葉の大きさ、量などにも大きな差が出ています。
このように多くのユーカリでは、
室内管理は非常に都合が悪いです。
まだ、なぜダメなんだろう?という疑問がある場合、
ネットでユーカリの木が生えている写真を
いくつか検索してみるとさらにわかると思います。
一体ユーカリはどのような環境で生息しているでしょうか?
ユーカリは決してハーブ草木ではありません。
列記とした屋外性陽樹の大型樹木になります。
一部、冬季限定で室内管理が可能な品種もあります。
ただこれは下記の条件が必須になります。
■半日以上直射日光の当たる南向きの窓辺に置く
■その株の樹高や根張りがかなりしっかりしている
■それでも暖かい日には少し外の風に当てる
これを満たしていても、難易度は高めですし、
生育状況は並以下となります。
また春以降の成長のエンジンがかかる際にも
色々と影響が出てくることは否めません。
とりあえず私が実験上可能であった品種は
下記の品種になります。
●Corymbia citriodora(レモンユーカリ)
●Eucalyptus crenulata
●Eucalyptus glaucescens
●Eucalyptus robusta
●Eucalyptus camaldulensis
●Eucalyptus staigeriana
●Eucalyptus grandis
●Eucalyptus nitens
●Eucalyptus pruinosa
単純にユーカリ中でも
屈指の過湿耐性を持つものばかりです。
citriodoraとstaigeriana以外は
耐寒性もありますので、
室内に取り込む意味はあまりありませんね。
植物というものはインテリアやエクステリアである
という考えを持っている人は多いと思います。
一方で植物は生物を飼っているという感覚の人もいます。
私は完全に後者の考え方を持っています。
今は飼っていませんが、昔は犬を飼っていました。
私にとっては犬も虫も植物も同じ位置づけです。
そのため綺麗に見せようという剪定は最低限で、
基本的には健康上どうか?という観点でのみ剪定をします。
我が家には室内にも屋外にもたくさんの植物があります。
でもどれもインテリア的な見栄えではなく、
どこに置いてあげればその植物が健康に育つか?
という観点のみで配置しています。
そのため、人間の導線上に普通に植物がありますし、
植物のために人間が我慢することもあります。
お客様が我が家に訪ねて来られると、
大概、「家の中も外も森のようですね」と苦笑されます。
でもそうやって育てた植物には、
室内でもキラリと光る自然の美があります。
※美と取るかは人次第?ですが。
例外としてポトスとシェフレラ(カポック)は
かなり暗い場所でも育てることができます。
特にポトスは窓のないトイレ内などでも
意外に健康に栽培することができます。
植物に関する思い。
本当に十人十色ですね。- # by eucalyptus_k | 2014-10-14 13:08 | ユーカリ(栽培知識)
台風に備えて防備体制を強化
台風が近づくにつれて
思っていたよりもヤバそうな感じがしてきました。
私の住んでいる市でも
数時間前に避難準備勧告が発令されました。
思ったことは実行しておかないと
後で後悔するということで、
更なる防備体制の強化を行いました。
万が一飛んでしまいそうな
台や網、底板などを全て撤去して地面に寝かせ、
ハト除けのカラスの模型なども外しました。
そしてさらに鉢間のスクラムを強化。
もしもの時に転倒の可能性のある鉢を
全て安全な場所に移動しました。
備えあれば憂いなし!
皆さまの安全を心よりお祈り申し上げます。- # by eucalyptus_k | 2014-10-13 16:19 | その他
台風の接近とユーカリの避難
先日に引き続きまたまた台風襲来です。
いつも何故か当初は大阪に近づくと予想されますが、
ここ数年、大きく逸れてほとんど影響がありません。
ところが今回はいつまで経っても予想が逸れずに
当初の予定通り大阪に向かって進んでくるようです。
いつもは手抜きのユーカリ避難ですが、
今回は最大級の防備体制を引くことにしました。
全ての鉢を台の上から降ろして、
床面で強固なスクラムを組んでいます。
元々マンションの高層階ということで、
風速20m級の風が吹くことが良くあります。
そのため、鉢で常に強固なスクラムを組んでいるため、
滅多なことでは転倒はあり得ないのですが、
以前安心して置いていたら、転倒はなくても、
幹が真っ二つに裂けたことがあります。
また夜間のため、心配で夜も眠れないので、
時間をかけて防備体制を引くことにしました。
また強風により新芽が傷んだり、
蕾が取れてしまったりするので、
そのための防備体制でもあります。
それでも動かせない3m級の株については、
風に吹かれるままになりますが、
まあ強健な品種ばかりなので、
折れたら剪定と割り切ることにします。
ただこのクラスの株については、
もう私の力では折ることもできませんし、
ハサミも通らず、剪定にはノコギリが必要になります。
またびっくりするほどに幹に柔軟性がありますので、
物干台に守られて実際にはほとんど影響はありません。
この防備体制の準備ですが、
水遣り作業と合わせて、2時間近くかかります。
またもちろん戻す時にも
それ以上の時間がかかることになります。
私は商用栽培者ではないので、
そこまで切羽詰まったものはありませんが、
農業に従事されている方が、台風はとても頭が痛い
と言っている気持ちが少しわかるような気がします。
これはユーカリではないゴールドクレストと
ユーカリのerythrocorysですが、
非常に樹高が高く、安定感もないので、
このような株は臨時で室内に退避しています。
最近、鳴く虫収集にも凝っている私ですが、
また淀川の河原が水没しないこと、
そしてこの台風で大きな被害が出ないことを
心よりお祈りしています。- # by eucalyptus_k | 2014-10-13 13:16 | ユーカリ(その他)