今度こそ!ウッドワーディー(woodwardii)の蕾
今までwoodwardiiには何度も蕾ができており、
その度にご紹介をさせていただいています。
ところが管理に問題があるのか、
それとも気候が合わないのか、
元々折れやすく軟いwoodwardiiだからか、
多くの場合、マンション高層階特有の暴風で
開花までに蕾が落ちてしまっていました。
開花までに時間がかかりすぎの傾向があったので、
元々開花には至らない蕾が落ちただけなのかもしれません。
今回もまたwoodwardiiに蕾が付きました。
以前までとは比べ物にならない程のたくさんの蕾です。
今回は蕾ができてから育っていく速度がとても早いです。
今までにできて落ちてしまった蕾は
大概が夏~秋にできて、
冬を超えられずに落ちてしまうか、
春一番の強風で落ちてしまっていました。
文献によるとwoodwardiiの開花は
主に秋口になるようなので、
今年の秋までに間に合うでしょうか?
こちらの記事に詳しく載せていますが、
woodwardiiなどの特に乾燥を好み
過湿を嫌うユーカリについて、
今まで少し水が少なすぎた可能性がありました。
もしかするとそれが原因で、
蕾が開花に至らなかった可能性も考えられます。
今年は過湿にならないギリギリのラインで、
macrocarpaなどと同様に
woodwardiiでも潅水量を増やしています。
現在、macrocarpaやrhodanthaなどの
潅水量を増やしたユーカリについて、
成長の進み具合と調子はびっくりする程に上々です。
果たしてこの結果が吉と出るでしょうか?
秋までに間に合えば、
今度こそ開花してくれるかもしれません。- # by eucalyptus_k | 2015-07-29 00:27 | ユーカリ(花と蕾)
ユーカリ苗って高価なの!?
最近、お問い合わせをいただく人によっては、
「ユーカリ苗ってなぜあんなに高価なんですか?」
と聞かれることがあります。
私は正直、最近の植物全てについて
値段が安すぎると思っているほどなので、
ユーカリが高価だと思ったことは一度もありません。
元々野菜の苗以外の植物というものは
昔はそれなりの値段がしたものでした。
ところが昨今は大手ホームセンターなどの進出で
大量生産による価格の下落が起こり、
僅か数百円で観葉植物などが手に入るようになりました。
ある程度の仕立てのパキラやシェフレラなんて、
今はホームセンターで500円程度で買えてしまいます。
でも昔は1,500円~5,000円とかしたものです。
まずユーカリが高価だと思われる方は、
「ユーカリ=ハーブ草木」
という認識を捨ててください。
ユーカリはあくまでも樹木であり、
ユーカリの鉢植えは樹木の苗木です。
サクラやケヤキの苗木を探してみてください。
もう廃棄前の劣悪な苗木以外は、
数千円以上の値段がするはずです。
樹木はハーブ草木等に比べると
大きく育つ植物になりますので、
それだけ途中で脱落していく苗も多くなります。
また、日本ではまだレアな海外の植物です。
タネの輸入などにも思ったよりコストがかかります。
おまけに樹木なので草木のように発芽率も高くはありません。
また多くのハーブ草木は大量生産向きのものが多く、
挿し芽も自由自在、タネを播けばたくさんの苗が得られます。
タネ播き機器などによるオートメーション化も可能です。
先程、大量生産による価格の下落と言いましたが、
率直にユーカリは大量生産には向かない植物です。
まず事実上、挿し芽は不可能であるということ、
それから一度でもタネを購入された方ならわかると思いますが、
ユーカリのタネは必ずタネのカスと一緒に売られていますので、
タネの袋の中には、タネだけが入っているわけではありません。
黒い粒がタネで大量にある赤茶色の粉はカス
大概の場合、タネ:カス=3:7くらいの割合。
そのため機器によるオートメーション化も不可能です。
一部、gunniiやcinereaなど、
超メジャーなユーカリではピュアシードという
カスを取り除いたタネが売られていますが、
これは人手で取り除いたものになりますので、
とても高価なものになります。
またそこまで大量のロットでは売られていません。
昨今gunniiなどではある程度の大量生産に
対応できてきているのかもしれませんが、
私の知っているユーカリ栽培者のほとんどは、
一つ一つの苗をしっかりと手動で定植して管理されています。
メジャーなユーカリであれば、
良質のピュアシードを大量ロットで
安価に購入することもでるでしょうが、
ほとんどが海外からの輸入になりますので、
植物検疫証明書(phytosanitary certificate)
の添付が義務づけられてきます。
輸入元国にもよりますが
この発行手数料は30,000円~50,000円にもなります。
わずかなタネを購入するだけでも、
この30,000円程度が乗ってくるわけです。
ここからさらにマイナーなユーカリになると、
どんどんとタネの入手自体も困難になり、
価格もどんどん上がっていきます。
一度ある方に、ハーブや多肉植物などと比べて
高すぎると不満をぶつけられたことがあるのですが、
正直一緒にするな!と心の中で思いました。
試しに全く販売経験のない私が値段を付けるなら、
下記の値段以上じゃないと全く売る気がしないです。
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Eucalyptus gunnii(20-45cm)...2,500円
Eucalyptus gunnii(80-100cm)...8,000円
Eucalyptus cinerea(20-45cm)...3,500円
Eucalyptus cinerea(80-100cm)...10,000円
Eucalyptus leucoxylon(20-45cm)...3,000円
Eucalyptus leucoxylon(100-150cm)...18,000円
Eucalyptus albida(20-45cm)...4,000円
Eucalyptus albida(100cm~)...25,000円
Eucalyptus macrocarpa(20-45cm)...7,000円
Eucalyptus macrocarpa(100cm~)...40,000円
Eucalyptus macrocarpa(150cm~開花)...50,000円以上
Eucalyptus vernicosa(30cm)...20,000円
※ある程度の仕立てあり
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良くユーカリを販売されないのですか?
と聞かれることがあります。
上の価格を見て正直結構高い!!
と思われませんか?
でも、このくらいで売れないのであれば、
販売しようとはとても思えないです- # by eucalyptus_k | 2015-07-24 19:42 | ユーカリ(その他)
恒例のプレウロカルパ(pleurocarpa)の開花
今年もpleurocarpaが開花しました。
本来の開花時期は6月中旬から7月初旬と
もう少し早いものですが、
日照が控え目な我が家のベランダでは少し遅くなります。
毎年少量ではありますが、
この時期の開花が恒例となっています。
白色とユーカリ中ではスタンダード色ですが、
花弁の先のしべが薄い黄色でなかなか華やかです。
一つの花が4つの区画に分かれているのが
pleurocarpaの花の特徴です。
このpleurocarpaの花は
数あるユーカリの花の中でも
かなり美しい花の一つになると思います。
この株はわずか65cm程度の株なので、
pleurocarpaは本当に花の咲きやすいユーカリです。
手軽に美しい花が観られるので、
オススメのユーカリです。- # by eucalyptus_k | 2015-07-21 17:13 | ユーカリ(花と蕾)
ユーカリ・アーナ(urna)の蕾
またまた非常に珍しいユーカリに
蕾が付いているのを発見しました。
こちらで紹介している
レアなユーカリurnaです。
花自体はスタンダードなユーカリの花になると思いますが、
urnaの花ももしかすると日本初!?と言えるかもしれません。
文献によると、初夏~秋まで幅広く咲くようなので、
早ければ秋口には咲くかもしれません。
urnaは最高樹高16mクラスの中型ユーカリですが、
蕾の付いた株はわずか120cm程度の株になります。
実はこのurnaもここ2年程はかなり調子が悪かったです。
葉に変な枯れが出るという症状が発生していたので、
菌類か何かの病気かと思っていました。
確かに病気による影響もあるでしょうが、
主な原因は水切れと日焼けだったようです。
今年から半日陰程度の涼しい場所に移して、
水をたっぷり与えるようになってから、
ほとんど痛みが生じなくなっていました。
今春までは見るも無残な姿でしたが、
春以降にかなり美しい樹形を
取り戻してきた矢先の蕾になりました。
urnaも西AZのユーカリで
そこそこデリケートな品種ですから、
開花までまだまだ安心はできませんが、
是非とも珍しい品種の開花を実現したいところです。
ふとurnaの間横にあるpleurocarpaに目をやると
その蕾が開花し始めていました。
次の記事はpleurocarpaの開花
になるでしょうか?- # by eucalyptus_k | 2015-07-15 17:36 | ユーカリ(花と蕾)
やっと動いた新芽!
ユーカリ中でも屈指の美しさを持ちますが、
栽培難易度も屈指の難しさといわれる
macrocarpaというユーカリがあります。
そしてその矮性種に
macrocarpa ssp. elachantha
というユーカリがあります。
さらにこのmacrocarpaの類似種の丸葉種に
rhodanthaというユーカリがあります。
これらのユーカリは非常に強烈な日光と
びっくりするような暑さと土中温度、
用土の強い乾燥力を必要とするユーカリで、
正直我が家の半日陰のベランダでは、
栽培に限界があると思われるユーカリです。
またこのユーカリの栽培に
チャレンジしている有志が他に何名かいるのですが、
今のところ、まだベストな栽培方法を
確立できたとは言い難い状況です。
我が家にも樹高90cm近いmacrocarpaと
樹高120cm近いmacrocarpa ssp. elachantha、
樹高50cmで横に拡がったrhodanthaがあります。
どれも我が家ではかなり大きな
7号スリット鉢に植わっていますが、
根はしっかりと張っており、
鉢底のスリットからは根が見えています。
パッと見は決して悪い状態には見えないのですが、
約2年間、三者ともピクリとも動かず、
1ミリたりとも成長が進みませんでした。
まるで時が止まっているかのような感じです。
元々かなりデリケートなユーカリたちで、
ほんの少しの管理ミスで枯れてしまうこともあるので、
昨年まではあまり思い切った実験はできませんでした。
ただこのまま何年も動きがないのは困るので、
今年は色々と改善案を実行してみようと思っていました。
まず私はこれらのユーカリが
過湿に非常に弱いことを良く知っていますし、
どのくらいの過湿で枯れてしまうのかも経験済みなので、
過湿が原因でないことはわかっています。
もし過湿が原因である場合は、
根の張りが進むことはありえません。
ここで考えられることといえば、
肥料分が不足していることか、
逆に水が足りなさすぎることくらいでした。
よってこの二つに対して、
対策を実行することにしました。
内容は下記の通りです。
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1. 成長期に入ってから適宜液肥を与える
2. 最高気温が25℃を超えるようになってから、
用土の表面とスリットから見える用土が乾いたタイミングで、
しっかりとたっぷり用土表面から水を与える。
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1についてはさほどのリスクはありません。
気を付けることといえば、リン酸分の与えすぎと、
用土のpHに大きな変化が起きないようにするだけなので、
要するに肥料を与えすぎないようにすれば良いだけです。
2については、まだ根の張り切っていないこれらの品種の場合、
ヘタをすると過湿になってしまう可能性のある水分量です。
最悪毎日観察すれば、枯死は避けられるでしょうが、
元々動きの全くない株に大きなダメージを与えてしまう可能性もあります。
でも、このまま全く動きが無ければ、
古い葉はどんどんと汚くなっていき、
いつかは散ってしまうことになります。
思い切って上記をしっかりと実行することにしました。
・・・
その結果!
全ての株で約2年ぶりに動きがありました!
まずmacrocarpa、
株の上部二か所から新芽が生じて、
株元のRigno-tuberからも新芽が出だしました。
そしてrhodantha、
これは株元のRigno-tuberから
たくさんの元気な新芽が出だしました。
真ん中の色褪せた葉が古い葉で
両サイドの鮮やかな葉が新芽です。
最も大きな動きがあったのが
macrocarpa ssp. elachanthaです。
二か所で大きな新芽が発生して、
かなりのスピードで成長が進んでいます。
肥料が結果に結びついたと思われるでしょう。
でも実は昨年までも肥料を、
全く与えていなかったわけではありませんでした。
マメな液肥は確かに成長に拍車をかけたでしょうが、
恐らく2の「水を与えなさすぎた」が一番の要因のように思います。
何故かというと、この新芽が出だしてから、
試しに昔通りの少ない水遣りに戻してみました。
すると新芽がたちまちヘタってしまったのです。
元々これらのユーカリは乾燥耐性が非常に高く、
特にしっかりと育った硬い葉は、
少々水が切れたくらいでは、びくともしません。
ところがまだ柔らかい新芽はすぐに水切れの症状が出るわけです。
新芽がヘタっているということは、
生存可能な水分量は何とか確保できているが、
成長を進めるための水分量は確保できていなかったと考えられます。
新芽のヘタり具合を見るに、
昨年までの水遣りに1.5~2倍程度追加で水を与えれば
成長が進むことが分かりました。
私は今までに日照の悪いベランダで、
過湿に悩まされ続けてきました。
そのため、とにかく乾燥力を上げる工夫と、
水切れギリギリで育てることで、日照の悪い場所でも
根張りが良くなる工夫を実践してきました。
この工夫はまだ根の張り切っていない
初期の状態の株には非常に有効でした。
ところが今回、しっかりと根の張り切った
勢力旺盛な株を成長させるためには、
さらに水が必要であったことに気づきました。
その他の根張りの良い品種についても、
もう少し水遣り頻度を増やしてみたところ、
変な新芽の枯れが少なくなってきたように思います。
ただ、それでもこちらの記事のgamophyllaのように、
油断すると過湿で枯らせてしまうこともあるので、
本当に水分管理は難しいですね。
まだまだ精進あるのみです。
でも本当に動きがあって良かったです
最後に液肥のおこぼれと水分量の増加で
新芽の成長が旺盛になったユーカリたちです。
※これらの品種は毎年動きがあります。
gongyrocarpaです。
毎年冬に傷んだ葉をほとんど散らせて、
春以降に激しく新芽を吹きます。
そのため、あまり最高樹高が変わりません。
今年は液肥が効いたか!
例年以上に勢力旺盛なcordataです!- # by eucalyptus_k | 2015-07-13 18:26 | ユーカリ(栽培知識)
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