Eucalyptus platypus(プラティパス)の水切れ
先日、こちらの記事で、
植え替え情報を紹介したてだったplatypusですが、
油断していて、いきなり水切れを出してしまいました。
植え替えのしたてで根が安定していないこともあったでしょうが、
理由は完全に水切れで、私の不注意と油断が原因です。
気づいたのが早かったので、
全枯れ-枯死には至りませんでしたが、
大体1/3くらいの葉に枯れが出てしまいました。
先日、ご紹介した時の写真が下のもの、
そして今回、枯れた葉を取り除いたものが下の写真です。
多くのユーカリでは水切れ前に、
葉が犬の耳のように垂れ下がったりなど、
ある程度のサインがあります。
また、ユーカリの多くは乾燥耐性が強く、
水切れで、しな垂れても、
そこまで速攻で葉枯れが出ることは少ないです。
ところが今回のこのplatypusや、
他ではMoon Lagoon、kruseanaなどのように、
カラッとした質感で葉の硬い品種では、
その水切れのサインが全くわからないことがあります。
そしてplatypusやMoon Lagoonは、
比較的水が大好きなユーカリのため、水切れも早く、、
特にplatypusでは乾燥耐性が非常に低いようです。
この株は昼の11時ごろに確認したときには、
鉢の表面こそカラカラでしたが、
鉢底のスリットから見える土はまだ良く湿っていました。
もう一日耐えられるかなと、その日は水を与えず、
次の日、用事で水遣りが少し遅めになって、
13時ごろ確認したところ、既に水が切れて、
葉枯れが出ていたという状況です。
今回のように1/3もの葉を枯らせたのは初めてですが、
実は以前にも、同じplatypusで、
1/5~1/6程度の葉を水切れで枯らせたことが何度もあります。
かなりの水食いで、すぐに葉がしな垂れるユーカリは結構あります。
ところがこんなに急速に葉枯れが出るユーカリは珍しいです。
本当に、このplatypusは水切れに対して、
かなりシビアなユーカリであると思います。
ちなみに水切れで、
ギリギリ間に合った場合の葉の症状例です。
発見が遅くて全てがカリカリになった場合は別ですが、
写真のように葉の一部は瑞々しいのに、
一部が枯れているというような状態になります。
過湿で根がやられてしまった場合には、
このような枯れ方にはならず、
全体的にカリカリになって枯れていきます。
とりあえず新芽部分に
あまりダメージがなかったのが救いです。
ボリュームもかなり控えめになり、
下葉の色も少し悪くなってしまいましたが、
新芽部分はまだまだイキイキしているので、
これも経験!ということで次への糧にしていきます。
しかしこのplatypus、
乾燥を好む西AZのユーカリの仲間のはずなのですが、、、
特に水切れで気をつけていく必要がありますね。
とりあえずこれからが成長期ですから、
気持ちを新たに、仕切り直しです!- # by eucalyptus_k | 2014-04-27 01:52 | ユーカリ(栽培実績)
今日の植え替えはEucalyptus albida(アルビダ)
今日の植え替えは、学名に「白」の意味を持つ、
Eucalyptus albidaです!
このユーカリは当初、
知る人ぞ知るマイナーなユーカリでしたが、
最近は随分とメジャーになり、
ネット等でも良く見かけるようになりました。
ただ、依然育てるのが難しいというクレームが多いようで、
販売者を悩ませ続けているようです。
ただ個人的にはそこまで難しいユーカリではなく、
ポイントさえ分かってしまえば、
比較的強健で西AZのユーカリの中では楽な方です。
写真の株は既に樹高が80cm程度ありますが、
この植え替えまで、スリット鉢の5号ロングで育てていました。
この時点でやっとこさ根がパンパンで、
そろそろ植え替え時だったとも言えますが、
粘ればまだまだこの鉢でいけたという感じです。
一般的な植物の鉢植えから見ると、
この樹高で5号では少し鉢が小さいように感じますし、
実際に風の強いオープンスペースに置いていたら、
簡単に転倒してしまうような状態でした。
ところがここが一つ大きなポイントになります。
albidaはユーカリの中ではかなり乾燥を好み、
吸水量もかなり少ない部類に入ります。
そのため、用土が無駄に長期間湿っていると、
根張りがうまくいかずに、生育が著しく悪くなります。
そのためには、特に初心者の方は、
ワンサイズ以上小さな鉢で育てることと、
かなり乾燥力の高い用土で育てることが大切です。
結論としては、用土の質と鉢の大きさ(用土の量)、
そして日照と置き場所さえ間違わなければ、
放置でも楽に育てられるユーカリなのです!
とはいえ、普通の観葉植物とは大きく異なり、
そのようなalbidaの特性を知らない人が、
通常の植物と同じように育ててしまうと、
育てるのが難しいということになってしまいます。
日照は真夏でも終日直射日光が推奨ですし、
用土も通常の観葉植物用土では少しキツイです。
また、とても美しいユーカリですから、
多くの人は、大体少し大きめの
陶器製の美しい鉢に植え付けます。
陶器製の鉢が決して悪いわけではありませんが、
なるべく乾燥力の高い鉢の方が生育は良いです。
ただそこに通常の観葉植物用土を使用して、
大きめの鉢で一般的な頻度の水遣りを行ってしまうと、
さすがにalbidaの性質上、枯れることも多いでしょう。
要するに決して難しいわけではなく、
しっかりと特性を理解して、その性質に合わせた栽培を行えば、
albidaは普通に育てられる植物であるということです。
もっと難しいと言われる、macrocarpa/kruseanaなどでは、
特性を理解して、しっかりとそれに合わせて育てていても、
ちょっとした失敗でいきなり枯れることもありますので、
それに比べると、圧倒的に楽なユーカリです。
ただ、少し厄介なのは、
albidaのような性質の植物の栽培に慣れ過ぎると、
その他の湿潤を好むユーカリや、
一般的な在来の植物の栽培が全然合わなくなってきます。
長年このような乾燥好きなユーカリを育て続けていると、
植物は水が要らない、乾燥やガンガンの日光が好き、
肥料も土壌改良もほとんど要らない、
という固定概念が出来上がってしまうので、
私はお恥ずかしながら、今でもパセリを枯らせたりします
人間も個人個人で性質や価値観が全く違います。
それと同じで、植物にも個々の特性があるということです。
ただユーカリに関しては、このような情報が少なく、
私のようなマニアが実地で培っていくしかありません。
albidaは銀葉ユーカリの至高といっても間違いありません。
日本でも随分と手に入りやすくなっていますので、
是非とも育てていただきたいオススメのユーカリです!- # by eucalyptus_k | 2014-04-18 12:05 | ユーカリ(栽培実績)
今日の植え替えはEucalyptus platypus(プラティパス)
暖かくなってきて、
植え替え(鉢増し)もどんどん進んでいきます。
今日の植え替えはEucalyptus platypusです。
このユーカリは西AZに生息するユーカリで、
MalletとかMarlockとか呼ばれる、
ユーカリでは少し特殊な樹形に育つ品種です。
ユーカリの多くに生じるLigno-tuber(地際の瘤)を生成せずに、
主幹からたくさん枝分かれをした茂み状に育っていきます。
その性質はとても顕著で、他にはないくらいに
激しく枝分かれして、樹高よりも幅の方が大きくなっています。
写真の株もかなり真っ直ぐに矯正していますが、
矯正なしだとかなりの幅に拡がり、バラバラになります。
西AZのユーカリというと、激暑の環境が好きで、
あまり水を吸わない、強乾燥を好むイメージが強いですが、
pachylomaやpreissianaなどと同じように、
かなり涼しい季節メインで成長を進めます。
また吸水量もなかなか激しく、
東AZのメジャーなユーカリ顔負けです。
現地の文献では、湿地帯などにも生息しているようなので、
西AZのユーカリ=半砂漠という図式が
あまり成り立たないユーカリと言えます。
この株は本当に根がパンパンでもう限界だったので、
5号から6号へと鉢増しを行いました。
比較的低木での開花が見込める品種で、
花が面白くて人気のあるユーカリですので、
今年は開花が実現できるでしょうか?
花は主にはライムグリーンの花が咲くようですが、
クリーム色やピンク色の花が咲くこともあるようです。
葉は全く白みを帯びていないからでしょうか?
あまりガンガンの日光に当てすぎると
真夏には少し葉焼けすることもあります。
そのため、あまり置き場所を問わず、
半日陰くらいでも結構順調に成長してくれます。
タネ播きから育苗の間には、
立ち枯れが多発して、本当に難儀しましたが、
大きく育ってからは、とても楽なユーカリです。
日陰にも、過湿にもそれなりに強く、
面白い樹形と美しい花が魅力!
それに加えて、中々に香りが強く、
良い香りもするので、とても興味深いユーカリです。
西AZのユーカリ入門編にも最適ですし、
成長しても細葉には変わらず、たくさんの花を咲かせます。
広い庭の庭木としても面白いかもしれません。- # by eucalyptus_k | 2014-04-14 17:06 | ユーカリ(栽培実績)
春の訪れとユーカリの植え替え
桜も咲き終わって辺りはもうすっかり春です
段々とユーカリの吸水量も増えて、
新芽に動きが出てきました。
そんな中で新たにタネを播いたり、
ポット苗を鉢に植え替えたりしています。
今日も昼ご飯の合間に、4鉢植え替えを行いました。
当初は本当に植え替えが苦手で、色々と失敗もありましたが、
最近は随分と手慣れてきたもので、
パッパと流れ作業でできるようになりました。
まず一つ目はpleurocarpa。
この株は昨年見事な花を咲かせてくれたので、
今年も期待大です!
冬場の過湿と寒さで下葉に少し傷みが出ていますが、
今年の冬の寒さでも新芽には全く傷みがありませんでした。
これからの成長に期待しています。
二つ目はBabyBlue。
置き場所の悪さと夏の傷みが残っていて、かなりボロボロですが、
今回から置き場所をかなり良い場所に移動させて、
これから復活させていきたいと思っています。
我が家のベランダはどうしても置き場所に限りがあるため、
置き場所の悪い株はどんどんと傷み、
置き場所の良い株はすくすくと元気に育っていきます。
このBabyBlueのように丈夫な品種を中心に、
枯れない程度の置き場所ローテーションと
ある程度の妥協がどうしても必要になります。
三つ目はcampaspeです。
これは西AZ出身の白銀細葉が魅力のユーカリで、
今回発の鉢上げになります。
まあ西AZのユーカリの例に漏れず、
なかなかに我儘で厄介なユーカリです。
このような激しい日光を必要とするような品種には、
置き場所のローテーションは行わず、
常に日照や風通しの良い場所に置いています。
四つ目は何と!
最後の品種不明ユーカリです。
accedensのタネに混ざっていたものです。
西AZ限定のタネ屋で購入していますので、
西AZ出身のユーカリであることは間違いないでしょう。
最初はlehmanniiやtorquata辺りかと思っていましたが、
葉や幹、新芽の出方などを見るとどれも違うようです。
ただこのような細葉の一般的なユーカリは、
非常にたくさんありますので、明確な識別を行うには、
もう花を咲かせるより他にありません。
育てている感じではtorquataに近しい品種のようですし、
あまり大きく育つような感じはしないので、
このまま育て続ければ、開花の見込みは十分にあると思います。
このユーカリは非常に強健で、寒さや過湿にも強く、
西AZのユーカリの中では、日照にもまあまあ寛大で、
かなり育てやすいユーカリです。
春も進んで、これからユーカリ栽培は
どんどんと活動的になっていきます。
皆さまがお育てのユーカリの近況など、
お時間のある時にでもお知らせ願えたら嬉しいです- # by eucalyptus_k | 2014-04-10 23:17 | ユーカリ(栽培実績)
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