チンチロリン♪
台風も去って、今日は骨休めに
ユーカリとは全く関係のない話題です。
虫嫌いの方はスルーでお願いします!
最近年甲斐もなく、虫捕りに凝っています。
元々少年期には、かなりの虫オタクで、
夏休みの工作は6年間、昆虫採集、
漫画よりも虫図鑑を読む方が好きという有様でしたが、
大人になってからは、全く興味がなくなっていました。
ところが最近、息子が虫に興味を持つお年頃になり、
父子で虫捕りに出かけたことがきっかけで、
ミイラ取りがミイラに!状態で私がハマりました。
現在、捕ってきて育てているのはマツムシ。
「虫の声」の歌で”チンチロリン♪”と鳴く美声の持ち主。
ところが、草むらでは美しい音色で鳴いているマツムシも
家に持って帰ってくると、かなりの大ボリュームで、
扉二枚隔てていないとうるさくて睡眠の妨げになります。
実はマツムシというのは夜にしか鳴かないので、
子供が寝てから、夜中にひとりで懐中電灯片手に、
淀川の堤防を探索するという怪しさの中、何とか確保しました。
最近メスも確保したので、少年時代に育てていた
スズムシやコオロギの要領で産卵させて次世代に繋ぎます。
♂
♀
スズムシやコオロギは陸上性で土の中に産卵しますが、
マツムシは草上性で枯れたススキの茎に産卵します。
そのため少し変わった内装が必要になり、
スズムシなどに比べると難易度は高めのようです。
ススキの茎の硬い部分を取ってきて、
ユーカリ用の硬質赤玉土に挿して内装を作りました。
土や道具などは園芸資材があるので楽にできました。
最終的には、ユーカリを食べて育ってくれて、
ユーカリの挿し木に産卵してくれて、
卵からたくさん子供がかえったら、
ベランダのユーカリの森に放し飼い!?
なんて勝手なことを考えてみましたが、
さすがにそれはちょっと無理な話でしょう。。。
でも、先日、クサキリという大きなバッタが、
ベランダのleucoxylonをバリバリ食べていたので、
ユーカリを食べられるバッタも存在するようです。
他では、leucoxylonやcamaldulensisは
小鳥のエサにもなるようです。
今年もそろそろ終わりに近づいて、
どんどん寒くなってきていますが、
マツムシの鳴き声に癒されながら
冬に向けてのユーカリ栽培に励むことにします。- # by eucalyptus_k | 2013-10-28 22:31 | その他
【ユーカリ紹介-68】
ユーカリ・サブクレヌラータ (Eucalyptus subcrenulata)続きまして第68回目は
光沢のある鮮やかな深緑色の葉が美しく、
素晴らしい香りが魅力のタスマニア島固有種
ユーカリ・サブクレヌラータです。
◎ユーカリ・サブクレヌラータ
【学名:Eucalyptus subcrenulata】
【英名:Tasmanian Alpine Yellow Gum】
以前、crenulataというユーカリを紹介しましたが、
今回ご紹介するのはsubが付いた
subcrenulataというユーカリになります。
crenulataの意味は
「小さい丸い歯のついた端がある」という意味で、
subが付いているので、crenulataの次に
葉の縁がギザギザになっているという意味になります。
crenulataは誰でもわかる程に
葉の周囲が激しくギザギザになっています。
一方subcrenulataはそれよりは控えめですが、
確かに同じようにギザギザになっています。
この2種は、名前の類似点から考えると
subcrenulataがcrenulataの
亜種のように思ってしまいがちですが、
実際は名前の由来になっているこのポイント以外には
ほとんど共通点のない、全く異なったユーカリです。
crenulataはVictoria州の湿地帯に生息するユーカリですが、
subcrenulataは、その英名からもわかるように、
タスマニア島の高山地帯出身のユーカリです。
またgunnii等と同様に、完全なタスマニア島固有種になります。
パッと見はあまり大きくなりそうもないsubcrenulataですが、
樹皮が黄色みを帯びた20m前後の立派な樹木へと成長します。
苗木の間では写真のような卵型の葉をしていますが、
他の多くの大型ユーカリのように、
大きく育ってからは細長い槍型の葉へと変化します。
subcrenulataの見た目の特徴としては、
強い光沢を持った鮮やかな深緑色の葉でしょう。
激しい光沢とその鮮やかな緑色、ツルっとした葉の質感は、
一見するとユーカリとは思えないような外観で、
まるで在来の樹木のようにも見えます。
新芽のあたりでは比較的先の尖った小さな葉を生成しますが、
その葉は段々と大きくなり、次第に丸みを帯びていきます。
葉の周囲はその学名の通りギザギザになっています。
以前紹介したvernicosaという
超級レアなユーカリがありますが、
subcrenulataはそのvernicosaとも良く間違われ、
vernicosaとして購入したタネが
subcrenulataのものであることが良くあります。
この2種は光沢のある深緑の卵型葉という点では
確かに非常に良く似ているといえます。
ただし、vernicosaは非常に成長が遅く、
葉の直径も2cm以内と非常に小さなものです。
ところがsubcrenulataは、
比較的初期から2cm以上の大きな葉を生成し、
大きなものでは、その葉の直径が、
5~8.5cmにもなることがあります。
葉の直径が大きく、成長も早い場合は、
このsubcrenulataで間違いないでしょう。
次にsubcrenulataの茎ですが、
globulusと同じように断面が手裏剣のような形をしている
ウイング型という形状をしています。
ただしglobulus等のように粉を吹くことはありません。
subcrenulataは、葉でも茎でも実でも、
粉を吹くようなところは全く存在しません。
どこもかしこも鮮やかな緑色をしています。
subcrenulataのもう一つの特徴ですが、
とても良い香りがするというところです。
詳しくは後述しますが、
glaucescensにも良く似た
globulus系のとても良い香りが強くします。
さて、そんなsubcrenulataの育て方についてですが、
subcrenulataは日本の高温多湿な
夏の暑さがあまり得意ではありません。
基本的には比較的大きな樹高になる品種のため、
元来、激しい成長力を持っているはずです。
確かに比較的涼しいsubcrenulataの成長期には、
びっくりするほどに激しく成長を進めます。
ところが大阪ではその成長期がとても短いため、
年間を通して見るとgunniiなどよりも
かなり大人しい感じがします。
もし東北や長野県などの冷涼地で栽培した場合には、
恐らくgunniiを超える程に激しい成長力を発揮すると思います。
大阪などの高温多湿な地域でsubcrenulataを育てると、
夏場に葉に軽い高温障害の症状が出ることがありますが、
さらに暑さに弱いtenuiramisなどと比べると、幾分マシで、
我が家では高温障害で葉枯れが出たことはありません。
ちょうど一番上の写真を見て頂くとわかりますが、
新芽の少し下くらいの葉で、葉脈を残して
少し色素が抜けている箇所があるかと思います。
これが軽い高温障害の症状になります。
subcrenulataの吸水量については、
gunniiよりは少し控え目ですが、
比較的、水が好きなユーカリであるといえます。
ちょうどtenuiramisと同程度くらいでしょうか。
育ててみた感じでは、過湿に対する耐性はかなり高く、
比較的湿った土壌でも上手く育つという情報もあります。
subcrenulataはあまり用土を選ばないユーカリです。
ただ、そこそこの水切れ耐性も同時に兼ね備えているようで、
cinereaやgunniiと比べると、さらに粘ります。
我が家のsubcrenulataの場合、
何故か鉢の表面はすぐに乾くのですが、
鉢底まで根が行きとどいているにも関わらず、
鉢底までカラカラになるには少し時間がかかるのです。
海外の栽培ガイドには、
「良く乾燥した貧しい土壌が最適」とありますので、
gunniiなどより少し乾燥気味に管理した方が、
より健康な株に育ちやすいかと思います。
subcrenulataはかなり日光が好きなユーカリです。
タスマニア固有種には、少しの耐陰性を兼ね備えた品種と、
激しい日光が必要な品種に大きく分かれていますが、
subcrenulataは後者の日光が必要な部類に属しています。
さすがにurnigeraやmorrisbyiなどのように、
終日のフルタイム直射が必要とまではいいませんが、
半日陰未満の環境では、生育が非常に悪くなります。
日照が足りないと、非常に貧弱なヨレヨレの葉ばかりを生成し、
葉はいつまで経っても大きくならずに、細長いままになります。
元々subcrenulataのような葉に光沢のあるユーカリは、
うどんこ病に弱いという弱点を持っていますが、
日照の足りないsubcrenulataの貧弱な葉には、
酷いうどんこ病の被害が出ることがあります。
夏場は、ほとんど成長が進まなくなるので、
少し涼しい場所に移動するのも良いでしょうが、
基本的には半日陰以上の環境で育てた方が良いでしょう。
その他で気になる点としては、
葉のシネオール分は決して少なくないはずなのですが、
実家の庭では比較的激しく虫害に合っており、
我が家のベランダでも尺取虫が付いたことがあるので、
subcrenulataは虫の付きやすいユーカリといえるかもしれません。
高山地帯出身で英名にalpineとある
subcrenulataの耐寒性についてですが、
ユーカリ中でも間違いなくトップクラスです。
gunniiやperrinianaには及びませんが、
-15℃程度までは問題なく耐えられるようです。
寒地に生息している他のユーカリでは、
冬季の過湿に対して比較的強い品種が多いのですが、
このsubcrenulataは、冬季の過湿を嫌います。
-15℃という高い耐寒性は、
乾燥気味に管理することで維持できます。
これはneglectaなどにもいえることですが、
冬季に過湿気味に管理をしてしまうと、
その強い耐寒性が著しく低下して、
マイナス数℃程度で少し葉痛みを生じることがあります。
西AZのユーカリ程ではありませんが、
冬季はかなり水を吸わなくなります。
乾燥気味に管理することさえできれば、
霜が降ろうが雪が降ろうが寒風が吹こうが
全く問題なく冬を越すことができます。
前述した通り、魅力的なsubcrenulataの香りですが、
globulusやglaucescensに良く似た非常に良い香りがします。
果実色が強く、甘みのあるglaucescensの香りに対して、
subcrenulataの香りは、果実色に加え、
ハーバル色が強くスッキリとしています。
globulusの香りにも良く似ていますが、
突き抜けるようなシネオールの強さはありません。
このsubcrenulataの香りは、非常に良い香りで、
間違いなく良い香りのユーカリで5本の指に入ります。
香りの強さはglobulusのように、
少し触れただけで良く香るという程までは強くありませんが、
それでもcinereaなどよりも良く香ります。
もちろん香りを楽しむユーカリとして利用できます。
ユーカリの銀葉が好きな方には
少し異色な存在であるsubcrenulataですが、
銀葉ではなく、葉に光沢があり、
鮮やかな深緑色の葉を持つユーカリは、
思ったよりもたくさん存在しています。
subcrenulataはそんなユーカリ達の中では、
特に魅力的で育てやすいユーカリです。
日光に輝く鮮やかで美しい葉色に加えて、
何よりもその香りはとても素晴らしいです。
香りの良いユーカリをお探しの方には
特にオススメなユーカリの一つです。
以前ユーカリプレゼントで、
subcrenulataを差し上げたことがありますが、
その香りの良さにはとてもご満足いただきました。
残念ながら、現在日本で
subcrenulataの苗を手に入れる方法はありません。
もし育ててみたい方がいらっしゃったら、
タネの販売先をご紹介します。
タネから育てるのも比較的楽なユーカリですので、
ユーカリをタネから育てる入門編にも最適です。
ポイントは比較的涼しい時期にタネ播きをすることです。
特に冷涼地にお住まいの方には、
素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれることと思います。
是非ともsubcrenulataを育ててみて、
その素晴らしい香りを体感してみてください。
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<栽培難易度:B>
香良さ:★★★★★
香強さ:★★★★
成長力:★★★
要水分:★★★
耐過湿:★★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★★★
耐暑性:★★
耐病虫:★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい- # by eucalyptus_k | 2013-10-10 17:27 | ユーカリ紹介
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