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ユーカリ栽培最大の障害

私がユーカリを育てている中で
最大の障害が二つあります。

それは、、、
うどんこ病ハダニです。

主な発生時期は
うどんこ病が5~7月と10~11月、
ハダニが7~10月です。

この二つの発生時期は微妙に被らず、
ダブルパンチを食わないのが唯一の救いです。

この二つの障害は
ユーカリを屋外の日光が良く当たる
風通しの良い場所で育てている人には
あまり縁のない存在かもしれません。

我が家はベランダと言う閉鎖された環境で
日照もかなり悪いということから、
この二つがかなり猛威を奮うのです。

ハダニは比較的大きく育った株に発生し、
執拗な水攻めと毎日の確認で
枯れを出すほどのことは中々ありません。
また、被害の酷くなる品種も限られています。

とにかく早目に発見して、
水で流してしまえば何とか乗り切れます。

最も暑い時期に大発生して、
手がつけられなくなるときには、
ニッソランいう薬品を使用することがあります。

fancybox記事151の画像1

この薬品はハダニに対しては絶大な効果があり、
撒いてしまえば、そのシーズンはまず乗り切れます。
また、希釈倍率が高いので、
比較的幼い苗でも薬害が出ることはありません。

ただ、閉鎖環境で撒くと少し気分が悪くなるので、
本当に最後の最後にだけと決めています。

次にうどんこ病ですが、
これがある種、最強の障害といえます。

なぜかというと、
ミント系ユーカリの一部の品種以外、
ほぼ全ての品種に大発生し、
わずが数センチの超幼苗にも多発するからです。

大きな株の場合、葉が汚くなる程度の被害ですが、
小さな苗の場合は枯死する可能性が高いです。
また、閉鎖されたベランダですから、
もう広がり放題に広がり手がつけられません。

最初はなるべく農薬は使用せず、
ネットで色々調べて、木酢や重曹など
オーガニック系の方法を色々試しましたが、
家でははっきりいって全てまやかし。。。
効き目は全てがゼロでした。

うどんこ病というものは、
様々な植物で発生する病気ですが、
植物によって発生する菌はそれぞれが別種なのです。
うどんこ病といえば、イチゴやバラが有名ですが、
イチゴ、バラ、ユーカリにつく菌は異なるわけです。

そこで、ユーカリのうどんこ病に効く薬
尚且つ薬害の出ない薬を探す旅が始まりました。

おそらくうどんこ病に効く薬として
そこらで売っているものは
全て試しきったといっても過言ではありません。

薬が効かずにうどんこ病で枯れた苗、
薬害で枯れた苗は数知れず。。。

周りでは最も葉が豊かに生い茂る時期が
家では最も葉が汚くなる時期になっていました。

あんなこんなで数年がかりで試しましたが
ユーカリのうどんこ病に効く薬というものを
どうしても見つけきれずにいました。

敢えて効果のあるものとしては、
トップジンMスプレーカリグリーンです。

ただ、トップジンMスプレー
多くの品種に薬害が出て、幼苗には使えず、
葉が白く汚れてしまうという欠点がありました。
また、完全に根絶するには力不足でした。

カリグリーンは撒いて1週間は押さえられますが、
1週間以上たつと、どんどんと再発していきました。
また展着剤の使用量が難しく、
展着剤の量を間違うと酷い薬害が出ました。

ユーカリの葉は白く粉を吹いているものが多く、
かなり強く水を弾く性質を持っています。

そのため、通常の展着剤の使用量では、
葉が薬を弾いてしまい、あまり効き目が望めません。
ただ、量を増やしてしまうと、白い粉を剥がしてしまい、
葉が汚くなり、そこから酷く枯れてしまいます。

私のイメージですが、
ユーカリはかなり薬害の出やすい植物です。

日光の良く当たる環境で
丈夫に育った葉ならともかく、
家のような日照不足の環境で育った
柔な葉であれば余計に薬害も酷くなります。

まあ、そんなこんなで、
数年越しで大概の薬も試し終わり、
半ばあきらめかけていたところでした。

ネットで何気なく調べていたときに、
ある薬品を見つけました。

紹介されていたうたい文句は、
うどんこ病の最後の砦だとか!

ただ一つ大きなネックがありました。
この薬は異様に高価なのです!

家にはかなりの量の株がありますから、
薬を買うときは業務用の100~250gの大袋で買います。

大概の薬はそれで大体1000円と少々
くらいの値段で買えるのですが、
この最後の砦は100gでなんと!
3500円近くもするのです(高すぎ!)

最後の最後まで迷いましたが、
ベランダは真っ白粉景色、、、
もうこれっきゃないと買うことにしました。


撒いてみて。。。

まず薬害はまったくありません!
家で最も薬害の多発する品種でも
ほぼ薬害は見られませんでした。

希釈倍率が2500倍なので、
薬害が出にくくなっているのでしょう。

次に効き目は。。。

一回撒いただけで、
うどんこ病の新規発生がほぼなくなりました!!

家で一番うどんこ病の被害の多い4品種。。。
Eucalyptus leucoxylon
Eucalyptus cladocalyx nana
Eucalyptus melanophloia
Eucalyptus Forrestiana


特にCladocalyxなんて、
我が家のうどんこ病の媒介主で、
葉を毎日ふき取っても、翌朝には真っ白。。。
もう手がつけられない品種でした。

この4品種だけは何度か繰り返し撒いて、
これもほぼ発生を抑えることに成功しました。
もちろん薬害もありません。

数センチの幼苗にも撒きましたが、
これもほぼ薬害はなしといえる状態でした。

これから先の経過を見ていかないと、
最終的な結果はわかりませんが、
この薬害のなさで、この効き目は凄いと思いました。

私みたいに閉鎖環境で苗同士の葉が触れ合うくらい密に
100品種以上も育てている人はいないと思いますが、
うどんこ病に悩まされる人がいたらぜひお試しください。

ただし、2500倍希釈の薬品が100gで3500円前後。
これは普通の人には中々手が出しにくいかもですね。

その最後の砦の名は!?

ポリオキシンAL水溶剤
fancybox記事151の画像2

他に水和剤や乳剤もありますが、
水溶剤を選択してください。

成分は土壌細菌から発見された天然物質で
純国産の抗生物質だそうです。
そのため、人体や他の動物に対する
危険性が極めて低くなっています。

私は撒いても気分が悪くなったり、
肌が荒れるようなことは一切ありませんでした。

この成分を食らったうどんこ病菌
新たな胞子や菌糸を生成することができなくなるため、
強力な防除効果と治療効果があるようです。

また凄いことに!
ハダニにも効くようで
殺ダニ剤としても認識されています。

これは本当にお役立ちですね!
ユーカリのうどんこ病&ハダニに効く薬
そして私のためにあるような薬
やっと見つけることができました♪

# by eucalyptus_k | 2011-06-26 01:05 | ユーカリ(栽培知識)
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【ユーカリ紹介-32】
ユーカリ・アルビダ (Eucalyptus albida)

続きまして第32回目は、
西オーストラリア軍団の一員、
「白」という意味の学名が表す通りに、
ユーカリ中でもトップクラスに葉の白い、
「ユーカリ界の白い宝石」ユーカリ・アルビダです。

◎ユーカリ・アルビダ
【学名:Eucalyptus albida】
【英名:White-leaved Mallee】

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像1

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像2

学名のalbidaの意味は「白」です。
また英名もWhite-leaved Malleeです。

これらの名前が表すように
albidaはユーカリ中でも随一の銀葉を持っています。

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像3

私が他に育てているユーカリで
albidaに対抗できるほどの葉の白さをもつものは
macrocarpa/gillii/glaucescensくらいです。

また、比較的小ぶりでコンパクトにまとまりやすく、
わき芽もたくさん出すという性質のため、
自慢の白葉を活かした美しい樹形が容易に形作られます。

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像4

葉の形状は丸くて先の尖った
ティアドロップ(涙)型をしており、
明るいエメラルド色になるか強く白い粉を吹きます。

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像5

このalbidaの美しさには私も早い段階で目をつけていましたが、
最近では、ネット等で販売されているのを良く見かけます。

日本で流通するのはとても良いことなのですが、
もし購入される場合には苗のサイズにご注意ください。

私が以前見つけたものでは、
数センチの幼苗で売られているものがいくつかありました。
これはちょっと酷いな、、、と思いました。

これはユーカリ全般に言えることですが、
ユーカリはタネを播いてからの発芽率は比較的上々です。
例えばalbidaであれば発芽率は80%を超えると思います。

ところがそこから10cmを超え、
25cm程度の樹高に至るまでに、
多くの苗が淘汰されていくものです。

特に日本の環境に合っているとはいいがたい
西オーストラリアのユーカリについては、
25cmまでの生存率がプロでも50%を切るものがあります。

ぶっちゃけ数センチの苗であれば、
淘汰される前の段階といえるので、
ちょっと購入は控えた方がいいと思います><;

また、幼苗の間の栽培難易度は比較的高く、
ちょっと初心者には無理があるように思います。
最低15cm以上、安心を求めるなら25cm以上のサイズで
ご購入されることをオススメします。

ちなみにalbidaなどは横に広がりやすい品種なので、
樹高は真っ直ぐ上に伸ばした時点でのサイズでOKです。

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像6

それでも売れ行きは上々みたいで、
albida関連でこのブログを訪問される方も多くいます。

そんな人気のalbidaですが、
現地では3m程度と非常に小型の灌木状に育ちます。

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像7

また、その樹皮はユーカリ特有の形状で、
ねじれて、どんどん剥けていくタイプのものです。

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像8

ところで、上の樹木の写真を見て気づきませんか?
そう、葉が白色ではなく、濃い緑色をしています。

実はalbidaの白い丸葉は小さい間限定の葉で、
大きく育ってからの末葉は、
寧ろ深い緑色が特徴になるほどの細葉になります。

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像9

これはこれで切り枝として人気があるようです。

小ぶりで美しいalbidaですが、
育てていく上で大きなネックが二つあります。

一つはこの葉の白さです。
これだけ葉が白いということは
強力な日焼け止めをもっているということですから、
終日直射日光がガンガンに必要となります。

半日陰以下の環境で育てると
いつまで経っても葉が大きくならずに
貧相なまま育ち、いつかは枯れてしまいます。

実際に販売業者に聞いた話ですが、
日光不足でうまく育たないという
購入者からのクレームは結構多いようです。

そして、次のネックですが、
これは最もクレームの多い原因となっているようです。

albidaはかなり低木なため、樹高の低い間から、
深緑色の細長い末葉が生え出す可能性があります。

私の知っている情報では、
わずか1m程度の樹高で末葉が生え始めました。
逆に1m程度の樹高で花が咲いたという話も聞いています。

このユーカリの幼葉と末葉の関係ですが、
実際かなりアバウトで個体差に大きく左右されます。

例えば1mから末葉が出るものもあれば、
どれだけ大きくなっても末葉の出ないものがあったり、

一旦末葉が出ても、剪定すれば幼葉がまた生え出したり、
もう二度と幼葉が出なくなってしまったりなど様々です。

とにかくalbida自慢の白く美しい幼葉を維持するためには、
かなり小まめな剪定や摘芯が必要になるわけです。

albidaを購入して育ててみようという方は、
この特徴について良く理解しておいてくださいね。

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像10

albidaの生息地は西オーストラリア南西部の内陸です。
西オーストラリア軍団の中では、比較的育てやすい方ですが、
かなり強烈な日光が終日必要になります。

kruseanacrucisなどと似たような感じで、
一般的な西オーストラリアのユーカリと同じ育て方をします。

乾燥力の強い用土で乾燥気味に管理します。
orbifoliawebsterianakruseanaほどではありませんが、
crucisよりもさらに水を必要としません。

病害虫の影響は比較的受けにくい方で、
kruseanaよりは過湿耐性があり、
crucisよりは過湿耐性が弱いといった感じです。

ちまたで販売されているalbidaの情報を見ると、
生育はかなりゆっくりとありますが、
西オーストラリアのユーカリの中では、
決して遅い方ではなく、平均的な成長力です。

日光ガンガンで乾燥力の強い用土という
albidaが好む環境を作ることができれば、
一年以内にタネ播きから60cm程度までは軽く育ちます。

どうしても生育が遅いという人は
栽培環境があまり合っていないというサインです。

暑い真夏もコンスタントに成長を続けますが、
盛夏を過ぎて、少し涼しくなった秋に大きく成長します。
恐らく、秋の成長のポイントは
夏に十分な日光を浴びていることだと思います。

耐寒性については難ありの西オーストラリア軍団ですが、
その中ではかなり強く、-8℃程度までは頑張るようです。

今年はわずか10cm程度のalbidaの苗を
寒風の吹き荒れる場所に放置していました。
何度も用土がカチカチに凍り、霜柱も酷かったですが、
大した痛みもなく、元気に育ち続けています。

その放置された苗というのが、
ズバリ!この記事の写真の苗です!

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像11

あまりに幼いうちは、
少し寒風を避けた方が良いかもしれませんが、
関東以西の暖地では容易に野外越冬ができると思います。
冬季には新芽などが紫色に紅葉します。

気になるalbidaの香りですが、
少し甘みの強いミント系の香りが漂います。
香りは強くもなく、弱くもないといった感じです。
とても爽やかで良い香りで、
枝を切ったりしたときなどに良く香ります。
香りを楽しむユーカリとしての利用もギリギリ可能です。

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像12

albidaの売り文句として、
「こんなに美しい植物があったなんて知らなかった」
なんて良く書かれていますが、
albidaはこの言葉に偽りなしと思うほどに美しいユーカリです。

ただ、gunniicinereaなどの
良く売られているユーカリに比べると、
性質が大きく異なるため、その性質を熟知していないと、
少々手のかかるユーカリではあります。

fancyboxアルビダ(Eucalyptus albida)の画像13

kruseanamacrocarpaなどと同様に、
西オーストラリアのユーカリに慣れるまでは、
少しマメな水分管理と毎日のチェックが必要かと思います。

それでも育ててみたい方には、
素晴らしい農場をご紹介できますので、
是非声をかけてくださいね。

albidaの白葉を是非一度ご堪能ください♪

------------------------------
<栽培難易度:C>
香良さ:★★★
香強さ:★★
成長力:★★

要水分:★
耐過湿:★★
耐水切:★★★★
耐日陰:
耐移植:★★★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★★★★
耐病虫:★★★

------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

 
# by eucalyptus_k | 2011-06-09 22:20 | ユーカリ紹介
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