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ユーカリプレゼントが終了しましたm(_ _)m

第二回ユーカリプレゼントが終了しました。
※まだ発送前の方もいらっしゃるのですが。。。

お陰さまで全ての在庫とプラスアルファまでが
全部なくなるという非常に光栄な結果となりました^^

素人が育てた苗ではありますが、
皆さまの元で元気に育ってほしいなと願っています。

また、万が一、枯れてしまっても、
売っているところをご紹介もできますし、
次回もまたプレゼントにご応募ください。

一度育ててみて、枯れちゃって、
それでもどうしてもこの品種が欲しい~!!ってときは、
私までこっそりメールをください。
親愛なるあなたのために、追加でタネを播きますよ♪
困ったことにタネはいっぱい余っているのです><


次回のプレゼントは夏前、
もしくは秋口に実施できるかもしれない予定です。

どんどんマニアックなユーカリになっていきますが、
興味のある方は、期待しないで待っててください(>0<)

最後に、
プレゼントを受け取ってくださった方々へ、
本当にありがとうございました。

# by eucalyptus_k | 2011-04-30 19:43 | ユーカリ(その他)
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【ユーカリ紹介-27】
ユーカリ・アルボプルプレア (Eucalyptus albopurpurea)

続きまして第27回目は
ユーカリでは非常に珍しい紫の花が特徴的で、
その名前にもなっているユーカリ・アルボプルプレアです。

◎ユーカリ・アルボプルプレア
【学名:Eucalyptus albopurpurea】
【英名:Coffin Bay Mallee】

fancyboxアルボプルプレア(Eucalyptus albopurpurea)の画像1

fancyboxアルボプルプレア(Eucalyptus albopurpurea)の画像2

albopurpureaという学名の意味は、そのままPurple Flower
ある意味、その特徴的な紫の花が全てというユーカリです。

ユーカリには白やクリーム色、黄色の花を咲かせるものが多く、
leucoxylonsideroxylonといった花が有名な品種では、
ピンクや赤、オレンジといった花を咲かせるものもあります。

その中で紫の花を咲かせるユーカリは
恐らくこのalbopurpureaだけではないかと思います。

fancyboxアルボプルプレア(Eucalyptus albopurpurea)の画像3

このalbopurpureaは、その特徴的な花から、
海外では比較的有名な部類のユーカリになりますが、
日本ではまず見かけることのないマニアックなユーカリです。

その生息域は非常に限られており、
アデレード周辺の海岸沿いと、
英名にあるコフィンベイの周辺のみに自生しています。

現在はEucalyptus albopurpureaと、
完全に独立した品種のユーカリとして認定されていますが、
以前はEucalyptus lansdowneanaの亜種で
ssp. albopurpureaとして扱われていました。

このalbopurpurea、率直に言ってしまうと、
紫の花を目当てにする以外では
少々面白みに欠けるユーカリといえるかもしれません。

葉は青緑色が濃く、稀に少しだけ白く粉を吹き、
先の尖った、典型的なユーカリの葉形をしています。

fancyboxアルボプルプレア(Eucalyptus albopurpurea)の画像4

大きく育ってからも、少し細長くはなるものの、
あまり葉の形状が変わることはありません。

このalbopurpureaが生息する地域には、
非常に良く似たユーカリ達がいくつか存在しています。
fasciculosa/porosa/conglobataなどの品種です。
これらは非常に良く似すぎていて、
素人目にはほとんど見た目での区別はつきません。
特にfasciculosaはまるで同種であるかのように似ています。

敢えていうならば、albopurpureaはその紫の花と同じように、
茎が綺麗な紫色をしていることが特徴でしょうか。

fancyboxアルボプルプレア(Eucalyptus albopurpurea)の画像5

それ以外では花を咲かせてから識別するしかありません。

ピンク色の花が有名なleucoxylonsideroxylonは、
25m以上の比較的大きな樹木へと成長する品種のため、
鉢植えで花を楽しむには10号以上の大鉢で、
最低でも2m程度にまで育てるか、露地植えする必要があります。

ところがこのalbopurpureaは、
最高でも5m程度とかなり小型の灌木状に育ちます。
この最高5m程度という樹高のユーカリであれば、
鉢植えで、1m以上の樹高でも十分に開花が見込めると考えています。
鉢植えで非常に珍しい花が咲くかも!?ということで、
私の中ではかなり期待大のユーカリなのです。

このアデレード近辺のユーカリには、
比較的乾燥を好むわりに、中々の水食いで、
根張りが強く、水切れ耐性が低いという特徴があります。
また、かなり涼しい季節メインで育つものが多いです。

大阪などの激しい暑さはあまり得意ではないようで、
夏場はほとんど動きがなくなります。

高温障害の症状がでることは稀ですが、
風通しが悪く、高温多湿な場所で育てると、
梅雨時期~夏場にかけて、少し葉痛みがでることがあります。
暑い季節はなるべく風通しの良い場所で管理してください。

albopurpureaは中々の水食いで、
涼しい季節にはかなりの成長力で育っていきます。

その割には比較的乾燥力の強い用土を好み、
過湿には少し弱いところがあります。
要するに早く乾く用土で
頻繁な水遣りを心がけると良いということです。

育て方や環境としては、leucoxylon
cladocalyxなどに良く似ており、
それらの中でも強健で育てやすいユーカリです。

耐寒性については平均的で、
-8℃程度とleucoxylonと同じか、それよりも少し弱い程度です。
大阪の冬ではほとんど葉痛みはありませんでしたが、
寒風にはかなり弱いようで、
冬季に寒風を浴びるとヘロヘロになります。
暖かい日には元に戻りますが、風の強い環境では、
寒風を凌げる軒下などでの管理を推奨します。

気になるalbopurpureaの香りですが、
これはユーカリか?と思うほどに全く香りがしません。
葉を千切ってクラッシュして初めて、
わずかなミント様の香りと青臭い草の香りがします。
はっきりいって香りを楽しむことはできません。
本当に紫の花が全てのユーカリですね。

fancyboxアルボプルプレア(Eucalyptus albopurpurea)の画像6

私はあまり日当たりの良くない場所で育てていますが、
過湿にさえ気をつければ、それでも元気に成長してくれます。

ただしあまりにも日照が悪い場合には、
酷いうどんこ病の被害が出ることがあります。
我が家でもかなりうどんこ病には弱いユーカリの一つです。

どちらかというと比較的育てやすいユーカリで、
leucoxylonなどのメジャーなユーカリと比べても、
同程度に強健なイメージがあります。

紫の花を目当てに育ててみたい人は、
恐らく日本で手に入れることは難しいと思います。
海外のタネ屋やebayなどでは
比較的頻繁にタネが売られていますので、
興味のある方にはご紹介させていただきます。

今後も期待をかけて熱心に育てながら、
開花に向けて頑張っていきたいと思っています。
いつかこのブログで紫の花を紹介できたらいいなぁ。。。

------------------------------
<栽培難易度:B+>
香良さ:★★
香強さ:★
成長力:★★★

要水分:★★★
耐過湿:★★★
耐水切:★★
耐日陰:★★★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★
耐病虫:★★

------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

 
# by eucalyptus_k | 2011-04-25 22:36 | ユーカリ紹介
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我が家の栽培環境

最近、ユーカリ栽培のポイントについて色々と書いていますが、
これだけは本当に環境によって大きな差が出るため、
中々、これといったオールマイティな方法は導き出せません。

一日中日光の良く当たる、風通しの良い広い庭があれば、
それだけでユーカリなんて
大して難しいものでもなくなるでしょう。
また真夏などで一番怖いのは水切れになってくるでしょう。

しかし、日照の悪い環境や風通しのよろしくない環境の場合、
用土や水分管理に気を使い、難易度も少し高くなります。
その中で一番怖いのは過湿になってくるでしょう。

私がユーカリを育てているベランダは、
通常のベランダよりさらに日照や風通しも悪く、
ユーカリを育てるのには不向きな環境であるといえます。

そのため、私は少し難しく
ユーカリ栽培について考えなければなりません。
今日は我が家がどのような環境なのかをご紹介します。

私の書いたユーカリ栽培のポイントは、
我が家の環境での今時点の最善の栽培方法です。
皆さんの環境と比較して考えてみてください。

ベランダは南向き(厳密には若干南西向き)です。
そのため、夏季には西日だけは良く当たります。

まずはベランダへ出て、右側の状態です。

fancybox記事142の画像1

扉のすぐとなりには大きな簡易温室が二つ置いてあります。
もう少し暖かくなったら、覆いを完全に取り去る予定です。
上段はポット苗、最下段は鉢植えを置いています。
その向こうにはスクラムを組んだ鉢植えが並んでいます。

fancybox記事142の画像2

これはその奥の鉢植えゾーンの写真です。
鉢植えが五列でぎっしりと並んでいます。
こちら側にも室内とつながる扉がありますが、
この扉は完全に封鎖されています。
最奥の右手に見える白いものはクーラーの室外機です。

また、写真上部に物干竿が見えると思いますが、
こちらには毎日洗濯物をぶら下げているわけです。
これが空気の流れの滞留とさらなる過湿を招きます。
また、季節によっては日光を遮る要因にもなります。

春と秋は列の真ん中、冬は列の奥のみ、
夏は列の最前列のみに直射日光が半日程度当たります。
最も太陽の高くなる季節(5~7月)の日照が最悪です。

fancybox記事142の画像3

これはこの鉢植えゾーンをより幅広く写した写真です。
左の壁は完全に日光と風をシャットアウトするので、
冬の寒風やビル風、突風を防いではくれるのですが、
空気の流れをかなり悪くする要因にもなっています。

鉢植えの前の歩けるスペースは狭く、人のすれ違い不可です。
完全に植木鉢が占めている範囲の方が広くなっています。
左の壁の上の柵に折りたたみ式の物干竿が見えるでしょうか。
これを広げてしまうと猿の綱渡りのようにしないと歩けません。
また日光を遮るので靴下くらいしか干せませんToT

fancybox記事142の画像4

これが壁と天井を映した写真です。
今までの写真を見て比較的明るいじゃないか
と思われた方もいるかもしれませんが、
この写真を見ると、屋外と比べて、
ベランダがどれだけ暗いかわかっていただけると思います。

壁は分厚く、天井も壁と同じ範囲まで外に出ています。
内側の物干竿に洗濯物を干した場合には、
台風級の暴風雨でもない限り雨はかかりません。
その代わり日光もかなり届きにくくなってしまいます。
柵の向こうにプランターをくくりつけてあるのが見えるでしょうか。
ここが唯一確保できた一日中直射日光ゾーンなのです。

次にベランダへ出て、左側の状態です。

fancybox記事142の画像5

このスペースは冬以外の季節には非常に良く日光が当たります。
また、ベランダの中では最も風通しの良いスペースです。
そのために少し気難しいユーカリ達を置いています。

ネックとしては、直接ここでは水遣りができないので、
水遣りの際にはわざわざ鉢を移動して水をやり、
水を切ってから元の場所に戻す作業が発生します。

これが我が家の栽培環境の全容です。
とにかく、壁が分厚く、天井もかなり外までせり出しているので、
風の動きがなく、日照もかなり制限される環境です。

恐らく普通のマンションのベランダであれば、
壁が透明で、ある程度の日光を通す素材のものであったり、
壁や柵自体、またはその下部に、
風を通せるスペースのあるものが多いのではないでしょうか。
そのようなベランダに比べると、強風や雨を防げる傍ら、
かなり湿気のこもりやすい環境になってしまいます。

また私のマニア魂のせいで、
異様に鉢が密集していることも
空気の滞留と湿気を招いていると思います。。。

この環境をご参考にしていただき、
ユーカリ栽培のポイントと照らし合わせてみてください。

# by eucalyptus_k | 2011-04-24 16:51 | ユーカリ(栽培実績)
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【ユーカリ紹介-26】
ユーカリ・モリスビー (Eucalyptus morrisbyi)

続きまして第26回目は
絶滅危惧種に指定されているタスマニア生息種、
銀丸葉が美しく育てやすいユーカリ・モリスビーです。

◎ユーカリ・モリスビー
【学名:Eucalyptus morrisbyi】
【英名:Morrisby's Gum】

fancyboxモリスビー(Eucalyptus morrisbyi)の画像1

fancyboxモリスビー(Eucalyptus morrisbyi)の画像2

このmorrisbyi絶滅危惧種に指定されています。
ところがそれは自生する個体での話のようで、
栽培用の種子としては相応に出回っています。

とはいえ、かなりマニアックなユーカリの一つで、
日本で見かけることはまずないといっていいユーカリでしょう。

タスマニアには美しい銀葉の丸葉ユーカリがいくつか存在します。
皆さんが良くご存知のgunniiはその代表格ですし、
他にもurnigera/rubida/perriniana/archeriなどがあります。
morrisbyiもこの中に名を連ねる一種です。

私がこのマニアックなユーカリを知ることができたのは、
私のユーカリ同好会仲間であるOsakano_Jieさんのお陰です。
Osakano_Jieさんは、この美しいユーカリに、
いち早く目を付けられ、栽培を行ってこられました。
その折にタネをお分けいただいて、育てたのが写真の株です。
>>>Osakano_Jieさんのブログはこちらこちら

morrisbyiはとにかく白く美しい銀葉が特徴の品種です。

fancyboxモリスビー(Eucalyptus morrisbyi)の画像3

gunniiurnigeraに良く似ていますが、
茎も葉と同様に白く粉を吹いておりザラザラで、
葉の周囲はcrenulataのようにギザギザになっています。
また、冬季には新芽が薄ピンク色になり、これがまた綺麗です。

オーストラリアのユーカリに関する文献には、
果実は白く粉を吹き、壺のような形でurnigeraに似る、
大きくなってからの新芽はcordataに似るとあります。
また生息域の環境はgunniiと良く似ているとのことです。

ちなみにこのmorrisbyiという人の名前のような学名の由来ですが、
全くその通りにMorrisby氏が発見したユーカリだからです。

morrisbyiはユーカリの中ではさほど大きくなる方ではなく、
16m程度のねじれたかのような珍しい樹皮を持つ樹木へと育ちます。

fancyboxモリスビー(Eucalyptus morrisbyi)の画像4

また、繊細で美しい外観からは想像できないほどに強健で、
涼しい季節をメインに脇芽をガンガン出して成長していきます。

暑い夏はさほど得意ではないようで、
盛夏にはほとんど成長が進まなくなります。
ただそこまで暑さに弱いというわけではなく、
今のところ高温障害の症状が出たことはありません。

タスマニア生息種には湿地帯を好み、
日陰に対する耐性を持ち合わせている品種が多いのですが、
このmorrisbyiはタスマニア生息種の中でも
かなり日光が大好きな品種といえるでしょう。

半日陰以下の日照の場所では、
生育がかなり悪くなり、ヨレヨレの葉ばかりを生成します。

またこのような葉は酷いうどんこ病
ハダニの被害を受けることにもなるので、
morrisbyiを育てる上で日照はとても重要になります。

fancyboxモリスビー(Eucalyptus morrisbyi)の画像5

家のベランダのように日照が控え目な環境では、
比較的小丸葉で可愛いくヒョロっと育っていきますが、
Osakano_Jieさんのところのように
十分な日照の得られる環境では、
goniocalyxほどではないですが、
中々にたくましい大葉へと育っていくようです。

成長力や外観、その強健な性質を見ていると、
gunniiを育てているかのような気がしてきます。
率直なイメージとしては日光の好きなgunniiといった感じです。

morrisbyiはユーカリ中でもかなりの過湿耐性を備えており、
どちらかというと湿地帯に近い環境を好む品種といえます。
かなり水を好むユーカリで、水切れにもさほど強くはありません。
この辺りもgunniiと良く似ているなと思っています。

このような強健なユーカリが絶滅危惧種に指定される要因として、
一つは元々の生息域がかなり限られていることと、
近年、タスマニアの雨量がかなり減少しているため、
湿潤を好むユーカリ達がそれに耐えられないことが推測されます。

耐寒性についてはユーカリ中でもトップクラスで
-12℃くらいまでは枯れずに生き残ります。
さらに寒い環境にあって、土から上が枯れても、
高確率で春には新芽を吹くほどに強健です。
大阪の冬ではほとんど葉が痛むことさえありませんでした。

気になるmorrisbyiの香りですが、
非常に爽やかな柑橘系の香りが強く感じられて、
その後にシネオール系の香りがスッと突き抜けます。
pulverulentaに良く似た非常に爽やかで快適な香りです。
香りの強さはcinereaなどと同じで、
葉を軽く指で擦ると良く香ります。
香りを楽しんだり、花材としても十分利用できると思います。

fancyboxモリスビー(Eucalyptus morrisbyi)の画像6

日光の良く当たる環境さえあれば、
gunniiとほぼ同じように育てることができます。
また、成長力や鉢植えでの管理もgunniiとほぼ同じです。
私の私見ですが、gunniiよりも香りが強く心地よいです。
gunniiが大好きで、さらにバリエーションを
増やしたい方にオススメです。

ところが困ったことに、
日本ではmorrisbyiを手に入れる手段が全くありません。
私も現在は余分な苗は持ち合わせていませんし、
おそらく栽培している業者も日本には存在しないと思います。

どうしても育ててみたい方にはタネの販売所をご紹介します。
タネから育てる難易度としてはさほど難しい方ではありません。
もしmorrisbyiに興味があって、
どうしても育ててみたいという方は、
遠慮なく私に声をかけてくださいね。

育てやすいし、綺麗だし、香りも心地よいし、
日本で流行ってもいいのになあと思うmorrisbyiでした。

------------------------------
<栽培難易度:A+>
香良さ:★★★★
香強さ:★★★
成長力:★★★★

要水分:★★★★
耐過湿:★★★★
耐水切:★★
耐日陰:★★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★★★
耐暑性:★★
耐病虫:★★

------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

 
# by eucalyptus_k | 2011-04-23 14:52 | ユーカリ紹介
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ユーカリ栽培のポイント

今回はユーカリ栽培の参考になる情報を
少し書いてみたいと思います。

昨年は早春からうどんこ病や生育不良に悩まされましたが、
今年は全てのユーカリがすこぶる好調に育っています。
まだ春も早いうちから、どの品種もたくさんの脇芽を出して、
みてわかるほどに元気な状態です。

この昨年との大きな差は私の水分管理術の向上が
最も大きな要因といえるでしょうが、
スリットポットの導入と用土の工夫も挙げられると思います。

ユーカリを育てていて常に思うのは、
非常に乾燥を好む植物だなあということです。

ところがここで注意していただきたいのが、
乾燥を好むということは、
水を必要としないということとは全く別

ということです。

乾燥を好むということは、
用土が長い間湿っていることを嫌うということです。

この用土が長い間湿っていることを避けるためには、
鉢と用土と置き場所(植え場所)に工夫が必要なのです。

ちなみに日本で一番有名なgunniiですが、
これはユーカリの中でもかなり水を必要とする品種で、
水切れに対する耐性をほとんど持ち合わせていない品種です。
それでも日本の在来の植物や一般的な観葉植物に比べると
かなり乾燥を好む植物であるといえます。

日本で乾燥を好む植物というと
サンスベリアやサボテンなどの多肉植物が思い浮かびます。

多肉植物は自分自身に水分を蓄えることができるため、
用土が完全に乾いても、その水分で長く生きることができます。

ところがユーカリは自分自身に水分を蓄える力は強くないので、
どんなに乾燥を好むユーカリでも、用土が完全に乾くと、
容易に水切れを起こしてしまうことを忘れないでください。

<1. 置き場所(植え場所)の工夫>
はっきりいってこれさえ十分に満たすことができれば、
鉢や用土はどうでもいいほどに重要な要素です。

一般的にユーカリの栽培難易度は簡単で、
庭に適当に置いておけば大きく育ったという話を良く聞きます。
これはこの1の要素が十分に満たされているからです。

実際に相応の庭をお持ちであればこの1の要素は満たせます。
ところが人によっては十分な置き場所を
確保することが難しい場合もあります。
例えば、家のようなベランダでは
この置き場所を十分に確保することはできません。

それではどのような置き場所が良いのでしょうか。
それはズバリ下記の二つの要素に絞られます。
----------------------------------------------
●日光が一年中、終日で良く当たる場所
●風通しの良い場所

----------------------------------------------
なぜこの二つの要素が重要かというと、
用土を早く乾かすために乾燥力の強い環境を作り、
日光を良く浴び、高い土中温度を確保できるからです。

ユーカリは、在来の日本の植物よりも
遥かに激しい日光と高い土中温度を好みます。

そのため、ユーカリの室内管理は無理があります。
室内は日光量や日照力が弱く、
何よりも風の動きが少なすぎるために、
どうしても余分な水分を用土に残してしまいます。

はっきり言い切りますが、
ユーカリの室内管理は不可能です。
私でも室内ではうまく育てる自信は全くありません。

この置き場所という要素を満たせない場合は
次の2と3の要素でカバーする必要があります。

<2. 鉢の工夫>
環境以外で乾燥力を上げるためには
鉢という要素があります。

乾きやすい鉢といえば、まず、素焼き鉢です。
率直に素焼き鉢はユーカリ栽培には向いているといえます。

素焼き鉢のデメリットをあげるとすれば、
重いことと、場所をとること、耐寒性が落ちることです。
素焼き鉢は冬季に用土が冷えやすいため、
根がダメージを受けやすく、明らかに耐寒性が下がります。
特に耐寒性が微妙なdecipiensなどの品種には不向きですね。
また、室内に取り込むとカビの温床にもなりやすいです。

そこで、今流行のスリット鉢がオススメです。
特長である根のサークリングを防げる能力だけでなく、
底面にも大きな穴が開いているために、
底面からも用土の乾燥が進みやすいです。
また、低価格で薄く軽く、コンパクトで場所も取りません。

ただ、1の置き場所の要素が満たされ過ぎているような場合には、
品種によっては乾燥力が強すぎる場合もあります。
特に湿地帯に生息するようなユーカリでは、
乾燥力が強すぎて、少し生育が悪くなることもありますし、
水切れが早すぎて少し面倒なこともあります。
環境に合わせて適切な鉢を選択してください。

<3. 用土の工夫>
1が十分に満たせず、鉢も素焼きやスリット鉢は嫌だという場合、
この用土という要素でカバーすることが重要になってきます。

率直に市販の観葉植物用の用土では少し保水性が高すぎます。
自家製ブレンド用土が面倒くさい場合は、
粒状培養土として販売されているものが良いでしょう。

自家製でブレンドする場合には、
赤玉土をメインに鹿沼土、桐生砂、日向土などを加え、
くん炭やゼオライトまたはパーライトを加えるとなお良いです。

肥料分となる用土はあまり使わなくても良いです。
ユーカリは雑菌に弱いところがありますので、
堆肥分や腐葉土などは余り使用せずに、
品種によりピートモスで保水力を調整すると良いでしょう。

ちなみに私の自家製用土は下記の通りです。
非常に乾燥力が強いので参考になさってください。
---------------------------------------
硬質赤玉土(小粒)-5割
鹿沼土(中粒)-2割
桐生砂or日向土orパーライト-1割
くん炭-1割
ゼオライト-1割
ピートモス-品種により調整

---------------------------------------
この中でゼオライトについてですが、
ユーカリにはかなり有効な用土であると考えています。
実際に家ではゼオライトを配合した用土を使用しているユーカリは、
非常に根張りが良く、丈夫に成長している実績があります。

Osakano_Jieさんのレポートによると、
オーストラリアの土壌にはゼオライトが多量に含まれ、
ユーカリへのミネラル分補給に一躍かっているとのことです。

ゼオライトには大きく分けて2種類が存在します。
モルデナイト系ゼオライトクリノプチロライト系ゼオライトです。
前者のモルデナイト系は日本では比較的良く見かけるゼオライトで、
水質改善剤や根腐れ防止剤として
使用されている和製やアジア製のゼオライトです。
後者のクリノプチロライト系は北米産が多く、
アルカリ分の強いゼオライトです。

この2種類の中でオーストラリアのゼオライトにより近く、
ユーカリに有効であると思われるものは、
後者のクリノプチロライト系ゼオライトです。

ところがこのクリノプチロライト系ゼオライト
ホームセンター等では滅多に売っておらず、
主にネット通販で購入できますが、
少しレアなために、かなり高価になっています。
もし余裕のある方は、使用して損はないと言っておきます。

ユーカリには日本で販売されている
多くの肥料がほとんど効きません。
その中で有効な成分のみを
効率よく吸収させるのにもゼオライトが役立ちます。

<肥料について>
ユーカリには日本の多くの肥料がほとんど効かないといわれます。
肥料には大きく分けて、窒素・リン酸・カリウムの三種があります。
良く売っている化成肥料や液肥などを見ていただくとわかりますが、
リン酸分が最も多く、窒素がそれに次いで
多くなっていると思います。

この中でユーカリはリン酸を特に嫌います。
私が試してみた結果、窒素もそんなに与えない方がいいでしょう。
この中でユーカリに有効なのは主にカリウム肥料なのです。

ところがカリウム肥料は中々吸収されにくいようです。
それを効率よく吸収させるためにゼオライトが役立つようです。

私は化成肥料を置肥している程度であまり肥料分は与えていません。
プロのお話では有機肥料(鶏糞や牛糞)は効果があるようですが、
あまり鉢植え栽培では実用的ではありません。
※一部、多肥を好む品種も存在します(Moon Lagoonなど)


最後に、栽培難易度の難しいユーカリ、
簡単なユーカリがありますが、
この差は本当に水分管理の難しさに直結します。
難しいユーカリは過湿に弱く、すぐ根腐れするということで、
簡単なユーカリは過湿に耐性があり、
水分管理がアバウトでも丈夫に育つユーカリということです。

ユーカリはいきなり枯れることがあると言われますが、
ユーカリが枯れる理由の90%は過湿による根のダメージです。
1、2、3の要素をうまく工夫して
より良い栽培環境を実現してください。

用土の表面がカラカラに乾いていたとしても、
用土の中は湿った状態であることが良くあります。
慣れないうちは少し用土を指で掘ってみて、
用土の内部の状況を確認することも参考になるでしょう。

それでは、皆さんがユーカリを
楽しく育てられることを願っています。
何か質問があったら遠慮なくどうぞ^^

# by eucalyptus_k | 2011-04-09 23:41 | ユーカリ(栽培知識)
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