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今年のユーカリ育成を振り返って

今年、ユーカリの種を大量に播いて、
そして、成長の季節が、あと数ヶ月で終わります。

春に種を播いたものの中で
一番大きくなったものが1m程度
一番成長が遅かったものが6cm程度です。

ユーカリを育ててみて思ったのは、
思ったよりたくさんの日光と
少し強いくらいの空気の流れが大切だと感じました。

この2つはマンションのベランダという環境では
一番確保するのが難しい要素ですから、
それはそれは苦しみながら学びました。

今年はもう1つ、実家の親父の協力を得て、
車で5分程度離れた、一軒家の実家の庭でも
ユーカリの育成を試験的に行ってみました。

まず、家のベランダですが、
通常の一般的なマンションのベランダと異なり、
完全に風を通さない高さ120cm程度の石壁で囲われています。
そのため、冬は暖かく、強風も遮ることができる反面、
湿気がこもりやすく、特に下方での空気の流れがありません。
そこに、洗濯物を干すわけですから、
かなり湿気がこもり、ムンムンの状態となります。

また、上の階が大きく前方にせり出しているため、
台風級の横殴りの雨が降らない限りは、
雨の日でも余裕で洗濯物を干すことができます。
これは、日照がその分悪くなることを意味します。

太陽の高い季節(4~7月)は、
ベランダの1/3程度に西日が当たるだけ、

太陽の中程度の高さの季節(2~3月・8~9月)は、
ベランダ全体に4時間程午後の日差しが当たり、

太陽の低い季節(10月~1月)は、
ベランダの半分程度に2時間程午後の日差しが当たります。

最高で4時間/日程度の直射日光となるため、
ほぼ、半日陰の環境ということになります。

この環境はユーカリにはかなりよろしくありませんでした。
ある程度の樹高が稼げればそれだけ日照を得ることができますが、
背の低い苗ほど、日照が悪くなるという厄介な環境です。

この湿気のこもった、日照の悪い環境でも
良く育ってくれたユーカリは下記の品種です。
robusta/camphora/rudis/bridgesiana
citriodora/scoparia/gunnii/staigeriana
crenulata/goniocalyx/grandis/nova-anglica
aromaphloia/melanophloia

湿気に強かったり、日陰に強い品種ばかりです。
これにneglectaを足した品種が、
日本に合って、日陰でも育つ品種といえると思います。
そのまま、栽培難易度が簡単だとも考えられるでしょう。
トップ3はrobusta/citriodora/bridgesianaです。

一方、著しく生育の悪かった品種は下記です。
kruseana/albida/crucis/rhodantha
macrocarpa/polybractea/lehmannii/tetragona
Moon Lagoon/forrestiana/tetraptera/gillii
pachyphylla/torquata/caesia/uncinata/decipiens

ほとんどが中央~西オーストラリアの品種で
高温・乾燥・強い日差しを好む品種ですね。
結論としてこれらの品種をベランダで育てることは
かなりの力技だなあと思わされました。
ワースト3はtetragona/Moon Lagoon/albidaです。
tetragona/Moon Lagoon
半年で6~10cmしか成長しませんでした。

そして下記は比較的日本でもメジャーですが、
意外にも家では全然奮わなかった品種です。
cinerea/pulverulenta/perriniana/viminalis/morrisbyi
glaucescens/parvula/cordata/leucoxylon/radiata

生育が遅いこともありますが、
何よりも病気がちで株自体の元気がないものが多いです。
湿度が高く、日光が不足しており、
何よりも空気の動きがないのが一番の要因かなと思っています。

次に家の実家の庭ですが、
ここは比較的広いオーブンスペースの庭です。
太陽の一番高い季節のみ、
11時くらいまで少し日陰が生じますが、
それ以外の季節は終日直射日光がガンガンに降り注ぎます。
また、実家の前が学校のグラウンドのため、
かなり風通しが良いのも特徴です。

ここではベランダとは異なり、
下記の品種が非常に良い生育状況となりました。
pulverulenta/perriniana/kruseana/albida
crucis/macrocarpa/tetragona/tetraptera
pachyphylla/torquata/caesia/uncinata
gillii/orbifolia/camphora/aromaphloia
melliodora/erythrocorys

特に西オーストラリア品種の成長の良さが尋常ではありません。
macrocarpaなどが別品種の如く、高速で大きくなっていきます。
また、葉の硬さと葉の大きさが全く違います。
ベランダのものと比べてみると、別品種のように違います。

ところが逆に、下記の品種は生育が著しく悪く、
葉焼けや枯れが多発してしまいました。
gunnii/crenulata/scoparia/sturgissiana
melanophloia/nitens/lehmannii/smithii
delegatensis/cladocalyx nana/radiata


最後に、ベランダでも実家でも、
イマイチ実績の上がらなかった品種があります。
Moon Lagoon/radiata/delegatensis/cordata
lehmannii/forrestiana/leucoxylon

ここには私が掴み切れていない何かがあるのでしょう。
これらの品種の成長の鍵を掴むことも
次年度の大きな目標になると思います。

日々学びの連続ですね。。。
好奇心と探求心は尽きません。

# by eucalyptus_k | 2010-09-24 00:22 | ユーカリ(栽培実績)
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発芽不良は厄介だ。。。

久々のブログ更新になりました><;
最近は追加で新品種の種播を行っていますが、
どれも発芽が芳しくなく、色々と手間取っています。

Eucalyptus pachyloma
スイートセンテッドなどと呼ばれ、
現地ではクリスマスツリーにも利用されたりするようです。
西オーストラリア軍団では珍しく中々発芽しません。
今やっと2苗だけ発芽しました。

Eucalyptus pauciflora ssp. niphophila
寒さに強い、雪の積もる高山のユーカリです。
Snow Gumとも呼ばれています。
発芽には2ケ月以上の冷却処理が必要となり、
そこから先も驚異的な発芽率の悪さを誇ります。。。
また異様に蒸れに弱く、日本では難易度も高めです。
種のクオリティーは保証されていますが、
全く発芽しないので、今一番厄介な品種です。

Eucalyptus coccifera
こちらも高山生息種でTasmanian Snow Gumです。
こちらも長期間の冷却処理を要し、
その後の発芽率も著しく悪いです。
現地の園芸家曰く、発芽には一癖あるようです。
たくさん播いて、2苗やっと発芽という状況です。

そして、この中に一つ加わっていた、
Eucalyptus nicholiiですが最近一斉に発芽を開始しました。

fancybox記事106の画像1

ユーカリ中最小クラスの双葉が何ともいえません><;
赤玉土では発芽に3週間ほどかかりましたが、
バーミキュライトでは5日程度で発芽しました。
pHの差か、それともより湿潤を好むということでしょうか。

それでは最後に最近の近況をいくつか紹介します。

私が今年の目標に設定した
Eucalyptus macrocarpa(マクロカルパ)ですが、
紆余曲折を経て、やっとここまできました!

fancybox記事106の画像2

fancybox記事106の画像3

成長は早いとはいえませんが、着実に進んでいきます。
直射日光ガンガンの環境が非常に大切ですね。
日陰などで育てると葉が細く小さいままになります。
後は涼しくなったら植え分けを行う予定です。
今まで培ってきた植え替えテクの見せどころです!

次は家で今絶好調のユーカリを2種ご紹介します。

Eucalyptus robusta
fancybox記事106の画像4

家の環境がとにかく大好きなようで、
5月から一気に伸びて、今は70cmを超えています。
何も触っていないのに、脇芽まで勝手に生じています。

Eucalyptus melanophloia
fancybox記事106の画像5

当初は貧弱で他のユーカリに埋もれていましたが、
気温の上昇とともにスイッチが入ったようです。
毎日わかるほどに成長し、今は30cm近いです。
かなり湿潤を好む品種のようです。

次は、タスマニアの1000m級の高山生息種、
Eucalyptus vernicosaに手を出す予定です。
私のマニア魂はとどまるところを知りません(笑)

# by eucalyptus_k | 2010-09-02 02:28 | ユーカリ(栽培実績)
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