どこまで枯れる?いつ止まる?
先日、植え替えで弱ったユーカリ達。
植え替えを行ってから1週間を過ぎましたが、
未だ痛みは止まらず、どんどん進行していきます。
cinerea・・・全ての葉が枯死。
Baby Blue・・・全ての葉が枯死。
cordata・・・新芽だけでなく下葉も枯死。
これが真夏でなかったら、
痛みの進行が緩やかで、早めに痛みが止まって、
何とか一命を取り留める可能性が高くなるでしょう。
真夏は痛みの速度が速く、中々止まりません。
「真夏の植え替えは厳禁」
園芸では当たり前とされているルールですが、
当たり前を確実に実行することは難しい。。。><;
すでに私の落ち込みは底を打って、
樹形が乱れる!痛むのが痛々しい
とかいったものは手放しました。
もしも枯れてしまうことになったとしても、
これを経験に次は絶対に枯らせません!
我が身を犠牲にして
私に素晴らしい経験を与えてくれて
本当にありがとう。- # by eucalyptus_k | 2009-08-19 18:27 | ユーカリ(その他)
ユーカリは移植を嫌う?
ネット上を色々検索してみると
どこを見てもユーカリは移植を嫌うとあります。
移植を嫌うとは、鉢植えでは植え替えが困難ということです。
これに関しては、各プロの話を伺いながら
自分の実体験に照らし合わせて考えてみると
結果はそうなのかもしれないと思わされます。
私はユーカリの他に観葉植物やその他の植物を
約20種類程度育てています。
園芸デビューの頃は原因不明で良く枯らしましたが、
今になって思うと、全てが用土の不良と水遣りの悪さによる根ぐされです。
そこから水遣りと用土については
結構自分なりに勉強しましたし、
素人としてはそれなりに知識や実績も積み重ねてきたと思います。
限られたスペースであるベランダでの管理のため、
基本的には7号鉢が限界のサイズになります。
そこで根詰まり防止と成長管理のために
比較的頻繁な植え替えを要します。
今まで相当数の植え替えを行ってきましたが、
デビューの頃の用土不良を除くと
植え替えで植物を枯らせたことはありません。
ところが、枯らせかけたことは今までに2回あります。
その2回ともユーカリの植え替えです。
通常の成長に合わせた植え替えですと
鉢土はできる限り崩さずに植え替えることができますが、
用土不良による植え替えの場合は、
鉢土を崩して比較的根を痛める植え替えを行います。
ユーカリにこういった植え替えを行った際には
2回とももう駄目だ!という状態になりました。
それでも私の言い分としては、
こんなにデリケートに扱って、少し根を切っただけなのに、
葉っぱ全部枯らさんでもええやん!!
って少々腹立たしささえ感じてしまいます(苦笑)。
そして今回、用土不良により、
Eucalyptus cinerea
Eucalyptus pulverulenta 'Baby Blue'
Eucalyptus cordata
この3種をこの真夏に植え替え敢行しました。
そして見事、今までにない瀕死の重傷を与えてしまいました。。。
cinerea・・・全ての葉が枯死、もう駄目かも。
Baby Blue・・・ほぼ全ての葉が枯死、もう駄目かも。
cordata・・・全ての新芽が枯死、今のところ壊滅はないか!?
といった悲惨な状況です。
ユーカリはやはり「移植を嫌う」のか?
全く何ともなかったこともあるので、本当に不思議です。
でも、今回で少しユーカリの植え替えにトラウマができました。
今後は比較的植え替えの回数を減らすように心掛けたいと思います。
まだ諦めていませんが。。。結構落ち込んでいますToT- # by eucalyptus_k | 2009-08-17 00:45 | ユーカリ(栽培知識)
ユーカリの生命力「Ligno-tuber」
今日はユーカリの豆知識コーナーです。
ユーカリの祖国、オーストラリアは、
4万年以上前、アボリジニーがやってくる前から、
乾燥化が進み、植物には過酷な環境が広がっていました。
その過酷な環境下では落雷が多く発生したり
夏に山火事が多発することが多くありました。
今でも、BushFireといって、
オーストラリアのユーカリ林では山火事が多く発生します。
また、油分を多く含むユーカリ林は非常に良く燃え、
大規模の山火事にまで発展して、
森林自体が簡単に死んでしまうことがあります。
このような過酷な環境に耐えるために、
ユーカリは独特の進化を遂げました。
その中でも、大きな進化の一つである
Ligno-tuber(リグノチューバー)
についてお話したいと思います。
ユーカリを育てている方は、
ある程度育てていて、株元が木化してくると、
株元に瘤を作ることに気づきませんか?
この株元の瘤がLigno-tuberです。
Ligno-tuberは通常1/3くらい地上に顔を出しており、
2/3は地中に埋もれています。
一度死んで復活した銀世界の写真をご覧ください。
赤で囲った部分がLigno-tuberです。
この銀世界もLigno-tuberから再生しました。
このLigno-tuberは、木が元気なうちは何もしません。
ひたすらに養分を蓄え続けて、
いざというときのためにじっと待っています。
そして、山火事やその他の事故により、
木が死んでしまったとき、
Ligno-tuberは活動を始めるのです。
今まで溜め込んできた全ての養分を使って、
Ligno-tuberから新たな芽が成長を始めます。
Ligno-tuberは硬い皮で覆われており、
尚且つ地中に大部分が埋もれているため、
山火事の中でも生き残ります。
Ligno-tuberはユーカリの生命維持予備タンクです。
このLigno-tuberは育成環境下でも非常に頼りになります。
普通の草木なら枯れて絶望的な状態のときも、
ユーカリならLigno-tuberがあれば、
新芽をそこから出す可能性があります。
ただし、幼い苗のうちはまだ
Ligno-tuberが形成されていません。
そのような場合には残念ながら枯れてしまったらおしまいです。
ユーカリを育てていて感じるのは、
葉や芽自体は決して強いとはいえません。
挿し木が難しいのは、細菌感染に弱く、
細胞分裂が活発ではないことが考えられるでしょう。
でも、そんなユーカリが、
過酷な環境を生き抜くための能力には
凄まじいまでのバイタリティーを感じます。
余談ですが、ユーカリの山火事対策には4段階+αあるんです!
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1. 葉は燃えやすいが樹皮は非常に硬く中までは中々燃えない。
2. 通常の芽がやられたら、
脇に隠したaccessory budという予備の芽を出す。
3. この予備の芽がやられたら、
幹から直接epicormic shootという枝を出す。
4. これら全てを含む地上部が死滅したらLigno-tuber始動!
α. ユーカリの幹はねじれて成長するため、
頻繁に皮が剥がれて落ちる。
この剥がれた皮は根元の水分維持と
Ligno-tuber保護の役目を果たす。
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こうして見てみると、
ユーカリって無敵か?
って思いますよねw
※ちなみにユーカリには品種によって
Ligno-tuberを生成しないものもあります。- # by eucalyptus_k | 2009-08-07 14:23 | ユーカリ(栽培知識)
Eucalyptus pulverulentaの苗
以前にユーカリ紹介で紹介したpulverulenta!
その際は外部の樹木になった個体を紹介しましたが、
紹介した少し後に、苗を手に入れて育てています。
どうです??ちっちゃくて可愛いでしょう?★★★
私がたくさん育てているユーカリの中で、
特別な思い入れのあるユーカリなんです!
今、一番好きなユーカリは?って聞かれたら
迷わずpulverulenta!って答えると思います。
私は元々、路上に生えているcinereaを見て、
その美しさにやられたのがユーカリに興味を持ったきっかけでした。
cinereaはずっと私の中でトップクラスに好きなユーカリですが、
今はpulverulentaが少し抜いて1位になっています。
何で?って言われると、、、
以前の紹介で登場した樹木のpulverulenta。
余りの立派さと美しさが私に元気をくれるんです。
今でも辛いときとか悲しいときにふと見に行っちゃったりします。
今回紹介した写真のような可愛らしい苗も、
いつかは下記のように大きくて立派な樹木に育てばいいな。
今回紹介したpulverulentaの苗は、
将来機会があったら地植えにしたいと思っています。
うちにあるユーカリの中で、
pulverulenta、cinerea、Baby Blueは非常によく似ています。
多分、全てがシルバーダラーや銀丸葉、銀世界として売られており、
普通の人には、全て同じ種類のユーカリに見えると思います。
私も最近、色々なところで見かけて観察するので、
見た目でも何となくわかるようになってきましたが、
大きく違うなあと思うのはその香りでしょうか。
●pulverulenta…スッキリスカッと一本で香る柑橘系ミントの香り
●cinerea…シネオールがガツンとくるヘアトニックのような香り
●Baby Blue…爽やかで甘い柑橘系女性用香水のような香り
土壌などによって変わることもあると思いますが、
とりあえずこんな感じに思いますっ!- # by eucalyptus_k | 2009-07-21 23:55 | ユーカリ(その他)
【ユーカリ紹介-06】
ユーカリ・ベイビーブルー (Eucalyptus pulverulenta 'Baby Blue')続きまして第06回目は
前回紹介したpulverulentaの亜種。
pulverulentaと同じく銀世界ユーカリとして有名で
Little Boy Blue(リトルボーイブルー)という販売名でも知られる
ユーカリ・ベイビーブルーです。
◎ユーカリ・ベイビーブルー
【学名:Eucalyptus pulverulenta 'Baby Blue'】
【英名:'Baby Blue' Eucalyptus】
大葉で肉厚のpulverulentaが
より切枝として活用しやすいように改良された園芸品種です。
pulverulentaより遥かに小ぶりで
葉の表面に少し光沢があるのが特徴です。
pulverulentaの葉のように、激しく粉を吹かず
非常に眩しいエメラルドグリーンの葉が際立っています。
このBaby Blueは、銀世界ユーカリや
リトルボーイブルー名で販売されているのですが、
最近まで、その品種の判別には本当に苦労していました。。。
肉厚で大葉、白銀色の美しいpulverulentaの印象が強すぎて、
異なった亜種が存在することを全く想定できなかったためです。
pulverulentaとの大きな相違点は、その強く甘い香りです。
pulverulentaはミント系&柑橘系の
非常に爽やかな香りがします。
ところがこのBaby Blueは
柑橘系香水のような非常に甘い香りが強くします。
本当に両者で違う香りがするため、
まさか亜種だとは思ってもいませんでした。
pulverulentaでは、
花を咲かせるのに2m近くまで育てる必要がありますが、
Baby Blueは、1m程度の樹高でも
花を咲かせることができるそうです。
また大きくなれば10m以上にまで育つpulverulentaに対して、
Baby Blueは大きくても6m程度の低木止まりです。
このあたりからも切枝用に改良された
園芸品種であることが伺えます。
私がこのユーカリと出会ったのは、
cinereaを探しているときに、
銀世界ユーカリ名で購入したのが最初です。
その後、リトルボーイブルー名で
販売されているユーカリを購入したところ、
全く同じ外観と香りだったので
これらは同じ品種だなと確信しました。
このリトルボーイブルーという名称は、
その形状と色が、マザーグースに登場する
青い服の羊飼いの少年みたい
ということで付けられた販売名だそうです。
このBaby Blueについては
銀世界ユーカリという名称より、
Baby Blueやリトルボーイブルーの方が
このユーカリの外観をうまく表現できていると思います。
とにかく、このユーカリ!良い香りがします。
女性を中心に大ウケする甘い香りです。
Baby Blueは原種に比べると、少しデリケートなところもありますが、
日本の環境&鉢植えでも比較的育てやすいユーカリです。
特に冷涼地で日光のふんだんに当たる環境がある場合には、
とても育てやすく、素晴らしいユーカリになります。
余り大きく育つことのない品種ですから、
植木鉢でコンパクトに管理するのには非常に向いています。
また切枝用に改良された品種のため、脇芽もたくさん出ます。
原種のpulverulentaに比べると、
日陰にも少しだけ強く、どこでも安定して育ちますが、
成長力旺盛なpulverulentaとは大きく異なり、
ユーカリ中では非常に成長速度の遅い品種です。
じっくり育てながら楽しむ方にオススメです。
半日陰の環境でも十分に育てられますが、
葉を大きく健康に育てたい場合は良く日光に当ててください。
また、植え替えについては原種同様に弱い方ですので、
植え替え時には根を痛めないように気をつけてください。
また、Baby Blueは、高温多湿な大阪などの夏は
とても苦手としているようです。
育てる地域によっては、
梅雨時期~夏場の少しの葉痛みは
ある程度許容する必要があるかもしれません。
また、風通しの悪い場所で育てると、
株元の葉の密集した部分が蒸れて、
下葉が激しく散ってしまうことがあります。
あまりに暑く、雨の多い夏の場合は、
激しく高温障害の症状が出ることもあります。
そのような場合には、少し涼しく、
風通しの良い場所に退避することも検討してください。
この高温多湿に極端に弱い性質が若干の鬼門ですが、
余程のことがない限りは、葉が傷んだり散ったりするレベルで、
枯死してしまうようなことはありません。
季節が涼しくなれば、新たに新芽を吹きますが、
前述した通り、成長の非常に遅い品種のため、
完全に復帰するには少し時間がかかります。
とにかく夏場は、涼しく風通しの良い場所で育てるのが、
葉を綺麗に保つコツになります。
栽培環境によっては、葉が蒸れないように
初夏の段階である程度葉を間引くのも良いかもしれません。
Baby Blueは、ユーカリの中では珍しく、
虫害に合いやすいユーカリでもあります。
新芽にはアブラムシがつくことがあり、
風通しの悪い環境では、
ハダニの被害が酷く出ることもあります。
Baby Blueは、園芸品種として改良された品種のため、
少しデリケートな性質になっているのかもしれません。
耐寒性はpulverulentaには劣るものの、
-8℃以下の環境で冬を越した実績があります。
gunniiよりは幾分乾燥気味に育てた方が
耐寒性も増し、安定して冬を越せるでしょう。
ユーカリの香りに興味があって育ててみたい!
庭木にするのは困るけど鉢植えでコンパクトに育てたい!
あまり短期間で大きくなりすぎないユーカリが良い!
冷涼地や寒地でも育てやすい丸葉ユーカリが良い!
なんて方にはとってもとってもオススメのユーカリです
育ててみたい方には素晴らしい農場をご紹介します。
気軽に声をかけてくださいね。
家では水差しにした後、
干してお風呂に入れるのが定番になっています^^
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<栽培難易度:B+>
香良さ:★★★★★
香強さ:★★★★★
成長力:★
要水分:★★★
耐過湿:★★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★★★
耐移植:★
耐寒性:★★★★
耐暑性:★
耐病虫:★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい- # by eucalyptus_k | 2009-06-02 20:15 | ユーカリ紹介