ユーカリの耐寒性
遂に大阪でも寒い日が連続でやってきました。
局地的な気温や計測器の情報では、
私の住んでいる周辺の最低気温は-1℃~-2℃。
家のベランダの囲われたゾーンで0~2℃となっています。
ところがこの数日はマンションの12階ということで、
地上に比べて恐ろしく風が強く、半ば軽い台風の如く。
風当たりの強い場所にポット苗を置いておくと、
支柱ごと根こそぎ引き抜かれてしまうといった状況です。
ベランダで作業をしているときに
突風に合うと一瞬息ができなくなり、
まっすぐ立っていることさえ困難になります。
また、スキーウェアを着ていないと作業が出来ないほどの寒さです。
他のお宅から折れた枝や洗濯物、
ラベルなどがどんどん飛んできます。
ちなみに耐寒温度をリンケ耐寒温度に基づいて計算してみると、
-8~-12℃くらいあることが分かりました。。。
寒いだけなら多分大丈夫なのでしょうが、
この異様に強い寒風で相当参っているものがあるようです。
ホームセンターで安売りしている簡易温室に入れてあるものは、
耐寒性のない品種で1cm程度の双葉でもピンピンしています。
もちろん温室は無加温で気温はほとんど外と変わりません。
風だけはほぼ完全にシャットアウトできています。
こんな中で、ヘタるユーカリ、
ピンピンしているユーカリと様々です。
今のユーカリの状況を自身の記録も含めて載せます。
もしよろしければご参考にしてください。
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最低気温:0~2℃
瞬間最大風速:10m以上(突風時は直立困難な状況)
耐寒温度:-8~-12℃ ※リンケ体感温度による
霜:軒下のためほぼなし
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<野外では退避措置が必要なもの>
●Eucalyptus camaldulensis(40cm)
(新芽が完全に萎れる、素焼き鉢で土の量が少なめ)
→簡易温室退避で問題なし
耐寒性はかなりあると思っていましたが、
新芽が寒風にめっきり弱いようです。
先端10cmくらいが完全に萎れてしまいます。
●Eucalyptus gamophylla(18cm)
(全体がヘロヘロになる)
→簡易温室退避で問題なし
風さえなければこの気温では全然大丈夫です。
実家の庭の50cm程度の株は全然元気なので、
25cmを超える程度までは防寒対策が必要かもしれません。
●Eucalyptus polybractea(15cm)
(全体がヘロヘロになる)
→簡易温室退避で問題なし
風さえなければこの気温では全然大丈夫です。
まだ幼いことが大きな要因かもしれません。
気温がもう少し高くても、とにかく風に弱いです。
●Eucalyptus forrestiana(10cm)
(全体がヘロヘロになる)
→簡易温室退避で問題なし
かなり小さい状態での寒風は耐えられないようです。
簡易温室内では元気なものです。
●Eucalyptus pachyphylla(15cm)
(全体がヘロヘロになる)
→簡易温室退避で問題なし
小さい状態での寒風は耐えられないようです。
簡易温室内では元気なものです。
<耐寒性低めでも簡易温室では問題のないもの>
※野外吹きっさらしではどうなるか不明です。
●Eucalyptus decipiens(25cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus pruinosa(15cm)
●Eucalyptus rudis(45cm)
→葉が固くなりますが、痛みはなし
●Eucalyptus pleurocarpa(15cm)
●Eucalyptus extrica(15cm)
●Eucalyptus erythrocorys(30cm)
●Eucalyptus pachyloma(5cm)
→新芽が赤くなりますが、痛みはなし
●Eucalyptus macrocarpa(15~25cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus rhodantha(5~15cm)
●Eucalyptus uncinata(45cm)
●Eucalyptus accedens(1.5cm)
→全く痛みなし
<葉に少し痛みはあるが株自体は元気なもの>
●Corymbia citriodora(120cm)
→葉が少し焼け、赤くなっているが新芽も何とか無事
<寒風に少しだけヘタるが耐えきれるもの>
●Eucalyptus globulus(20~45cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus polyanthemos(30~40cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus muelleriana(20cm)
●Eucalyptus websteriana(25cm)
●Eucalyptus smithii(20cm)
●Eucalyptus albopurpurea(30cm)
●Eucalyptus melanophloia(50cm)
●Eucalyptus 'Moon Lagoon'(20cm)
●Eucalyptus leucoxylon ssp. pruinosa(15cm)
→夜間に少し葉がヘタるが昼には復活
●Eucalyptus melliodora(40cm)
●Eucalyptus kruseana(35cm)
●Eucalyptus sideroxylon(20cm)
●Eucalyptus torquata(50cm)
→新芽の一部のみ一日中ヘタるが株自体は無事
<思っていたより耐寒性があったもの>
●Eucalyptus staigeriana(30cm)
●Eucalyptus orbifolia(50cm)
●Eucalyptus cladocalyx nana(18cm)
●Eucalyptus gillii(20cm)
●Eucalyptus lehmannii(40cm)
●Eucalyptus albida(15cm)
●Eucalyptus crucis(25cm)
●Eucalyptus tetraptera(20cm)
●Eucalyptus pluricaulis ssp. porphyrea(15cm)
●Eucalyptus caesia ssp. magna(25cm)
●Eucalyptus macrocarpa(15cm)
→ヘタりも痛みも全くなし
<成長したり新芽を展開するもの>
●Eucalyptus gunnii(10cm~60cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus perriniana(40cm)
●Eucalyptus nitens(20cm)
●Eucalyptus aromaphloia(25cm)
●Eucalyptus glaucescens(20cm)
●Eucalyptus dives(15cm)
●Eucalyptus dalrympleana(5~20cm)
●Eucalyptus rubida(5~20cm)
●Eucalyptus nova-anglica(5~20cm)
●Eucalyptus urnigera(5~15cm)
●Eucalyptus neglecta(2~8cm)
●Eucalyptus tenuiramis(25cm)
●Eucalyptus risdonii(20cm)
●Eucalyptus delegatensis(10cm~20cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus parvula(25cm)
●Eucalyptus cordata(25cm)
●Eucalyptus scoparia(35cm)
●Eucalyptus coccifera(5cm)
●Eucalyptus cephalocarpa(2cm)
●Eucalyptus cypellocarpa(2cm)
●Eucalyptus subcrenulata(8cm)
●Eucalyptus ovata(5~30cm)
●Eucalyptus pauciflora ssp. niphophila(5cm)
●Eucalyptus pauciflora ssp. debeuzevillei(5cm)
●Eucalyptus vernicosa(2cm)
これらの品種は本当に凄いですね!
家ではgunniiやperrinianaなどは寧ろ冬季の方が元気な程です。
野外越冬で気づいたポイントとしては、
・耐寒性が増す樹高のポイントは25cm以上
・風にさえ気をつければかなり耐える
・少し肌寒くなった間から寒さに慣らせておく
・水遣りのタイミングに気をつける
などです。
その中でも寒風だけは本当に怖いですね。
調べたところによると、
体感温度は風速1mでおよそ1℃下がるようです。
マンションでは寒さには強風が付きものですから。。。
全て無事に越冬できるように学びながら頑張ります!- # by eucalyptus_k | 2010-12-26 20:10 | ユーカリ(栽培知識)
育てていてわかった!巷のユーカリ情報の真偽
そろそろ冬も本格的になり、
大阪でも5℃を切る寒さになってきました。
寒さに弱いと思われる品種や幼苗などは、
寒風を避けるためにホームセンターで販売されている
安価の簡易温室に入れるようにしています。
とはいえ、家のベランダは
風を通さない分厚い石壁で覆われていますから、
外気温よりプラス3℃くらいの暖かい状態になっています。
夏には日照不足を招くこの石壁も、
冬季には寒風を防ぐというありがたい役割を果たしてくれます。
冬季はユーカリの生育にストップがかかったり、
非常にスローになったりしていますので、
どうしても栽培レポート系のネタは少なくなってしまいます。
日本にはたくさんのユーカリに関する情報があふれています。
今日はその情報にズバッと鉈を入れてみたいと思います。
「ユーカリの香りは花粉症に効く」
日本で販売されているユーカリの多くはgunniiですが、
そのgunniiの説明やキャッチコピーでも良く見かけます。
花粉症に効く成分といえるのは、
厳密にはシネオールやカンファー、ピペリトンといった成分ですが、
gunniiは精油量が少なく、
これらの成分もほとんど含まれていません。
gunniiが花粉症に効くというのは明らかな過大広告ですね。
成分分析と実際に試してみた実績として有効だなと思うものは、
globulus/dives/cinerea/cordata/goniocalyx
などでしょうか。
「アップルボックスはりんごの香りがする」
「りんごを切ったような葉型なので
アップルボックスという」
上記は全て誰かが勝手に勘違いした内容です。
bridgesiana/aromaphloia/goniocalyx
などがアップルと言われますが、
これは全て樹皮がりんごの木のようであるからです。
ユーカリの名称は樹皮、木質、花、実に起因するのがほとんどです。
アップルボックスはりんごの香りはしません!
もろシネオール系の樟脳の香りがします。
敢えてりんごの香りに近いと言ってもよいユーカリは、
grandis/glaucescensなどが考えられますね。
「レモンユーカリの耐寒性は5℃~10℃以上必要」
最近色々試してみましたが、
25cm以上の苗で鉢植えであっても、
アロエ程度(0℃以上)の管理で十分野外越冬できますね。
ただし葉は少し赤くなって痛んだりすることはあります。
耐寒性については環境もあるので一概には言えませんが、
下記のことに気をつければ耐寒性0℃でいけるように思います。
●秋の比較的暖かい間から徐々に寒さに慣らせていくこと
●夜間の水遣りは避け、用土の凍結を防止すること
●寒い風が吹き抜けるような場所は避け、軒下管理推奨
意外に寒くてもちゃんと水はそこそこ必要なんですよね。。。
「ユーカリは水切れに強い」
こあら師匠もおっしゃっていますが、
逆に水切れに強い品種は非常に少ないです。
降雨量が日本の1/6程度の環境の植物だからそう思うのでしょうね。
現地では根を深く伸ばし、豊富な地下水を激しく吸い上げています。
よって寧ろ水は大好きな品種が多いですね。
ところが「乾燥を好む」というのは大正解です。
毎日土がカラカラに乾いて、毎日欠かさず水遣りをする。
そんな用土や環境が大好きということです。
逆に土が長期間湿っているという環境は大嫌いです。
「ユーカリには肥料が効きにくい」
これは厳密には正しい部分がかなりあると思います。
日本で売られている肥料はほとんどがリン酸の多いものです。
ところがユーカリはこのリン酸をほとんど必要としません。
これはオーストラリアの土壌には
ほとんどリン酸が含まれていないことに
起因するのではないでしょうか。
逆にカリ肥料を比較的必要とするようですね。
窒素については一般的な草木と同じレベル必要とします。
特に砂漠地帯や西AZ出身の品種については、
日本の肥料を与えすぎるとリン酸に当たることがあるようです。
「ユーカリはアルカリ性の用土を好む」
これはたまに育て方などで見かけることがありますが、
95%以上のユーカリが好む用土は弱酸性~酸性の用土です。
一般的に日本で販売されている用土なら、
pHの調整は特に必要ありません。
ところが中には一部アルカリ性を好む品種もあります。
家ではMoon Lagoonなどがそうですね。
他ではアルカリ耐性のある品種もいくつか存在しますが、
アルカリ性を好むというわけではありません。
「ユーカリは根から他の植物を枯らす物質を出す」
これはよく言われていますが、
科学的にそのような事実は一切ありません。
ただユーカリは非常に根張り能力が高く吸水能力も非常に高いです。
また、用土の養分を急速に消費し、
用土を酸性にする力が非常に強いです。
一般的に寄せ植えするような花の咲く植物は、
比較的アルカリ性を好み、根張りや吸水もデリケートです。
そのため、ユーカリと一緒に寄せ植えすると
全てにおいて負けてしまって元気を失うことがあります。
ユーカリは寄せ植えにはあまり向かない植物といえます。
他にも疑問に思うような情報があれば、
私のわかる範囲で鉈を入れていきます。
お気軽にお問い合わせくださいね。- # by eucalyptus_k | 2010-12-11 22:59 | ユーカリ(品種知識)
2010/10/24 ユーカリ育成の近況(1)
恒例の育てているユーカリたちの近況です。
今回も「鉢植えになっている」ユーカリほぼ全てを公開します。
※今回はABCD順に公開していきます。
robusuta/rudis/citriodoraなどについては、
既に大幅な剪定を行ってしまったため省いています。
robusuta/rudisについてはユーカリ紹介の写真が最新です。
またcitriodoraは2m近くまで成長していました。
この他にもポット苗が多数あります。
またポット苗にはここにはない品種もあります。
これは自身の記録としても使用しているので、
お時間のある方のみご覧になってくださいね。
何しろ数が多いですから^^;
写真は全て撮影を完了しているのですが、
数が多いため、全5回に分割してアップしています。
よろしくお願いいたします。
<バックナンバー>
・2010/5/1の状況
・2010/5/7の状況
・2010/6/5の状況
・2010/6/19の状況
・2010/8/8の状況(1)
・2010/8/8の状況(2)
・2010/8/8の状況(3)
・2010/8/8の状況(4)
●Eucalyptus albida
種播時期:今年初夏
現在樹高:10cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
一時は全滅の憂き目を見たalbidaですが、
日光にさえしっかりと当てていればそんなに難しくはありません。
家ではその日光だけというのが中々困難なのですが。。。
これでも少し日照不足ですがマイペースに育って欲しいものです。
●Eucalyptus albopurpurea
種播時期:今年春
現在樹高:30cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
梅雨時期にはうどんこ病に苦しめられましたが、
薬漬けになってから、夏以降は非常に順調に育っています。
真夏より、少し涼しくなってからの方が成長が良いです。
また、思ったよりはですが、比較的水を好む品種のようです。
●Eucalyptus aromaphloia
種播時期:苗を購入
現在樹高:35cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
成長力は非常に旺盛で初夏~秋にかけて
二度も大きな剪定を行っていて、この状態です。
新芽がチョコチョコうどんこ病に罹り、
薬をまいてもきりがないので非常に厄介です。
ただ、うどんこで枯死するようなサイズではなくなりました。
●Eucalyptus pulverulenta 'Baby Blue'
種播時期:昨年冬
現在樹高:30cm
鉢サイズ:6号プラスチック
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
成長が非常に遅く、成長しているのかどうかわからないほどです。
いつまで経っても葉が大きくならず、
片方の葉の直径が1~1.5cm程しかありません。
元来少し成長の遅い品種なのでのんびりいきたいと思いま~す。
●Eucalyptus globulus ssp. bicostata
種播時期:今年春
現在樹高:20cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/4日当たる日陰
当初は成長がスローで、夏はほとんど動きませんでしたが、
秋になり涼しくなってから急激に成長を始めました。
育てていて、日本で出回っているglobulusは
ほとんどがこれなんじゃないだろうかと思っています。
適度に葉が白く美しく、若干小ぶりで非常にスタンダードです。
●Eucalyptus bridgesiana
種播時期:苗を購入
現在樹高:60cm
鉢サイズ:6号素焼き
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
今年は撮影後にほとんど丸坊主近くにまで強剪定しました。
成長力が家ではトップクラスで越冬経験もあるので安心です。
根張りが強烈で、この鉢は既に根っこでパンパンです。
●Eucalyptus caesia ssp. magna
種播時期:今年春
現在樹高:20cm
越冬場所:野外
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
家の環境には余り合っているとは言い難いユーカリですが、
何とかここまで育ち、ユニークな葉形が見られるようになりました。
葉はかなり丈夫で分厚いのですが、
ハダニの被害が尋常ではありません。
二度薬漬けにしていますが、薬害は全く出ません。
とにかくかなり乾燥好みで真夏のクソ暑いのが大好きでした。
●Eucalyptus camaldulensis
種播時期:昨年冬
現在樹高:30cm
鉢サイズ:5号素焼き
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/4日当たる日陰
双葉時点での育苗はかなり相性が悪かったのですが、
それから先はほおっておいても安心できる品種の一つです。
本当に水遣り以外放置していますが、病虫害はほとんどありません。
たまにホコリダニに新芽をやられますが、
大して深刻ではありません。
●Eucalyptus camphora
種播時期:昨年秋
現在樹高:35cm
鉢サイズ:6号プラスチック
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/4日当たる日陰
既に春~秋で2度剪定をしていますが順調に育っています。
この品種は強健なので少し日当たりの悪い場所に置いているため、
葉がかなり薄くペラペラでうどんこ病の被害が酷いです。
それ以外はほおっておいても安心して育てられます。
●Eucalyptus cinerea
種播時期:昨年冬
現在樹高:12cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
家ではかなりイマイチだったcinereaですが、
ここにきて脇芽が出て順調になってきました。
今まではハダニやうどんこ病に苦しめられ、
一度薬漬けになっています。
●Eucalyptus cladocalyx nana
種播時期:今年春
現在樹高:18cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
いつまで経っても葉が分厚くならずに、
病害虫の被害が大きく、中々健康な状態になってくれません。
日照不足もあると思いますが、元来そのような性質です。
少し涼しくなってからの方が順調ですが、
育てにくく、防護力も弱いので少し厄介なユーカリです。
●Eucalyptus cordata
種播時期:昨年冬
現在樹高:20cm
鉢サイズ:6号プラスチック
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
最初は簡単だとかなり舐めていたのですが、
育ててみるとデリケートで成長も遅く少し厄介でした。
暑いのはあまり好きではないようで、
涼しくなってからの方が本領発揮のようです。
うどんこ病の被害が出やすい品種なので注意が必要です。
樹高は真っ直ぐに伸ばしてみると25センチを超えています。
●Eucalyptus crenulata
種播時期:今年春
現在樹高:35cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が1/4日当たる日陰
湿度が高く日陰という家の環境が非常に合っていたようで、
ビックリするほど順調に育っています。
水食いで寧ろ湿気た環境が大好き、
日焼けしやすいので日陰も大好きという、
ベランダで育てるならこれだ!というユーカリです。
ハダニやうどんこ病の被害はありますが比較的軽いです。
●Eucalyptus crucis
種播時期:昨年冬
現在樹高:20cm
鉢サイズ:6号スリット
越冬場所:野外
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
半日以上の直射日光を維持することが成長のポイントです。
また、西AZ軍団の中では比較的水が好きな方です。
とにかく白い葉が美しいのでどんどん大きくしたいです。
うどんこ病には弱いので注意が必要で、
葉が白いため発見が遅れてしまいがちです。
パート1はこれで終了です。
パート5まで続きます。
お時間のある方はお付き合いください^^V- # by eucalyptus_k | 2010-10-27 03:32 | ユーカリ(栽培実績)
今年のユーカリ育成を振り返って
今年、ユーカリの種を大量に播いて、
そして、成長の季節が、あと数ヶ月で終わります。
春に種を播いたものの中で
一番大きくなったものが1m程度
一番成長が遅かったものが6cm程度です。
ユーカリを育ててみて思ったのは、
思ったよりたくさんの日光と
少し強いくらいの空気の流れが大切だと感じました。
この2つはマンションのベランダという環境では
一番確保するのが難しい要素ですから、
それはそれは苦しみながら学びました。
今年はもう1つ、実家の親父の協力を得て、
車で5分程度離れた、一軒家の実家の庭でも
ユーカリの育成を試験的に行ってみました。
まず、家のベランダですが、
通常の一般的なマンションのベランダと異なり、
完全に風を通さない高さ120cm程度の石壁で囲われています。
そのため、冬は暖かく、強風も遮ることができる反面、
湿気がこもりやすく、特に下方での空気の流れがありません。
そこに、洗濯物を干すわけですから、
かなり湿気がこもり、ムンムンの状態となります。
また、上の階が大きく前方にせり出しているため、
台風級の横殴りの雨が降らない限りは、
雨の日でも余裕で洗濯物を干すことができます。
これは、日照がその分悪くなることを意味します。
太陽の高い季節(4~7月)は、
ベランダの1/3程度に西日が当たるだけ、
太陽の中程度の高さの季節(2~3月・8~9月)は、
ベランダ全体に4時間程午後の日差しが当たり、
太陽の低い季節(10月~1月)は、
ベランダの半分程度に2時間程午後の日差しが当たります。
最高で4時間/日程度の直射日光となるため、
ほぼ、半日陰の環境ということになります。
この環境はユーカリにはかなりよろしくありませんでした。
ある程度の樹高が稼げればそれだけ日照を得ることができますが、
背の低い苗ほど、日照が悪くなるという厄介な環境です。
この湿気のこもった、日照の悪い環境でも
良く育ってくれたユーカリは下記の品種です。
robusta/camphora/rudis/bridgesiana
citriodora/scoparia/gunnii/staigeriana
crenulata/goniocalyx/grandis/nova-anglica
aromaphloia/melanophloia
湿気に強かったり、日陰に強い品種ばかりです。
これにneglectaを足した品種が、
日本に合って、日陰でも育つ品種といえると思います。
そのまま、栽培難易度が簡単だとも考えられるでしょう。
トップ3はrobusta/citriodora/bridgesianaです。
一方、著しく生育の悪かった品種は下記です。
kruseana/albida/crucis/rhodantha
macrocarpa/polybractea/lehmannii/tetragona
Moon Lagoon/forrestiana/tetraptera/gillii
pachyphylla/torquata/caesia/uncinata/decipiens
ほとんどが中央~西オーストラリアの品種で
高温・乾燥・強い日差しを好む品種ですね。
結論としてこれらの品種をベランダで育てることは
かなりの力技だなあと思わされました。
ワースト3はtetragona/Moon Lagoon/albidaです。
tetragona/Moon Lagoonは
半年で6~10cmしか成長しませんでした。
そして下記は比較的日本でもメジャーですが、
意外にも家では全然奮わなかった品種です。
cinerea/pulverulenta/perriniana/viminalis/morrisbyi
glaucescens/parvula/cordata/leucoxylon/radiata
生育が遅いこともありますが、
何よりも病気がちで株自体の元気がないものが多いです。
湿度が高く、日光が不足しており、
何よりも空気の動きがないのが一番の要因かなと思っています。
次に家の実家の庭ですが、
ここは比較的広いオーブンスペースの庭です。
太陽の一番高い季節のみ、
11時くらいまで少し日陰が生じますが、
それ以外の季節は終日直射日光がガンガンに降り注ぎます。
また、実家の前が学校のグラウンドのため、
かなり風通しが良いのも特徴です。
ここではベランダとは異なり、
下記の品種が非常に良い生育状況となりました。
pulverulenta/perriniana/kruseana/albida
crucis/macrocarpa/tetragona/tetraptera
pachyphylla/torquata/caesia/uncinata
gillii/orbifolia/camphora/aromaphloia
melliodora/erythrocorys
特に西オーストラリア品種の成長の良さが尋常ではありません。
macrocarpaなどが別品種の如く、高速で大きくなっていきます。
また、葉の硬さと葉の大きさが全く違います。
ベランダのものと比べてみると、別品種のように違います。
ところが逆に、下記の品種は生育が著しく悪く、
葉焼けや枯れが多発してしまいました。
gunnii/crenulata/scoparia/sturgissiana
melanophloia/nitens/lehmannii/smithii
delegatensis/cladocalyx nana/radiata
最後に、ベランダでも実家でも、
イマイチ実績の上がらなかった品種があります。
Moon Lagoon/radiata/delegatensis/cordata
lehmannii/forrestiana/leucoxylon
ここには私が掴み切れていない何かがあるのでしょう。
これらの品種の成長の鍵を掴むことも
次年度の大きな目標になると思います。
日々学びの連続ですね。。。
好奇心と探求心は尽きません。- # by eucalyptus_k | 2010-09-24 00:22 | ユーカリ(栽培実績)
2010/8/8 ユーカリ育成の近況(4)
恒例の育てているユーカリたちの近況です。
今回は「鉢植えになっている」全てのユーカリを公開します。
この他にもポット苗が多数あります。
またポット苗にはここにはない品種もあります。
これは自身の記録としても使用しているので、
お時間のある方のみご覧になってくださいね。
何しろ数が多いですから^^;
写真は全て撮影を完了しているのですが、
数が多いため、全4回に分割してアップしています。
よろしくお願いいたします。
<バックナンバー>
・2010/5/1の状況
・2010/5/7の状況
・2010/6/5の状況
・2010/6/19の状況
●Eucalyptus cinerea
種播時期:昨年冬~今年春
現在樹高:10cm
鉢サイズ:7号スリット
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
これは楽かなと思って日光の当たらない場所に置いていたところ、
全然成長せずにうどんこ病などの症状も見られたため、
少し前に日光の当たる環境へと移動させています。
そこからは安定しつつありますが、意外に成長は遅いです。
●Eucalyptus glaucescens
種播時期:昨年夏
現在樹高:18cm
鉢サイズ:6号プラスチック
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
少し過湿気味に管理しすぎたのと、うどんこ病のせいで
全ての葉が汚く傷んでしまい、一部の葉が散っています。
少し危ないかもという時期もありましたが
最近やっと新芽が動き出したのでホッとしています。
冬はかなりの過湿環境でも痛むことはないのですが、
蒸れに弱いため、夏はかなり乾燥気味の管理が必須です。
●Eucalyptus cordata
種播時期:昨年冬
現在樹高:15cm
鉢サイズ:6号プラスチック
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
globulus並みの成長力を期待していましたが、
実際は比較的成長の遅い品種なのかなと思っています。
文献には過湿を好むとあり、水切れには弱いのですが、
少し乾燥気味に管理した方が調子は良くなります。
急に成長が止まったり、成長が進んだり、気まぐれです。
●Eucalyptus parvula
種播時期:昨年冬
現在樹高:20cm
鉢サイズ:6号プラスチック
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
成長は早いのですが、うどんこ病に悩まされました。
思った以上に水を必要としないようです。
かなり乾燥気味の管理を心がけたところ
かなり元気に育ってくれるようになりました。
●Eucalyptus decipiens ssp. decipiens
種播時期:昨年秋に苗を入手
現在樹高:20cm
鉢サイズ:6号プラスチック
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
5月くらいまでは非常に元気に育っていましたが、
梅雨時期に酷いうどんこ病に苦しめられ、
うどんこ病の被害とその薬害で枯死寸前までいきました。
今も一番惨い状態で、何とか新芽を出すのですが、
何故かその新芽がすぐに枯れてしまいます。
今は超乾燥気味に管理しながら養生しています。
●Eucalyptus websteriana
種播時期:昨年秋に苗を入手
現在樹高:25cm
鉢サイズ:6号プラスチック
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
鉢への植え替え時にかなり傷んでしまいましたが、
そこから復活してからは比較的安定しています。
家でもトップクラスに水を必要としない品種で、
10日に1回程度の水遣り回数ですが、
乾燥気味に管理すればするほど元気になります。
●Eucalyptus macrocarpa ssp. macrocarpa
種播時期:昨年冬
現在樹高:12cm~20cm
鉢サイズ:6号素焼き
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
植木鉢に直接種を播いて、全力で育ててきました。
やっとここまできて、葉も大きくなってきたのですが、
ここで何故かうどんこ病の被害にあっています。。。
葉が分厚いため、薬害は出ないのですが、
薬で葉の白い粉が落ちてしまうので、葉が汚くなります。
家では最も良い場所に置いているので頑張ってほしいです!
秋口になったら植え分けをしようと思っています。
●Eucalyptus macrocarpa ssp. elachantha
種播時期:昨年冬
現在樹高:10cm
鉢サイズ:6号素焼き
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
地道に地道に成長していきますが、
中々葉を大きく、幹を太くしてくれません。
このまま大丈夫なのか少し心配してしまいますが、
まあ、私の方も地道に育てていくことにします。。。
●Eucalyptus rhodantha
種播時期:昨年冬
現在樹高:10cm
鉢サイズ:6号素焼き
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
これも地道に地道に成長していきます。
かなり葉が大きくなる品種のようですが、
中々大きくなってくれないので少し心配しています。
最近になってうどんこ病の症状も出だしたので困っています。
●Eucalyptus pruinosa
種播時期:昨年冬
現在樹高:10cm
鉢サイズ:6号プラスチック
置き場所:直射日光が1/3日当たる日陰
大きな葉をじっくり作りながら樹高は余り伸びないタイプです。
あまり大きくないサイズの苗なのですが、
水切れがやたらと早いので、結構水が好きなようです。
私には珍しく、かなり熱帯地域に生息するユーカリです。
●Eucalyptus tereticornis
種播時期:昨年冬
現在樹高:12cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
Osakano_Jieさんのところでホームステイして
たくましくなって帰ってきてくれた苗です。
樹高の割には非常に葉が大きく立派です。
太陽が足りないと新芽が貧弱になるため、
家では最も日光の当たる場所に置いています。
●Eucalyptus pleurocarpa
種播時期:昨年冬
現在樹高:5cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
相変わらず異様に遅い成長速度で1ヶ月で葉1対ペースです。
家では最も良い場所に置いているので、
これが出せる最高のパフォーマンスになります。
数年越しで大きくする覚悟を決めています。
「強烈な日光+高温+水を残さないこと」が成長のカギです。
●Eucalyptus extrica
種播時期:昨年冬
現在樹高:5cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
これも相変わらず異様に遅い成長速度で1ヶ月で葉1対ペースです。
家では最も良い場所に置いているので、
これが出せる最高のパフォーマンスになります。
数年越しで大きくする覚悟を決めています。
「強烈な日光+高温+水を残さないこと」が成長のカギです。
●Eucalyptus crucis
種播時期:昨年冬
現在樹高:6cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
うどんこ病の被害を受けたり、植え替えたりしたため、
成長が長い間ストップしていましたが、
最近新芽が動き出してくれました。
ところが出てくる新芽はかなりヨレヨレで貧弱です。
強い直射日光があれば比較的早くしっかり育ちます。
家の実家の庭に置いた苗は、かなり大きく立派に育っています。
●Eucalyptus torquata
種播時期:今年夏に苗を入手
現在樹高:30cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
数週間前にこあら師匠より頂戴した苗です。
植え替えてから間がないため、まだ動き出していません。
夏に涼しい家のベランダでは成長速度は遅くなりそうです。
かなりの高温が成長のカギになりそうです。
ちなみに写真の苗は少し水切れ気味で項垂れています。
●Eucalyptus pluricaulis ssp. porphyrea
種播時期:今年夏に苗を入手
現在樹高:6cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
Osakano_Jieさんより頂戴した苗です。
最近鉢上げをしたので、今はまだ成長が止まっています。
全くノーマークのユーカリでしたが、
かなり綺麗な葉色にメロメロになりつつありますw
特に立派に育ってほしいユーカリの一つです。
●Eucalyptus kruseana
種播時期:今年夏に苗を入手
現在樹高:30cm
鉢サイズ:6号スリット
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
最近こあら師匠の農場から購入した苗です。
全体的におしろいを塗ったように白く、
あまりの美しさに毎日見とれています。
かなり強烈な日光を必要とするようなので、
家の最高の環境でしっかりと育ってくれるか期待です!
●Eucalyptus albida
種播時期:昨年冬
現在樹高:4cm
鉢サイズ:6号素焼き
置き場所:直射日光が半日当たる日陰
家の最高の環境でパフォーマンスを見ていますが、
かなり成長は緩慢で、それでも地道に育っていきます。
樹高は何とか伸ばしますが、
葉がなかなか大きくならないのが難点です。
これも数年越しで育てていく覚悟をしています。
次年度の第一育成目標となるユーカリに決めました。
8月はこれで全部です!
次は9月!この夏を無事に乗り越えて立派に成長できるでしょうか。
何よりも冬までに越冬できるサイズにさえ
育ってくれれば安心なのです。- # by eucalyptus_k | 2010-08-15 01:54 | ユーカリ(栽培知識)