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ユーカリ栽培で厳禁なコト その2(用土・鉢・肥料)

毎月たくさんのお問い合わせをいただきます。
その多くは栽培知識に関することであったり、
調子の悪いユーカリの改善策についてです。

ユーカリは栽培の難しい植物と言われることがあります。
確かに日本とは大きく気候の異なる
オーストラリアの植物なので、
若干癖のある部分もあると思います。

ただ大きく分けて3つのポイントにさえ気を付ければ、
特に難しい植物ではなく、その他の在来の植物でも
もっと難しいものはたくさんあると思います。

ただこの3つのポイントを抑えていないと、
なかなかうまくいかないことが多いです。

これからユーカリの栽培を始める方や、
ユーカリの栽培に苦戦している方は
この3つのポイントをチェックしてみてください。


2. 用土・鉢・肥料
--------------------------------------------------------
この中で特に用土・鉢という部分は
品種によって問うもの問わないものがあります。

例えばcamphora/robustaといったような
湿地帯に生息している品種、
rudis/grandisといったような
完全に水没した土壌でも生息可能な品種、
nitens/cypellocarpaといったような
日本よりも雨量の多い地域に生息する品種では、
特に用土も鉢も問わずに栽培が可能です。

ところが主に西オーストラリアのユーカリや
半砂漠地帯などの乾燥した環境のユーカリでは、
用土や鉢というのはとても重要な要素になります。

ただ前回の記事の「日照と風通し」
十分に満たされている場合には、
用土や鉢が多少合わなくても、
比較的楽にに育てることができる場合もあります。


●用土
----------------------------------
まず用土ですが、多くの品種では

花と野菜の土の使用は厳禁

通常の観葉植物用土では保水性が高すぎる

という結果が出ています。

ただ用土をオリジナルでブレンドするには
ある程度の知識が必要になりますので、
良く分からない方には
観葉植物用の粒状培養土をオススメしています。

この粒状培養土はベストではありませんが、
ヘタなブレンドを行うよりは遥かにベターです。

用土と言うものは環境にも左右されますので
何をブレンドすれば良いかは一概には言えませんが、
参考までに私のブレンド用土を公開させていただきます。

fancybox記事381の画像1

硬質赤玉土(中粒):3割
手で潰せない固さのものを使用します。
通常の赤玉土はすぐに崩れて微塵になり、
保水性が上がってしまうので、
使用する場合は少量に留めた方が良いです。
砂漠品種の場合は大粒でも良い実績があります。
この部分を先日ご紹介いただいた
赤ボラ石などで代用するのもありでしょう。
人によっては焼赤玉土や
セラミスを使用している方もいらっしゃいます。

硬質鹿沼土(中粒~大粒):2割
手で潰せない固さのものを使用します。
この部分を日向土や軽石、先日ご紹介いただいた
赤ボラ石などで代用するのもありでしょう。

桐生砂:1~2割
鉄分豊富な桐生砂を選択しています。
この部分を川砂などで代用しても良いでしょうし、
上記の鹿沼土の部分でカバーしても良いと思います。

ゼオライト:2割
良く100均などで見かけるモルデナイトではなく、
ミネラル質豊富なクリノプチロライトを使用しています。
この部分は私的な拘りもありますので、
通常のゼオライトやパーライトで代用しても
省いてしまってもOKでしょう。

くん炭:1割
根腐れ防止効果やその他の利点を踏まえて
微量を配合することにしています。
この辺りは個人的な拘りの範囲です。

ピートモス:1割
これはユーカリの性質によって、
多量に配合する場合、全く配合しない場合があります。
保水性を調整する部分であると考えてください。
好みで腐葉土を配合するのもありでしょうが、
私はマンションなのでコバエの発生等を抑えるため、
腐葉土、堆肥は一切使用しないことにしています。


ちなみにこの用土は非常に乾きやすい用土です。
実家の庭のような終日直射日光の当たる場所では
真夏は確実に1日で用土がカラカラになり、
春秋でも暖かい日には1日で乾いてしまいます。

ただそのような環境でも
macrocarpakruseanaでは上々の結果が出ています。

gunniicinereaを育てる場合には
ピートモスの部分をもっと増やした方が良いでしょう。

ただし半日陰の環境で育てる場合には、
gunniiなどのユーカリでも非常に良い結果が出ています。

理想は真夏は2日以上、春秋冬は1週間以上、
水分を残さない用土がベストだと思っています。

ご自身の栽培環境に合わせて、
適切な用土を使用してください。

市販されているものでは、
粒状培養土の他にオリーブの土なども実績があります。

ただし先述した通り、亜熱帯のユーカリや
湿地帯生息種ではほとんど用土は問いません。

ただしあまりに過湿過ぎると
暑い夏場に根が蒸し状態になってしまいますので、
過湿に強い品種であっても、
夏場の暑い時間の水遣りは避けた方が良いです。

これはユーカリだけでなく、
在来の植物でも同様に言えることではあります。


植物の栽培を行う人には
用土は拘るべきだという人と、
用土はコストを抑える部分だという人がいます。

私は現在は後者に位置するでしょうが、
本質的には無駄なコストは抑えたいと常々思っています。

当初、結構用土はケチっていたのですが、
ケチることで弊害が生じて、
高いコストをかけているユーカリのタネや苗を
無駄にしてしまうくらいなら、
用土などを含めてできる限りベストな環境を構築した方が
遥かに総合的なコストに無駄がないことが分かりました。

今はせっかく育てた苗が枯れてしまうことは
コストも時間も無駄にして、私的にも悲しいので、
無駄なくケチらないようにしています。

例えば硬質用土は比較的高価なので、
以前は通常の安価な用土をミックスしたり、
ポット等も安価なポリポットを使用していましたが、
今は硬質用土には一切妥協せずに、
安価な赤玉土等の使用は一切行わず、
苗育成にも全てスリットポットを使用するようにしています。


●鉢
----------------------------------
基本情報としては下記の通りです。

■ 幅のある鉢より高さのある長鉢の方が経過が良い
■ 素焼きや陶器よりもプラスチック製が好ましい
■ 多くの品種ではスリット鉢の使用を推奨
■ 乾燥を好む品種ではワンサイズ小さな鉢を使用


色々と実験を行いましたが、
ユーカリでは盆栽皿のような幅広の鉢よりも
高さのある長鉢の方が圧倒的に経過が良いです。

これはユーカリが直根性の植物で
根を真っ直ぐに伸ばす性質に合っているからです。

一部woodwardiiなどこの根を真っ直ぐに伸ばせる
鉢の選択にうるさい品種などもありますが、
多くの品種では特に高さの低いもの以外であれば、
通常の高さの鉢で問題ありません。

実際に長鉢は転倒しやすいというリスクもあります。


鉢の素材ですがプラスチックがベターです。
これは乾きやすく、清潔に保てるという利点があることと、
目立った欠点がないことが大きな利点になっています。

素焼き鉢は乾燥が進みやすいという利点がありますが、
鉢表面の小さな穴がカビなどの温床となり、
根腐れや病気を誘発しやすいという情報もあります。

実際に何度か使用したことがありますが、
逆に用土全体の乾燥が進み過ぎたこともあり、
あまり経過は良くありませんでした。

陶器の鉢は水分が籠りやすく、
過湿になりやすいという欠点があります。
またデザイン重視のものが多いので、
これも過湿になりやすい要因になります。


そこでオススメなのがスリット鉢です。

参考記事:
スリット鉢は素晴らしい!!! その1
スリット鉢は素晴らしい!!! その2

スリット鉢は非常に乾燥が進みやすいため、
湿潤を好む品種などで賛否両論がありますが、
やはり大型樹木のユーカリでは、
根のサークリングを防止できるという効果が大きいです。

何年も育てていると良く分かりますが、
ユーカリの根張りは激しく、
通常の鉢では、短期間の内に根が飽和状態となります。

またユーカリの多くは
根を真っ直ぐに長く伸ばす性質があるので、
非常にサークリングが起こりやすいです。

サークリングの大きな弊害として、
根が鉢底部でサークリングを起こして、
吸水用の細根が底部に集中します。

すると鉢の底部は水切れを起こしているのに、
鉢の上部はまだ湿っているということが起き、
水切れを起こしているにも関わらず、
同時に根腐れを起こすということが起こります。

これはポリポットなどで
長期間苗を育てることでも良く起こります。

正直この症状は鉢を替えること以外に対処法が無く、
長期間の栽培の大きな障害となるため、
スリット鉢の使用はとても良い結果につながります。

またサークリングを防止することで
根が中心部に集まって正常に生育していくので、
根の飽和が起こりにくく、幹も太りやすくなります。

実際に我が家では、わずかスリット5号で150cm以上、
スリットの6号で3mにまで成長が進んでも、
根の飽和が限界に達することはありません。

ただしこのような場合、わずか6号の鉢に
2m以上の樹高の株が植わっているので転倒は必至です。
転倒に対しての対策が必要になるでしょう。


ワンサイズ小さな鉢で育てるという方法は
非常に水分管理にうるさい半砂漠地帯の品種や
水分管理にあまり自信のない初心者の方にオススメな方法です。

これは実際に鉢サイズ云々が重要なのではなく、
用土量を少なめで栽培することができるため、
過湿を避けて、健全な根の育成が可能になる部分が重要になります。

鉢をワンサイズ小さくすることで、
日照や風通し、用土の水分管理の難しさを
大幅に軽減できることになります。

globulusgrandisといったような
湿潤を好み、大型で根張りの激しい品種では
ワンサイズ小さめの鉢で育てる利点は全くありません。

このワンサイズ小さめの鉢で育てる方法は
主に西AZのユーカリの低樹高時の栽培に効果的です。

どうしても用土の選択がうまくいかず、
水分管理が上手にできない初心者の方で
ユーカリを何度も枯らせてしまう人には
ワンサイズさらにはツーサイズ小さな鉢で育てることで、
非常に良い結果が出ているとご報告をいただいています。

ただしこの方法は根のサークリングを防ぐ
スリット鉢で行う必要があります。

この方法を行うことで過湿は避けられても、
更なるサークリングを引き起こす可能性がありますので、
できる限りスリット鉢で行うことが推奨となります。

主な西AZの品種での目安ですが、
5号で樹高100~120cmまで、
6号で2mまでというのが理想でしょうか。

水分管理に慣れてきたら、
通常の鉢サイズでも問題なく育てられますし、
根が十分に張り切った株ではあまり心配はいらなくなります。

主には低樹高時の根の生育に
高い効果を上げることのできる方法といえます。

ワンサイズ小さな鉢で育てると
植え替えの回数が増加するのではという心配がありますが、
西AZの乾燥を好む品種は成長速度も遅く、
同時に根の成長速度も緩慢なので、
そこまで頻繁に植え替えを要することはありません。

結論として鉢の選択は
用土の選択と密接に関わっています。
用土の問題を鉢でカバーするという感じです。


●肥料とpH
----------------------------------
ハーブ草木や野菜を育てていると
肥料の問題は切っても切れない問題です。

ところがユーカリを育てていると
肥料の知識がちっとも育ちません。

極論としてユーカリの多くは

全く肥料を与えなくても栽培可能です。


肥料を与えたとしても
ハーブ草木のように目に見えた効果は出ませんが、
それでも全くないというわけではありません。

西AZのユーカリの多くは多肥を嫌うものが多く、
一部では特にリン酸分を嫌うものがあります。

ただそこまで養分にうるさいものは
日本では滅多に手に入らないレアな品種になります。

肥料を与える場合は成長期の液肥、
通年での化成肥料の置肥が有効です。

液肥については特に問いませんが
拘るのであれば窒素やカリの多い、
観葉植物用や野菜用が効果的です。

成熟期の成長促進には窒素系が、
生育初期の根の成長促進にはカリ系が有効です。

その他にオーストラリアの土壌には
鉄分・亜鉛・マグネシウムなどの微量要素が豊富なため、
このような微量要素の補給も有効です。

ただあまりに肥料に拘り過ぎると多肥となり、
肥料にはアルカリ性のものが多いため、
用土のpHを上げてしまうことになります。

pHが高くなりすぎてしまうと、
鉄分欠乏症の症状が出ることがあります。


間違った情報でネット上などに

ユーカリは高pHを好むとありますが

結論としてこれは間違いです!

ユーカリの多くは弱酸性~酸性よりの用土を好みます。
一部のユーカリではアルカリ耐性の高いものもあります。

主に南AZや西AZ沿岸部の石灰岩地帯に生息するユーカリは
比較的高いアルカリ耐性を有しています。

ただあくまでもアルカリ耐性があるというだけで、
アルカリ性の土壌を好むというわけではありません。

現在私の育てている範囲で
たった1種類だけ例外があります。

Eucalyptus moon lagoonというユーカリです。

moon lagoonのみアルカリ寄りの土壌を好み、
比較的多肥を好みます。

ただ所詮好むという程度なので、
特に無理にpHの操作は不要ですし、
他よりも少し肥料を多めに与える程度でOKです。

経験上、あまり多肥にし過ぎると
間延びして、開花が遅れるという結果が出ています。

moon lagoonは通常かなり成長の遅いユーカリですが、
多肥にすることでかなりその成長速度を上げることができます。

ユーカリの好む弱酸性~酸性とはどういう用土かというと、
通常の赤玉土や鹿沼石などがそのpHなので、
特に石灰などを加えずにそのまま用土を使用すればOKです。

私も数年間同じ用土で栽培を続けて、
何か調子悪そうだなあとふと思った時に
少し苦土石灰を加えることがある程度です。

結論として肥料の重要度は低いです。
効果は相応にありますが、
肥料に注目しすぎることによる
多肥の弊害の方が遥かに大きいです。

あまり肥料には固執せずに、
全く与えなくても栽培可能なことを覚えておいて、
たまのご褒美程度に与えるのが良いです。


用土・鉢・肥料という要素は
一般的にとても注目されやすい要素です。

ただあくまでも最も重要なのは日照と風通しです。
まずはこの部分で最善を尽くせるようにしてください。

正直日照と風通しがベストな栽培者は
皆ユーカリなんて簡単だ!
eucalyptus_kは拘り過ぎだと言います。

実際に日照と風通しはそれほど大きな要素です。

ところが私は住居の関係上、
日照と風通しをベストに完備することができなかったため、
この用土・鉢で工夫せざるを得なかったのです。

日照と風通しが十分ではない場所で栽培する際には
この用土・鉢・肥料の情報を
是非とも参考にしていただければと思います。

# by eucalyptus_k | 2015-10-08 19:28 | ユーカリ(栽培知識)
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室内管理について

多くの人は観葉植物を室内で管理すること
ごく当たり前のことだと思っていると思います。
私も以前はそうでした。

ただ室内で管理するという行為は
植物にとっては最悪であるということは
多くの栽培ガイドにも書かれていますし、
これは間違いのない事実であると実感しています。

我が家も室内で観葉植物をいくつか育てていますし、
多くの御宅でも室内の観葉植物を見かけますが、
まあ大概の場合、その植物の状態は最悪です。

葉色も悪く、徒長して、生育も悪い。
これは屋外でそれらの植物の
本来の姿を見ると一目瞭然です。

大手ショッピングモールなどにある
観葉植物はいつ見ても綺麗だなと思いますが、
これは実は見た目が悪くなると
速攻で新しいものに変える業者が入っているからです。

園芸に興味を持った初期に
ベンジャミンなどの栽培に
少々てこずったことがあります。

その際に樹医と呼ばれる人にアドバイスを貰ったところ、

そんなもん外に出して日に当てれば速攻で復活だよ!
そもそも室内で植物を管理しようということ自体が
人間の我儘で無理のある行為なんだよ。

と嘲笑されたことがあります。

その時はちょっとムッとしたのですが、
今は全くこの方と同じ意見を持っています。


そこでユーカリですが、

ユーカリの室内栽培は不可能

私は色々試しましたが
はっきりと言い切ります。

台風などで取り込む場合も
1週間が限界ではないでしょうか?

明るい室内だから大丈夫では?
常に日が当たるし、窓も開け放っているから、
とご相談をいただくこともありますが、
常に枯れても良いなら自己責任でとお話しています。

理由は色々と実験もしてみましたが、
一番わかりやすい例は
虫を飼ってみると良くわかります。

最近鳴く虫の飼育にはまっていますが、
例えばスズムシでもバッタでも、
何でも良いので、飼育してみると実感できます。

虫は直射日光を嫌いますので、
屋外とはいっても、必ず完全な日陰に置きます。

我が家ではクツワムシを飼育していますが、
これは鳴き声が非常にうるさく、
夜間の屋外管理は騒音公害のために不可能です。

それでも何とか鳴かない日中は
必死で外に出して風通しを良くしています。

鳴き声のうるさくないマツムシの場合、
常に屋外に出していますが、
まず土の乾きの早いことに驚きます。

逆に室内で管理をしていると
いつまで経っても土がジメジメしていて、
たった1日で糞にカビが生えてきます。
屋外管理では糞にカビなど滅多に生えません。

虫の場合、屋外屋内どちらも完全日陰なので、
全てが風通しの成せる業ということになります。

次に日光についてです。
専門器具になりますが、
単純に照度計で測ってみるとわかります。

我々人間が明るいと思う室内と
暗いと思う屋外を測ってみると、
圧倒的に屋外が明るいことがわかります。

我々人間の目は大した画素数を見れませんが、
集光能力はどんな機械もかなわない
無限大の力があります。

逆にその弊害として
どこが明るく、どこが暗いのかという事実を
認識することがとても困難なのです。

それからもう一つ、ユーカリでは、
株が日光を浴びることは大切ですが、
実は鉢や用土も日光を浴びることが重要です。

これはもちろん乾燥を促し、
用土の消毒になるという効果がありますが、
特に西AZの半砂漠地帯のユーカリの場合、
非常に高い土中温度が強い根張りに影響するからです。

我が家のmacrocarpaで実験を行いましたが、
株のみほぼ終日直射日光が当たる株と
鉢や用土までほぼ終日直射日光が当たる株を比較してみました。

すると全く同じ時にタネを播いた株であるにも関わらず、
前者と後者では既に樹高に2倍近い差があり、
幹の太さや葉の大きさ、量などにも大きな差が出ています。

このように多くのユーカリでは、
室内管理は非常に都合が悪いです。

まだ、なぜダメなんだろう?という疑問がある場合、
ネットでユーカリの木が生えている写真を
いくつか検索してみるとさらにわかると思います。

一体ユーカリはどのような環境で生息しているでしょうか?
ユーカリは決してハーブ草木ではありません。
列記とした屋外性陽樹の大型樹木になります。

一部、冬季限定で室内管理が可能な品種もあります。
ただこれは下記の条件が必須になります。

■半日以上直射日光の当たる南向きの窓辺に置く
■その株の樹高や根張りがかなりしっかりしている
■それでも暖かい日には少し外の風に当てる

これを満たしていても、難易度は高めですし、
生育状況は並以下となります。

また春以降の成長のエンジンがかかる際にも
色々と影響が出てくることは否めません。

とりあえず私が実験上可能であった品種は
下記の品種になります。

●Corymbia citriodora(レモンユーカリ)
●Eucalyptus crenulata
●Eucalyptus glaucescens
●Eucalyptus robusta
●Eucalyptus camaldulensis
●Eucalyptus staigeriana
●Eucalyptus grandis
●Eucalyptus nitens
●Eucalyptus pruinosa

単純にユーカリ中でも
屈指の過湿耐性を持つものばかりです。

citriodorastaigeriana以外は
耐寒性もありますので、
室内に取り込む意味はあまりありませんね。

植物というものはインテリアやエクステリアである
という考えを持っている人は多いと思います。
一方で植物は生物を飼っているという感覚の人もいます。

私は完全に後者の考え方を持っています。
今は飼っていませんが、昔は犬を飼っていました。
私にとっては犬も虫も植物も同じ位置づけです。

そのため綺麗に見せようという剪定は最低限で、
基本的には健康上どうか?という観点でのみ剪定をします。

我が家には室内にも屋外にもたくさんの植物があります。
でもどれもインテリア的な見栄えではなく、
どこに置いてあげればその植物が健康に育つか?
という観点のみで配置しています。

そのため、人間の導線上に普通に植物がありますし、
植物のために人間が我慢することもあります。

お客様が我が家に訪ねて来られると、
大概、「家の中も外も森のようですね」と苦笑されます。

でもそうやって育てた植物には、
室内でもキラリと光る自然の美があります。
※美と取るかは人次第?ですが。

例外としてポトスシェフレラ(カポック)
かなり暗い場所でも育てることができます。

特にポトスは窓のないトイレ内などでも
意外に健康に栽培することができます。

植物に関する思い。
本当に十人十色ですね。

# by eucalyptus_k | 2014-10-14 13:08 | ユーカリ(栽培知識)
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ユーカリ品種ひとくち栽培コメント その3

私の育てている全140種程のユーカリたちについて
ひとくち栽培コメントを書いています。

ただこれはあくまでも、
風通しや日照も悪い我が家のベランダで、
私のブレンド用土でスリット鉢で育てた場合の
私の個人的且つ直観的なコメントです。

他の栽培環境では良好なものもありますので、
あくまでも参考までにお願いします。


■ Eucalyptus aromaphloia(アロマフロイア)
環境さえ合えば、かなり成長の激しいユーカリ。
基本的にはブリジシアナと良く似た性質を持つが、
ブリジシアナよりもより涼しい環境を好む。
ただし高温障害にまで至ることは滅多にないレベル。
水分管理についてはシネレア等と同じで平均的。
半日陰以下でも栽培は可能だが、
葉がとても柔らかくなり、病気がちになる。
半日陰程度の風通しの良い場所で放置気味管理で問題ない。
学名のわりには香りはそこまで強くはない。
【樹高:70cm / 鉢:スリット5号ロング】


■ Eucalyptus glaucescens(グラウスセンス)
かなり涼しい環境を好むユーカリだが、
何よりもふんだんな日光が成長のキーになる品種。
初期の育苗は特に良く日光に当てて根張りを促進すること。
ある程度育ってからは水と日光さえ与えていればOK。
現地や他国のProv.(地域栽培種)が多数存在し、
それにより耐暑性などが大きく変わる。
高温障害の症状が出るものもあるが、
最もありふれたものはそこまで弱くはない。
暑い時期の吸水量はそこそこ激しいが、
夏場の過湿には少し注意が必要。
とにかく良く日光に当てることが重要。
日光が十分であれば真夏でもそこそこ動きがある。
【樹高:140cm / 鉢:スリット6号】
【樹高:50cm / 鉢:スリット5号ロング】


■ Eucalyptus decipiens ssp. decipiens(ディシペンス)
色々と実験を行ってみたが、
西AZのユーカリの中ではそこそこの耐陰性があり、
半日陰程度でもそこそこ成長は良好。
だだ、菌類系の病気に非常に弱いので、
風通し良く十分な日光に当てて育てた方が健康な株になる。
良く似たオービフォリアやウェブステリアナとは異なり、
どちらかというとレーマニーやアルビダなどの
一般的な西AZのユーカリの管理を行った方が良い。
ディシペンス系の中では最もデリケートな感があり、
海外文献によると最も乾燥用土を好むとあるが、
個人的には風通しの良い場所で、良く日光に当てて、
乾燥気味の水分管理を行っていれば、
アルビダなどと同様に楽な部類になってきている。
【樹高:120cm / 鉢:スリット6号】


■ Eucalyptus decipiens ssp. adesmophloia (ディシペンス・アデスモフロイア)
ディシペンスの中では最も青みの強い葉を持つ。
我が家では少し病気がちになってしまっているが、
それでもディシペンス系の中では強健な部類に属する。
ただ意外にも冬は葉が紅葉して、傷んで散ったり、
夏の日光が激しすぎると、
少し葉焼けを起こしたりということが起きるので
我が家では最終的に半日陰で風通しの良い場所に落ちついた。
年中を通して葉を綺麗に保つのは少し難しいが、
丈夫に育てるだけであれば、なかなかしぶとく強健なユーカリ。
【樹高:140cm / 鉢:スリット5号ロング】


■ Eucalyptus decipiens ssp. chalara (ディシペンス・カララ)
ディシペンスの中では茎や新芽の赤みや黄色みが強い品種。
少し後に育て始めたので樹高は低めだが、生育は良好。
これもアデスモフロイアと同じで、
我が家ではあまりにも強烈な日光に当てているよりも、
半日陰程度で風通しの良い場所に置いている方が経過が良い。
暑い季節でも結構動きのある原種とは異なって、
我が家では比較的涼しい季節に成長を進めている。
栽培についてはデリケートな部分はあまりないが、
以前複数株を育てていた際に、菌類系の病気が多発したので、
元々病気に弱い本種の中でもさらに弱いイメージがある。
ディシペンス系は風通しがとても重要だと考えている。
【樹高:50cm / 鉢:スリット5号】


■ Eucalyptus camaldulensis(カマルドレンシス)
我が家でも最も大きな樹高に育っているユーカリの一つ。
先日脚立に乗ってバッサリやったので少し樹高が下がったが、
元々はベランダの天井に頭を打って、そこから曲がって、
また1m弱ほど伸びていたので、4m弱にまでなっていたことになる。
とにかく、我が家ではほとんど日光が当たらない癖に、
ひと夏で1メートルはゆうに成長するという激しさ。
夏場は雨の降らない限り毎日の水遣りで、
冬場も表面が乾いているのに気づいたら水遣り。
水分管理をもっと真面目にコントロールすると、
さらに葉数が多くなって健康な株になると思われる。
一度かなり水遣りを忘れていたことがあったが、
水切れ耐性もそこまで悪くない様子。
現地では川の傍の湿地帯から乾燥地帯まで、
非常に幅広く生息しているのでかなりオールマイティ。
極端な水切れ以外では枯らせる気の全くしないユーカリ。
ユーカリの強靭さを最大限思い知らせてくれる。
【樹高:280cm / 鉢:素焼き5号】


■ Eucalyptus dives(ディベス)
ずっとうまくいかないなあと試行錯誤を繰り返していたユーカリ。
決して株の状態は悪くないのだが、初期に育て始めて、
もう何年も経つのに、剪定なしで未だにこの樹高止まり。
最近やっとわかってきたのは、かなりの日光好きということと、
大阪の気候とは根本的に合っていないということ。
結論として我が家では屈指の冷涼地を好むユーカリである。
3月下旬のまだ肌寒い頃から、5月の初旬の十分に暖かくなるまでの
この短い期間にのみそこそこ激しく新しい葉を出すが、
それ以外の季節は完全ストップと言える程に動きがない。
この成長期に日光が足りないと、これまた動きがなくなる。
我が家で数年も動きがほとんどなかったのは日照不足が原因。
最近はそのあたりを改善して、年々樹高を伸ばしている。
夏場は少し日陰においても、高温障害の症状が出る程。
吸水量は非常に少ない部類に入る半面、過湿耐性は非常に高いと思われる。
以前の置き場所が劣悪で、常に用土が湿っているという状態だったが、
それでもダメージなしで問題なく今に至っている。
【樹高:60cm / 鉢:スリット6号】


■ Eucalyptus robusta(ロブスタ)
非常に美味なユーカリ茶葉を産するユーカリ。
湿地帯生息種のため、かなりの水食いで過湿耐性も高く、
用土が余程のベタ土でもない限り、
このユーカリを根腐れさせることはないと思われる。
そこまで水切れ耐性がないというわけでもなく、
あらゆる面で強健で非常に育てやすいユーカリ。
ただその成長力も激しいので小まめな剪定が必要。
我が家ではほぼ日光の当たらない場所に置いているが、
それでも相応に成長を進めている。
ただ良く日光に当てた方が葉色も良く、葉数も増える。
冬は葉が紅葉して痛むこともあり、あまり寒さには強くないが、
京都市内にたくさん植わっているので、そこまで弱くもない。
沖縄での栽培が非常に良好なので、温暖湿潤な気候に合っている。
【樹高:230cm / 鉢:プラスチック6号ロング】


■ Eucalyptus crenulata(クレヌラータ)
丸葉以外で際立って葉の美しいユーカリ。
かなりの過湿耐性を兼ね備えており、強健で育てやすい。
ただ反面水切れが早く、水切れで枯らせることが多い。
前評判では高い耐陰性とあったが、実際は微妙。
確かに日光のほとんど当たらない場所でも栽培できるが、
かなり病気がちになって葉も汚くなるので、
できる限り半日陰程度の日光には当てた方が良い。
夏でも寒いくらいの地域の湿地帯生息種だが、
大阪の夏でも高温障害の症状が出ることはない。
ただ冷涼多湿は大得意でも高温多湿は嫌うようで、
梅雨~夏場に風通しが悪いと、
葉の込み合った場所に枯れが出ることがある。
本種は元々たくさんの脇芽を出して葉数も多くなるので、
あまり動きのなくなる夏前に、少し葉をすいた方が良い。
【樹高:160cm / 鉢:プラスチック7号】


■ Eucalyptus ovata(オバータ)
Oval(楕円)の葉がそのまま学名になったユーカリ。
性質はカンフォラに良く似ているが遥かに日光好き。
当初湿地帯生息種ということもあって、
あまり日光の当たらない場所に置いていたが、
ほとんど成長が進まなかった。
そこで木漏れ日程度の場所に移動させたところ、
そこから急激に成長が進み始めた。
かなり涼しい季節に成長が進み、夏場は動きがないが、
暑さや激しい日光にも耐え、高温障害の症状は出ない。
さすが湿地帯生息種と言う感じでかなりの水食い。
そこそこ大型品種なので、東北などの冷涼地で育てると、
なかなかに激しい成長力を発揮すると思われる。
半日陰以上の日光があれば枯れる気のしないユーカリになる。
【樹高:80cm / 鉢:スリット6号】


■ Eucalyptus sideroxylon(シデロキシロン)
これも非常に平均的な育て方をするユーカリ。
シネレア並みの平均的な水分管理で、相応の日光を必要とする。
日光が成長のキーで半日陰以上は必要。
寒さにはそこまで強くはないが、暑すぎてもあまり動きはなくなる。
だだし高温障害や葉の蒸れによる枯れはない。
個人的にはポリアンセモスと良く似ていると感じる。
ただしそれよりももう少し日光が必要になる。
リューコキシロンの隣で同じように育てているが、
それよりも暑さや病気に遥かに強いイメージ。
幼葉には二種類の異なるタイプが存在している。
一つは糸葉になるタイプ、もう一つは、
カマルドレンシスのような幅のある槍型葉になる。
【樹高:200cm / 鉢:スリット6号】


■ Eucalyptus melliodora(メリオドラ)
現地での生息地が幅広いだけあって、
あらゆる面で強健でオールマイティなユーカリ。
我が家では最大級に劣悪な場所に置いているが、
それでも痛み知らずでガンガン成長を進めている。
暑さには相当強いようで暑さによる痛みは皆無。
また樹高もあるが初期からでも相当の水食いだった。
冬場は薄く紅葉して、少し葉を散らすこともあるが、
際立って寒さに弱いという印象はない。
日光は好きなので、良く当てた方が健康な株になる。
高い空中湿度に対しても強い耐性を持っているようで、
劣悪な場所の割には下葉の痛みもほとんどなく、
樹高のわりに残っている下葉の数が多い。
これもトップクラスに枯れる気のしないユーカリ。
【樹高:300cm / 鉢:スリット6号】


■ Eucalyptus dalrympleana(ダルリンプレアナ)
成長が激しくより水食いで暑さに弱いグニーというイメージ。
涼しい季節の吸水量と成長力はかなりのものがあるが、
夏場は高温障害の症状が出て、動きが皆無になる。
ただし水だけは夏場も激しく吸う。
涼しい季節の過湿にはグニー以上の耐性があるが、
一度暑い季節の日中に水遣りをして、
苗を全滅させたことがあるので、夏場の過湿には注意が必要。
毎年、春と秋にガンガン成長して、冬に葉を綺麗に保って、
夏に傷んで散らすというサイクルを繰り返している。
日光はかなり好きで、グニーなどよりも遥かに必要なので、
半日陰程度の日光が最低でも必要になる。
最近置き場所が悪すぎて、葉数が減ってきたので、
来春は少し良い場所で復活させようと考えている。
環境さえ合えば、成長も激しく強健なユーカリ。
【樹高:150cm / 鉢:プラスチック6号ロング】


■ Eucalyptus rubida(ルビダ)
パッと見はダルリンプレアナとほとんど区別がつかないが、
日光に良く当てることで、葉が丸くなり、白みが強くなる。
一方ダルリンプレアナは白みが出ることはない。
その性質もダルリンプレアナと非常に良く似ているが、
それよりも少し丈夫で暑さに強く水食いなイメージ。
ただ暑すぎると高温障害が少しだけ出るレベルではある。
総合的に見ると、成長が激しくより水食いなグニー。
夏場はダルリンプレアナほど葉が傷まないので、
あまり良い場所に置いていないが、
それでも汚くなる程の葉痛みは起こっていない。
春先の成長の激しさと比べると、夏場は全く動きがない。
環境さえ合えば、グニーよりも遥かに強健である。
【樹高:150cm / 鉢:プラスチック6号ロング】


■ Eucalyptus cephalocarpa(セファロカルパ)
何よりも日光が重要で、日光が足りないと成長が進まない。
最低でも半日陰以上の環境が必要になる。
シネレアにも似ているが、そこまで白みは強くはなく、
葉が分厚くなり、ネグレクタにも良く似ている。
実際はかなり冷涼地に生息しているユーカリなので、
少し涼しい季節メインで成長を進めるが、
高温障害や葉焼けは起こらないので、
夏場も激しい日光と風通し重視で管理をしている。
高温多湿はかなり嫌うようで、暑い中で空中湿度が高いと、
蒸れた葉がかなり痛むことになる。
吸水量は年中を通して、相応に激しい方で、
シネレアよりも吸水量は激しいように感じる。
過湿耐性はかなりのものがあるようで、過湿で傷んだことはない。
日光と風通しさえ確保できれば、かなり楽なユーカリ。
【樹高:70cm / 鉢:スリット5号ロング】


■ Eucalyptus nova-anglica(ノバ・アングリカ)
学名は少しカッコいいが、ニューイングランドの意味。
シデロキシロンのように二種類の幼葉が存在している。
一つはシネレアのような比較的丸葉に近い形の葉となり、
もう一つはビミナリスなどのようにかなりの細葉になる。
かなりの水食いで日光も大好きなユーカリだが、
冷涼地に生息しているユーカリのため、高温多湿を嫌う。
暑すぎても葉に高温障害の症状が出たことは一度もないが、
風通しが悪いと、夏場はかなり葉が傷むことになる。
場所があるのであれば、夏場も激しい日光に当てることで、
葉の白みがとても強くなり、かなり美しいユーカリとなる。
高温多湿を嫌う水食いなシネレアというイメージだが、
香りが強く、その香りの良さはシネレアを遥かに上回る。
【樹高:150cm / 鉢:スリット6号】


もし興味のある品種がありましたら、
ご連絡をいただければアップさせていただきます。

その4に続きます。

# by eucalyptus_k | 2014-08-27 13:05 | ユーカリ(栽培知識)
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樹高の伸びと下葉がなくなる問題

梅雨も終わりに差し掛かり、
大阪では軽く30℃を超える日がやってきました。

晴れの日には高温乾燥が好きな
西AZのユーカリを中心に
やっと面倒な梅雨が明けたかとばかりに
新芽の展開を進め始めています。

一部の湿地帯生息種で且つ高温が好きな品種以外は
基本的にユーカリは梅雨時期が苦手で、
多くの品種では葉が傷んだり、
冬の間の傷んだ葉を散らせたりします。

春に次いでこれから
ますます成長を進めていくわけですが、
30m~80mになるような大型品種の場合、
鉢植えでも放置すれば、
ほんの数年で数mになるものがあります。

我が家のベランダでも、

camaldulensis...3m
globulus ssp. globulus...3m
citriodora...3m
risdonii...3m
melliodora...3m
leucoxylon ssp. pruinosa...2.5m
viminalis ssp. viminalis...2.5m
globulus ssp. bicostata...2.5m
coolabah...2.5m
sideroxylon...2m
staigeriana...2m
smithii...2m
rudis...2m
cypellocarpa...2m
morrisbyi...2m
robusta...2m
subcrenulata...2m
maculata...1.7m
bridgesiana...1.8m

と軒並み2mオーバーのオンパレードで、
ほとんどが1.5mオーバー、
1m以内のものは数える程しかないという状況です。

fancybox記事327の画像1

fancybox記事327の画像2

ちょうどこちらの写真に写っている
物干し用の竿が2m弱くらいの高さになります。

先年、足場板で土台を組んで、
全体的な日照を向上させたのが良かったようです。

また毎年猛威を振るっていた、
うどんこ病ハダニの被害も
今年はほぼ皆無という状況で、
これも激しい成長に拍車をかけているようです。

さらに一部の2mオーバー級では、
末葉に変わるものまで出だしています。

fancybox記事327の画像3
末葉に変わりだしたsmithii

鉢は全てが6号スリット鉢で、
一部のものでは5号のものまであります。

通常であれば、鉢のサイズだけで見ると、
完全に根詰まり状態のはずなのですが、
スリット鉢の効果でしょうか。
もちろんそれなりに根はパンパンですが、
根詰まりで急を要するような株はありません。

ただこの大きさになってくると、
下葉はどんどんと落ちていき、
特に2.5~3m級のものでは、
上部1/3程度にしか葉がありません。

fancybox記事327の画像4
物干し竿から下はほとんど葉がないものが多い

ただどれも健康状態自体は悪くはなく、
3mというと完全に天井に頭を打つのですが、
頭を打って削られた頂点の成長はストップして、
その少し下くらいから脇芽を盛んに出しています。

fancybox記事327の画像5
天井に擦られて横から芽を出したcamaldulensis

私は鉢植え管理の宿命と割り切って、
あまり下葉の減少を気にしていませんが、
これは多くのユーカリを美しく育てたい方には、
大きな問題になっているようです。

これの打開策はプロでも悩むところと聞き及びますし、
私にも今のところ、良い案は浮かんでいません。

安全策を取るのであれば、
ある程度葉を残して、切ることですが、
そもそもかなり上部にしか葉がないわけなので、
所詮、妥協策でしかなく、年々下葉は減り続けます。

また上をいくら切り続けても、
下の方はどんどん木化が進んでいき、
下から枝が出るという成果には全く貢献できません。

ただ比較的風通しの良い場所にある、
melliodoraでは、半分以上も葉が残っていたりするので、
下部の風通しの改善などは若干効果があるかもしれません。

fancybox記事327の画像6
melliodoraの幹の下の方

それでも最終的には、限界を迎えて、
一か八かで、かなり下の葉のない部分で
バッサリ切ってしまうのもありなのでしょうが、
その方法で生き残るかどうかは本当に博打感覚です。

実は私はその方法を実行して、
今まで一度も枯らせたことはありませんが、
やはり相応の覚悟が必要になりますし、
時期を間違えるとダメになってしまうこともあります。

やはり先日の記事で書いたように、
「ユーカリは樹木である」という事実がある限り、
ある程度は仕方のないことなのかもしれません。

下の方の幹に傷を付けて、
そこから新芽を出させるという高等テクもありますが、
私は一度もうまくいったことはありません。

上の方の新芽部分をしつこく傷つけていると、
株元から芽が出るという実例もあるのですが、
これも本当にその株次第で絶対というわけではありません。

結局、全く解決策の提示ができないのですが、
もしユーカリが好きなら、
そんなユーカリの姿も受け入れて
楽しく育ててみるのはどうでしょうか?

何か良い方法がある場合、教えていただければ、
株数はありますので、色々と実験も可能です。

それでも、綺麗な樹形でなければ嫌だ!という方は、
とにかく低樹高の内から小まめな摘芯や剪定を心がけるか、
そもそも低樹高で収まる品種や脇芽を吹きやすい品種を
選択して育てるのが良いと思います。

我が家でも、脇芽の吹きやすいcrenulataや、
albida/moon lagoonなどでは、
100~180cm程度になっても、
割と綺麗な樹形を保つことができています。

fancybox記事327の画像7
crenulata(樹高150cm)

fancybox記事327の画像8
albida(樹高100cm)

fancybox記事327の画像9
moon lagoon(樹高130cm)

大型樹木を鉢植えで美しく育てる。
これは趣味の栽培者の永遠の課題ですね。

# by eucalyptus_k | 2014-07-02 16:25 | ユーカリ(栽培知識)
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もうすぐ越冬!

最近少し多忙であることもありますが、
どうしても冬はユーカリのネタが少なくなります。

ただ今年は非常に寒い日が何日もありながら、
ユーカリの様子はとても安定しています。

恐らく毎年毎年、年を経るごとに
どんどん給水量を減らしているからでしょう。

最も水を吸うようなユーカリでも
今年は週に1~2回程度しか与えていません。
いわゆる、「用土の表面が乾いたら」というサインで言うと、
用土の表面が乾いてから約3日後に給水といった感じです。

ただし、これは最も水を吸うスワンプ系の
樹高2mクラスのユーカリに限った話です。

樹高の低い株や西AZの乾燥を好むユーカリについては、
完全に底面のスリットからのみの給水しか行っていません。
間隔も、前はいつ与えたか全く覚えていないほどに少ないです。

恐らく最も少ない品種では、
半月に1回以下になるのではないでしょうか。

このように給水を減らしてから、
今まで冬に葉がボロボロになっていたようなユーカリでも、
痛むどころか、葉の色さえも変わらなくなりました。

他では、冬のように給水量の少ない季節には、
一体どのユーカリが本当に良く水を吸うのか?が分かります。
冬の統計を取っていくと、ユーカリの給水ランキングが作れそうです。

我が家では、下記の品種が比較的良く水を吸います。
※上から順に給水量が多いという実感です。

■Eucalyptus mulleriana
■Eucalyptus crenulata
■Eucalyptus ovata
■Eucalyptus robusta
■Eucalyptus risdonii
■Eucalyptus smithii
■Eucalyptus melliodora
■Eucalyptus goniocalyx
■Eucalyptus delegatensis ssp. tasmaniensis
■Eucalyptus melanophloia
■Eucalyptus nova-anglica
■Eucalyptus tenuiramis
■Eucalyptus nitens
■Eucalyptus pruinosa
■Eucalyptus polybractea

吸水量を減らしていることもあるでしょうが、
何よりも数が多いので、夏は特に枯らせることの多い季節です。
ところが、初心者の頃、最も恐れていた冬は
本当に暇な程に楽な季節になっています。

皆さまのお宅のユーカリの近況はいかがでしょうか?
またお時間のあるときにでもご一報いただけたら嬉しいです

我が家も家族全員が風邪をひいてしまい、
息子に至っては、インフルエンザに罹ってしまいましたが、
皆さまは是非ともお身体に気をつけて健やかな毎日をお過ごしください。

風邪をひいた時でも、ユーカリは待ってくれないので、
そんなときの水遣りや毎朝のチェックは相当に根性が要ります

# by eucalyptus_k | 2014-02-05 20:24 | ユーカリ(栽培実績)
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