葉色の美しいリズドニー (risdonii)
葉色のとても美しいユーカリとして
Eucalyptus risdoniiはぴか一です!
特に冬季~冬を越えた新芽の色は美しいです。
その白さは時には銀丸葉のcinereaや
白の名を持つalbidaにも勝るほどです。
実際には、新芽は純白というよりは、
薄い紫色といった感じです。
risdoniiの葉は寒さで紅葉して紫になるのではなく、
自然と最初から紫がかった色をしていますので、
ある種、紫葉ユーカリと言えなくもありません。
ここまで白さを引き立たせるためには
良く日光に当てて育てる必要がありますが、
半日陰程度でも良く育ち、それなりに美しく育ちます。
下の写真はベランダの半日陰に置いてある
risdoniiの秋口の葉色です。
そして、下の写真がそのrisdoniiの
今春の撮りたて写真です。
日照はさほど良くなくても
なかなか良い葉色で丈夫に育ってくれます。
葉がツキヌキ状なのも面白いですね。
risdoniiは、暑さに若干弱いところはありますが、
日照の悪い我が家のベランダでも、
既に軽く230cmを超えており、
camaldulensis/leucoxylon ssp. pruinosaと並んで、
我が家で最も大きなユーカリの一つです。
※camaldulensis...250cm超
※leucoxylon ssp. pruinosa...200cm超
鉢は6号スリット鉢ですから、
そのまま置いておくと容易に転倒してしまいますので、
物干し竿にしっかりと括りつけています。
risdoniiは、かなり水食いな性質を持っており、
我が家の株は樹高がかなり大きなこともありますが、
今の時期でもしっかりと1日1回の水遣りを要します。
※冬場でも晴れの日が続くと3日に1回以上を要します。
鉢土にほぼ日光は当たらない状態で、
毎朝たっぷりと水を与えているにも関わらず、
翌朝には土がカラカラになっているのでビックリです!
最高樹高は3~8m程度と
ユーカリの中では比較的小型ですから
管理しやすく、非常にオススメなユーカリです!
そろそろ開花も見込めるかもしれませんね- # by eucalyptus_k | 2013-05-27 12:38 | ユーカリ(栽培実績)
もうすぐ春!現在のユーカリ達
今年は簡易温室を全く使用することなく、
全てのユーカリを屋外越冬することができました。
※ベランダなので軒下越冬ですが。
まだまだ寒さの残る季節ですが、
もうほぼ冬は越えたと言っても良いでしょう。
結果としては、
いくつかポット苗の株を水切れで枯らせた以外は、
鉢に定植済みの全ての株が無事です。
今日はそんな冬を越えかけている
我が家のユーカリたちをいくつかレポートします。
寒くなった当初、
酷く枯れ出した品種がありました。
Eucalyptus macrandraという西AZのユーカリです。
このmacrandraは、前評判では、
なかなかの耐寒性を持っているとのことでした。
恐らく、まだ株がかなり小さいので、
通常の水遣りでは過湿になったのが原因かと思います。
そこで、鉢表面からの水遣りを完全に停止して、
鉢底のスリットからの微量な底面給水のみに切り替えたところ、
そこから枯れがピタッとストップしました。
大部分の葉は枯れかけていますが、
新芽などは全く無傷なので、
暖かくなれば復活してくれることと思います。
次に前の冬に屋外越冬を試みて、
瀕死の重傷を負ったerythrocorysです。
昨年、毛の生えた葉から
毛のない細葉に変わり始めて、
かなり耐寒性が上がったようです。
下の方の毛の生えた葉は、
前の冬と同じようにボロボロになっています。
ところが、株上部の毛のなくなった葉は、
ほとんど無傷に近い状態です。
他の毛の生えた葉を持つユーカリもそうですが、
毛のない葉に変わったところで、
かなり耐寒性があがるようですね。
この結果であれば、
葉の毛がなくなったerythrocorysであれば、
関西圏では問題なく屋外越冬ができると思います。
次にこれもあまり寒いのが得意ではない、
decipiens ssp. decipiensです。
寒風吹きっ晒しの場所に置いてありましたが、
特に大きな葉痛みもなく、至って元気です。
この株も潅水量をびっくりするほど減らしていました。
鉢表面からの水遣りは完全に停止して、
鉢底のスリットから週に2回程度、
サラッと水をかけるだけでしたが、
それが耐寒性の大幅アップにつながったようです。
思ったよりも傷んだのが、
Eucalyptus pruinosaです。
この品種は元々さほどの耐寒性は
持ち合わせていないようです。
新芽はとても綺麗なのに、
古い下の方の葉だけ傷んでいるという不思議な状態です。
恐らく、鉢がスリット鉢ではないため、
用土の乾きが掴みにくく、
どうしても潅水が多めになったからかもしれません。
下の方の葉はボロボロ散っていきますが、
新芽付近は元気なので、
いずれ復活してくれることと思います。
最後に、見た目だけはかなり紅葉が激しくなる、
我が家の2mオーバーの品種たちです。
左の大きな葉の紫になっているものはcamaldulensis、
真ん中奥の同じく紫の大葉のものはrobusta、
右のあまり変化のないものはglobulus ssp. globulusです。
前者の2種は毎年、激しく色が変わってびっくりしますが、
痛みなどはなく、至って元気なものです。
この他では、melanophloiaなども激しく色が変わります。
これ以外のユーカリは至って元気、
葉痛みなどもほとんどありません。
これから春を迎えて、
どんどん元気な葉を出して欲しいものです- # by eucalyptus_k | 2013-03-18 17:02 | ユーカリ(栽培実績)
久々のユーカリ茶
久々に思い立ってユーカリ茶を飲んでみました。
今日のセレクションは
Eucalyptus camaldulensisをベースに
Eucalyptus grandisを加え、
ウコンを一つまみというブレンドです。
これが非常に美味しい!!!
同居人も私もビックリ。
ユーカリ茶は血液の流れを良くし、
血圧低下や糖尿病にも効果があるそうです。
何よりも飲んでみると、
利尿作用と便秘に対する効果は
激しく実感できます。
毒性に関しては心配ないことがわかったので、
機会があればぜひお試しください
※妊婦や子供は避けましょう。- # by eucalyptus_k | 2013-01-26 03:13 | ユーカリ(茶・酒)
今年の冬季管理からわかったこと
初めに!
非常に遅くなってしまいましたが、、、
あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いいたします!
今年はブログの機能追加と
それに関するトラブル云々に加えて、
年末年始のバタバタで、
記事の更新もままなりませんでした><;
季節は厳冬期に差し掛かろうというところですが、
今年は未だに温室を出してさえいません。
寒さに弱いユーカリを軒下に移動させたり、
後ろに下げるといったようなことも全く行っていません。
camaldulensis/robusta/melanophloia/rudisや
レモンユーカリといったような、
そこまで寒さに強くないユーカリは
既に真っ赤に紅葉しています。
ところが、
decipiens/kruseana/pleurocarpa/extrica
などの若干耐寒性に難ありの西AZのユーカリや、
耐寒性が未知数の新参のユーカリについては、
特に大きな葉痛みや、紅葉も起こっていません。
我が家で最も耐寒性に難のあるerythrocorysも、
成長が進んで、葉の毛がなくなり、
光沢のある葉へと変わったからでしょうか。
今のところ目立った痛みは出ていません。
このままいけそうな気もしているので、
今年は、まだしばらく、
温室や移動なしで行きたいと思っています。
今年の管理で、例年と大きく違うところは、ただ一つ!
ほぼ全ての株で、鉢の上からは全く水を与えていないことです。
寒さに強く、冬季の吸水もそこそこあるような、
globulus/risdoniiなどはその限りではありませんが、
特にmacrocarpaなどのユーカリでは、3~14日に1回程度、
ほんの数秒、鉢底のスリットから軽く水をかける程度です。
特に冬季の吸水が少ないユーカリにwoodwardiiがあります。
我が家のwoodwardiiは35cmくらいの樹高で、
スリットの5号鉢に植わっています。
これももちろん、鉢底のスリットからの吸水のみです。
試しに、用土全てがカラカラの状態のときに、
鉢底のスリットから5秒程度水をかけて、
そこから、鉢底のスリットから見える土が、
何日で乾くのかを実験してみました。
結果は、余裕で半月以上かかりました。
わずか5秒、鉢底から水をかけただけですから、
用土の表面は最初から最後までカラカラです。
60cmで6号鉢のkruseanaでも実験しましたが、
余裕で半月くらいは湿ったままでした。
これは、鉢底から見えるスリット付近の土だけの話ですから、
恐らく完全に水が切れて、枯れが出るまでには、
まだ何日も余裕があるものだと思います。
これらのユーカリが、
冬季はどれほど水を吸わないのかがわかります。
先年までの冬季管理では、最低でも半月に1度くらい、
鉢の表面からたっぷりと水を与えていました。
これでは正直少ないかなと思っていたのですが、
とんでもない話で、寧ろ多すぎたようですね。
今年、一切温室を使用していなくても、
ほとんど全てのユーカリに痛みがないのは、
この吸水量の調整の恩恵なのかもしれません。
吸水を減らし、乾燥気味に管理することで、
大幅に耐寒性を上げることができる。
この言葉の意味をようやく体感できた気がします。
一方で、冬季にこれらのユーカリを
常時、雨の当たる場所で管理するというのは
ちょっと難しいことなのかもしれません。。。- # by eucalyptus_k | 2013-01-05 19:38 | ユーカリ(栽培知識)
タネ播きの適期・適温
最近色々とタネを播いていて
わかってきたことがあります。
当たり前と言えば当たり前なんですが、
ユーカリは様々な気候帯に生息し、多種多様ですから
それぞれの品種に最適なタネ播きの適期・適温があります。
良く最高気温が20℃を上回る季節が適期と言われますが、
これは全ての平均値のような感じです。
ちなみに私の環境でのお話ですので
ご参考までによろしくお願いします。
1. ニューサウスウェールズ州のユーカリ
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日本で良く見かけるユーカリが多い地域です
主なユーカリは下記の品種です。
cinerea/pulverulenta/bridgesiana/nicholii/polyanthemos
viminalis/globulus ssp. bicostata/scoparia/rubida
parvula/viridis/melliodora/sideroxylon/punctata
これらは一般的に良いと言われている季節で、
関西や関東の暖地ではゴールデンウィークが終わった頃、
もしくは9月下旬くらいの季節が最も最適です。
気温的には最低気温が15℃を上回り、
最高気温が20~25℃くらいの季節です。
ただこのグループのユーカリは
比較的あらゆる気候帯に対応でき、
それ以降のさらに暑い季節や少し寒い季節でも、
ある程度の数を発芽させることも可能です。
ただ、もちろん冬季の屋外での発芽は難しく、
真夏の最も暑い時期には発芽率だけでなく、
発芽後の生育もイマイチになってきます。
2. ビクトリア州/タスマニア島のユーカリ
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ビクトリア州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
南部や南部内陸部のユーカリ、その他の地域の
高山生息種などもこのグループに含まれます。
主なユーカリは下記の品種です。
gunnii/archeri/globulus ssp. globulus/globulus ssp. maidenii
perriniana/urnigera/crenulata/glaucescens/camphora
aromaphloia/tenuiramis/risdonii/morrisbyi/cordata
delegatensis/smithii/cypellocarpa/ovata/pauciflora
coccifera/goniocalyx/sturgissiana/cephalocarpa
dalrympleana/dives/nitens/neglecta/nova-anglica
polybractea/radiata/regnans/subcrenulata
brookeriana/kitsoniana
どちらかというと、暑さに弱いユーカリが多いです。
これらは1のグループよりもさらに涼しい時期で
関西や関東の暖地では4月上旬くらいからと、
10月中旬~11月くらいの季節が最も最適です。
気温的には最低気温が10℃程度まで下がり、
最高気温が20℃いくかいかないかくらいの季節です。
グループの中でも色々と差があり、
例えば、globulus ssp. globulus/goniocalyxなどは
1のグループと同じように暖かい時期でも発芽率が良く、
逆にglaucescens/tenuiramis/risdonii/delegatensis
pauciflora/coccifera/dalrympleana/nitens/regnansなどは
気温が上がり過ぎると全く発芽しないこともあります。
これらの品種は真夏などにタネを播くと
全く発芽しないか、発芽しても極めて生育が悪く、
立ち枯れてしまう苗が多くなります。
また特に涼しい環境を好む品種では、
真夏にタネを播いても発芽は完全ゼロとなり、
10月に入り、忘れた頃に続々発芽し出す
といったようなことが起こります。
このグループのユーカリは、
冬季の室内で発芽を試みると、
極めて良い発芽結果が得られています。
冬季室内の温度や湿度の状態が
これらのユーカリの発芽に良く合っているようです。
ただし、そのような場合でも、
冬季室内で栽培し続けると、苗が徒長し、
生育が悪くなるので、ある程度発芽したら
とっとと屋外に出してしまう方が良いです。
※どれも耐寒性は高いので安心です。
一部の、特に高山部に生息し、且つ湿潤を好む
glaucescensやdalrympleana、nitensなどは、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。
ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。
3. サウスオーストラリア州沿岸部のユーカリ
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アデレード周辺からカンガルー島付近に生息しているユーカリです。
主なユーカリは下記の品種です。
leucoxylon/cladocalyx/albopurpurea
fasciculosa/calycogona
これらは1と2のちょうど間くらいの季節で
関西や関東の暖地では4月中旬くらいからと、
10月上旬~11月初旬くらいの季節が最も最適です。
気温的には最低気温が15℃より低くなる日が何日かあり、
最高気温が20℃を少し超えるくらいの季節です。
このグループのユーカリは少し暖かい季節や、
さらに涼しい季節の発芽にも幅広く対応することができます。
ところが真夏にタネを播くと、発芽率こそ悪くないのですが、
その後の生育が極めて悪くなるという特徴があります。
また梅雨時期の育苗の調子があまり良くないので、
春は少し涼しめの時期に少し早めのタネ播きを行い、
秋は少し暖かめの時期にタネを播くのが良いです。
4. クイーンズランド州のユーカリ
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クイーンズランド州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
北部や北部沿岸部のユーカリなどもこのグループに含まれます。
主なユーカリは下記の品種です。
citriodora/staigeriana/melanophloia/camaldulensis
maculata/muelleriana/tereticornis/robusta
grandis/coolabah
どちらかというと、寒さに弱いユーカリが多いです。
これらはかなり暖かく湿潤な季節を好み
関西や関東の暖地では5月下旬くらいからと、
梅雨時期~初夏と晩夏の季節が最も最適です。
気温的には最低気温が20℃を超えだし、
最高気温が30℃に届くかどうかくらいの季節です。
一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。
逆にあまりにも温度が下がってきて、
最高気温が20℃を下回る季節になると
極めて発芽率が悪くなります。
これらのユーカリは一様に湿潤を好むため、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。
ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。
5. ウェストオーストラリア州のユーカリ
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西オーストラリアだけでなく、サウスオーストラリア州の内陸部、
ノーザンテリトリーの南部など砂漠地帯のユーカリなども
このグループに含まれます。
主なユーカリは下記の品種です。
全ての西AZのユーカリ/pachyphylla/gamophylla/gillii
leptophylla/socialis/oleosa/pimpiniana/gracilis
これらは最も暖かい季節を好み、
関西や関東の暖地では梅雨明け後の初夏から
真夏や晩夏の季節が最も最適です。
気温的には最低気温が20℃を完全に超えて、
最高気温が30℃を超えるような季節です。
一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。
西AZの沿岸部の非常に穏やかな気候の地域に属する
lehmanii/pleurocarpa/pachyloma/preissianaなどは
1のグループと同じ季節での発芽もOKです。
逆にrhodantha/macrocarpa/gamophyllaなどの
暑い砂漠地帯に生息するユーカリは
最低気温が25℃を超えるような暑い季節が最も良く、
1のグループのような少し涼しい季節には
発芽率がかなり悪くなります。
※特にrhodanthaは顕著です。
どれも乾燥を好み、梅雨時期の管理が困難なため、
私は梅雨明けと同時にタネ播きを開始しています。
今回は大雑把にグループ分けしたため、
かなりざっくりとした情報になっていますが、
実際にはそれぞれのグループ内でも
非常に微妙な差が発生しています。
タネ播きにチャレンジする方は
ぜひ参考にしてみてください!- # by eucalyptus_k | 2012-11-06 14:22 | ユーカリ(栽培知識)