ディシペンス・アデスモフロイア
(decipiens ssp. adesmophloia)の蕾我が家には樹高1mを超える
decipiens ssp. adesmophloiaがあります。
ssp. adesmophloiaはdecipiensの中でも、
葉があまりハート型になることがなく、
葉色も深い青緑色になる亜種です。
ところがこの株は非常に調子が悪いです。
見ていただくと分かりますが、
中間部分にほとんど葉がありません。
また変な葉枯れの症状にも悩まされています。
実際には鉢が膨張するくらいに、根がパンパンなので、
そろそろ鉢増しも行おうと思っていますが、
そんなdecipiens ssp. adesmophloiaに
蕾ができているのを発見しました。
この蕾はlehmanniiの蕾のように
まるで悪魔の爪のような形状で複数の蕾が付き、
開花後の果実はトゲの付いた鉄球のような
かなり特異な形になります。
そのため今の時点ですでに
赤ん坊の手のような形をしています。
蕾ができてくれたのはとても嬉しいのですが、
無事に開花できるかは全くの未知数です。
本当にこの株は色々と調子が悪いのです。
変な病気に罹っているように思います。
葉を照明に透かして見ると、
色が抜けて見える部分があると思います。
このような箇所はしばらくすると、
下の写真のように茶色い斑点に変わります。
この病気はdecipiens系全般で非常に良く発生します。
decipiens系は良く枯れることもあるので、
しばしばタネを播いて育苗することがありますが、
先日もこの病気で立派なssp. chalaraを枯らせています。
消毒をしてもあまり大きな効果はないのですが、
栽培環境の改善を行っていくと、
症状がかなりマシになる傾向があります。
もしかすると生涯保有菌のようなもので、
調子が悪くなると症状が出てくるのかもしれません。
gilliiやpleurocarpa、extricaなどには、
前年と同じく、既に蕾が付いていますが、
先日開花したtorwoodのように、病気がちな株ほど、
新たに蕾を付ける可能性が高いように思います。
良く言われる、生存の危機を感じて、
蕾を付けて子孫を増やそうとするという説は、
やっぱり正しいのでは?と思わされます。- # by eucalyptus_k | 2014-06-23 12:16 | ユーカリ(花と蕾)
decipiens(ディシペンス)は難しい!?
私の鬼門のユーカリがいくつかありますが
そのうちトップクラスなのが
Eucalyptus decipiensです。
これはハートリーフの可愛い、とても見事なユーカリで
初期の育苗難易度こそさほど難しくはないものの、
大きくなってからいきなり枯れることが多いです。
家には、3種類のdecipiensがありますが、
そのうちの2品種、ssp.chalaraとssp. adesmophloiaが
酷い角班病に侵されて、もう救いようがない状況です。
まだマシなssp. adesmophloia
そして末期的なssp.chalara
肥料当たりやpH管理、水分管理もとても難しく、
空中湿度の管理までうるさいところがあるので、
そのどれかで問題が生じたのでしょう。
親愛なるこあら師匠のところでも
いきなり枯れることがあると聞いていますので、
decipiensの安定的な管理が
今後の大きな課題となっています。- # by eucalyptus_k | 2012-07-18 22:00 | ユーカリ(栽培実績)
新年早々!我が家のユーカリ達
前回の12月初頭の写真に引き続き、
本日撮影したてのユーカリ達を公開します
前回の写真で最も日照の良い場所に置いてあった品種は
同時に寒風に弱いものも多いので、
多くは簡易温室に避難させている状態です。
恐らく多くの品種が温室外でも越冬可能かと思いますが、
敢えて葉を痛ませたくないという考えからです。
こちらが背の高い温室で、
三段のものを二段にして使用しています。
上段は苗、下段は寒さに弱い鉢ものです。
こちらが背の低い方の温室です。
温室の下段をさらに寄って見てみます。
まずは左の大きな温室からです。
銀大葉が目立っているのはmacrocarpaです。
その他ではkruseana/pachyphylla/pachyloma
staigeriana/rhodanthaなどがあります。
この中で本当に寒さが心配なのは
真ん中あたりのとても小さな苗サイズの
socialis/woodwardii/torwood/gongylocarpa
の4品種とpachylomaだけです。
次に右の温室です。
こちらも銀大葉が目立っているのはmacrocarpaです。
左の奥のピンクになっている大葉はpleurocarpa、
右手前の大きな葉のものがtetrapteraです。
小さな葉が特徴的なものは全てdecipiens(亜種3種)です。
このdecipiensが最も寒さに弱いように思います。
既にかなり葉は痛みかけています。
macrocarpaの右横の小さなpimpinianaも
寒さにはまり強くなさそうです。
私の背丈程の高さがあるrisdoniiです。
夏は比較的深緑の葉色をしていますが、
冬になるといきなり銀葉が美しくなってきます。
寒さにはめっぽう強く、冬は寧ろ調子が良いくらいです。
左の銀葉はcrucis、右手前がalbopurpureaです。
さらにその足元に寄ってみます。
右がalbopurpureaで真ん中左の銀葉はgilliiです
左手前がとても珍しいユーカリpruinosaです。
サバンナ出身なので寒さがとても心配でしたが
今のところとくに大きな葉痛みも起こっていません。
次は少し左側を見てみます。
銀葉が美しいのは先程も写っていたcrucis、
そして葉が真っ赤になっているのが
先日ユーカリ紹介で紹介したmelanophloiaです。
このように真っ赤になって葉痛みも激しいです。
albopurpureaの更に手前です。
大きな毛の生えた葉はerythrocorysです。
寒さにはとても弱いユーカリですが、
この大きさになると大阪の冬では問題ありません。
手前の細葉はlehmanniiです。
これも風さえ防げれば葉痛はありません。
さらに奥にあるtenuiramisです。
夏の葉はとっても濃い緑色なのですが、
冬になると別品種かの如く銀葉になります。
とても丈夫で美しく冬こそ本場のユーカリです。
我が家のノッポ君たちです。
どれも寒さに強いというわけではありません。
一番背の高いのがrobusta、右がglobulus、
手前の下葉が紅葉しているのがcamaldulensis、
左下の方で銀葉の美しいものはmaideniiやbicostata、
奥に見えるのがcitriodora(レモンユーカリ)です。
そのレモンユーカリに焦点を当ててみました。
今のところ別に大した葉痛みも起こっていません。
右下で綺麗に紅葉しているのはgrandisです。
これもあまり寒さに強いとは言えませんが、
春になれば一気に復活してくるでしょう。
さらに奥の日当たりの悪いゾーンです。
背の高い丸葉はrudisです。
これは我が家でもトップクラスに寒さに弱いですが、
ここまで大きくなれば越冬は問題ないと思います。
今のところ少しだけ葉が傷んでいる程度です。
真ん中の葉のでかいのはcypellocarpa、
その右横の銀葉はgunniiです。
この辺りは寧ろ冬の方が調子が良くなります。
そこから少し手前にあるsmithiiです。
これも今の時期の方が圧倒的に調子が良いです。
新芽はピンクで少し銀葉がかる部分もあります。
viminalisと比べて、今の時期はかなり白っぽくなります。
右下の方に見えている若葉色の新芽がviminalisですが、
夏には全く見分けがつかなくなります。
次はベランダの右手の方になります。
ここは日当たりは良いですが、
結構風が当たって寒くなります。
右の銀葉ハートリーフがorbifolia、
その左隣がtorquata、
一番手前の銀小葉がMoon Lagoon、
その後ろの銀葉がalbidaです。
ここの品種たちは比較的寒さには強いです。
その左側の場所です。
室外機の下なので暖かく、
養生場所のようになっています。
一番左の銀葉はcinerea、奥の銀葉はperriniana、
手前の背の低い銀葉はaccedensです。
accedens右側の小さなcoolabahと
左側の細長葉のleptophyllaは少し養生中です。
それでも温室内よりは寒いですから、
もう少し樹高が伸びれば屋外越冬は問題なさそうです。
それでは最後に大きな温室の手前にあった
特徴的なユーカリ3種を
紹介して終わりにしたいと思います
どれもあまり寒さには強くないかなと心配でしたが、
今のところとくに葉痛みもないようなので
安心して温室外(真前)に置いてあります。
Eucalyptua urna
これは他にはないようなとても珍しい葉をしています。
生息地はalbidaなどと同じ地域になっています。
写真でわかりますでしょうか?
良く見て頂くと葉が下の図のように生えていることがわかります。
このユーカリ、香水系の中々良い香りがします。
Eucalyptus preissiana
とても大きな緑色の葉をしています。
このユーカリは数メートルの茂み状に育ちます。
下の写真のような黄色い花が魅力のユーカリです。
成長はとっても遅いですが、開花が楽しみですね
Eucalyptus platypus
育ててみるとdecipiensにとても良く似ていますが、
葉には毛が生えており、色々な意味で
decipiensよりも頑丈です。
現地ではmoortと呼ばれて親しまれているユーカリで、
これも下の写真のように花が魅力のユーカリです。
花は写真のようなクリーム色の他に
黄色やライムグリーンなど多岐にわたっているようです。
これから先、厳しい冬を耐えしのんで、
春にはまた元気に育っていって欲しいですね。
皆さんのユーカリの近況も
また聞かせて頂ければ嬉しいです- # by eucalyptus_k | 2012-01-03 20:10 | ユーカリ(栽培実績)