2010/6/5 ユーカリ育成の近況
去年の秋頃に親愛なるこあら師匠より頂いた
websterianaですが、
早春の鉢上げ時に急遽寒波が訪れ、
植え痛み+急な寒波の影響で大量に葉を落としてしまいました。
こちらのユーカリ紹介での写真が
まだ葉を落とす前の雄姿です。
今はこんな感じに葉抜けになってしまいました。
それぞれの枝の下葉が完全に落ちてしまっています。
一番痛いのはメインの主幹の葉がほとんど残っていません。
横から見るとこんな感じです。
今は痛みから完全復活を遂げて、
枝先にどんどん葉を増やしていっていますが、
葉が落ちてしまったところには一切変化がありません。
どのように剪定すれば美しい樹形が取り戻せるのでしょうか。
珍しく同居人が気に入ったユーカリの一つなので
何とか頑張ってみたいところです。。。
このwebsteriana、
普段は一切病害虫に侵されることはありませんが、
時おり一枚だけ、うどんこ病で真っ白になる葉が出現します。
それは本当に全くの一枚だけで他には出現しません。
何でなのでしょう? 不思議なことです。
先日の記事ではtetragonaの成長の遅さをご紹介しましたが、
今日はその他にもいくつか近況をご紹介します。
こちらの記事が約1カ月前の写真です。
期待の星、Eucalyptus gilliiです。
いつも見ていると余り成長している気がしなかったのですが、
写真で比較すると背も伸び、葉も増えていてビックリです。
でも、こあら師匠のところのように
中々葉が太くならず、細いままなのが心配です。
私の今年の一番の目標、Eucalyptus macrocarpaです。
思えば立ち枯れ病に泣かされ、
一時は不可能だ!!と思って諦めかけた程でした。
また先日は留守中にドバトが襲来して、
別のmacrocarpaをいくつか折られてしまいました。
色々あって、今やっとここまできました。
まだ、ヒョロヒョロで全然安心はできませんが、
ここまでこれたのは初めての経験です。
強風に吹かれるとあっちへ倒れこっちへ倒れするので、
先日、こあら師匠に直伝いただいた、
支柱の結び方を早速実践して立ててみました。
支柱はたこ焼きで使う竹串で代用しています。
さて、次の1カ月後には
どのように成長しているでしょうか?- # by eucalyptus_k | 2010-06-05 02:35 | ユーカリ(栽培実績)
ハートリーフユーカリの品種特定
世間ではハートリーフユーカリという名称で
販売されているユーカリがたくさんあります。
もちろんそんな学名のユーカリはありませんので
販売用に名付けられた販売名ということになります。
日本でハートリーフユーカリというと、
一番有名なのが何といっても
polyanthemos(ポポラス)です。
フラワーアレンジ等で良く使われる品種としてお馴染みですね。
そのため、ハートリーフユーカリ=polyanthemos
として売られていることが多いです。
ところが実際はハートリーフ名で売られているものは
ほとんどがorbifoliaであることが多いです。
このたび、Osakano_Jieさんがお育てになっている
ハートリーフユーカリの特定を行いました。
もちろん正答率100%とはいきませんが、
私が今まで色々調べてきた知識と経験に照らし合わせて、
この品種はorbifoliaであると特定しました。
Osakano_Jieさんは、わざわざその葉をお送りくださいました。
この葉を早速拝見して、
私が所持しているorbifoliaの葉と似ていると思いました。
下の写真が私の所持しているorbifoliaの写真です。
そして次に、葉を一枚裂いて、その香りを嗅がせていただきました。
非常に爽やかで、ほんのり甘い、柑橘系の香りがしました。
ここで、その外観と香りから判断して、
polyanthemosではないなと特定しました。
外観については、うまく表現できないのですが
とにかくたくさん見てきた経験です。
polyanthemosやorbifoliaを
とにかくたくさん見ていただくと必ずわかります。
葉の付き方、葉脈、葉の形、色、見所はたくさんあるのですが、
下の写真がpolyanthemosの特徴を明確に表している一枚です。
香りについては、polyanthemosはシネオールの濃い品種です。
pulverulentaやcinerea等のような、
スーッとしたペパーミントや樟脳のような香りがします。
polyanthemosではなく、甘く爽やかな柑橘系の香り、
ということで、絞られるのは
orbifolia、websteriana、decipiensの三種です。
私のブログでハートリーフ三兄弟と呼んでいる3種ですね。
この3種の特定は非常に難しいです。
はっきりいって100%の正答率を出すことは不可能です。
よってここでは違った見方で特定していきます。
まず、decipiensはこの三種の中で少しだけ外観が異なります。
比較的、ツル性植物のような生え方、
真っ赤な幹の色、そして他種に比べて葉柄が短いことです。
また日本では余り見かけることのない品種でもあります。
上記の特徴と比較して、decipiensではないと特定しました。
次にorbifoliaかwebsterianaの比較ですが、
これは外観での判別はほぼ不可能です。
敢えていうならば、orbifoliaの方が新芽が白くなる、
websterianaは新芽のうちから綺麗なハート型だが、
orbifoliaの新芽は団扇型の傾向が強い、
orbifoliaは中心の葉脈以外目立たない、
orbifoliaは幹が緑~黄色でWebsterianaは赤茶色、
orbifoliaの方が葉の大きさが大きくなる。
といくつか特徴をあげることはできるのですが、
これは個体差で十分潰されてしまう程度の特徴です。
まず上記の特徴に照らし合わせてみると、
orbifoliaの可能性が高いと思われました。
次が決め手の要因です。
websterianaはとにかくマニアックで激レアです。
私も種子の輸入を試みましたが、
いくつかの種屋で手に入らないと断られました。
(今は何とか販売している種屋を発見しています。)
そのため、親愛なるこあら師匠の農場で苗を購入しました。
それから色々調べているうちに、websterianaは
日本ではこあら師匠の農場にしかないと気づきました。
現地でも知る人ぞ知る品種で生息地も非常に限られています。
またユーカリ栽培の盛んなアメリカやイギリスでも
websterianaはほとんど知られていません。
そんなマニアックなユーカリが日本で売られているはずがない。
それに反して、orbifoliaは結構たくさん売られています。
ハートリーフ名でネットでいくつか見つけることもできます。
Osakano_Jieさんは特定対象のハートリーフユーカリを
こあら師匠の農場で購入されたわけではありません。
よって、最後の要因、日本での流通を考えて、
Eucalyptus orbifoliaであると特定しました。
最後にpolyanthemosは大阪の冬に野外に出しておくと、
紅葉のように赤く紅葉することになります。
orbifoliaは紅葉することなく、
冬でも葉をほとんど傷めずにいきいきと育ちます。- # by eucalyptus_k | 2010-05-01 00:34 | ユーカリ(品種知識)
【ユーカリ紹介-14】
ユーカリ・ウェブステリアナ (Eucalyptus websteriana)続きまして第14回目は
ハートリーフユーカリのレアもの品種。
ハートリーフ三兄弟の中で
もっともスタンダードなサイズのハートリーフ。
ユーカリ・ウェブステリアナです。
◎ユーカリ・ウェブステリアナ
【学名:Eucalyptus websteriana】
【英名:Webster's Mallee / Heart-leaved Mallee】
ハートリーフユーカリと呼ばれるユーカリは数多く存在しますが、
私が本当にハートリーフの葉形だと思う3種を
勝手にハートリーフ三兄弟と呼ぶことにしています。
----ハートリーフ三兄弟----------------------------------
●Eucalyptus orbifolia(オービフォリア)
●Eucalyptus websteriana(ウェブステリアナ)
●Eucalyptus decipiens(ディシペンス)
----------------------------------------------------------
この3種の中で、最も葉のサイズがスタンダードな大きさで、
一番手頃で可愛くて誰にも好かれそうなのがwebsterianaです。
ところが、実際、この3種は非常に良く似ていて、
素人が識別するためには、大きく育てて、
花が咲いてからの蕾や実の形状、
樹皮や樹形で判断するしかないほどです。
敢えてwebsterianaの特徴を挙げるのであれば、
幹の色は赤茶色で、葉は最も整ったハート型、
葉の真ん中に通っている主葉脈だけでなく
葉の端まで広がる葉脈も良く目立ち、
葉柄が短く、左右対称に葉がつきやすいというところでしょうか。
また、新芽はorbifoliaほどではありませんが綺麗な白銀色になります。
また、このwebsterianaは三兄弟の中で最もレアな品種です。
写真の株は親愛なるこあら師匠の農場で購入したものですが、
おそらく日本ではここにしかないものと思われます。
実は私もタネを購入しての栽培を試みたのですが、
中々タネを手に入れることができず、
大手のタネ屋も音をあげるような始末でした。
日本でハートリーフ三兄弟らしきユーカリを見かけたら、
かなりの確率でorbifoliaだと思って良いと思います。
三兄弟は全て西オーストラリア出身のユーカリですが、
websterianaはその中でも南西部内陸の
ごく限られた一部の地域にしか生息していません。
この辺りからも非常にレア度の高いユーカリ
であることがわかります。
西オーストラリアのユーカリは
比較的寒さには弱いと言われていますが、
このwebsterianaは大阪の冬なんてものともしません。
冬を感じさせないくらい元気に新芽を伸ばしていくほどです。
オーストラリアの内陸部は夜間がかなり寒くなるようなので、
実はかなりの耐寒性を持っているのかもしれませんね。
恐らく-7℃くらいまでは耐えられると思います。
websterianaの成長はユーカリ中でもかなり遅い方です。
プロでも1m近くまで育てるには数年を要するようです。
どちらかというと温度の高い季節をメインに成長します。
急に成長したなと思ったらしばらく動きがなかったりと、
成長については中々読めない品種です。
websterianaはユーカリ中で最も水を必要としない品種の一つです。
またorbifoliaと同じく、過湿には非常に弱いところがあり、
少しデリケートな水分管理が必要になります。
植え替え直後でもなく、しっかりと日光に当てているにも関わらず、
葉がパラパラと散ることがあったら十中八九は過湿が原因です。
一般的な観葉植物などとは比べ物にならない程に
超乾燥気味に管理することが望ましいでしょう。
また、あまり肥沃ではない土壌を好むことも大きな特徴です。
わずかに耐陰性を備えてはいるようですが、
基本的には、日光が大好きな品種ですから、
できる限り直射日光の当たる環境で管理してください。
慣れない人は、ワンサイズ小さな鉢で育てると、
過湿を避け、問題なく育てられることと思います。
用土は軽石や川砂を配合した乾燥気味のものを使用します。
また水遣りは用土が完全にカラカラに乾いた時がタイミングです。
私のところのwebsterianaは樹高50cm程度、
6号のプラスチック鉢で半日陰に置いています。
それでも真夏では乾燥気味の用土のため、
真夏には表面が一日で乾きますが、
水遣りの頻度は真夏でも週一回程度とかなり少ないです。
聞いた話によると、
一般的な植物に比べるとほとんど蒸散を行わないようです。
そのためにほとんど水分を必要としないのでしょうね。
葉はorbifoliaに比べると少しだけ柔らかいです。
香りは葉が柔らかいためか、指で軽くこすると良く香ります。
ただし放っておいて香ってくるようなことはありません。
その香りについてはorbifoliaよりも
シネオール系の香りが強く、ほんの僅かに柑橘系の香りがします。
どちらかというと、cinereaやbridgesianaなどに近い香りです。
こちらがwebsterianaとorbifoliaの比較写真です。
左がwebsterianaで右がorbifoliaです。
少し背が高くなり、徒長しやすいorbifoliaより
小さい鉢植えでシンプルに育てたい人には
websterianaが非常にオススメです。
何度も言いますが、
ハートリーフのサイズが本当に手頃で可愛いくて、
脇芽を出す性質がかなり強くなっています。
手に入れたい方は、こあら師匠の農場をお訪ねください。
主力商品ですので、いくつか在庫をお持ちのはずです。
十分な日光に当て、水さえ控え目に育てれば、
耐寒性もあり、そんなに難しいユーカリではありません。
是非、一度育ててみてください!
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<栽培難易度:C>
香良さ:★★★
香強さ:★★★
成長力:★
要水分:★
耐過湿:★★
耐水切:★★★★★
耐日陰:★★★
耐移植:★★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★★★
耐病虫:★★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい- # by eucalyptus_k | 2010-04-12 03:49 | ユーカリ紹介
ユーカリを種から育ててみる~総合版~(2)
最近ブログの更新が滞っておりますが、
実はユーカリについて書くネタが欠乏しています。
※現在、育苗中のためです。
当家にはユーカリ以外にも多数の観葉植物がありますし、
このあたりの紹介と経験談を書いていこうと思っています。
今日のところはユーカリ苗の近況を報告します。
ユーカリは春には凄い成長を見せましたが
秋は今のところ大して成長していません。
そうこうしているうちに冬がやってきちゃいますね><;
現在の状況は下記の通りです。
【写真は後程公開します!】
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●glaucescens
徐々に徐々に成長しています。
春に植えたものが、今10cm弱。。。
夏に植えたものはようやく双葉。。。
成長おっそいですね~><;
でも期待してます!
●macrocarpa
これ!難しいです!
死ぬほど種播いていますが
どんどん死んでいっちゃいます><;
でも、確実に生き残っている苗が5程度。
来年の春に期待しています!
●staigeriana
とにかく発芽率が激悪いです。。。
種は150以上播いていますが
発芽したのはたったの2つ。
そのうち1つは昇天して
現在小さな双葉が1本のみ。
●robusta
私の育苗環境に合っているのでしょうか?
(沼地出身なので水分多すぎ!?)
種はわずかしか播いていないのですが、
成長が早く3本は期待できそうです!
●nitens
【発芽なしのため写真なし】
低温処理が必要とのことで
冷蔵庫で数週間保管しましたが発芽なし。
このまま冬を越して、
来年に期待するしかなさそうです。。。
●pulverulenta
結構元気で成長も早いです。
安定して育っていってます。
ただしあっちむいたりこっちむいたり。。。
まっすぐ伸びないのが特徴ですか!?
●cinerea
超メジャーでベタなユーカリなので
育成は容易かと思いきや、
発芽率も結構悪く、どんどん死んでいきます。
数が欲しいので頑張って欲しいです><;
●polyanthemos
成長は並程度、小さな苗の割には
安定感はそこそこあるように思います。
大きさ的に見て来年の春に期待!
●perriniana
低温処理が必要とのことで
冷蔵庫で数週間保管しましたが発芽なし。
聞いた話では結構すぐ発芽するといいます。
種が悪いのでしょうか?
来年の春に違うところから種を買ってみます。
●camphora
沼地出身ユーカリの代表格!
家の環境(過湿!?)に合っているのでしょうね。
一番成長が早く、安定感も抜群!
種播数は少ないのに一番数が出そうですw
●neglecta
密かに欲しいという人が多いユーカリ。
小さな苗がたくさ~んでましたが、
そこから余り成長が認められません。
メインは来年になりそうですね。
●pruinosa
小さな苗がたくさん出ており、
その中に期待できそうなものもちらほら。
耐寒性がほとんどないため、
メインは来年に持ち越されそうです。
●orbifolia
発芽率はそんなに良くなかったのですが、
結構生存率は高いように思います。
ただ、耐寒温度は低めなので、
春まで余り成長は見込めないかも。
●cordata
今のところ安定感は抜群!
ホント平均的に育っていきます。
でも思っていたより成長は遅めかも。
●globulus var. compacta
今のところ安定感は抜群!
ホント平均的に育っていきます。
成長の早さも上々!流石です!
●kruseana
これも比較的ベタなので
育苗は容易かと思いきや、
意外に死んでいく&成長控えめ。
ちょっと今のところ読めないです。。。
●polybractea
先日やっとこさ発芽しました。
めちゃくちゃ小さな苗です!
これも耐寒性は余りないため、
早めに室内に取り入れて冬を越します。
●銀葉アカシア・プルプレア
順調に成長していってます。
来年の春には鉢上げ一番乗りを果たせそうです。
↓ ここから新規追加です!
●Eucalyptus radiata・・・種播したて。
>>>精油採取の定番!ペパーミントユーカリ。
●Eucalyptus morrisbyi・・・種播したて。
>>>タスマニアのみに生息する非常に珍しい品種
●Eucalyptus tereticornis・・・種播したて。
>>>こあらさん農場収穫の期待の一種です!
●Eucalyptus decipiens・・・注文中
>>>最近注目されてきたミニハートリーフ。
●Eucalyptus websteriana・・・注文中
>>>オービフォリアの親戚で見事なハートリーフ。
●Eucalyptus pulverulenta 'Baby Blue' spiral・・・注文中
>>>プルベルレンタの改良版園芸品種。
>>>凄く捩れたりするらしい!?種が高価でした><;
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もうユーカリオタク街道果てまでいきそうです><;w
どうやって配置するんでしょう。。。限られたベランダに。。。
余り考えることを止めにしました。
やってみればなんとかなるものさ~♪- # by eucalyptus_k | 2009-09-17 18:26 | ユーカリ(タネ播き)