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タネ播きの適期・適温

最近色々とタネを播いていて
わかってきたことがあります。

当たり前と言えば当たり前なんですが、
ユーカリは様々な気候帯に生息し、多種多様ですから
それぞれの品種に最適なタネ播きの適期・適温があります。

良く最高気温が20℃を上回る季節が適期と言われますが、
これは全ての平均値のような感じです。

ちなみに私の環境でのお話ですので
ご参考までによろしくお願いします。

1. ニューサウスウェールズ州のユーカリ
------------------------------------------------------------
日本で良く見かけるユーカリが多い地域です

主なユーカリは下記の品種です。
cinerea/pulverulenta/bridgesiana/nicholii/polyanthemos
viminalis/globulus ssp. bicostata/scoparia/rubida
parvula/viridis/melliodora/sideroxylon/punctata

これらは一般的に良いと言われている季節で、
関西や関東の暖地ではゴールデンウィークが終わった頃
もしくは9月下旬くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が15℃を上回り、
最高気温が20~25℃くらいの季節です。

ただこのグループのユーカリは
比較的あらゆる気候帯に対応でき、
それ以降のさらに暑い季節や少し寒い季節でも、
ある程度の数を発芽させることも可能です。

ただ、もちろん冬季の屋外での発芽は難しく、
真夏の最も暑い時期には発芽率だけでなく、
発芽後の生育もイマイチになってきます。


2. ビクトリア州/タスマニア島のユーカリ
------------------------------------------------------------
ビクトリア州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
南部や南部内陸部のユーカリ、その他の地域の
高山生息種などもこのグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
gunnii/archeri/globulus ssp. globulus/globulus ssp. maidenii
perriniana/urnigera/crenulata/glaucescens/camphora
aromaphloia/tenuiramis/risdonii/morrisbyi/cordata
delegatensis/smithii/cypellocarpa/ovata/pauciflora
coccifera/goniocalyx/sturgissiana/cephalocarpa
dalrympleana/dives/nitens/neglecta/nova-anglica
polybractea/radiata/regnans/subcrenulata
brookeriana/kitsoniana

どちらかというと、暑さに弱いユーカリが多いです。

これらは1のグループよりもさらに涼しい時期で
関西や関東の暖地では4月上旬くらいからと、
10月中旬~11月くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が10℃程度まで下がり、
最高気温が20℃いくかいかないかくらいの季節です。

グループの中でも色々と差があり、
例えば、globulus ssp. globulus/goniocalyxなどは
1のグループと同じように暖かい時期でも発芽率が良く、
逆にglaucescens/tenuiramis/risdonii/delegatensis
pauciflora/coccifera/dalrympleana/nitens/regnansなどは
気温が上がり過ぎると全く発芽しないこともあります。

これらの品種は真夏などにタネを播くと
全く発芽しないか、発芽しても極めて生育が悪く、
立ち枯れてしまう苗が多くなります。

また特に涼しい環境を好む品種では、
真夏にタネを播いても発芽は完全ゼロとなり、
10月に入り、忘れた頃に続々発芽し出す
といったようなことが起こります。

このグループのユーカリは、
冬季の室内で発芽を試みると、
極めて良い発芽結果が得られています。

冬季室内の温度や湿度の状態が
これらのユーカリの発芽に良く合っているようです。

ただし、そのような場合でも、
冬季室内で栽培し続けると、苗が徒長し、
生育が悪くなるので、ある程度発芽したら
とっとと屋外に出してしまう方が良いです。
※どれも耐寒性は高いので安心です。

一部の、特に高山部に生息し、且つ湿潤を好む
glaucescensdalrympleananitensなどは、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。

ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。


3. サウスオーストラリア州沿岸部のユーカリ
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アデレード周辺からカンガルー島付近に生息しているユーカリです。

主なユーカリは下記の品種です。
leucoxylon/cladocalyx/albopurpurea
fasciculosa/calycogona


これらは1と2のちょうど間くらいの季節で
関西や関東の暖地では4月中旬くらいからと、
10月上旬~11月初旬くらいの季節が最も最適です。

気温的には最低気温が15℃より低くなる日が何日かあり、
最高気温が20℃を少し超えるくらいの季節です。

このグループのユーカリは少し暖かい季節や、
さらに涼しい季節の発芽にも幅広く対応することができます。

ところが真夏にタネを播くと、発芽率こそ悪くないのですが、
その後の生育が極めて悪くなるという特徴があります。

また梅雨時期の育苗の調子があまり良くないので、
春は少し涼しめの時期に少し早めのタネ播きを行い、
秋は少し暖かめの時期にタネを播くのが良いです。


4. クイーンズランド州のユーカリ
------------------------------------------------------------
クイーンズランド州だけでなく、ニューサウスウェールズ州の
北部や北部沿岸部のユーカリなどもこのグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
citriodora/staigeriana/melanophloia/camaldulensis
maculata/muelleriana/tereticornis/robusta
grandis/coolabah


どちらかというと、寒さに弱いユーカリが多いです。

これらはかなり暖かく湿潤な季節を好み
関西や関東の暖地では5月下旬くらいからと、
梅雨時期~初夏と晩夏の季節が最も最適です。

気温的には最低気温が20℃を超えだし、
最高気温が30℃に届くかどうかくらいの季節です。

一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。

逆にあまりにも温度が下がってきて、
最高気温が20℃を下回る季節になると
極めて発芽率が悪くなります。

これらのユーカリは一様に湿潤を好むため、
冬季の室内でもかなり良い状態で育苗できることがあります。

ただし、これは半日~終日直射日光の当たるような
明るい南側の窓辺限定でのお話です。


5. ウェストオーストラリア州のユーカリ
------------------------------------------------------------
西オーストラリアだけでなく、サウスオーストラリア州の内陸部、
ノーザンテリトリーの南部など砂漠地帯のユーカリなども
このグループに含まれます。

主なユーカリは下記の品種です。
全ての西AZのユーカリ/pachyphylla/gamophylla/gillii
leptophylla/socialis/oleosa/pimpiniana/gracilis

これらは最も暖かい季節を好み、
関西や関東の暖地では梅雨明け後の初夏から
真夏や晩夏の季節が最も最適です。

気温的には最低気温が20℃を完全に超えて、
最高気温が30℃を超えるような季節です。

一部の品種では、あまりにも暑い季節には
発芽率が低下するものもありますが、
基本的には真夏の半日陰での発芽も上々です。

西AZの沿岸部の非常に穏やかな気候の地域に属する
lehmanii/pleurocarpa/pachyloma/preissianaなどは
1のグループと同じ季節での発芽もOKです。

逆にrhodantha/macrocarpa/gamophyllaなどの
暑い砂漠地帯に生息するユーカリは
最低気温が25℃を超えるような暑い季節が最も良く、
1のグループのような少し涼しい季節には
発芽率がかなり悪くなります。
※特にrhodanthaは顕著です。

どれも乾燥を好み、梅雨時期の管理が困難なため、
私は梅雨明けと同時にタネ播きを開始しています。


今回は大雑把にグループ分けしたため、
かなりざっくりとした情報になっていますが、
実際にはそれぞれのグループ内でも
非常に微妙な差が発生しています。

タネ播きにチャレンジする方は
ぜひ参考にしてみてください!{#グッド}

# by eucalyptus_k | 2012-11-06 14:22 | ユーカリ(栽培知識)
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また懲りずに新しいタネを播きました!

また懲りずに新しい品種に手を出しました。
ここまで!ここで終了!と思っても、
なかなか終了できないのがマニアです。。。

もうベランダには150種は間違いなくあります。
恐らく、そろそろ一人で管理できる範囲は
超えてきているようにも思います。

毎朝夕、1時間程度時間をかけて、
水遣りやチェックを行っていますが、
さすがにこれだけあるとエラーも出します。

先日の植え分け失敗のgunniiもそうですが、
aromaphloiaなども枯らせてしまいました。

また今はglobulus ssp. maidenii
かなり危ない状況になってきています。

このあたりのユーカリは、
あまり心配のいらない部類のユーカリなので
余計に管理が雑になってしまい
このようなことになってしまいます。

逆に難易度の高い、西AZのユーカリは
忘れずにしっかりチェックしているので
至って元気に成長しています。

新しいユーカリも難易度の高いものはそれほどないので、
チェック漏れがないように気をつけたいところです。

Eucalyptus albens(白銀ハート葉でpolyanthemosに類似)
Eucalyptus dealbata(白銀ハート葉でpolyanthemosに類似)
Eucalyptus glaucescens(malleeバージョン)
Eucalyptus leptopoda(西AZの糸葉ユーカリ)
Eucalyptus leptophylla(タネが違ったので仕切り直し)
Eucalyptus kybeanensis(緑の映える小さな葉の低木ユーカリ)

そして既存の仕切り直し

Eucalyptus gracilis(今度はうまくいきそう!)
Eucalyptus dolichorhyncha(タネが悪いのか不調・・・)
Eucalyptus gunnii ssp. gunnii(枯れたので仕切り直し)

今年は越冬サイズまでが限界でしょうが
来年はその雄姿が拝めるでしょうか。

楽しみ楽しみ{#音符}

# by eucalyptus_k | 2012-08-11 00:07 | ユーカリ(栽培実績)
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今年のお目見え品種

今年から新たにタネ播きする品種と、
昨年晩秋にタネ播きして、
今年が成長メインの品種をご紹介したいと思います。

●Eucalyptus grossa
葉に光沢のある、caesiaに良く似た感じのユーカリです。
1.5m程度の超低木品種で、黄色い花が特長のユーカリです。
既に成長がスタートしていますが、
西オーストラリアのユーカリにしては、中々の水食いです。

●Eucalyptus aggregata
細葉ミント系の湿地帯出身のユーカリです。
成長はとても激しそうなイメージですが、
今のところまだスタートダッシュは始まっていません。
たしかに、湿地帯出身で過湿には強そうです!

●Eucalyptus eugenioides
光沢のある、クスノキのような葉が特長のユーカリです。
過湿や寒さにも弱く、中々デリケートなユーカリです。
昨年秋にはうまくいかなかったので、今春に再トライです。

●Eucalyptus oleosa
超細葉の精油量豊富なoilから名前の付いたユーカリです。
南オーストラリア出身で異様に過湿に弱く、
思っていたよりも難易度が高く、デリケートなユーカリです。

●Eucalyptus macrandra
発芽は上々なのですが、中々うまくいきません。
River Yateというので水が好きそうなのですが、
意外に過湿に弱く、イマイチ掴めないユーカリです。
眩しい程に明るい黄色の花が特長です。

●Eucalyptus salmonophloia
昨年から密かに養ってきましたが、
今年に来て、ようやっと少し成長が進み始めました。
過湿嫌いの典型的な西AZのユーカリです。

●Eucalyptus campaspe
白銀細葉というとても珍しいタイプのユーカリです。
西AZのユーカリの中では比較的育てやすい方です。
とても楽しみなユーカリの一つです。

●Eucalyptus vesiculosa
platypusの花の赤い矮性種です。
とても苦手なタイプのユーカリなのですが、
先年にたくさんタネを播いたので、何とか数は揃いそうです。
水は好きなくせに、変にデリケートなユーカリです。


次は新たにタネを播いたユーカリです。

●Eucalyptus youngiana
真っ赤な大きな花が魅力のユーカリです。
砂漠地帯出身のはずですが、既に水切れが出るほどに
水が好きで、成長力も旺盛です。
比較的、相性が良く、スタートから順調です。

●Eucalyptus dolichorhyncha
forresutianaの変種です。
この手のユーカリは発芽~初期はうまくいくのですが、
大きく育てていく過程でうどんこ病に弱いので注意が必要です。

●Eucalyptus calycogona
ピンクのとても美しい花が魅力の短細葉ユーカリです。
思っていたよりも相性が良く、比較的順調です。
これも思っていたよりも水が好きなようです。

●Eucalyptus gracilis
白銀短細葉の珍しいタイプのユーカリです。
今のところ発芽時点で少しつまずいているので
再度タネを播いて、他に追い付きたいと思います。

●Eucalyptus nutans
vesiculosaに似た、赤い花が自慢の超低木品種です。
西AZながら湿地帯出身のようなので、
今の時点では、比較的育てやすいなと感じています。


さて今年は、いくつうまくいくでしょうか?
無事生き残って、ユーカリ紹介への道を突き進んで欲しいものです。

今年も余った苗については、
ユーカリプレゼントを行おうかと考えています。

ただし、、、
どんどんマニアックな品種ばかりになっていきますが。。。

# by eucalyptus_k | 2012-05-01 11:37 | ユーカリ(栽培実績)
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久々に品種未定のユーカリ

今まで品種の識別には色々ありました。
neglectaのタネを注文したのに、
発芽したのはcrenulataだったり。。。

cephalocarpaだと思って育てていたら、
実はfasciculosaだったり。。。

ずっとcamphoraだと思って育てていたのが
実は最近、kitsonianaだったと知ったり。。。

そして今回、accedensのタネに交じって
新しく育ったのが下記のユーカリです。

fancybox記事184の画像1

fancybox記事184の画像2

今わかっている一番重要な情報は
主に西AZのユーカリに多い
><型の双葉をしていたことと、
写真からはわかりにくいですが
茎が四角型であるということです。

これでユーカリ識別ソフトにかけて
識別してみることにしました。

出てきた中で、有力なのは4種類!
この中のどれかであることは間違いありません。

どれもNindethana seedに在庫がある品種なので
超レア品種というわけでもありません。

●Eucalyptus calycogona
fancybox記事184の画像3

●Eucalyptus celastroides
fancybox記事184の画像4

●Eucalyptus cneorifolia
fancybox記事184の画像5

●Eucalyptus gracilis
fancybox記事184の画像6

現在、幼苗の間の識別ではここまでが限界で、
この先は花や実や樹皮を見て識別するしかありません。

あとは実際にこの4品種を育ててみることです。

そうすれば、写真ではわからない違いが分かり、
明確な識別が可能になります。

実はこのうちの2種類、
calycogonagracilisについては
栽培を検討していたところだったので、
早速タネを取り寄せてみることにしました。

どちらも比較的低木なので
早期に低樹高での開花が見込めそうです。

特にcalycogonaピンクの花が魅力的なので
ちょっと力を入れて育ててみたいと思います。

fancybox記事184の画像7

せっかく、久々にタネを購入する機会なので
下記の品種もついでに購入してみることにしました。

・Eucalyptus dolichorhyncha
・Eucalyptus nutans
・Eucalyptus youngiana

どれも低木での開花が見込める
少し面白そうなユーカリばかりです{#笑顔}

# by eucalyptus_k | 2012-02-26 19:05 | ユーカリ(品種知識)
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