月別の記事表示
月 
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
             

高山植物のユーカリ・ベルニコサ (Eucalyptus vernicosa)

先日はイチゴの香りがするolidaを紹介しましたが、
その他にも貴重でレアで魅力的なユーカリがあります。

今回ご紹介するのは、
完全に高山植物で、とてつもなく成長が遅く、
樹高はわずか数十センチにしかならないという
非常に奇特で貴重なユーカリです。

その名は
Eucalyptus vernicosa

英名は
Varnished Gum

fancybox記事165の画像1

fancybox記事165の画像2

その英名の元にもなっているように
葉には非常に分かりやすい光沢があります。

生息地は標高1500m以上のタスマニアの高山で
耐寒性は-15℃以上とユーカリ中でも最強クラス。

過湿から猛暑にも幅広く対応できる
非常に強靭なユーカリではあるのですが、
育てていてびっくりすることがあります。

それは、、、
恐ろしく成長が遅いのです。

私が今育てている株が二年目ですが、
樹高が4cmで、葉の直径がわずか7mm程度です。

fancybox記事165の画像3

これは当初、私の育て方が
悪いのかとかなり悩んでいましたが、
現地の栽培者に確認したところ、
非常に順調な育ち具合だそうです!

我が家は決して良い栽培環境ではありませんが、
最高の栽培環境で育てたとしても
10年で25cm程度まで育てば良いそうです。

このような性質ですから、
タネを手に入れることも非常に困難で、
また非常に高価になっています。

現在、タネを販売しているところを
一カ所発見することができて、
そこから取り寄せて育てていますが、
タネはわずか40粒が800円近くもします。

これはびっくりするほど高価ですし、
在庫も限られた数しかありません。

これから何年もかけて、
上手く育てて、花が咲いたら
タネを量産してみたいなと思っています。

ユーカリ紹介で紹介できるのは
果たしていつの日になるのでしょうか。

# by eucalyptus_k | 2011-10-17 08:48 | ユーカリ(品種知識)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(0)

AM2:00 寒風に負けないユーカリ達

またまた寒波がやって参りました。
最近は事前に天気予報をチェックすることが
日課になっているのでかなり把握できています。

ただいま夜中の2時。
風の当たらない比較的緩やかな場所に置いてある
温度計の数値はマイナス3℃

そして何よりも恐ろしく風が強いです。
鉢土上部がぶっ飛び、窓ガラスがバンと鳴り、
ヘタに窓を開けると閉まらなくなるほどの強風。
軽く風速10mは超えていると思われます。
体感温度を計算するとマイナス15℃近いでしょう。

風が良く当たる場所に干している雑巾は
風に揺れることもなくバリバリに凍っています。

多くのユーカリは風が直接当たらない場所に置き、
寒さに弱い品種は簡易温室内で風を完全に凌いでいます。

そんな中で強風をまともに浴びる場所があります。
ここには寒さに強いユーカリを置いています。
今、この場所のポット苗を確認してみたところ、
全ての用土がカチカチに凍っていました。

fancybox記事128の画像1
※用土が凍って膨張しています。。。

glaucescens/urnigera/subcrenulata/vernicosa
pulverulenta/gunnii/archeri

全て最強の耐寒性を誇る品種ばかりです。
用土がカチカチに凍ろうが
強風に90度倒されるほどにあおられようが、
葉の色一つ変えることなく元気です。

こちらはglaucescensです。

fancybox記事128の画像2

支柱をしていないので強風に90度まであおられています。

vernicosaなんて1cm程度の超幼苗ですが、
全く動じることなく存在しています。

fancybox記事128の画像3

もちろん用土はカチカチ。。。
本当にびっくりするほど強健ですね。

そんな中に混じって、
西AZ出身のalbidaの苗が3ポット混ざっています。

fancybox記事128の画像4

同じように用土はカチカチに凍っています。
下葉は寒さで紫色に痛んでいますが、
それでも枯れることなく生き残っています。

fancybox記事128の画像5

albidaにはかなりの耐寒性があるようです。

その他では寒さに弱いと言われる
レモンユーカリ(citriodora)も強風に揺さぶられています。

fancybox記事128の画像6

全ての葉が赤みがかっていますが、
新芽も枯れずに元気です。

だんだん過保護から放任主義になってきた私。。。
明日の朝まで強風寒風に負けずに頑張れ!!

# by eucalyptus_k | 2011-01-16 03:11 | ユーカリ(栽培実績)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(0)

ユーカリの耐寒性

遂に大阪でも寒い日が連続でやってきました。
局地的な気温や計測器の情報では、
私の住んでいる周辺の最低気温は-1℃~-2℃。
家のベランダの囲われたゾーンで0~2℃となっています。

ところがこの数日はマンションの12階ということで、
地上に比べて恐ろしく風が強く、半ば軽い台風の如く。
風当たりの強い場所にポット苗を置いておくと、
支柱ごと根こそぎ引き抜かれてしまうといった状況です。

ベランダで作業をしているときに
突風に合うと一瞬息ができなくなり、
まっすぐ立っていることさえ困難になります。
また、スキーウェアを着ていないと作業が出来ないほどの寒さです。
他のお宅から折れた枝や洗濯物、
ラベルなどがどんどん飛んできます。
ちなみに耐寒温度をリンケ耐寒温度に基づいて計算してみると、
-8~-12℃くらいあることが分かりました。。。

寒いだけなら多分大丈夫なのでしょうが、
この異様に強い寒風で相当参っているものがあるようです。
ホームセンターで安売りしている簡易温室に入れてあるものは、
耐寒性のない品種で1cm程度の双葉でもピンピンしています。
もちろん温室は無加温で気温はほとんど外と変わりません。
風だけはほぼ完全にシャットアウトできています。

こんな中で、ヘタるユーカリ、
ピンピンしているユーカリと様々です。
今のユーカリの状況を自身の記録も含めて載せます。
もしよろしければご参考にしてください。

-------------------------------------------------------------
最低気温:0~2℃
瞬間最大風速:10m以上(突風時は直立困難な状況)
耐寒温度:-8~-12℃ ※リンケ体感温度による
霜:軒下のためほぼなし
-------------------------------------------------------------

<野外では退避措置が必要なもの>
●Eucalyptus camaldulensis(40cm)
(新芽が完全に萎れる、素焼き鉢で土の量が少なめ)
→簡易温室退避で問題なし
耐寒性はかなりあると思っていましたが、
新芽が寒風にめっきり弱いようです。
先端10cmくらいが完全に萎れてしまいます。

●Eucalyptus gamophylla(18cm)
(全体がヘロヘロになる)
→簡易温室退避で問題なし
風さえなければこの気温では全然大丈夫です。
実家の庭の50cm程度の株は全然元気なので、
25cmを超える程度までは防寒対策が必要かもしれません。

●Eucalyptus polybractea(15cm)
(全体がヘロヘロになる)
→簡易温室退避で問題なし
風さえなければこの気温では全然大丈夫です。
まだ幼いことが大きな要因かもしれません。
気温がもう少し高くても、とにかく風に弱いです。

●Eucalyptus forrestiana(10cm)
(全体がヘロヘロになる)
→簡易温室退避で問題なし
かなり小さい状態での寒風は耐えられないようです。
簡易温室内では元気なものです。

●Eucalyptus pachyphylla(15cm)
(全体がヘロヘロになる)
→簡易温室退避で問題なし
小さい状態での寒風は耐えられないようです。
簡易温室内では元気なものです。


<耐寒性低めでも簡易温室では問題のないもの>
※野外吹きっさらしではどうなるか不明です。
●Eucalyptus decipiens(25cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus pruinosa(15cm)
●Eucalyptus rudis(45cm)
→葉が固くなりますが、痛みはなし

●Eucalyptus pleurocarpa(15cm)
●Eucalyptus extrica(15cm)
●Eucalyptus erythrocorys(30cm)
●Eucalyptus pachyloma(5cm)
→新芽が赤くなりますが、痛みはなし

●Eucalyptus macrocarpa(15~25cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus rhodantha(5~15cm)
●Eucalyptus uncinata(45cm)
●Eucalyptus accedens(1.5cm)
→全く痛みなし


<葉に少し痛みはあるが株自体は元気なもの>
●Corymbia citriodora(120cm)
→葉が少し焼け、赤くなっているが新芽も何とか無事


<寒風に少しだけヘタるが耐えきれるもの>
●Eucalyptus globulus(20~45cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus polyanthemos(30~40cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus muelleriana(20cm)
●Eucalyptus websteriana(25cm)
●Eucalyptus smithii(20cm)
●Eucalyptus albopurpurea(30cm)
●Eucalyptus melanophloia(50cm)
●Eucalyptus 'Moon Lagoon'(20cm)
●Eucalyptus leucoxylon ssp. pruinosa(15cm)
→夜間に少し葉がヘタるが昼には復活

●Eucalyptus melliodora(40cm)
●Eucalyptus kruseana(35cm)
●Eucalyptus sideroxylon(20cm)
●Eucalyptus torquata(50cm)
→新芽の一部のみ一日中ヘタるが株自体は無事


<思っていたより耐寒性があったもの>
●Eucalyptus staigeriana(30cm)
●Eucalyptus orbifolia(50cm)
●Eucalyptus cladocalyx nana(18cm)
●Eucalyptus gillii(20cm)
●Eucalyptus lehmannii(40cm)
●Eucalyptus albida(15cm)
●Eucalyptus crucis(25cm)
●Eucalyptus tetraptera(20cm)
●Eucalyptus pluricaulis ssp. porphyrea(15cm)
●Eucalyptus caesia ssp. magna(25cm)
●Eucalyptus macrocarpa(15cm)
→ヘタりも痛みも全くなし


<成長したり新芽を展開するもの>
●Eucalyptus gunnii(10cm~60cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus perriniana(40cm)
●Eucalyptus nitens(20cm)
●Eucalyptus aromaphloia(25cm)
●Eucalyptus glaucescens(20cm)
●Eucalyptus dives(15cm)
●Eucalyptus dalrympleana(5~20cm)
●Eucalyptus rubida(5~20cm)
●Eucalyptus nova-anglica(5~20cm)
●Eucalyptus urnigera(5~15cm)
●Eucalyptus neglecta(2~8cm)
●Eucalyptus tenuiramis(25cm)
●Eucalyptus risdonii(20cm)
●Eucalyptus delegatensis(10cm~20cm)※全てのssp.含む
●Eucalyptus parvula(25cm)
●Eucalyptus cordata(25cm)
●Eucalyptus scoparia(35cm)
●Eucalyptus coccifera(5cm)
●Eucalyptus cephalocarpa(2cm)
●Eucalyptus cypellocarpa(2cm)
●Eucalyptus subcrenulata(8cm)
●Eucalyptus ovata(5~30cm)
●Eucalyptus pauciflora ssp. niphophila(5cm)
●Eucalyptus pauciflora ssp. debeuzevillei(5cm)
●Eucalyptus vernicosa(2cm)

これらの品種は本当に凄いですね!
家ではgunniiperrinianaなどは寧ろ冬季の方が元気な程です。

野外越冬で気づいたポイントとしては、
・耐寒性が増す樹高のポイントは25cm以上
・風にさえ気をつければかなり耐える
・少し肌寒くなった間から寒さに慣らせておく
・水遣りのタイミングに気をつける

などです。

その中でも寒風だけは本当に怖いですね。
調べたところによると、
体感温度は風速1mでおよそ1℃下がるようです。
マンションでは寒さには強風が付きものですから。。。

全て無事に越冬できるように学びながら頑張ります!

# by eucalyptus_k | 2010-12-26 20:10 | ユーカリ(栽培知識)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(0)

発芽不良は厄介だ。。。

久々のブログ更新になりました><;
最近は追加で新品種の種播を行っていますが、
どれも発芽が芳しくなく、色々と手間取っています。

Eucalyptus pachyloma
スイートセンテッドなどと呼ばれ、
現地ではクリスマスツリーにも利用されたりするようです。
西オーストラリア軍団では珍しく中々発芽しません。
今やっと2苗だけ発芽しました。

Eucalyptus pauciflora ssp. niphophila
寒さに強い、雪の積もる高山のユーカリです。
Snow Gumとも呼ばれています。
発芽には2ケ月以上の冷却処理が必要となり、
そこから先も驚異的な発芽率の悪さを誇ります。。。
また異様に蒸れに弱く、日本では難易度も高めです。
種のクオリティーは保証されていますが、
全く発芽しないので、今一番厄介な品種です。

Eucalyptus coccifera
こちらも高山生息種でTasmanian Snow Gumです。
こちらも長期間の冷却処理を要し、
その後の発芽率も著しく悪いです。
現地の園芸家曰く、発芽には一癖あるようです。
たくさん播いて、2苗やっと発芽という状況です。

そして、この中に一つ加わっていた、
Eucalyptus nicholiiですが最近一斉に発芽を開始しました。

fancybox記事106の画像1

ユーカリ中最小クラスの双葉が何ともいえません><;
赤玉土では発芽に3週間ほどかかりましたが、
バーミキュライトでは5日程度で発芽しました。
pHの差か、それともより湿潤を好むということでしょうか。

それでは最後に最近の近況をいくつか紹介します。

私が今年の目標に設定した
Eucalyptus macrocarpa(マクロカルパ)ですが、
紆余曲折を経て、やっとここまできました!

fancybox記事106の画像2

fancybox記事106の画像3

成長は早いとはいえませんが、着実に進んでいきます。
直射日光ガンガンの環境が非常に大切ですね。
日陰などで育てると葉が細く小さいままになります。
後は涼しくなったら植え分けを行う予定です。
今まで培ってきた植え替えテクの見せどころです!

次は家で今絶好調のユーカリを2種ご紹介します。

Eucalyptus robusta
fancybox記事106の画像4

家の環境がとにかく大好きなようで、
5月から一気に伸びて、今は70cmを超えています。
何も触っていないのに、脇芽まで勝手に生じています。

Eucalyptus melanophloia
fancybox記事106の画像5

当初は貧弱で他のユーカリに埋もれていましたが、
気温の上昇とともにスイッチが入ったようです。
毎日わかるほどに成長し、今は30cm近いです。
かなり湿潤を好む品種のようです。

次は、タスマニアの1000m級の高山生息種、
Eucalyptus vernicosaに手を出す予定です。
私のマニア魂はとどまるところを知りません(笑)

# by eucalyptus_k | 2010-09-02 02:28 | ユーカリ(栽培実績)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(0)
ブログ内記事検索
カテゴリ
ランダム掲載画像
おすすめユーカリ販売先

珍しいユーカリの宝庫です♪