不明品種の確定に成功!
こちらの記事で紹介していた
品種不明のユーカリですが、
今回やっと品種確定に成功しました!
色々と海外の栽培者にも見てもらって
以前結論が出たのがEucalyptus kitsonianaでしたが、
別途タネを買ってkitsonianaを育ててみたところ
明らかに葉の質感が違うので
これは絶対違うなあと困り果てていました。
そんなこんなで辛抱強く育ててみた結果、
この度、私が他に育てているユーカリと
全く同じであることがわかりました。
灯台元暗しとはこのことで、
そのユーカリだとは思ってもみなかったので、
全くチェックしていなかったのが盲点でした。
このユーカリ! Osakano_Jieさんと
daaasさんに過去プレゼントしたことがあります。
daaasさんにはcamphoraと言って渡し、
Osakano_Jieさんには
camphora → ovata → kitsonianaと
どんどん推測が変わっていく始末。。。
そもそも、この品種は
camphora名で購入したタネだったのですが。。。
Osakano_Jieさん、daaasさん、お待たせしました!
この最初camphoraと言ってお渡ししたユーカリは
Eucalyptus melanophloia
で間違いありません!!!
とても時間がかかりましたが、
確定できてとてもスッキリしました!- # by eucalyptus_k | 2012-07-20 19:17 | ユーカリ(品種知識)
越冬中のユーカリたち
ユーカリにはかなりの耐寒性があることを
ご存じない方が結構いらっしゃるようです。
特に日本でよく見かけるユーカリは
どれも耐寒性はなかなかのものです。
中でも、一番メジャーなgunniiは
ユーカリ中でもトップクラスの耐寒性を誇ります。
下記が日本でメジャーなユーカリの基本値です。
・Eucalyptus gunnii...-20℃
・Eucalyptus cinerea...-12℃以上
・Eucalyptus globulus...-8℃以上
・Eucalyptus pulverulenta...-14℃以上
・Eucalyptus bridgesiana...-10℃以上
・Eucalyptus Camphora...-14℃以上
・Eucalyptus Perriniana...-17℃以上
・Eucalyptus Polyanthemos...-7℃以上
・Corymbia Citriodora...-3℃以上
ご参考までにお願いします。
それでは家のユーカリたちの中で
比較的寒さには弱い品種の状況について
ご紹介したいと思います。
まず、日本での栽培ガイドなどでは
屋外越冬は無理と言われているレモンユーカリです。
家ではこれが越冬二年目です。
葉は思ったより傷みませんし、
寧ろあまり心配はしていない方です。
葉は少し散ることはありますが、
春にはまたワサッと新しい葉が出てきます。
こあら師匠のところでは、
葉が全部散ることもあるようですが、
問題なく春には完全復活するようです。
次に、レモンユーカリ並みと言われる
耐寒性の低いrudisです。
家の中では結構傷んでいる方ですが、
こんな感じであれば全然問題ありません。
耐寒性には自信のなさそうなmelanophloia、
家では最も激しく赤紫色に紅葉しています。
成長は11月ぐらいからピクリとも動きません。
それでも葉に枯れの出るようなことはありません。
これも耐寒性イマイチのgrandisです。
ただ葉は全部散っても枯れそうもないほど強健です。
先年は少し葉色が変わった程度でしたが
今年はより寒くなったために真っ赤になっています。
ただこの程度では葉が少し散るかもという程度です。
先日紹介したばかりのcamaldulensis、
見事なまでに真っ赤かになっています。
下葉は少し散りそうですが無問題です!
最も寒さに弱い部類に属するerythrocorys、
葉は明らかに霜焼けしていますが、
特に不健康そうには見えずに元気です。
これは一番寒くなった日に一度ヘタったので、
その日の夜だけは室内に一時的に避難しました。
今年は最低で-4~5℃はいったかと思いますが、
この程度の紅葉&葉痛みでは
全く心配するようなレベルではありません。
次に写真からもわかると思いますが
マンション12Fの寒風吹きっさらしの場所に置いた
比較的耐寒性の強い品種の状況です。
冬はやたらと風が強くなり、
寒波の来る日には常時風速10m以上の風が吹き荒れ、
マトモに立っていられないほどの風が吹くときもあります。
そんなときの体感温度を計算してみると、
-15℃くらいになっています。
耐寒温度-15℃にもなるdalrympleanaです。
色は変わっていますが、冬でも比較的水を欲します。
ところが夏はびっくりするほど暑さに弱いです。
冬は安心、夏は注意のユーカリの代表格です。
次に、耐寒温度-12℃程度のdelegatensis ssp. tasmaniensis、
とても綺麗な紫色の葉になっています。
葉の色は変わっていますが、葉痛みや枯れはゼロ!
真っ白になった茎がとても綺麗です。
これも夏は毎日ヘロヘロになるほど暑さに弱いです。
次は以外にも寒さに強く、家では丈夫な二種です。
寒風には弱いlehmannii、
寒風を浴びると葉がボロボロになってしまいます。
風さえ避ければ、この通り全く痛むことはありません。
albidaは西AZのユーカリの中ではかなり寒さに強いです。
この株は少し風を避けていますが、
吹きっさらしの場所に置いている株もかなり元気です。
最後に去年も紹介しましたが
冬に花を添えてくれる二種です。
この二種は夏には青々とした葉色をしているのですが、
冬になると真っ白な新芽が出て本当に綺麗です。
私の胸の高さを超えたtenuiramis、
もうすぐ私の背を超えそうなrisdonii
この二種が家では最も生育状態の良いユーカリになります。
今年も枯れたユーカリはゼロで
無事に越冬を完了できそうです- # by eucalyptus_k | 2012-03-02 20:34 | ユーカリ(栽培実績)
久々に品種未定のユーカリ
今まで品種の識別には色々ありました。
neglectaのタネを注文したのに、
発芽したのはcrenulataだったり。。。
cephalocarpaだと思って育てていたら、
実はfasciculosaだったり。。。
ずっとcamphoraだと思って育てていたのが
実は最近、kitsonianaだったと知ったり。。。
そして今回、accedensのタネに交じって
新しく育ったのが下記のユーカリです。
今わかっている一番重要な情報は
主に西AZのユーカリに多い
><型の双葉をしていたことと、
写真からはわかりにくいですが
茎が四角型であるということです。
これでユーカリ識別ソフトにかけて
識別してみることにしました。
出てきた中で、有力なのは4種類!
この中のどれかであることは間違いありません。
どれもNindethana seedに在庫がある品種なので
超レア品種というわけでもありません。
●Eucalyptus calycogona
●Eucalyptus celastroides
●Eucalyptus cneorifolia
●Eucalyptus gracilis
現在、幼苗の間の識別ではここまでが限界で、
この先は花や実や樹皮を見て識別するしかありません。
あとは実際にこの4品種を育ててみることです。
そうすれば、写真ではわからない違いが分かり、
明確な識別が可能になります。
実はこのうちの2種類、
calycogonaとgracilisについては
栽培を検討していたところだったので、
早速タネを取り寄せてみることにしました。
どちらも比較的低木なので
早期に低樹高での開花が見込めそうです。
特にcalycogonaはピンクの花が魅力的なので
ちょっと力を入れて育ててみたいと思います。
せっかく、久々にタネを購入する機会なので
下記の品種もついでに購入してみることにしました。
・Eucalyptus dolichorhyncha
・Eucalyptus nutans
・Eucalyptus youngiana
どれも低木での開花が見込める
少し面白そうなユーカリばかりです- # by eucalyptus_k | 2012-02-26 19:05 | ユーカリ(品種知識)
未だに識別できていないユーカリ
ユーカリをタネから育てていると、
違う品種のタネが紛れ込んでいて、
購入したユーカリとは全く違うユーカリが育つことがあります。
業者のタネの管理が悪いといえばそれまでですが、
あんな小さなユーカリのタネが、
少し紛れ込んだりするのは仕方のないことかもしれません。
購入したユーカリと別の品種が育つのは
ある意味少し得をした気分にもなります。
ところが、私のように品種で管理をしているマニアな栽培者や、
こあら師匠のように販売するために栽培されている方には、
ユーカリの品種が特定できずに困ることがあります。
私も数々の出自不明なユーカリたちを
ユーカリ識別ソフトと経験と
現地の栽培者との交流から何とか識別してきました。
cephalocarpaとされていた品種はfasciculosaでした。
neglectaとされていた品種はcrenulataでした。
その他にも色々ありました。。。
ところがcamphora名で購入したユーカリは
未だに完璧な識別ができていません。
Osakano_Jieさんや、daaazさんにも、
Eucalyptus camphoraとしてお配りしたユーカリです。
こちらが幼い時の写真
そしてこちらが現在1m程度まで育った状態の写真です。
ユーカリ識別ソフトや
現地のプロからの情報では90%近い確率で
Eucalyptus kitsoniana
ではないかということになっています。
現在、kitsonianaは別途育苗中です。
まだ数センチなので識別はできていません。
春を過ぎれば、恐らくわかってくることと思います。
このユーカリさえ、識別できてしまえば、
今育てているユーカリの中に、
出自不明なものは一つも存在しなくなります。- # by eucalyptus_k | 2012-01-09 19:30 | ユーカリ(品種知識)
冬のユーカリ管理 その1(室内管理は厳禁)
先日メールをいただいた方から
冬のユーカリ管理について書いてほしいと
ご要望があったので、書いてみたいと思います。
あくまでも私の環境と経験に基づいた内容ですので
ご自身の栽環境とは必ずしも当てはまらないので
そのあたりはご了承くださいね。
まず、寒くなって、考えること!
お家の中にいれよう!
これは絶対にダメです!!!
ユーカリの室内管理は
止めてください!!
私も数々のユーカリ栽培者の方と
メールでやり取りをしていますが、
冬季に室内管理をされた方は、
ほぼ全員が全滅させたと伺いました。
室内で植物を管理すると、
思った以上に余分な水分が用土内に残ります。
表面は乾いたように見えても、
内部にはまだまだ湿った部分がたくさんあり、
これがいつまで経っても乾かないのです。
また、風通しも悪いので、
悪質な菌類が発生することにもなります。
実は室内管理の成功データもいくつかありますが、
これは一部の湿潤を好むユーカリのみになります。
比較的、室内管理が容易なものとしては、
citriodora(レモンユーカリ)/gunnii/camphora
robusta/rudis/staigeriana
などがあげられると思います。
このうち、gunnii/camphoraなどは
かなりの耐寒性を持っていますから、
わざわざ室内で管理する必要はありません。
これ以外の特に西AZ出身のユーカリなどは
室内管理で起こる、用土内部の過湿に耐えきれず、
かなりの確率で枯れることになります。
私の知っている方はほとんど枯らせていますし、
私もうまく越冬させられる自信は全くありません。
枯らせたくない場合は
室内管理は厳禁と思ってください。
ただし、一部室内管理は可能ですし、
ある程度、有効な方法でもあります。
これはとても面倒なので
時間的余裕のある方だけにしてください。
その方法とは
昼は屋外に出し、夜は屋内に取り込む。
お店をされている人などは
面倒なく、日課としてできるかもしれませんね。- # by eucalyptus_k | 2011-11-08 19:37 | ユーカリ(栽培知識)