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西オーストラリアのユーカリ栽培のポイント

一般的に西AZのユーカリは
日本と環境が合わないため、
栽培が難しいと言われています。

確かに中には少しのミスで枯死につながるものや、
毎年同じ時期になると調子を崩すものがあり、
安心して放置できないものが多いです。

日本との大きな環境の差としては、

●絶対的な降雨量に差があること(日本の1/6程度)
●夏が乾燥し、冬が若干湿潤であるということ
●日本のような年単位での寒暖差より一日の寒暖差が大きいこと
●降雨による水分よりも地下水を吸っていること
●土壌の養分が日本と大きく異なること(日本よりも貧しい土壌)

などが挙げられるかと思います。

同じユーカリと言うことだけで、
日本でありふれたgunniiなどと
同じように栽培しているだけでは、
確かにうまくいかないこともあるでしょう。

ただ一部の難しい品種を除けば、
後はその栽培方法にさえ慣れてしまえば、
そこまで難しいものばかりではありません。

私が勝手に感じている範囲で
西AZのユーカリにはいくつかのグループがあります。
それによって若干栽培方法が変わってきます。

あくまでも我が家の栽培環境による判断ですが、
西AZのユーカリの栽培ポイントについて記します。
※あくまでも鉢植えでの管理のポイントです。

ただしあまりにも西AZのユーカリの管理に慣れ過ぎると、
植物=乾燥を好み、肥料はほぼ不要となってしまって、
私のようにパセリを枯らすことになるかもしれません。


1. 半砂漠地帯に生息する強乾燥を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
最も日本と環境の差のあるグループです。
大体、難しい品種というのは、
このグループに含まれるものが多いです。

とにかく用土の選定を間違えると
難易度がさらに驚異的に跳ね上がります。

またものによっては、梅雨時期などは
雨を避けた方が良いものもあります。

○乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○用土は最も乾燥力の強いものを選ぶ
○真夏はほぼ一日で用土が全乾きするくらいの配合が良い
○この配合で朝に一日一回の水遣りで夏を乗り切る
○終日直射日光に当てて育てる、半日陰は苦しい
○暑く日照が良く、風通しの良い場所に置く
○冬場はほぼ断水に近いほどの管理を行う(月1~2回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○荒れ地に生息しているため高pHや多肥を嫌う傾向にある
○肥料はリン酸分を嫌い鉄分や亜鉛などを多く必要とする。
○室内管理は論外

macrocarpa/rhodantha/kruseana/campaspe/woodwardii
youngiana/gamophylla/gongylocarpa/tetraptera など


2. 非常に乾燥した半砂漠地帯に生息する強乾燥を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリも、
最も日本と環境の差のあるグループです。
1のグループ程、激しい日光と高温を必要とはしませんが、
用土の乾燥力はさらに強化した方が良いものが多いです。

用土の選定を間違えると難しいところは同じですが、
日照よりも風通しに気を付ける必要があります。
高い空中湿度のある場所ではすぐに葉を散らせます。

多くの品種において、梅雨時期などは
雨を避けた方が良いものが多いです。

○乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○用土は最も乾燥力の強いものを選ぶ
○終日直射日光に当てて育てるのが良く、半日陰程度でもOK
○何よりも風通しの良い場所に置くことが重要
○ジメジメして人間が不快を感じるような高温多湿な場所を避ける
○梅雨時期の葉痛みはある程度の妥協が必要な場合もある
○夏場でもかなり水切れに耐えられるものが多い
○半日陰程度であれば夏場でも一週間程度持つものもある。
○冬場はほぼ断水に近いほどの管理を行う(月1~2回)
○冬場は底面吸水が良いが1ほどは気を使わない
○肥料は1ほど気を使わないが高pHや多肥は好まない。
○室内管理は論外

orbifolia/websteriana/gillii など


3. 平均的な西AZのユーカリに属するグループ(高温を好む)
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
平均的な西AZのユーカリ栽培方法で管理できる
最もスタンダードな品種です。

その中でも特に高温と日光を好み、
夏場に大きく成長を進めるものが多いです。

このグループのユーカリを入門編として
育てると良いと思います。

私のユーカリ栽培方法は
このグループのユーカリを最も中心に考えていて、
我が家でも調子の良い品種が多いです。

○育苗初期は乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○一度根をしっかり張ってからはある程度融通が効く
○用土はかなり乾燥力の強いものを選ぶ(粒状培養土系)
○根をしっかり張った後はそこそこ吸水量の激しいものもある
○終日直射日光に当てて育てるのが良い
○半日陰程度でも栽培は可能だが成長力はかなり悪くなる
○暑く日照が良く、風通しの良い場所に置く
○冬場はかなり乾燥気味の水遣りを行う(週1回~10日に1回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○肥料にはそこまでうるさいものは少ないが高pHは良くない。
○室内管理は論外

albida/pleurocarpa/extrica/dicipiens/torquata/torwood
caesia/forrestiana/pachyphylla/pluricaulis
salmonophloia/uncinata/dolichorhyncha など


4. 平均的な西AZのユーカリに属するグループ(穏やかな気候を好む)
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
平均的な西AZのユーカリ栽培方法で管理できる
最もスタンダードな品種です。

日光は特に好きな品種ですが、
どちらかというと涼しい季節に成長を進め、
盛夏にはあまり動きがなくなるものが多いです。

中にはあまりにも真夏の激しい日光を浴びると
少し葉焼けをするものもありますので、
半日陰強くらいでの管理が良いです。

その分、3よりも少し過湿に強いものが多いです。

このグループのユーカリも入門編として
育てると良いと思います。

私のように3のユーカリを基本に考えていると、
夏場は少し葉が汚くなることがあります。

○育苗初期は乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○一度根をしっかり張ってからはある程度融通が効く
○用土はかなり乾燥力の強いものを選ぶ(粒状培養土系)
○根をしっかり張った後はそこそこ吸水量の激しいものが多い
○春秋冬には終日直射日光に当てて育てるのが良い
○夏場は半日陰程度か少し遮光をした方が経過は良い
○風通しの良い場所に置くことは3に同じ
○冬場はかなり乾燥気味の水遣りを行う(週1回~10日に1回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○比較的高pHに対する耐性の高いものが多い
○室内管理は論外

lehmannii/macrandra/erythrocorys/urna/grossa
accedens/crucis/lane-poolei/leptopoda など


4. 冷涼湿潤でかなり穏やかな気候を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
冬も夏も非常に温暖且つ涼しく、
少しぬるま湯的な環境で育っているものが多いです。

平均的な西AZのユーカリ栽培方法よりも
少し湿潤を好み、過湿耐性はそこそこです。

ところが高温多湿な環境をとても嫌い、
高温多湿が過ぎると、葉が激しく傷んだり、
菌類系の病気に悩まされることが多いです。

日照は半日陰程度で十分なので、
できる限り風通しの良い涼しい場所で管理します。

どちらかというと涼しい季節に成長を進め、
盛夏にはほとんど動きがなくなるものが多いです。

冬場もそこまで耐寒性の強いものは少ないですが、
寒くてもそれなりに吸水の進むものが多いです。

私のように3のユーカリを基本に考えていると、
夏場は少し厄介なところもあるユーカリです。

○育苗初期は湿潤に管理しても生育は良好(育苗は楽)
○初期の育苗はなるべく涼しい季節を中心に行う
○用土は排水性の良いものを選ぶ(夏を乗り切るため)
○根をしっかり張った後は吸水量の激しいものが多い
○春秋冬には終日直射日光に当てて育てるのが良い
○夏場は半日陰程度か少し遮光をして育てる
○何よりも風通しの良い場所に置くことが重要
○ジメジメして人間が不快を感じるような高温多湿な場所を避ける
○冬場は東AZのユーカリと同じような水遣りでOK
○肥料はリン酸分を嫌い高pHでは障害の発生するものが多い
○一部厳冬期の日中や夜間限定の室内退避は可能

preissiana/pachyloma/nutans/platypus/vesiculosa など


5. 例外-1(rudis)
-------------------------------------------------------------------------------
高い空中湿度に対する耐性もあり、
暑さに対する耐性も高いので、
楽な東AZのユーカリと同様に育てられます。

西AZのユーカリではありますが、
ユーカリ全体でもかなり育てやすい部類になります。

湿地帯生息種のため相当の水食いですが、
そこまで水切れが早いということもありません。

特筆すべきポイントは、冬の寒さには特に弱いので、
小さな間は0℃以下にならない場所に
退避して管理することが大切です。
※成長後は-5℃程度でも耐えることができる。

日照も半日陰程度で育てられます。

また高pHに対する耐性も高く、
用土を酸性にする力が強いので、
アルカリ土壌の改良にも使用されるそうです。


5. 例外-2(moon lagoon)
-------------------------------------------------------------------------------
半日陰程度の日照でも育てられます。
また過湿に対してもかなり高い耐性を持っています。

かなりの水食いで水切れに気を付ける程ですが、
排水性の高い用土を好みますので、
ある程度乾燥気味に管理した方が生育は良好です。

特筆すべきポイントは
ユーカリには珍しく高pHと多肥を好みます。

肥料をたくさん与えないと生育が悪くなり、
与えれば与える程効果が表れてきます。


そして最後に総括です。

■用土
最も重要な要素の一つです。
この選定を間違えると難易度が跳ね上がったり、
根本的に栽培が不可能な場合があります。

置き場所や栽培環境により左右されますが、
下記が一般的にオススメの用土です。

○ゴールデン粒状培養土 観葉植物用などの粒状培養土
1や2などの強乾燥を好む品種では、
ここに鉄分が豊富な桐生砂、岡山土などや、
ゼオライト、日向土、軽石などを加えて乾燥力を強化する。

○自前でブレンドする場合
硬質赤玉土や硬質鹿沼土などをベースに使用するか
上記の岡山土や日向土などをベースに使用する。
赤玉土や鹿沼土は硬質のものを使用しないと
崩れて粘土化して逆効果になる。
※硬質と名の付くものは通常の2倍以上の価格がします。

○私のブレンド用土(参考)
硬質赤玉土...3
硬質鹿沼土...2
桐生砂...2
ゼオライト(クリノプチロライト系)...2
くん炭...1


■鉢
乾燥力の強いものが推奨です。
下からも乾燥が進むスリット鉢がオススメです。

陶器系のしゃれた鉢などはオススメできません。
また根張りを考えて縦に長いものが良いです。
テラコッタや素焼き鉢などもOKですが、
素材状菌類の繁殖が進みやすいようです。
※経験上経過がイマイチ

根が十分に張り切るまでは、
全体的に株に比べて少し小さめの鉢で栽培すると
格段に難易度が下がります。

この理由は単純に鉢が小さいと
用土量が少なくなるため、
根の行き届かない範囲の用土に
無駄な水分が残ることを防止できるからです。


■日照
一部の真夏の直射日光を避ける品種以外では、
在来の植物では信じられないほどに耐性があります。
特に葉の白い粉は日焼け防止の効果もあるので、
白みの強いものは激しい日光を好むものが多いです。

ユーカリはあくまでも樹木なので、
基本は花草よりも多くの日光を必要とします。

また日光は蒸散と吸水の少ない西AZのユーカリの
用土乾燥を促す効果もあります。

株だけではなく、鉢や用土にも良く日光を当てることで、
根の成長促進と乾燥力強化につながります。
これはかなり大きく成長に差の出るポイントです。


■風通し
全体的に風通しの良さは重要です。
特に東AZのユーカリと比べると大きく差の出るポイントです。

目安は気温自体は暑くても良いので、
人間が不快になるようなジメジメした空中湿度を避けます。
風が良く吹いて外でも涼しいなと感じる場所が良いです。

私がユーカリに適したような
湿度の低い国を訪れた際の経験談ですが、
気温が30℃以上あったとしても、
長袖の白い服を着ている方が涼しいのです。
このような湿度の低い環境がユーカリには最適になります。

また周囲に他の植物や壁などがない場所の方が
格段に風通しが良くなります。
ただし強風による転倒には注意が必要です。


■水分管理
西AZのユーカリ栽培を左右するとても重要なポイントですが
用土と日照、風通し次第では
そこまで気を使わなくて良くなります。

日本の多くの植物では用土表面が乾き始めたら
水遣りを行うという指標がありますが、
それでは少し多すぎるきらいがあります。

どちらかというと用土が中の中まで
ほぼ全乾きする寸前がベストな水遣りタイミングです。

このタイミングは本当に
置き場所や根の張り具合で大きく変わります。

例えば1のグループに属するmacrocarpaでも、
用土と鉢サイズが適切で真夏に直射日光下に置くことで、
ほぼ一日で完全に用土が乾くということになります。

逆に用土の保水性が高く、置き場所の日照が悪く、
根の張りも不十分である場合には、
真夏でも一週間経っても用土が一向に乾かないこともあります。

ユーカリ全般に言えることですが、
特に西AZのユーカリでは、
用土が良く乾き、良く水を与えるといったサイクル
最も健康な株を安定して育てられる要素になります。

そのためには先述した通り、
用土と日照、風通しがキーになってきます。


■肥料
良くあるマグァンプなどの肥料は
リン酸分が多くなっています。

日本の多くの肥料は花を綺麗に咲かせるものが多いので
自ずからリン酸分が多めに設定されています。

オーストラリアの土壌にはリン酸分が存在しないため、
ユーカリにはほとんど役に立ちません。
品種によっては害にさえなる程です。

基本的に商用栽培でもない限りは
肥料を全く与えなくても栽培は可能ですが、
成長期の液肥などはある程度の効果が見込めます。

その際にはリン酸分が少ない肥料や
微量要素(鉄分など)が多いものを選択します。

我が家では根菜用のカリウム分の多い肥料なども
相応に効果が出ていることを確認しています。

また石灰や化成肥料を与えすぎると、
土壌のpHが上がって、アルカリ寄りになります。
そうなると鉄分欠乏の症状が現れることがあります。

一部、高pHを好むユーカリもありますが、
基本ユーカリは弱酸性~酸性の用土を好みます。
肥料の与えすぎによる高pHには注意してください。


まずは入門編と言われている西AZのユーカリを育ててみて、
西AZのユーカリの育て方に慣れることが先決です。

西AZのユーカリは外観の面白いものや、
美しい花を咲かせるものが多いので、
是非とも育ててみてください!

# by eucalyptus_k | 2014-09-01 17:02 | ユーカリ(栽培知識)
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Eucalyptus platypus(プラティパス)の水切れ

先日、こちらの記事で、
植え替え情報を紹介したてだったplatypusですが、
油断していて、いきなり水切れを出してしまいました。

植え替えのしたてで根が安定していないこともあったでしょうが、
理由は完全に水切れで、私の不注意と油断が原因です。

気づいたのが早かったので、
全枯れ-枯死には至りませんでしたが、
大体1/3くらいの葉に枯れが出てしまいました。

先日、ご紹介した時の写真が下のもの、

fancybox記事318の画像1

そして今回、枯れた葉を取り除いたものが下の写真です。

fancybox記事318の画像2

fancybox記事318の画像3

多くのユーカリでは水切れ前に、
葉が犬の耳のように垂れ下がったりなど、
ある程度のサインがあります。

また、ユーカリの多くは乾燥耐性が強く、
水切れで、しな垂れても、
そこまで速攻で葉枯れが出ることは少ないです。

ところが今回のこのplatypusや、
他ではMoon Lagoonkruseanaなどのように、
カラッとした質感で葉の硬い品種では、
その水切れのサインが全くわからないことがあります。

そしてplatypusMoon Lagoonは、
比較的水が大好きなユーカリのため、水切れも早く、、
特にplatypusでは乾燥耐性が非常に低いようです。

この株は昼の11時ごろに確認したときには、
鉢の表面こそカラカラでしたが、
鉢底のスリットから見える土はまだ良く湿っていました。

もう一日耐えられるかなと、その日は水を与えず、
次の日、用事で水遣りが少し遅めになって、
13時ごろ確認したところ、既に水が切れて、
葉枯れが出ていたという状況です。

今回のように1/3もの葉を枯らせたのは初めてですが、
実は以前にも、同じplatypusで、
1/5~1/6程度の葉を水切れで枯らせたことが何度もあります。

かなりの水食いで、すぐに葉がしな垂れるユーカリは結構あります。
ところがこんなに急速に葉枯れが出るユーカリは珍しいです。

本当に、このplatypusは水切れに対して、
かなりシビアなユーカリであると思います。

ちなみに水切れで、
ギリギリ間に合った場合の葉の症状例です。

fancybox記事318の画像4

発見が遅くて全てがカリカリになった場合は別ですが、
写真のように葉の一部は瑞々しいのに、
一部が枯れているというような状態になります。

過湿で根がやられてしまった場合には、
このような枯れ方にはならず、
全体的にカリカリになって枯れていきます。

とりあえず新芽部分に
あまりダメージがなかったのが救いです。

fancybox記事318の画像5

ボリュームもかなり控えめになり、
下葉の色も少し悪くなってしまいましたが、
新芽部分はまだまだイキイキしているので、
これも経験!ということで次への糧にしていきます。

fancybox記事318の画像6

fancybox記事318の画像7

しかしこのplatypus
乾燥を好む西AZのユーカリの仲間のはずなのですが、、、
特に水切れで気をつけていく必要がありますね。

とりあえずこれからが成長期ですから、
気持ちを新たに、仕切り直しです!

# by eucalyptus_k | 2014-04-27 01:52 | ユーカリ(栽培実績)
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今日の植え替えはEucalyptus albida(アルビダ)

今日の植え替えは、学名に「白」の意味を持つ、
Eucalyptus albidaです!

fancybox記事317の画像1

このユーカリは当初、
知る人ぞ知るマイナーなユーカリでしたが、
最近は随分とメジャーになり、
ネット等でも良く見かけるようになりました。

ただ、依然育てるのが難しいというクレームが多いようで、
販売者を悩ませ続けているようです。

ただ個人的にはそこまで難しいユーカリではなく、
ポイントさえ分かってしまえば、
比較的強健で西AZのユーカリの中では楽な方です。

写真の株は既に樹高が80cm程度ありますが、
この植え替えまで、スリット鉢の5号ロングで育てていました。

この時点でやっとこさ根がパンパンで、
そろそろ植え替え時だったとも言えますが、
粘ればまだまだこの鉢でいけたという感じです。

一般的な植物の鉢植えから見ると、
この樹高で5号では少し鉢が小さいように感じますし、
実際に風の強いオープンスペースに置いていたら、
簡単に転倒してしまうような状態でした。

fancybox記事317の画像2

ところがここが一つ大きなポイントになります。

albidaはユーカリの中ではかなり乾燥を好み、
吸水量もかなり少ない部類に入ります。

そのため、用土が無駄に長期間湿っていると、
根張りがうまくいかずに、生育が著しく悪くなります。

そのためには、特に初心者の方は、
ワンサイズ以上小さな鉢で育てることと、
かなり乾燥力の高い用土で育てることが大切です。

結論としては、用土の質と鉢の大きさ(用土の量)、
そして日照と置き場所さえ間違わなければ、
放置でも楽に育てられるユーカリなのです!

とはいえ、普通の観葉植物とは大きく異なり、
そのようなalbidaの特性を知らない人が、
通常の植物と同じように育ててしまうと、
育てるのが難しいということになってしまいます。

日照は真夏でも終日直射日光が推奨ですし、
用土も通常の観葉植物用土では少しキツイです。

また、とても美しいユーカリですから、
多くの人は、大体少し大きめの
陶器製の美しい鉢に植え付けます。

陶器製の鉢が決して悪いわけではありませんが、
なるべく乾燥力の高い鉢の方が生育は良いです。

ただそこに通常の観葉植物用土を使用して、
大きめの鉢で一般的な頻度の水遣りを行ってしまうと、
さすがにalbidaの性質上、枯れることも多いでしょう。

要するに決して難しいわけではなく、
しっかりと特性を理解して、その性質に合わせた栽培を行えば、
albidaは普通に育てられる植物であるということです。

もっと難しいと言われる、macrocarpa/kruseanaなどでは、
特性を理解して、しっかりとそれに合わせて育てていても、
ちょっとした失敗でいきなり枯れることもありますので、
それに比べると、圧倒的に楽なユーカリです。

fancybox記事317の画像3

ただ、少し厄介なのは、
albidaのような性質の植物の栽培に慣れ過ぎると、
その他の湿潤を好むユーカリや、
一般的な在来の植物の栽培が全然合わなくなってきます。

長年このような乾燥好きなユーカリを育て続けていると、
植物は水が要らない、乾燥やガンガンの日光が好き、
肥料も土壌改良もほとんど要らない、
という固定概念が出来上がってしまうので、
私はお恥ずかしながら、今でもパセリを枯らせたりします

人間も個人個人で性質や価値観が全く違います。
それと同じで、植物にも個々の特性があるということです。

ただユーカリに関しては、このような情報が少なく、
私のようなマニアが実地で培っていくしかありません。

albida銀葉ユーカリの至高といっても間違いありません。
日本でも随分と手に入りやすくなっていますので、
是非とも育てていただきたいオススメのユーカリです!

# by eucalyptus_k | 2014-04-18 12:05 | ユーカリ(栽培実績)
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実家の庭の秋の開花レポート

最近どんどん寒くなってきて
ユーカリの手間もかからなくなってきました。

この季節は急に吸水量の減るユーカリが多いので、
過湿にならないように注意が必要な時期です。

ただ逆に私のようにマメ過ぎない方には
寧ろ安心できる季節になったと言えるかもしれません。

ユーカリは春に開花するものが多いですが、
その次に開花が多いのが秋になります。

今日は実家の庭で開花していたユーカリを
いくつかご紹介したいと思います。

まずkruseanaです。

fancybox記事301の画像1

このユーカリは一度開花に漕ぎつけると、
次年度からはバンバン開花する品種のようです。
最低では50cmくらいの低樹高でも花を咲かせます。

またその蕾と花の量はとても多く、
春~秋までシーズンを問わず花を咲かせ続けます。

fancybox記事301の画像2

太陽に良く当てると一見黄色にも見えますが、
ユーカリには珍しいライムグリーン色をしています。

fancybox記事301の画像3

下の写真はもう花が終わりかけですが、
このようにまとまって大量に咲くのも特徴です。

fancybox記事301の画像4


次にpulverulentaです。

鉢植えではそこまで花が咲きやすい品種ではありませんが、
これも一度開花させることができれば、
翌年も必ずたくさんの花を咲かせてくれるようです。

fancybox記事301の画像5

ユーカリの中ではとてもスタンダードな花です。


最後は一部開花しているものもありますが、
非常にたくさんのuncinataの蕾です。

fancybox記事301の画像6

gilliiにもとても良く似ていますが、
蕾のキャップがgillii程は尖っていません。
また葉も少し丸みを帯びています。

fancybox記事301の画像7

uncinataの開花は私の知るところでは初めてで、
非常に珍しい例です。
是非とも我が家のベランダでも
開花を実現させたいと意気込んでいます。

ちなみに我が家では、以前ご紹介したように
lehmannii/woodwardii/torwoodにも蕾が付いていますが、
これはヘタをすると今年中には難しそうです。

特にlehmanniiは今にも咲きそうな程に
蕾が大きくなっていますので、
来春になる場合は、うまく冬を乗り越えて欲しいものです。

# by eucalyptus_k | 2013-11-04 15:39 | ユーカリ(花と蕾)
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実家の庭の銀葉ユーカリ

前の記事に引き続きまして
実家の庭のユーカリのレポートです。

今日は銀葉の美しいユーカリについて
いくつか紹介していきたいと思います。

特に銀葉の美しいユーカリは
激しい日光を好む品種が多いです。

また日照が足らない場所で育てると
どうしても白銀色が上手く出ずに、
緑色の濃い葉色になってしまいます。

これらの銀葉のユーカリは
どれも人気のあるユーカリばかりですが、
白銀色を美しく出したい場合には、
終日、激しい直射日光の下で育てると良いです。

さて、まず元祖、銀丸葉ユーカリのcinereaです。

fancybox記事293の画像1

やっぱり定番なだけあってとても美しいです。
cinereaの白銀色の美しさは間違いなくトップクラス!

比較的冷涼な地域出身ではあるのですが、
暑さにもとても強く、真夏でもそこそこ元気に育ちます。
過湿にも強いので、初心者向けなのも良いですね。


次に銀世界ことpulverulentaです。

fancybox記事293の画像2

pulverulentaの春の新芽の美しさは、
cinereaと同等かそれ以上です。

ところがcinereaとは異なり、
葉が古くなってくると白銀の粉が落ちて、
比較的緑色の強い葉色に変わっていきます。

これは風などで葉がこすれて
時間の経過とともに粉がなくなっていくようです。

またcinereaよりも暑さには弱く、
あまり暑すぎるのは好きではないので、
夏はあまり目立って成長しなくなります。

そのため古い葉が多くなって、
夏場は比較的緑色が強くなりますが、
それでもかなり白い方です。

この夏場はあまり成長が進まず、
葉が緑色になりがちなユーカリとしては、
perriniana/risdonii/tenuiramisなどがあります。
どれもあまり暑さには強くないユーカリですね。


次は学名の意味がそのまま「白」である
最近人気沸騰中のalbidaです。

fancybox記事293の画像3

このユーカリは本当に白一色ですね。

激しい直射日光を必要として、
他のユーカリよりも少し難易度は高めですが、
その白さは間違いなくユーカリ中でトップでしょう。

夏の暑さにもとても強く、
春~夏場でも成長が進むユーカリなので、
葉はずっとこの白一色でひと際映えます。


次は花が咲きやすくて美しいgilliiです。

fancybox記事293の画像4

このユーカリは花の咲きやすさや
婦人病に効く精油成分が注目されがちですが、
その白さも実はユーカリ中トップクラスです。

白一色のalbidaとは少し異なり、
白に近い水色のような葉色になりますが、
albidacinereaにも十分匹敵する白さです。

過湿はあまり得意ではなく、
とても激しい直射日光と高温を好みますが、
albidakruseanaに比べると
かなり楽に育てることができます。
このgilliiも夏場に成長が進む方です。


次はまた少し違った銀葉のkruseanaです。

fancybox記事293の画像5

kruseanaalbidaのような白というよりは
白みがかったエメラルドグリーンの葉色をしています。

本当に美しいエメラルドグリーンの葉に
そのままワックスを塗ったかのような感じで
この葉の面白さは他のユーカリには見られません。

樹高も低く、花がとても咲きやすく、
花はライムグリーンという珍しい色をしていますが、
とても激しい直射日光と排水性や風通しの良さなど、
色々と育てるのには骨が折れます。

ベランダの方では、上手く育てるのに必死ですが、
実家の庭ではすこぶる調子が良いです。
ポイントは強烈な排水性と日光と高温ですね。

とても過湿を嫌うので、
ベランダの方では夏でも底面吸水のみにしています。


そして先日紹介されたばかりのurnigeraです。

fancybox記事293の画像6

gunnii良く似ていますが、
gunniiよりも白が強くなり、
グレイや水色に近い葉色になります。

このユーカリは準高山や冷涼地のユーカリの癖に、
暑さにもなかなか強く、とても激しい日光を必要とします。

この実家の庭のurnigeraは、
とても生育が良く、
goniocalyx並みの大葉になっています。

とにかく日光にしっかりと当てることで、
美しい葉色と安定した成長力を確保できます。
日照さえよければとても楽に育てられます。


そして最後は、melanophloiaです。

このmelanophloiaは我が家のベランダでは
日照不足のため、とても鮮やかな
緑葉の映えるユーカリに育っていますが
本来は銀葉の美しいユーカリの一つです。

fancybox記事293の画像7

どちらかというと新芽が白く、
下の葉になるほど青くなるケースが多いのですが、
melanophloiaでは新芽は薄い緑色をしており、
下の葉になるほど白みが強くなっています。

fancybox記事293の画像8

葉の質感はツルっとした光沢のある葉に
粉をふったような感じで、
こちらで紹介しているgamophyllaに良く似ています。

melanophloia自体はとても育てやすいユーカリで、
過湿にもとても強く、耐陰性もそこそこあるのですが、
日照が足りない場合には、このような美しい銀葉にはなりません。

こちらのユーカリ紹介を見ていただくとわかりますが、
銀葉の美しいユーカリとは思えない外観に育ちます。

初心者でも非常に楽に育てられるmelanophloiaですが、
美しい葉色を出したい場合には、
激しい直射日光の下で育ててください。

元来、沖縄のような高温多湿な環境を好むので、
過湿よりも寧ろ水切れに気を付ける必要のあるユーカリです。

他にもpleurocarpaaccedensなど、
銀葉の美しいユーカリはたくさんありますので、
またの機会に是非ともレポートしたいと思います。

# by eucalyptus_k | 2013-08-01 13:49 | ユーカリ(栽培実績)
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