月別の記事表示
月 
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
             

今年も咲いた!ユーカリ・ウッドワーディー(woodwardii)

先年からたくさんの蕾を付けていたwoodwardiiですが
こちらも開花しているのを発見しました。

fancybox記事395の画像1

fancybox記事395の画像2

少し発見するのが遅れてしまい
満開の盛りを過ぎてしまっていますが、
先端にもう少し蕾の束が残っているので、
もう一回くらい綺麗な写真が撮れるかもしれません。

fancybox記事395の画像3

woodwardiiはここのところ、
たくさん蕾を付けてくれるのですが、
何度も書かせていただいた通り、
このユーカリはとても脆いところがあります。

少しでも手が当たったり、引っ掻けたりすると、
結構簡単に葉や蕾がポロッと取れてしまいます。

花季は大体ミモザアカシアと同じ今時分ですが、
蕾自体はかなり早く、先年の初夏くらいから付き出すので、
冬の突風や春の強風に気を使います。

なかなかデリケートなユーカリですが、
香りも良く、花も葉も美しいので、
個人的にはオススメなユーカリです

# by eucalyptus_k | 2017-03-17 01:33 | ユーカリ(花と蕾)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(0)

ユーカリ・ウッドワーディー(woodwardii)の開花

以前から何度も蕾が付いた
という記事をアップしてきましたが
そのたびにうまく冬を越すことができずに
全ての蕾が落ちてしまっていた
Eucalyptus woodwardiiが遂に開花しました!

fancybox記事388の画像1

fancybox記事388の画像2

fancybox記事388の画像3

fancybox記事388の画像4

fancybox記事388の画像5

英名がLemon-flowered Gumとなっているので、
鮮やかな濃い黄色の花を想像していましたが、
開花したての頃はkruseanaの花にも似た
若干ライムグリーンがかった黄色をしていました。

そこから開花して日数が経つごとに
少しだけ黄色みが増してきて、
最終的には薄黄色の綺麗な花になりました。

fancybox記事388の画像6

fancybox記事388の画像7

今までに花が咲いたユーカリの中では
そのサイズはかなり大きい方で、
torwoodtorquataの花よりもまだ大きく、
開花数も多いので非常に存在感があります。

fancybox記事388の画像8

fancybox記事388の画像9

woodwardiiはユーカリの中でも
極めて白みの強い品種のため、
白い茎や葉と黄色い花のコンビネーションは抜群です!

fancybox記事388の画像10

fancybox記事388の画像11

今回花の咲いた株は樹高120cm程ですが
真っ直ぐに育たずに激しくうねっています。

低木のMallee型ですから、
なかなか思い通りの樹形にはなってくれません。
また、茎や葉が非常い柔らかく折れやすいので、
強引な矯正がしにくいユーカリです。

少し支柱を通そうとしただけで、
茎や葉を折ってしまったり、
蕾を落としてしまうこともありました。

またこの柔らかさから強風にも非常に弱く、
マンション高層階特有の暴風も
蕾を落としてしまう要因の一つでした。

ところが今回、開花実現までの経験から考えて
新たにもう一つの要因である
水分が少なすぎた可能性を実感しています。

woodwardiiは過湿を嫌い、
かなり乾燥を好むユーカリではありますが、
蕾が付き始めた頃からは、
少し多めに水を与えた方がその後の経過が良さそうです。
※それでもかなり乾燥気味な方ですが。

この株は蕾自体は毎年付けてくれているので、
この教訓を活かして、
毎年の早春の楽しみになればと思っています。

fancybox記事388の画像12

fancybox記事388の画像13

macrocarpakruseana程ではありませんが、
woodwardiiは決して栽培難易度が楽な方ではなく、
特に根が非常にデリケートで、
底が深い鉢で育てるのとそうでないのとでは、
パフォーマンスに大きな差が出ます。

特に長期間底の浅いポット苗で育てていると、
非常に経過が悪くなる傾向があり、
根が非常に細く長く伸びるので、
スリットポットやスリット鉢の使用が推奨です。

woodwardiiは、少し育て方に癖のあるユーカリですが、
この黄色い花は一見の価値あり!です。

また意外にも非常に香りの強いユーカリで、
落ちた葉などを軽く指で揉むと強く香り、
指が精油でベトベトになるくらいです。
またその香りもアロマチックで魅力的です。

元々日本では手に入らないユーカリでしたが、
今は販売している農場もあります。

興味のある方はぜひ育ててみてください

これから開花ラッシュになるでしょうか?
忙しくも楽しいシーズンが到来しました。

fancybox記事388の画像14

fancybox記事388の画像15

fancybox記事388の画像16

# by eucalyptus_k | 2016-03-25 19:15 | ユーカリ(花と蕾)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(2)

年始のユーカリの蕾たち

あけましておめでとうございます。
本年も当ブログをよろしくお願いします。

多忙と体調不良につき、
なかなかブログの更新ができずにいましたが、
何とかユーカリの写真を撮ることができました。

年始早々のネタは
寒さの中でも健気な蕾たちです。


まずは今最も注目株、
黄色い花が特徴woodwardiiの蕾です。

fancybox記事384の画像1

我が家では毎年蕾はできるのですが、
開花に至ったことは一度もありませんでした。

寒い中でもすでに開き始めてしまっている蕾がありますが、
これから厳冬期を迎えることになるので、
これは残念ながらちゃんと開花できないと思います。

いくつかは何とか無事に冬を越して、
暖かくなってからしっかりと開花して欲しいものです。


次に昨年初めて開花してくれた
decipiens ssp. adesmophloiaの蕾です。

fancybox記事384の画像2

株自体は病気がちで調子が良いとは言えませんが、
とにかくたくさんの蕾が付いてくれるので、
春までに無事に開花できる蕾が残ってくれると思います。


同じくdecipiensの亜種、
decipiens ssp. chalaraの蕾です。

fancybox記事384の画像3

これはわずか60cm程度の苗ですが、
今回初めて蕾を付けてくれました。

株自体の調子は非常に良いのですが、
まだ付いた蕾の数が少なく、
いくつか取れてしまっているものもあります。

何とか春まで乗り切って、
初めての開花実績を残したいものです。


我が家には原種を含めて三種のdecipiensがありますが、
その中で最も大きくて調子が良いのが、
原種のdecipiens ssp. decipiensです。

ところが最も大きく育っている原種に
蕾が付いたことは一度もなく、
なかなか付きそうな感じもありません。

亜種間の性質の違いかもしれませんが、
成長が順調過ぎると
花が咲きにくいように思っています。


次は人気品種、白銀のハートリーフが美しい
orbifoliaの蕾です。

fancybox記事384の画像4

orbifoliaは今までに何度も蕾が付いていましたが、
かなり早い段階で全ての蕾がダメになっていました。

今回は今までに見たことが無いくらいに
大きく成長していますので、
無事に冬を越すことができれば、
早春には開花してくれるものと思います。

ただすでにかなりの数の蕾が取れてしまっていて、
これも僅かに残った蕾の一つなので、
今までのように落ちてしまわないかとても心配です。

比較的大きく、美しい花が咲くので、
個人的にはかなり楽しみにしています。


最後はとても珍しい品種に蕾が付きました。
奇妙で特徴的な花を付けるforrestianaです。

fancybox記事384の画像5

これはたまたま見つけたもので、
まだ花芽が出たという段階だと思われます。

開花に至るにはまだまだ時間がかかりますし、
たくさんの障害があると思います。

でもそれを乗り越えて、
是非とも面白い花を見たいと思っています。


我が家には二株のforrestianaがあります。

一つは非常に調子が悪く病気がちです。
そしてもう一つはすこぶる調子が良いです。

今回蕾が付いたのは前者の調子の悪い方の株です。

我が家では調子の悪い株から蕾が付いていくので、
調子が悪くなり、生命の危機を感じると
子孫を残そうとして蕾を付けるという説は、
正しいのではないかと思わされます。

病気がちでも蕾が付いてくれるのは嬉しいのですが、
急に調子を崩して、蕾が一気にダメになることが多いので、
期待を裏切られることが多いのが玉にきずです。

# by eucalyptus_k | 2016-01-05 19:05 | ユーカリ(花と蕾)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(0)

ユーカリ栽培で厳禁なコト その2(用土・鉢・肥料)

毎月たくさんのお問い合わせをいただきます。
その多くは栽培知識に関することであったり、
調子の悪いユーカリの改善策についてです。

ユーカリは栽培の難しい植物と言われることがあります。
確かに日本とは大きく気候の異なる
オーストラリアの植物なので、
若干癖のある部分もあると思います。

ただ大きく分けて3つのポイントにさえ気を付ければ、
特に難しい植物ではなく、その他の在来の植物でも
もっと難しいものはたくさんあると思います。

ただこの3つのポイントを抑えていないと、
なかなかうまくいかないことが多いです。

これからユーカリの栽培を始める方や、
ユーカリの栽培に苦戦している方は
この3つのポイントをチェックしてみてください。


2. 用土・鉢・肥料
--------------------------------------------------------
この中で特に用土・鉢という部分は
品種によって問うもの問わないものがあります。

例えばcamphora/robustaといったような
湿地帯に生息している品種、
rudis/grandisといったような
完全に水没した土壌でも生息可能な品種、
nitens/cypellocarpaといったような
日本よりも雨量の多い地域に生息する品種では、
特に用土も鉢も問わずに栽培が可能です。

ところが主に西オーストラリアのユーカリや
半砂漠地帯などの乾燥した環境のユーカリでは、
用土や鉢というのはとても重要な要素になります。

ただ前回の記事の「日照と風通し」
十分に満たされている場合には、
用土や鉢が多少合わなくても、
比較的楽にに育てることができる場合もあります。


●用土
----------------------------------
まず用土ですが、多くの品種では

花と野菜の土の使用は厳禁

通常の観葉植物用土では保水性が高すぎる

という結果が出ています。

ただ用土をオリジナルでブレンドするには
ある程度の知識が必要になりますので、
良く分からない方には
観葉植物用の粒状培養土をオススメしています。

この粒状培養土はベストではありませんが、
ヘタなブレンドを行うよりは遥かにベターです。

用土と言うものは環境にも左右されますので
何をブレンドすれば良いかは一概には言えませんが、
参考までに私のブレンド用土を公開させていただきます。

fancybox記事381の画像1

硬質赤玉土(中粒):3割
手で潰せない固さのものを使用します。
通常の赤玉土はすぐに崩れて微塵になり、
保水性が上がってしまうので、
使用する場合は少量に留めた方が良いです。
砂漠品種の場合は大粒でも良い実績があります。
この部分を先日ご紹介いただいた
赤ボラ石などで代用するのもありでしょう。
人によっては焼赤玉土や
セラミスを使用している方もいらっしゃいます。

硬質鹿沼土(中粒~大粒):2割
手で潰せない固さのものを使用します。
この部分を日向土や軽石、先日ご紹介いただいた
赤ボラ石などで代用するのもありでしょう。

桐生砂:1~2割
鉄分豊富な桐生砂を選択しています。
この部分を川砂などで代用しても良いでしょうし、
上記の鹿沼土の部分でカバーしても良いと思います。

ゼオライト:2割
良く100均などで見かけるモルデナイトではなく、
ミネラル質豊富なクリノプチロライトを使用しています。
この部分は私的な拘りもありますので、
通常のゼオライトやパーライトで代用しても
省いてしまってもOKでしょう。

くん炭:1割
根腐れ防止効果やその他の利点を踏まえて
微量を配合することにしています。
この辺りは個人的な拘りの範囲です。

ピートモス:1割
これはユーカリの性質によって、
多量に配合する場合、全く配合しない場合があります。
保水性を調整する部分であると考えてください。
好みで腐葉土を配合するのもありでしょうが、
私はマンションなのでコバエの発生等を抑えるため、
腐葉土、堆肥は一切使用しないことにしています。


ちなみにこの用土は非常に乾きやすい用土です。
実家の庭のような終日直射日光の当たる場所では
真夏は確実に1日で用土がカラカラになり、
春秋でも暖かい日には1日で乾いてしまいます。

ただそのような環境でも
macrocarpakruseanaでは上々の結果が出ています。

gunniicinereaを育てる場合には
ピートモスの部分をもっと増やした方が良いでしょう。

ただし半日陰の環境で育てる場合には、
gunniiなどのユーカリでも非常に良い結果が出ています。

理想は真夏は2日以上、春秋冬は1週間以上、
水分を残さない用土がベストだと思っています。

ご自身の栽培環境に合わせて、
適切な用土を使用してください。

市販されているものでは、
粒状培養土の他にオリーブの土なども実績があります。

ただし先述した通り、亜熱帯のユーカリや
湿地帯生息種ではほとんど用土は問いません。

ただしあまりに過湿過ぎると
暑い夏場に根が蒸し状態になってしまいますので、
過湿に強い品種であっても、
夏場の暑い時間の水遣りは避けた方が良いです。

これはユーカリだけでなく、
在来の植物でも同様に言えることではあります。


植物の栽培を行う人には
用土は拘るべきだという人と、
用土はコストを抑える部分だという人がいます。

私は現在は後者に位置するでしょうが、
本質的には無駄なコストは抑えたいと常々思っています。

当初、結構用土はケチっていたのですが、
ケチることで弊害が生じて、
高いコストをかけているユーカリのタネや苗を
無駄にしてしまうくらいなら、
用土などを含めてできる限りベストな環境を構築した方が
遥かに総合的なコストに無駄がないことが分かりました。

今はせっかく育てた苗が枯れてしまうことは
コストも時間も無駄にして、私的にも悲しいので、
無駄なくケチらないようにしています。

例えば硬質用土は比較的高価なので、
以前は通常の安価な用土をミックスしたり、
ポット等も安価なポリポットを使用していましたが、
今は硬質用土には一切妥協せずに、
安価な赤玉土等の使用は一切行わず、
苗育成にも全てスリットポットを使用するようにしています。


●鉢
----------------------------------
基本情報としては下記の通りです。

■ 幅のある鉢より高さのある長鉢の方が経過が良い
■ 素焼きや陶器よりもプラスチック製が好ましい
■ 多くの品種ではスリット鉢の使用を推奨
■ 乾燥を好む品種ではワンサイズ小さな鉢を使用


色々と実験を行いましたが、
ユーカリでは盆栽皿のような幅広の鉢よりも
高さのある長鉢の方が圧倒的に経過が良いです。

これはユーカリが直根性の植物で
根を真っ直ぐに伸ばす性質に合っているからです。

一部woodwardiiなどこの根を真っ直ぐに伸ばせる
鉢の選択にうるさい品種などもありますが、
多くの品種では特に高さの低いもの以外であれば、
通常の高さの鉢で問題ありません。

実際に長鉢は転倒しやすいというリスクもあります。


鉢の素材ですがプラスチックがベターです。
これは乾きやすく、清潔に保てるという利点があることと、
目立った欠点がないことが大きな利点になっています。

素焼き鉢は乾燥が進みやすいという利点がありますが、
鉢表面の小さな穴がカビなどの温床となり、
根腐れや病気を誘発しやすいという情報もあります。

実際に何度か使用したことがありますが、
逆に用土全体の乾燥が進み過ぎたこともあり、
あまり経過は良くありませんでした。

陶器の鉢は水分が籠りやすく、
過湿になりやすいという欠点があります。
またデザイン重視のものが多いので、
これも過湿になりやすい要因になります。


そこでオススメなのがスリット鉢です。

参考記事:
スリット鉢は素晴らしい!!! その1
スリット鉢は素晴らしい!!! その2

スリット鉢は非常に乾燥が進みやすいため、
湿潤を好む品種などで賛否両論がありますが、
やはり大型樹木のユーカリでは、
根のサークリングを防止できるという効果が大きいです。

何年も育てていると良く分かりますが、
ユーカリの根張りは激しく、
通常の鉢では、短期間の内に根が飽和状態となります。

またユーカリの多くは
根を真っ直ぐに長く伸ばす性質があるので、
非常にサークリングが起こりやすいです。

サークリングの大きな弊害として、
根が鉢底部でサークリングを起こして、
吸水用の細根が底部に集中します。

すると鉢の底部は水切れを起こしているのに、
鉢の上部はまだ湿っているということが起き、
水切れを起こしているにも関わらず、
同時に根腐れを起こすということが起こります。

これはポリポットなどで
長期間苗を育てることでも良く起こります。

正直この症状は鉢を替えること以外に対処法が無く、
長期間の栽培の大きな障害となるため、
スリット鉢の使用はとても良い結果につながります。

またサークリングを防止することで
根が中心部に集まって正常に生育していくので、
根の飽和が起こりにくく、幹も太りやすくなります。

実際に我が家では、わずかスリット5号で150cm以上、
スリットの6号で3mにまで成長が進んでも、
根の飽和が限界に達することはありません。

ただしこのような場合、わずか6号の鉢に
2m以上の樹高の株が植わっているので転倒は必至です。
転倒に対しての対策が必要になるでしょう。


ワンサイズ小さな鉢で育てるという方法は
非常に水分管理にうるさい半砂漠地帯の品種や
水分管理にあまり自信のない初心者の方にオススメな方法です。

これは実際に鉢サイズ云々が重要なのではなく、
用土量を少なめで栽培することができるため、
過湿を避けて、健全な根の育成が可能になる部分が重要になります。

鉢をワンサイズ小さくすることで、
日照や風通し、用土の水分管理の難しさを
大幅に軽減できることになります。

globulusgrandisといったような
湿潤を好み、大型で根張りの激しい品種では
ワンサイズ小さめの鉢で育てる利点は全くありません。

このワンサイズ小さめの鉢で育てる方法は
主に西AZのユーカリの低樹高時の栽培に効果的です。

どうしても用土の選択がうまくいかず、
水分管理が上手にできない初心者の方で
ユーカリを何度も枯らせてしまう人には
ワンサイズさらにはツーサイズ小さな鉢で育てることで、
非常に良い結果が出ているとご報告をいただいています。

ただしこの方法は根のサークリングを防ぐ
スリット鉢で行う必要があります。

この方法を行うことで過湿は避けられても、
更なるサークリングを引き起こす可能性がありますので、
できる限りスリット鉢で行うことが推奨となります。

主な西AZの品種での目安ですが、
5号で樹高100~120cmまで、
6号で2mまでというのが理想でしょうか。

水分管理に慣れてきたら、
通常の鉢サイズでも問題なく育てられますし、
根が十分に張り切った株ではあまり心配はいらなくなります。

主には低樹高時の根の生育に
高い効果を上げることのできる方法といえます。

ワンサイズ小さな鉢で育てると
植え替えの回数が増加するのではという心配がありますが、
西AZの乾燥を好む品種は成長速度も遅く、
同時に根の成長速度も緩慢なので、
そこまで頻繁に植え替えを要することはありません。

結論として鉢の選択は
用土の選択と密接に関わっています。
用土の問題を鉢でカバーするという感じです。


●肥料とpH
----------------------------------
ハーブ草木や野菜を育てていると
肥料の問題は切っても切れない問題です。

ところがユーカリを育てていると
肥料の知識がちっとも育ちません。

極論としてユーカリの多くは

全く肥料を与えなくても栽培可能です。


肥料を与えたとしても
ハーブ草木のように目に見えた効果は出ませんが、
それでも全くないというわけではありません。

西AZのユーカリの多くは多肥を嫌うものが多く、
一部では特にリン酸分を嫌うものがあります。

ただそこまで養分にうるさいものは
日本では滅多に手に入らないレアな品種になります。

肥料を与える場合は成長期の液肥、
通年での化成肥料の置肥が有効です。

液肥については特に問いませんが
拘るのであれば窒素やカリの多い、
観葉植物用や野菜用が効果的です。

成熟期の成長促進には窒素系が、
生育初期の根の成長促進にはカリ系が有効です。

その他にオーストラリアの土壌には
鉄分・亜鉛・マグネシウムなどの微量要素が豊富なため、
このような微量要素の補給も有効です。

ただあまりに肥料に拘り過ぎると多肥となり、
肥料にはアルカリ性のものが多いため、
用土のpHを上げてしまうことになります。

pHが高くなりすぎてしまうと、
鉄分欠乏症の症状が出ることがあります。


間違った情報でネット上などに

ユーカリは高pHを好むとありますが

結論としてこれは間違いです!

ユーカリの多くは弱酸性~酸性よりの用土を好みます。
一部のユーカリではアルカリ耐性の高いものもあります。

主に南AZや西AZ沿岸部の石灰岩地帯に生息するユーカリは
比較的高いアルカリ耐性を有しています。

ただあくまでもアルカリ耐性があるというだけで、
アルカリ性の土壌を好むというわけではありません。

現在私の育てている範囲で
たった1種類だけ例外があります。

Eucalyptus moon lagoonというユーカリです。

moon lagoonのみアルカリ寄りの土壌を好み、
比較的多肥を好みます。

ただ所詮好むという程度なので、
特に無理にpHの操作は不要ですし、
他よりも少し肥料を多めに与える程度でOKです。

経験上、あまり多肥にし過ぎると
間延びして、開花が遅れるという結果が出ています。

moon lagoonは通常かなり成長の遅いユーカリですが、
多肥にすることでかなりその成長速度を上げることができます。

ユーカリの好む弱酸性~酸性とはどういう用土かというと、
通常の赤玉土や鹿沼石などがそのpHなので、
特に石灰などを加えずにそのまま用土を使用すればOKです。

私も数年間同じ用土で栽培を続けて、
何か調子悪そうだなあとふと思った時に
少し苦土石灰を加えることがある程度です。

結論として肥料の重要度は低いです。
効果は相応にありますが、
肥料に注目しすぎることによる
多肥の弊害の方が遥かに大きいです。

あまり肥料には固執せずに、
全く与えなくても栽培可能なことを覚えておいて、
たまのご褒美程度に与えるのが良いです。


用土・鉢・肥料という要素は
一般的にとても注目されやすい要素です。

ただあくまでも最も重要なのは日照と風通しです。
まずはこの部分で最善を尽くせるようにしてください。

正直日照と風通しがベストな栽培者は
皆ユーカリなんて簡単だ!
eucalyptus_kは拘り過ぎだと言います。

実際に日照と風通しはそれほど大きな要素です。

ところが私は住居の関係上、
日照と風通しをベストに完備することができなかったため、
この用土・鉢で工夫せざるを得なかったのです。

日照と風通しが十分ではない場所で栽培する際には
この用土・鉢・肥料の情報を
是非とも参考にしていただければと思います。

# by eucalyptus_k | 2015-10-08 19:28 | ユーカリ(栽培知識)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(2)

今度こそ!ウッドワーディー(woodwardii)の蕾

今までwoodwardiiには何度も蕾ができており、
その度にご紹介をさせていただいています。

ところが管理に問題があるのか、
それとも気候が合わないのか、
元々折れやすく軟いwoodwardiiだからか、
多くの場合、マンション高層階特有の暴風で
開花までに蕾が落ちてしまっていました。

開花までに時間がかかりすぎの傾向があったので、
元々開花には至らない蕾が落ちただけなのかもしれません。


今回もまたwoodwardiiに蕾が付きました。
以前までとは比べ物にならない程のたくさんの蕾です。

fancybox記事376の画像1

fancybox記事376の画像2

今回は蕾ができてから育っていく速度がとても早いです。

今までにできて落ちてしまった蕾は
大概が夏~秋にできて、
冬を超えられずに落ちてしまうか、
春一番の強風で落ちてしまっていました。

文献によるとwoodwardiiの開花は
主に秋口になるようなので、
今年の秋までに間に合うでしょうか?

こちらの記事に詳しく載せていますが、
woodwardiiなどの特に乾燥を好み
過湿を嫌うユーカリについて、
今まで少し水が少なすぎた可能性がありました。

もしかするとそれが原因で、
蕾が開花に至らなかった可能性も考えられます。

今年は過湿にならないギリギリのラインで、
macrocarpaなどと同様に
woodwardiiでも潅水量を増やしています。

現在、macrocarparhodanthaなどの
潅水量を増やしたユーカリについて、
成長の進み具合と調子はびっくりする程に上々です。

果たしてこの結果が吉と出るでしょうか?

fancybox記事376の画像3

fancybox記事376の画像4

秋までに間に合えば、
今度こそ開花してくれるかもしれません。

# by eucalyptus_k | 2015-07-29 00:27 | ユーカリ(花と蕾)
↑PageTop
Trackback(0) |  Comments(0)
ブログ内記事検索
カテゴリ
ランダム掲載画像
おすすめユーカリ販売先

珍しいユーカリの宝庫です♪