やっと動いた新芽!
ユーカリ中でも屈指の美しさを持ちますが、
栽培難易度も屈指の難しさといわれる
macrocarpaというユーカリがあります。
そしてその矮性種に
macrocarpa ssp. elachantha
というユーカリがあります。
さらにこのmacrocarpaの類似種の丸葉種に
rhodanthaというユーカリがあります。
これらのユーカリは非常に強烈な日光と
びっくりするような暑さと土中温度、
用土の強い乾燥力を必要とするユーカリで、
正直我が家の半日陰のベランダでは、
栽培に限界があると思われるユーカリです。
またこのユーカリの栽培に
チャレンジしている有志が他に何名かいるのですが、
今のところ、まだベストな栽培方法を
確立できたとは言い難い状況です。
我が家にも樹高90cm近いmacrocarpaと
樹高120cm近いmacrocarpa ssp. elachantha、
樹高50cmで横に拡がったrhodanthaがあります。
どれも我が家ではかなり大きな
7号スリット鉢に植わっていますが、
根はしっかりと張っており、
鉢底のスリットからは根が見えています。
パッと見は決して悪い状態には見えないのですが、
約2年間、三者ともピクリとも動かず、
1ミリたりとも成長が進みませんでした。
まるで時が止まっているかのような感じです。
元々かなりデリケートなユーカリたちで、
ほんの少しの管理ミスで枯れてしまうこともあるので、
昨年まではあまり思い切った実験はできませんでした。
ただこのまま何年も動きがないのは困るので、
今年は色々と改善案を実行してみようと思っていました。
まず私はこれらのユーカリが
過湿に非常に弱いことを良く知っていますし、
どのくらいの過湿で枯れてしまうのかも経験済みなので、
過湿が原因でないことはわかっています。
もし過湿が原因である場合は、
根の張りが進むことはありえません。
ここで考えられることといえば、
肥料分が不足していることか、
逆に水が足りなさすぎることくらいでした。
よってこの二つに対して、
対策を実行することにしました。
内容は下記の通りです。
------------------------------------------------------------
1. 成長期に入ってから適宜液肥を与える
2. 最高気温が25℃を超えるようになってから、
用土の表面とスリットから見える用土が乾いたタイミングで、
しっかりとたっぷり用土表面から水を与える。
------------------------------------------------------------
1についてはさほどのリスクはありません。
気を付けることといえば、リン酸分の与えすぎと、
用土のpHに大きな変化が起きないようにするだけなので、
要するに肥料を与えすぎないようにすれば良いだけです。
2については、まだ根の張り切っていないこれらの品種の場合、
ヘタをすると過湿になってしまう可能性のある水分量です。
最悪毎日観察すれば、枯死は避けられるでしょうが、
元々動きの全くない株に大きなダメージを与えてしまう可能性もあります。
でも、このまま全く動きが無ければ、
古い葉はどんどんと汚くなっていき、
いつかは散ってしまうことになります。
思い切って上記をしっかりと実行することにしました。
・・・
その結果!
全ての株で約2年ぶりに動きがありました!
まずmacrocarpa、
株の上部二か所から新芽が生じて、
株元のRigno-tuberからも新芽が出だしました。
そしてrhodantha、
これは株元のRigno-tuberから
たくさんの元気な新芽が出だしました。
真ん中の色褪せた葉が古い葉で
両サイドの鮮やかな葉が新芽です。
最も大きな動きがあったのが
macrocarpa ssp. elachanthaです。
二か所で大きな新芽が発生して、
かなりのスピードで成長が進んでいます。
肥料が結果に結びついたと思われるでしょう。
でも実は昨年までも肥料を、
全く与えていなかったわけではありませんでした。
マメな液肥は確かに成長に拍車をかけたでしょうが、
恐らく2の「水を与えなさすぎた」が一番の要因のように思います。
何故かというと、この新芽が出だしてから、
試しに昔通りの少ない水遣りに戻してみました。
すると新芽がたちまちヘタってしまったのです。
元々これらのユーカリは乾燥耐性が非常に高く、
特にしっかりと育った硬い葉は、
少々水が切れたくらいでは、びくともしません。
ところがまだ柔らかい新芽はすぐに水切れの症状が出るわけです。
新芽がヘタっているということは、
生存可能な水分量は何とか確保できているが、
成長を進めるための水分量は確保できていなかったと考えられます。
新芽のヘタり具合を見るに、
昨年までの水遣りに1.5~2倍程度追加で水を与えれば
成長が進むことが分かりました。
私は今までに日照の悪いベランダで、
過湿に悩まされ続けてきました。
そのため、とにかく乾燥力を上げる工夫と、
水切れギリギリで育てることで、日照の悪い場所でも
根張りが良くなる工夫を実践してきました。
この工夫はまだ根の張り切っていない
初期の状態の株には非常に有効でした。
ところが今回、しっかりと根の張り切った
勢力旺盛な株を成長させるためには、
さらに水が必要であったことに気づきました。
その他の根張りの良い品種についても、
もう少し水遣り頻度を増やしてみたところ、
変な新芽の枯れが少なくなってきたように思います。
ただ、それでもこちらの記事のgamophyllaのように、
油断すると過湿で枯らせてしまうこともあるので、
本当に水分管理は難しいですね。
まだまだ精進あるのみです。
でも本当に動きがあって良かったです
最後に液肥のおこぼれと水分量の増加で
新芽の成長が旺盛になったユーカリたちです。
※これらの品種は毎年動きがあります。
gongyrocarpaです。
毎年冬に傷んだ葉をほとんど散らせて、
春以降に激しく新芽を吹きます。
そのため、あまり最高樹高が変わりません。
今年は液肥が効いたか!
例年以上に勢力旺盛なcordataです!- # by eucalyptus_k | 2015-07-13 18:26 | ユーカリ(栽培知識)
冬の水遣りのミス
先日は雪だるまが作れるほどの大雪になりました。
ところが雪によるユーカリへの影響は
全くといっていい程ありませんでした。
我が家では雪よりも遥かに厄介なのが、
寒波による寒風の暴風です。
この暴風により、枝葉が折れたり、
鉢が転倒して割れたりと散々です。
またせっかく付いた蕾や新芽が
風によって煽られて、取れてしまったり、
暴風による用土凍結で用土が細粒化したり、
厄介なことは尽きません。
風による転倒や枝の折れは
ある程度は致し方ありませんが、
用土凍結や過湿+寒風による痛みは、
人為的ミスによる部分もあります。
これはmacrandraというユーカリです。
葉がかなり傷んで枯れているのがわかります。
元々株が小さいこともありますが、
macrandraは寒風に弱いユーカリです。
ところがここまで傷んでしまったのは、
私による人為的なミスが原因です。
写真を見ていただくと、用土が湿っているのがわかります。
macrandraは厳冬期に鉢の表面から水遣りをすると、
傷んで枯れてしまうこともありますが、
きちんと天候をチェックして、水遣りを制限して、
乾燥気味に管理をすれば、
ここまで傷むこともなかったでしょう。
要するに、朝方晴れていて、暖かくて、
久々に少し多めに水を遣ってみると、
昼過ぎから急に曇りだして、寒くなり、
翌日は寒波が訪れるといったケースが鬼門です。
このようなミスを避けるためには、
ある程度、天気予報をチェックする必要があります。
次の例も典型的な人為的ミスです。
これはgongylocarpaというユーカリです。
下葉がかなり傷んで枯れかかっています。
典型的な冬季過湿の症状です。
こちらが全体図で下葉だけが
見事に傷んでいるのがわかります。
このような葉は春までに
散ってしまう可能性が高いです。
gongylocarpaは決して寒さに弱いユーカリではなく、
かなり乾燥気味に管理をすれば
大阪の冬は余裕で越せます。
ところがミスを犯してしまいました。
通常ですとgongylocarpaには、
冬季は絶対に用土表面から水を与えません。
ところが、別のユーカリに水を与えている時に
誤ってgongylocarpaにも
たっぷりと水をかけてしまったのです。
そしてその翌日にこの冬一番の寒波が訪れました。
嘘のようですが、このgongylocarpaは
私がミスを犯すほんの数日前までは、
何度も寒波の影響を受けながら、
下葉まで綺麗で真っ白な美しい葉をしていました。
ところが一度ミスっただけで、
その翌日に不運にも寒波が訪れただけで、
ここまで一気に下葉がやられてしまいました。
gongylocarpaは比較的難易度の高いユーカリですが、
いくつかの難しいと言われるユーカリは、
このようにたった一度のミスで痛みが出ることがあります。
このあたりが我儘で難しいという所以になります。
これが最も長い枝の先の状態です。
この部分は最も高い位置にあるので、
もっとも寒風の当たる場所になるわけですが、
このように紅葉もしないくらいに綺麗です。
このgongylocarpaはまだ下葉のダメージだけで済み、
葉先には全くダメージがなく、セーフですが、
ミスに気づかずにさらに水を与え続けてしまうと、
この葉先も下葉と同じように傷んでボロボロになります。
現在も用土はかなり湿っていて、
さらに痛みが進む可能性はあります。
恐らくもう、この株には春になるまで
水遣りは一切不要になると思います。
いくら時間をかけて気をつけていても、
150鉢近くもあると、どうしてもミスを犯してしまい、
悔しい思いをしてしまうことがあります。
今後も気を引き締めて頑張っていきたいと思います。
極めて寒さに弱いと言われている品種でも、
しっかりと乾燥気味に管理できている株は、
年末の寒波や大雪の影響を受けても元気です。
これは巷の園芸店では
3℃以上で管理すべしと言われている、
まだ葉に毛の生えているレモンユーカリです。
まあ少し葉に霜焼けの症状は出ていますが、
この程度であれば散ることもなく、
春には元に戻るでしょう。
我が家では初年度から
レモンユーカリは完全屋外管理ですが、
年々寒さには強くなっている感じがします。
後ろに見えている丸い葉のrudisも
極めて寒さに弱いユーカリで、
場合によってはレモンユーカリよりも傷みますが、
成長が激しいので春以降にすぐに復活してくれます。
そしてこれも寒さに弱いと言われる
decipiens ssp. decipiensです。
樹高が高く、樹勢が強いこともありますが、
傷むというよりは紅葉している感じで、
恐ろしく寒い場所に置いているにも関わらず、
全く心配無用な状態です。
ちなみにこのdecipiensは、
樹高が1mを越えていますが、
冬になってから、
ほぼ水遣りという水遣りは行っていません。
忘れたころに鉢底のスリットから
チョロっと水をかける程度です。
後ろに見える蕾の付いたtorquataも
激乾燥管理で痛みなし、元気です。
暴風に煽られても蕾は無事でした。
まだまだ春の足音は聞こえてきませんが、
これからもミスなく冬を乗り越えたいものです。- # by eucalyptus_k | 2015-01-05 17:50 | ユーカリ(栽培知識)
西オーストラリアのユーカリ栽培のポイント
一般的に西AZのユーカリは
日本と環境が合わないため、
栽培が難しいと言われています。
確かに中には少しのミスで枯死につながるものや、
毎年同じ時期になると調子を崩すものがあり、
安心して放置できないものが多いです。
日本との大きな環境の差としては、
●絶対的な降雨量に差があること(日本の1/6程度)
●夏が乾燥し、冬が若干湿潤であるということ
●日本のような年単位での寒暖差より一日の寒暖差が大きいこと
●降雨による水分よりも地下水を吸っていること
●土壌の養分が日本と大きく異なること(日本よりも貧しい土壌)
などが挙げられるかと思います。
同じユーカリと言うことだけで、
日本でありふれたgunniiなどと
同じように栽培しているだけでは、
確かにうまくいかないこともあるでしょう。
ただ一部の難しい品種を除けば、
後はその栽培方法にさえ慣れてしまえば、
そこまで難しいものばかりではありません。
私が勝手に感じている範囲で
西AZのユーカリにはいくつかのグループがあります。
それによって若干栽培方法が変わってきます。
あくまでも我が家の栽培環境による判断ですが、
西AZのユーカリの栽培ポイントについて記します。
※あくまでも鉢植えでの管理のポイントです。
ただしあまりにも西AZのユーカリの管理に慣れ過ぎると、
植物=乾燥を好み、肥料はほぼ不要となってしまって、
私のようにパセリを枯らすことになるかもしれません。
1. 半砂漠地帯に生息する強乾燥を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
最も日本と環境の差のあるグループです。
大体、難しい品種というのは、
このグループに含まれるものが多いです。
とにかく用土の選定を間違えると
難易度がさらに驚異的に跳ね上がります。
またものによっては、梅雨時期などは
雨を避けた方が良いものもあります。
○乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○用土は最も乾燥力の強いものを選ぶ
○真夏はほぼ一日で用土が全乾きするくらいの配合が良い
○この配合で朝に一日一回の水遣りで夏を乗り切る
○終日直射日光に当てて育てる、半日陰は苦しい
○暑く日照が良く、風通しの良い場所に置く
○冬場はほぼ断水に近いほどの管理を行う(月1~2回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○荒れ地に生息しているため高pHや多肥を嫌う傾向にある
○肥料はリン酸分を嫌い鉄分や亜鉛などを多く必要とする。
○室内管理は論外
macrocarpa/rhodantha/kruseana/campaspe/woodwardii
youngiana/gamophylla/gongylocarpa/tetraptera など
2. 非常に乾燥した半砂漠地帯に生息する強乾燥を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリも、
最も日本と環境の差のあるグループです。
1のグループ程、激しい日光と高温を必要とはしませんが、
用土の乾燥力はさらに強化した方が良いものが多いです。
用土の選定を間違えると難しいところは同じですが、
日照よりも風通しに気を付ける必要があります。
高い空中湿度のある場所ではすぐに葉を散らせます。
多くの品種において、梅雨時期などは
雨を避けた方が良いものが多いです。
○乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○用土は最も乾燥力の強いものを選ぶ
○終日直射日光に当てて育てるのが良く、半日陰程度でもOK
○何よりも風通しの良い場所に置くことが重要
○ジメジメして人間が不快を感じるような高温多湿な場所を避ける
○梅雨時期の葉痛みはある程度の妥協が必要な場合もある
○夏場でもかなり水切れに耐えられるものが多い
○半日陰程度であれば夏場でも一週間程度持つものもある。
○冬場はほぼ断水に近いほどの管理を行う(月1~2回)
○冬場は底面吸水が良いが1ほどは気を使わない
○肥料は1ほど気を使わないが高pHや多肥は好まない。
○室内管理は論外
orbifolia/websteriana/gillii など
3. 平均的な西AZのユーカリに属するグループ(高温を好む)
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
平均的な西AZのユーカリ栽培方法で管理できる
最もスタンダードな品種です。
その中でも特に高温と日光を好み、
夏場に大きく成長を進めるものが多いです。
このグループのユーカリを入門編として
育てると良いと思います。
私のユーカリ栽培方法は
このグループのユーカリを最も中心に考えていて、
我が家でも調子の良い品種が多いです。
○育苗初期は乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○一度根をしっかり張ってからはある程度融通が効く
○用土はかなり乾燥力の強いものを選ぶ(粒状培養土系)
○根をしっかり張った後はそこそこ吸水量の激しいものもある
○終日直射日光に当てて育てるのが良い
○半日陰程度でも栽培は可能だが成長力はかなり悪くなる
○暑く日照が良く、風通しの良い場所に置く
○冬場はかなり乾燥気味の水遣りを行う(週1回~10日に1回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○肥料にはそこまでうるさいものは少ないが高pHは良くない。
○室内管理は論外
albida/pleurocarpa/extrica/dicipiens/torquata/torwood
caesia/forrestiana/pachyphylla/pluricaulis
salmonophloia/uncinata/dolichorhyncha など
4. 平均的な西AZのユーカリに属するグループ(穏やかな気候を好む)
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
平均的な西AZのユーカリ栽培方法で管理できる
最もスタンダードな品種です。
日光は特に好きな品種ですが、
どちらかというと涼しい季節に成長を進め、
盛夏にはあまり動きがなくなるものが多いです。
中にはあまりにも真夏の激しい日光を浴びると
少し葉焼けをするものもありますので、
半日陰強くらいでの管理が良いです。
その分、3よりも少し過湿に強いものが多いです。
このグループのユーカリも入門編として
育てると良いと思います。
私のように3のユーカリを基本に考えていると、
夏場は少し葉が汚くなることがあります。
○育苗初期は乾燥力を強化するため少し小さめの鉢で育てる
○一度根をしっかり張ってからはある程度融通が効く
○用土はかなり乾燥力の強いものを選ぶ(粒状培養土系)
○根をしっかり張った後はそこそこ吸水量の激しいものが多い
○春秋冬には終日直射日光に当てて育てるのが良い
○夏場は半日陰程度か少し遮光をした方が経過は良い
○風通しの良い場所に置くことは3に同じ
○冬場はかなり乾燥気味の水遣りを行う(週1回~10日に1回)
○置き場所にもよるが気温が20℃を切る頃からは底面吸水が良い
○比較的高pHに対する耐性の高いものが多い
○室内管理は論外
lehmannii/macrandra/erythrocorys/urna/grossa
accedens/crucis/lane-poolei/leptopoda など
4. 冷涼湿潤でかなり穏やかな気候を好むグループ
-------------------------------------------------------------------------------
このグループのユーカリは、
冬も夏も非常に温暖且つ涼しく、
少しぬるま湯的な環境で育っているものが多いです。
平均的な西AZのユーカリ栽培方法よりも
少し湿潤を好み、過湿耐性はそこそこです。
ところが高温多湿な環境をとても嫌い、
高温多湿が過ぎると、葉が激しく傷んだり、
菌類系の病気に悩まされることが多いです。
日照は半日陰程度で十分なので、
できる限り風通しの良い涼しい場所で管理します。
どちらかというと涼しい季節に成長を進め、
盛夏にはほとんど動きがなくなるものが多いです。
冬場もそこまで耐寒性の強いものは少ないですが、
寒くてもそれなりに吸水の進むものが多いです。
私のように3のユーカリを基本に考えていると、
夏場は少し厄介なところもあるユーカリです。
○育苗初期は湿潤に管理しても生育は良好(育苗は楽)
○初期の育苗はなるべく涼しい季節を中心に行う
○用土は排水性の良いものを選ぶ(夏を乗り切るため)
○根をしっかり張った後は吸水量の激しいものが多い
○春秋冬には終日直射日光に当てて育てるのが良い
○夏場は半日陰程度か少し遮光をして育てる
○何よりも風通しの良い場所に置くことが重要
○ジメジメして人間が不快を感じるような高温多湿な場所を避ける
○冬場は東AZのユーカリと同じような水遣りでOK
○肥料はリン酸分を嫌い高pHでは障害の発生するものが多い
○一部厳冬期の日中や夜間限定の室内退避は可能
preissiana/pachyloma/nutans/platypus/vesiculosa など
5. 例外-1(rudis)
-------------------------------------------------------------------------------
高い空中湿度に対する耐性もあり、
暑さに対する耐性も高いので、
楽な東AZのユーカリと同様に育てられます。
西AZのユーカリではありますが、
ユーカリ全体でもかなり育てやすい部類になります。
湿地帯生息種のため相当の水食いですが、
そこまで水切れが早いということもありません。
特筆すべきポイントは、冬の寒さには特に弱いので、
小さな間は0℃以下にならない場所に
退避して管理することが大切です。
※成長後は-5℃程度でも耐えることができる。
日照も半日陰程度で育てられます。
また高pHに対する耐性も高く、
用土を酸性にする力が強いので、
アルカリ土壌の改良にも使用されるそうです。
5. 例外-2(moon lagoon)
-------------------------------------------------------------------------------
半日陰程度の日照でも育てられます。
また過湿に対してもかなり高い耐性を持っています。
かなりの水食いで水切れに気を付ける程ですが、
排水性の高い用土を好みますので、
ある程度乾燥気味に管理した方が生育は良好です。
特筆すべきポイントは
ユーカリには珍しく高pHと多肥を好みます。
肥料をたくさん与えないと生育が悪くなり、
与えれば与える程効果が表れてきます。
そして最後に総括です。
■用土
最も重要な要素の一つです。
この選定を間違えると難易度が跳ね上がったり、
根本的に栽培が不可能な場合があります。
置き場所や栽培環境により左右されますが、
下記が一般的にオススメの用土です。
○ゴールデン粒状培養土 観葉植物用などの粒状培養土
1や2などの強乾燥を好む品種では、
ここに鉄分が豊富な桐生砂、岡山土などや、
ゼオライト、日向土、軽石などを加えて乾燥力を強化する。
○自前でブレンドする場合
硬質赤玉土や硬質鹿沼土などをベースに使用するか
上記の岡山土や日向土などをベースに使用する。
赤玉土や鹿沼土は硬質のものを使用しないと
崩れて粘土化して逆効果になる。
※硬質と名の付くものは通常の2倍以上の価格がします。
○私のブレンド用土(参考)
硬質赤玉土...3
硬質鹿沼土...2
桐生砂...2
ゼオライト(クリノプチロライト系)...2
くん炭...1
■鉢
乾燥力の強いものが推奨です。
下からも乾燥が進むスリット鉢がオススメです。
陶器系のしゃれた鉢などはオススメできません。
また根張りを考えて縦に長いものが良いです。
テラコッタや素焼き鉢などもOKですが、
素材状菌類の繁殖が進みやすいようです。
※経験上経過がイマイチ
根が十分に張り切るまでは、
全体的に株に比べて少し小さめの鉢で栽培すると
格段に難易度が下がります。
この理由は単純に鉢が小さいと
用土量が少なくなるため、
根の行き届かない範囲の用土に
無駄な水分が残ることを防止できるからです。
■日照
一部の真夏の直射日光を避ける品種以外では、
在来の植物では信じられないほどに耐性があります。
特に葉の白い粉は日焼け防止の効果もあるので、
白みの強いものは激しい日光を好むものが多いです。
ユーカリはあくまでも樹木なので、
基本は花草よりも多くの日光を必要とします。
また日光は蒸散と吸水の少ない西AZのユーカリの
用土乾燥を促す効果もあります。
株だけではなく、鉢や用土にも良く日光を当てることで、
根の成長促進と乾燥力強化につながります。
これはかなり大きく成長に差の出るポイントです。
■風通し
全体的に風通しの良さは重要です。
特に東AZのユーカリと比べると大きく差の出るポイントです。
目安は気温自体は暑くても良いので、
人間が不快になるようなジメジメした空中湿度を避けます。
風が良く吹いて外でも涼しいなと感じる場所が良いです。
私がユーカリに適したような
湿度の低い国を訪れた際の経験談ですが、
気温が30℃以上あったとしても、
長袖の白い服を着ている方が涼しいのです。
このような湿度の低い環境がユーカリには最適になります。
また周囲に他の植物や壁などがない場所の方が
格段に風通しが良くなります。
ただし強風による転倒には注意が必要です。
■水分管理
西AZのユーカリ栽培を左右するとても重要なポイントですが
用土と日照、風通し次第では
そこまで気を使わなくて良くなります。
日本の多くの植物では用土表面が乾き始めたら
水遣りを行うという指標がありますが、
それでは少し多すぎるきらいがあります。
どちらかというと用土が中の中まで
ほぼ全乾きする寸前がベストな水遣りタイミングです。
このタイミングは本当に
置き場所や根の張り具合で大きく変わります。
例えば1のグループに属するmacrocarpaでも、
用土と鉢サイズが適切で真夏に直射日光下に置くことで、
ほぼ一日で完全に用土が乾くということになります。
逆に用土の保水性が高く、置き場所の日照が悪く、
根の張りも不十分である場合には、
真夏でも一週間経っても用土が一向に乾かないこともあります。
ユーカリ全般に言えることですが、
特に西AZのユーカリでは、
用土が良く乾き、良く水を与えるといったサイクルが
最も健康な株を安定して育てられる要素になります。
そのためには先述した通り、
用土と日照、風通しがキーになってきます。
■肥料
良くあるマグァンプなどの肥料は
リン酸分が多くなっています。
日本の多くの肥料は花を綺麗に咲かせるものが多いので
自ずからリン酸分が多めに設定されています。
オーストラリアの土壌にはリン酸分が存在しないため、
ユーカリにはほとんど役に立ちません。
品種によっては害にさえなる程です。
基本的に商用栽培でもない限りは
肥料を全く与えなくても栽培は可能ですが、
成長期の液肥などはある程度の効果が見込めます。
その際にはリン酸分が少ない肥料や
微量要素(鉄分など)が多いものを選択します。
我が家では根菜用のカリウム分の多い肥料なども
相応に効果が出ていることを確認しています。
また石灰や化成肥料を与えすぎると、
土壌のpHが上がって、アルカリ寄りになります。
そうなると鉄分欠乏の症状が現れることがあります。
一部、高pHを好むユーカリもありますが、
基本ユーカリは弱酸性~酸性の用土を好みます。
肥料の与えすぎによる高pHには注意してください。
まずは入門編と言われている西AZのユーカリを育ててみて、
西AZのユーカリの育て方に慣れることが先決です。
西AZのユーカリは外観の面白いものや、
美しい花を咲かせるものが多いので、
是非とも育ててみてください!- # by eucalyptus_k | 2014-09-01 17:02 | ユーカリ(栽培知識)
【ユーカリ紹介-60】
ユーカリ・ゴンギロカルパ (Eucalyptus gongylocarpa)続きまして第60回目は
白銀逆ハート葉に毛が生えているという
他にはない外観を持っている
砂漠出身の美しい超マイナーユーカリ
ユーカリ・ゴンギロカルパです。
◎ユーカリ・ゴンギロカルパ
【学名:Eucalyptus gongylocarpa】
【英名:Marble Gum / Baarla】
このgongylocarpaは、非常にマイナーなユーカリです。
恐らく日本で育てているのは私くらいでしょうし、
タネを手に入れるのも少し困難なくらい
現地でも希少なユーカリです。
元々名前さえも知らないユーカリでしたが、
ユーカリ図鑑ソフトをパラパラ見ているときに
その特徴的な外観に目を奪われて、
育ててみることになった次第です。
gongylocarpaの外観は、率直に、
銀葉逆ハート葉を持つcordataの葉に
激しく毛を生やしたような感じです。
他に銀葉で毛の生えているユーカリと言えば、
pleurocarpaがあるかと思いますが、
pleurocarpaはごく初期に毛が生えているだけで、
毛の生えているときには銀葉ではなく、
緑色の強い葉色をしています。
ところが、gongylocarpaは、
かなり大きくなって、細葉の末葉が出るまでの間は、
この白銀色の毛の生えた葉をキープします。
私の調べた限りでは、銀葉で且つ
毛の生えている葉を持つといえるユーカリは、
このgongylocarpaだけだと思います。
そのような経緯から、gongylocarpaは、
他にはない、とても珍しい外観を持つ
珍しいユーカリだと言えます。
ユーカリを100種類以上も見てきた私ですが、
gongylocarpaはとても特徴的で美しい外観をしており、
かなりお気に入りなユーカリの一つです。
もちろん葉だけでなく、その茎も
とても激しく毛が生えており、
白く粉を吹いていて美しいです。
また新芽も毛玉のように激しく毛が生えており、
純白に輝く美しさを持っています。
ユーカリをこのブログでいくつか見ている方であれば、
恐らくgongylocarpaは、低木Malleeなのではないか
と思われるのではないでしょうか?
私も初めはそのように思っていました。
gongylocarpaがもし低木品種であるなら、
結局その珍しい葉も、
早い段階で末葉に変わる可能性があります。
ところが意外にも、gongylocarpaは、
16m前後と比較的大型樹木に育つ品種なのです。
そのため、鉢植えや低樹高で管理する場合には、
その特徴的な葉を長い間キープすることができます。
gongylocarpaのメインの生息地は、
西AZ内陸部の半砂漠地帯で、
macrocarpaやrhodanthaなどと同じような地域です。
ところが、西AZだけではなく、
ノーザンテリトリー南部のエアーズロックの近辺や、
サウスオーストラリア州の内陸部の半砂漠地帯など、
その他にも多数生息地が存在しています。
ただし、いずれも地下水は豊富ですが、
かなり砂漠に近い地域に生息しているため、
相当に乾燥を好むユーカリだと言えます。
非常に名前も特徴的なgongylocarpaですが、
その名前の由来は蕾や実の形状から来ています。
gongyloはボールのような形、
carpaは実という意味になりますので、
「ボールのような形の実」という意味になります。
その名の通り、丸い純白の蕾と、
本当にボールのように真ん丸な実をしています。
ただし、先述した通り、
そこそこの樹高にまで育つ品種のため、
開花させて、その特徴的な実の形状を見るためには、
相応の大きさにまで育てる必要があるかもしれません。
名前については、他にBaarlaという
アボリジニ名も持っているようです。
こんな特徴的で美しいgongylocarpaの育て方についてですが、
非常に乾燥を好む性質と過湿を嫌う性質を持っており、
栽培難易度は簡単と言えるレベルではありません。
私も当初から、かなり我儘そうだなと考えて、
たくさんタネを播いて、少し多めに苗を確保する予定でしたが、
上手く育ったのは、この一株だけでした。
この株も、梅雨時期にかなり傷んで、
少し危なくなったことさえありました。
そこで、さらに潅水量を制限して、
より乾燥気味に育てた結果、
ようやく写真のように育ちました。
macrocarpaほどデリケートではありませんが、
基本的には同じような管理が推奨です。
このgongylocarpaの美しい葉ですが、
触ってみると、ビックリするほど柔らかいです
そのため、風などによって何かにぶつけられたりすると、
すぐに葉が傷んで、そこから枯れが生じます。
macrocarpaのように水分管理をミスると
いきなり枯れてしまうといったようなことはありませんが、
過湿は即、葉痛みに結び付きます。
その他では、湿気が籠る場所などで育てて、
空中湿度が上がると、葉が汚くなることもあります。
とにかく、gongylocarpaは、
綺麗な葉をキープして育てるのが、
なかなかに難しいユーカリだといえます。
葉が柔らかいことが原因かもしれませんが、
うどんこ病にも非常に弱い品種です。
macrocarpaなどと同様に、
激しい直射日光にふんだんに当てることと、
強乾燥の用土で育てることが大切です。
日光については、間違いなく
最高レベルの日光を必要とする部類です。
半日陰での管理は少し難しいでしょう。
gongylocarpaは、激しく粉を吹いていますので、
日本の夏の日光程度では、
葉焼けするようなことは一切ありません。
ある程度の大きさにさえなってしまえば、
余程のことがない限り、
いきなり枯れるようなことはないでしょうが、
葉を綺麗に保ちながら育てるためには、
湿気の籠らない、風通しの良い場所で育てることと、
梅雨時期などは、雨のかからない場所に
一時的に退避させる必要があるかもしれません。
また、夏もmacrocarpaほどは水を吸わず、
成長もかなり控えめな品種ですから、
少し小さめの鉢で育てる方が都合が良いかと思います。
成長力は大型になる割にはかなり控えめです。
恐らく日本ではあまり環境が合わないのでしょう。
高温と乾燥という環境を準備できるのであれば、
それなりの成長力を発揮してくれるかもしれません。
成長のメインの時期は、
梅雨明け後のかなり暑くなってからで、
涼しい季節にはあまり大きな動きはありません。
冬はその他の西AZのユーカリと同じように
断水に近い管理を行う必要があります。
ところが、冬の経過はなかなか良好で、
macrocarpaのように驚異的なデリケートさはありません。
ちょうど冬の管理はpleurocarpaと似たような感じです。
その他のユーカリに比べると、圧倒的に水は吸いませんが、
西AZのユーカリの中では冬も水を欲する方なので、
放置しすぎての水切れには注意が必要になります。
梅雨時期などは、少し注意が必要ですが、
冬の管理は西AZのユーカリの中では比較的楽な方です。
気になるgongylocarpaの耐寒性ですが、
この外観を見ると、いかにも寒さに弱そうです。
ところが、今年の冬の経過を見ていると、
なかなかの耐寒性を備えているように感じました。
gongylocarpaは我が家のベランダでも
トップクラスに寒風の直撃を受け、
強風吹きっ晒しの場所に置いています。
これは一か八かの賭けでもありましたが、
何よりも湿気が籠るとすぐに葉が汚くなるので、
寒くても日光と風通しが確保できる場所に
置いておきたいと思ったからです。
その結果、新芽は紫色に激しく紅葉していますが、
目だった葉痛みはほとんどありません。
恐らく、macrocarpaやalbidaなどと同じく、
-8℃くらいまでは耐えられるものと思います。
この結果には正直少しびっくりしています。
gongylocarpaは、西AZのユーカリの中では、
albidaなどと同じように、
冬の管理が比較的楽な品種です。
ただし葉が柔らかいユーカリですので、
あまりにも幼い苗の場合は、
少しだけ防寒対策をした方が良いかもしれません。
gongylocarpaの香りについてですが、
シネオールベースのスッとした香りに
少し甘みが加わったような中々に良い香りです。
香り自体は強いとも弱いとも言えないレベルで、
cinereaなどとほぼ同程度の強さです。
香りの質自体もcinerea/cordataなどに良く似ています。
毛の生えているユーカリは、
指で葉を軽くこすると良く香るものが多く、
gongylocarpaも指で軽く葉をこすっただけで
非常に良く香ります。
ただ、先述した通り、
gongylocarpaは葉がとても柔らかいので、
あまり強くこすり過ぎると、
そこから傷むので注意が必要です。
成長した葉をリースなどに使用する場合には、
十分に香りを楽しむユーカリとしても通用します。
白銀色に毛の生えた葉という
他にはない特徴をもったgongylocarpaですが、
残念ながら、現在手に入れるためには、
タネから育てていくしかありません。
また、タネから育てる場合にも
決して簡単とは言えず、
環境が悪いと立ち枯れが多く発生します。
それでも、gongylocarpaは、
そんな困難に打ち勝ってでも
育ててほしい程に素晴らしいユーカリです。
庭木や鉢植えとして育てていれば、
間違いなく通行人の目を引くユーカリです。
もし育ててみたい方がいらっしゃったら、
タネの販売先をご紹介します。
興味のある方は、
是非ともgongylocarpaの栽培に
チャレンジしてみてください!
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<栽培難易度:D>
香良さ:★★★
香強さ:★★★
成長力:★★
要水分:★★
耐過湿:★★
耐水切:★★★★
耐日陰:★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★
耐暑性:★★★★★
耐病虫:★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい- # by eucalyptus_k | 2013-02-11 17:54 | ユーカリ紹介
新年早々!我が家のユーカリ達
前回の12月初頭の写真に引き続き、
本日撮影したてのユーカリ達を公開します
前回の写真で最も日照の良い場所に置いてあった品種は
同時に寒風に弱いものも多いので、
多くは簡易温室に避難させている状態です。
恐らく多くの品種が温室外でも越冬可能かと思いますが、
敢えて葉を痛ませたくないという考えからです。
こちらが背の高い温室で、
三段のものを二段にして使用しています。
上段は苗、下段は寒さに弱い鉢ものです。
こちらが背の低い方の温室です。
温室の下段をさらに寄って見てみます。
まずは左の大きな温室からです。
銀大葉が目立っているのはmacrocarpaです。
その他ではkruseana/pachyphylla/pachyloma
staigeriana/rhodanthaなどがあります。
この中で本当に寒さが心配なのは
真ん中あたりのとても小さな苗サイズの
socialis/woodwardii/torwood/gongylocarpa
の4品種とpachylomaだけです。
次に右の温室です。
こちらも銀大葉が目立っているのはmacrocarpaです。
左の奥のピンクになっている大葉はpleurocarpa、
右手前の大きな葉のものがtetrapteraです。
小さな葉が特徴的なものは全てdecipiens(亜種3種)です。
このdecipiensが最も寒さに弱いように思います。
既にかなり葉は痛みかけています。
macrocarpaの右横の小さなpimpinianaも
寒さにはまり強くなさそうです。
私の背丈程の高さがあるrisdoniiです。
夏は比較的深緑の葉色をしていますが、
冬になるといきなり銀葉が美しくなってきます。
寒さにはめっぽう強く、冬は寧ろ調子が良いくらいです。
左の銀葉はcrucis、右手前がalbopurpureaです。
さらにその足元に寄ってみます。
右がalbopurpureaで真ん中左の銀葉はgilliiです
左手前がとても珍しいユーカリpruinosaです。
サバンナ出身なので寒さがとても心配でしたが
今のところとくに大きな葉痛みも起こっていません。
次は少し左側を見てみます。
銀葉が美しいのは先程も写っていたcrucis、
そして葉が真っ赤になっているのが
先日ユーカリ紹介で紹介したmelanophloiaです。
このように真っ赤になって葉痛みも激しいです。
albopurpureaの更に手前です。
大きな毛の生えた葉はerythrocorysです。
寒さにはとても弱いユーカリですが、
この大きさになると大阪の冬では問題ありません。
手前の細葉はlehmanniiです。
これも風さえ防げれば葉痛はありません。
さらに奥にあるtenuiramisです。
夏の葉はとっても濃い緑色なのですが、
冬になると別品種かの如く銀葉になります。
とても丈夫で美しく冬こそ本場のユーカリです。
我が家のノッポ君たちです。
どれも寒さに強いというわけではありません。
一番背の高いのがrobusta、右がglobulus、
手前の下葉が紅葉しているのがcamaldulensis、
左下の方で銀葉の美しいものはmaideniiやbicostata、
奥に見えるのがcitriodora(レモンユーカリ)です。
そのレモンユーカリに焦点を当ててみました。
今のところ別に大した葉痛みも起こっていません。
右下で綺麗に紅葉しているのはgrandisです。
これもあまり寒さに強いとは言えませんが、
春になれば一気に復活してくるでしょう。
さらに奥の日当たりの悪いゾーンです。
背の高い丸葉はrudisです。
これは我が家でもトップクラスに寒さに弱いですが、
ここまで大きくなれば越冬は問題ないと思います。
今のところ少しだけ葉が傷んでいる程度です。
真ん中の葉のでかいのはcypellocarpa、
その右横の銀葉はgunniiです。
この辺りは寧ろ冬の方が調子が良くなります。
そこから少し手前にあるsmithiiです。
これも今の時期の方が圧倒的に調子が良いです。
新芽はピンクで少し銀葉がかる部分もあります。
viminalisと比べて、今の時期はかなり白っぽくなります。
右下の方に見えている若葉色の新芽がviminalisですが、
夏には全く見分けがつかなくなります。
次はベランダの右手の方になります。
ここは日当たりは良いですが、
結構風が当たって寒くなります。
右の銀葉ハートリーフがorbifolia、
その左隣がtorquata、
一番手前の銀小葉がMoon Lagoon、
その後ろの銀葉がalbidaです。
ここの品種たちは比較的寒さには強いです。
その左側の場所です。
室外機の下なので暖かく、
養生場所のようになっています。
一番左の銀葉はcinerea、奥の銀葉はperriniana、
手前の背の低い銀葉はaccedensです。
accedens右側の小さなcoolabahと
左側の細長葉のleptophyllaは少し養生中です。
それでも温室内よりは寒いですから、
もう少し樹高が伸びれば屋外越冬は問題なさそうです。
それでは最後に大きな温室の手前にあった
特徴的なユーカリ3種を
紹介して終わりにしたいと思います
どれもあまり寒さには強くないかなと心配でしたが、
今のところとくに葉痛みもないようなので
安心して温室外(真前)に置いてあります。
Eucalyptua urna
これは他にはないようなとても珍しい葉をしています。
生息地はalbidaなどと同じ地域になっています。
写真でわかりますでしょうか?
良く見て頂くと葉が下の図のように生えていることがわかります。
このユーカリ、香水系の中々良い香りがします。
Eucalyptus preissiana
とても大きな緑色の葉をしています。
このユーカリは数メートルの茂み状に育ちます。
下の写真のような黄色い花が魅力のユーカリです。
成長はとっても遅いですが、開花が楽しみですね
Eucalyptus platypus
育ててみるとdecipiensにとても良く似ていますが、
葉には毛が生えており、色々な意味で
decipiensよりも頑丈です。
現地ではmoortと呼ばれて親しまれているユーカリで、
これも下の写真のように花が魅力のユーカリです。
花は写真のようなクリーム色の他に
黄色やライムグリーンなど多岐にわたっているようです。
これから先、厳しい冬を耐えしのんで、
春にはまた元気に育っていって欲しいですね。
皆さんのユーカリの近況も
また聞かせて頂ければ嬉しいです- # by eucalyptus_k | 2012-01-03 20:10 | ユーカリ(栽培実績)