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冬のユーカリ管理 その4(水遣りと用土凍結)

耐寒性の強いユーカリを育てていて、
簡易温室などを一切使用せずに
通常通りの屋外管理を行っている場合に
用土が凍結してしまうことがあります。

寒さに強い品種では
用土の凍結自体にはかなり耐久力があります。

しかし、できる限り、
速やかに融かしてしまった方が良いです。

なぜかというと
凍結は様々な弊害を引き起こすからです。

まず用土が完全に凍結してしまうと、
用土が完全に乾いたのと同じことになってしまい、
水切れが起こってしまいます。

これは特に小さな鉢やポット苗で
気をつける必要があります。

次に赤玉土などの粒状の用土を使用している場合、
凍結により用土が粉砕して微塵になり、
解凍後に用土の保水性が極端に悪くなることがあります。
凍結してしまった後の用土には少し気をつけてください。

他には用土が凍結したことにより、
霜柱で用土が持ち上がってしまい、
根を損傷してしまうことがあります。

できる限り避けたい用土凍結ですが、
水遣りのタイミングをコントロールすることで
防ぐことができます。

夕方に水遣りをするのは避けてください。
また、天気予報を確認して、
やたらと冷えるような日には水遣りを控えます。


私がいつも用土を凍結させてしまうのは
個人的なスケジュールの都合で
夕方に水遣りをしてしまったときばかりです。

夕方の水遣りを控えるだけでも
用土凍結をかなり防ぐことができると思います。

ちなみに簡易温室を使用している場合は
用土凍結が起こったことは一度もありません。

最後に積雪に対してですが、
多くの耐寒性のある品種では
雪に対する耐久力もかなり強いです。

gunniiperriniana、urnigeraなど
耐寒性が-10℃を超えるようなユーカリであれば、
積雪ごときで葉痛みさえも起こしません。

# by eucalyptus_k | 2011-11-08 21:03 | ユーカリ(栽培知識)
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冬のユーカリ管理 その3(耐寒性を上げるには)

この湿潤な日本で健康に生き抜くためには、
耐寒温度はあくまでも目安でしかありません。

耐寒性を上げるためのもっと重要なポイントが二つあります。
このポイントさえ押さえることができれば、
耐寒温度を遥かに上回る結果を出すこともできます。

例えば親愛なるこあら師匠
推奨耐寒温度10℃以上、5℃以上の管理必須のバオバブ
-5℃近くにもなる場所で無事に越冬させていらっしゃいます。

私も昨年は耐寒性0℃以上推奨のユーカリの幼苗を
-5℃近い環境で越冬させましたし、
一般的に3℃以上推奨のレモンユーカリ
-5℃になる屋外で越冬させることができました。

では、このポイントとは何なのでしょうか?
-----------------------------------------------------
1. 風(空気の動き)のない場所で管理すること
2. 水分管理をよりタイトに乾燥気味に管理すること
-----------------------------------------------------

この二つになります。

まず1についてですが、最も簡単な方法では
風の当たりにくい軒下で管理することです。

さらに有効で、葉痛みも防げる方法としては
簡易温室を使用することです。

この簡易温室とは、ホームセンターなどで
2000円程度で販売されているビニール製のものです。

これは加温を行うわけではありませんので、
実際に夜間の内部気温は外の気温とほとんど変わりません。
ところが風をほぼ完全にシャットアウトすることができます。

これだけで、耐寒温度はかなり上がります。
実際に-3℃では枯れのでるdecipiensstaigeriana
それらのわずか2cm程度の幼苗でさえも、
全く葉痛みさえすることなく、越冬できています。

簡易温室を使用する場合には下記をご留意ください。
-------------------------------------------------------
●日中は必ず扉を開け放っておくこと
●夜間でも3℃を下回らない場合は扉を開け放っておくこと
●気温が3℃を下回らなくなったら温室を片づけること
-------------------------------------------------------

冬季でも日照の良い日には、締め切っていると
びっくりするほど高温になることがあります。

また、ずっと締め切りっぱなしだと
室内管理と同じようなことになってしまいます。

場所に問題がなければ、
この簡易温室はとても効果的です。
上記に気をつけて、ぜひ使ってみてください。


次に2についてですが、
夏はたくさん水を吸うようなユーカリも、
温度が下がると、かなり吸水量が落ちてきます。

これは品種にもよりますが
びっくりするほど水を吸わなくなります。

例えばerythrocorysというユーカリがあります。
樹高が70cm程度で6号スリット鉢に植わっています。
夏場は半日陰の場所で二日に一回程度の水遣りをします。
冬季には夏季の倍以上日光が当たるのですが、
水遣りは週に一回以下の頻度にまで低下します。

他にはlehmanniiの場合ですが、
同じく樹高が70cm程度で6号スリット鉢に植わっています。
夏場は半日陰の場所でほぼ一日に一回程度の水遣りをしますが、
冬季には週に一回程度の頻度にまで低下します。

これに気をつけて、
より乾燥気味に管理を行ってください。

冬季は夏季のように急な水切れは起こりません。
私が良く行う管理方法としては、
下記のようなものがあります。

多くのユーカリは水が切れてくると
柔らかくなって、葉先が犬の耳のように
だらんと垂れさがってきます。

このまま放置すると、水切れで葉が枯れますが、
この垂れ下がった状態をサインとして
水遣りを行うことにしています。

ただ、この方法を実践する場合には、
一日一回の観察が欠かせなくなります。

また一部の、葉に厚みのある品種では
垂れさがらずに枯れに移行することもあるので
その当たりは注意が必要です。

最後に樹高が大きくなってくると
自然と耐寒性も上がってきます。

大きすぎて、室内や温室に入らない場合は
なるべく風の当たらない軒下に置くだけでも
耐寒性はかなり変わってきます。

樹高が50cmを超えれば
レモンユーカリでも-5℃くらいでは
葉はボロボロになってしまいますが、
枯死してしまうようなことはありません。

最後に、もし枯らせてしまった場合、
過湿による根のダメージで枯れた場合には
復活の可能性はほとんどありません。

ところが水切れや寒さで枯らせてしまった場合は
春になると復活する可能性が高くなります。

万が一枯らせてしまったと思った場合でも、
春までは捨てずに、管理を続けてみてくださいね。

# by eucalyptus_k | 2011-11-08 20:37 | ユーカリ(栽培知識)
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冬のユーカリ管理 その2(耐寒性について)

先日メールをいただいた方から
冬のユーカリ管理について書いてほしいと
ご要望があったので、書いてみたいと思います。

あくまでも私の環境と経験に基づいた内容ですので
ご自身の栽環境とは必ずしも当てはまらないので
そのあたりはご了承くださいね。

では、寒い寒い屋外でどのようにして越冬させるのか?
まずはお育てのユーカリの耐寒温度を知ることが大切です。

これはネットなどで調べればある程度見つかりますが、
わからない場合は私までお問い合わせいただいても結構です。

では例としてcinereaを取り上げてみます。
cinereaの一般的な耐寒温度は-12℃です。

よし!-12℃なら大丈夫だ!
と単純にはいきません。

この-12℃という耐寒温度は
実際には成樹で露地植えの場合
あくまでも一般的な耐寒温度です。

鉢植えであったり、幼苗であったり、
風の強い場所であったりする場合は
かなり変わってきます。

まず、鉢植えの場合は耐寒性が下がります。
一般的には素焼鉢や陶器鉢よりも
プラスチック鉢の方が耐寒性は上がります。

また、水分多めで管理すると耐寒性はガクンと落ちます。
風の強い場所では体感温度が変わりますから、
耐寒性もグンと落ちることになります。

多くの方は鉢植えでの管理をされていると思うので、
これはあくまでも目安ですが、その場合の耐寒性は
この場合の-12℃から3~4℃下がった、
-9~-8℃くらいが妥当な耐寒温度といえます。

次にこの耐寒温度というものは
あくまでも生き延びることのできる限界温度ですから、
葉が傷んだり、葉が散ってしまうことは
全く想定されていない温度になっています。

ユーカリは寒風をびゅんびゅん浴びると
葉が酷く痛んだり、散ってしまうことがあります。

もちろん春には美しい新芽がどんどん出ますが、
冬前の美しい樹形を維持したい場合もあると思います。

そのような場合は、まず風を避ける工夫をすること、
そして、耐寒性をさらに3~4℃下げた、
この場合では-5℃くらいで管理すると
酷い葉痛みを防ぎ美しい樹形を維持することができます。

# by eucalyptus_k | 2011-11-08 20:20 | ユーカリ(栽培知識)
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冬のユーカリ管理 その1(室内管理は厳禁)

先日メールをいただいた方から
冬のユーカリ管理について書いてほしいと
ご要望があったので、書いてみたいと思います。

あくまでも私の環境と経験に基づいた内容ですので
ご自身の栽環境とは必ずしも当てはまらないので
そのあたりはご了承くださいね。

まず、寒くなって、考えること!
お家の中にいれよう!

これは絶対にダメです!!!

ユーカリの室内管理は
止めてください!!


私も数々のユーカリ栽培者の方と
メールでやり取りをしていますが、
冬季に室内管理をされた方は、
ほぼ全員が全滅させたと伺いました。

室内で植物を管理すると、
思った以上に余分な水分が用土内に残ります。

表面は乾いたように見えても、
内部にはまだまだ湿った部分がたくさんあり、
これがいつまで経っても乾かないのです。

また、風通しも悪いので、
悪質な菌類が発生することにもなります。

実は室内管理の成功データもいくつかありますが、
これは一部の湿潤を好むユーカリのみになります。

比較的、室内管理が容易なものとしては、
citriodora(レモンユーカリ)/gunnii/camphora
robusta/rudis/staigeriana

などがあげられると思います。

このうち、gunnii/camphoraなどは
かなりの耐寒性を持っていますから、
わざわざ室内で管理する必要はありません。

これ以外の特に西AZ出身のユーカリなどは
室内管理で起こる、用土内部の過湿に耐えきれず、
かなりの確率で枯れることになります。

私の知っている方はほとんど枯らせていますし、
私もうまく越冬させられる自信は全くありません。

枯らせたくない場合は
室内管理は厳禁と思ってください。


ただし、一部室内管理は可能ですし、
ある程度、有効な方法でもあります。

これはとても面倒なので
時間的余裕のある方だけにしてください。

その方法とは
昼は屋外に出し、夜は屋内に取り込む。

お店をされている人などは
面倒なく、日課としてできるかもしれませんね。

# by eucalyptus_k | 2011-11-08 19:37 | ユーカリ(栽培知識)
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