ユーカリに含まれている精油成分について(2)
今日は以前書いたものに引き続き、
精油成分のお話のアップグレードバージョンです。
こちらでご紹介した精油成分ですが、
全てのユーカリに全ての成分が含まれているわけではありません。
それぞれのユーカリで含まれている成分が異なります。
それにより香りや効能が変わってくるのだと思います。
それでは例をあげてユーカリ別にご紹介します。
とにかく多いので気が向いたら読んでください><;
※下記ABCD順
※主成分は多量を含み、その他は少量を含む
※成分名は前にあるほど量が多い
●Eucalyptus albida
精油含有量:極少
主成分:ピネン、ビシクロゲルマクレン
その他:ユーデスモール
備考:多彩なピネンを含む
●Eucalyptus albopurpurea
精油含有量:極少
主成分:ビシクロゲルマクレン
その他:ピネン、フェランドレン
備考:
●Eucalyptus amygdalina
精油含有量:極多
主成分:ピペリトン、フェランドレン、シネオール
その他:パラシメン、テルピネン4オール、テルピネオール、ピノカルベオール
備考:シネオール、ピぺリトンを多く含むペパーミント系精油
●Eucalyptus archeri
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン
その他:リモネン
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus aromaphloia
精油含有量:多
主成分:シネオール、ピネン
その他:エステル
備考:シネオールを非常に多く含む
●Eucalyptus bridgesiana
精油含有量:極少
主成分:シネオール、ピネン
その他:リモネン、テルピネオール
備考:シネオールを非常に多く含む
●Eucalyptus caesia
精油含有量:極少
主成分:トルクアトン、アロマデンドレン
その他:ピネン
備考:Eucalyptus torquataの芳香成分トルクアトンを含む
●Corymbia calophylla
精油含有量:極少
主成分:ピネン、テルピネン
その他:パラシメン
備考:
●Eucalyptus camaldulensis
精油含有量:少
主成分:シネオール、ピネン、パラシメン、スパスレノール
その他:クリプトン、リモネン、グロブロール、
備考:非常に多彩な成分と希少成分のクリプトンを含む
●Eucalyptus camphora
精油含有量:多
主成分:シネオール、ピネン、ユーデスモール
その他:パラシメン
備考:シネオール、ユーデスモールを非常に多く含む
●Eucalyptus cephalocarpa
精油含有量:少
主成分:シネオール、ピネン、リモネン
備考:シネオールを非常に多く含む
●Eucalyptus cinerea
精油含有量:多
主成分:シネオール、ピネン
その他:アルデヒド
備考:シネオールを非常に多く含み良質の医療用シネオール系精油として注目
●Corymbia citriodora
精油含有量:極多
主成分:シトロネラール
備考:レモンユーカリとしてレモン系精油の王道
●Eucalyptus cladocalyx nana
精油含有量:極少
主成分:シネオール、ピネン、カリオフィレン
その他:スパスレノール、パラシメン、ユーデスモール
備考:成分は多彩だが精油含有量が非常に少ない
●Eucalyptus cloeziana
精油含有量:極少
主成分:ピネン、カリオフィレン、タスマノン
その他:リモネン、テルピネオール、グロブロール
備考:ピネンを非常に多く含む
●Eucalyptus coccifera
精油含有量:普通
主成分:フェランドレン、パラシメン、ユーデスモール
その他:シネオール、グロブロール
備考:フェランドレン主体のペパーミント系精油
●Eucalyptus cordata
精油含有量:極多
主成分:シネオール、ピネン
その他:テルピネオール
備考:シネオールを非常に多く含み良質の医療用シネオール系精油として注目
●Eucalyptus crenulata
精油含有量:少
主成分:エステル、テルピネン、パラシメン、ピネン、テルピネン-4-オール
備考:少し変わった精油成分の組み合わせが特徴
●Eucalyptus crucis
精油含有量:多
主成分:シネオール、ピネン
その他:ユーデスモール
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus dalrympleana
精油含有量:極少
主成分:シネオール、ピネン、スパスレノール
その他:パラシメン、グロブロール
備考:シネオールを非常に多く含む
●Eucalyptus decipiens
精油含有量:極少
主成分:ピノカルベオール、ビシクロゲルマクレン
その他:シネオール
備考:シネオールを少量含む
●Eucalyptus deglupta
精油含有量:極少
主成分:ネロリドール
その他:ピネン、フェランドレン、エステル、パラシメン、オシメン
備考:精油含有量が非常に少ない
●Eucalyptus delegatensis
精油含有量:多
主成分:フェランドレン、パラシメン
その他:ピペリトン、ユーデスモール
備考:フェランドレンを多く含むペパーミント系精油
●Eucalyptus dives
精油含有量:極多
主成分:ピペリトン、フェランドレン
その他:シネオール、テルピネオール、シトラール
備考:ピペリトンを非常に多く含むペパーミント系精油の王道
●Eucalyptus erythrocorys
精油含有量:極少
主成分:テルピネオール、シネオール
備考:精油含有量が非常に少ない
●Corymbia ficifolia
精油含有量:極少
主成分:ピネン
その他:テルピネン、パラシメン、ビシクロゲルマクレン
備考:ピネンを多く含むが精油含有量が非常に少ない
●Eucalyptus forrestiana
精油含有量:多
主成分:ピネン、シネオール
その他:ビシクロゲルマクレン、アロマデンドレン
備考:ピネンを多く含みシネオールを少量含む
●Eucalyptus gamophylla
精油含有量:多
主成分:ビシクロゲルマクレン
その他:スパスレノール、シネオール
備考:ビシクロゲルマクレンを多く含みシネオールを少量含む
●Eucalyptus gillii
精油含有量:多
主成分:シネオール、カリオフィレン
その他:ピネン
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus glaucescens
精油含有量:多
主成分:エステル(イソ吉草酸エチル)、シネオール、ピネン
その他:アロマデンドレン、グロブロール
備考:イソ吉草酸エチルは青りんごの香料となる
●Eucalyptus globulus ssp. globulus
精油含有量:多
主成分:シネオール、ピネン、アロマデンドレン、グロブロール
その他:ピノカルベオール、テルピネオール、エステル、リモネン
備考:シネオールを非常に多く含むユーカリ精油の王道
●Eucalyptus globulus ssp. bicostata
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン
その他:アロマデンドレン、ユーデスモール、エステル、リモネン
備考:
●Eucalyptus globulus ssp. maidenii
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン、アロマデンドレン
その他:エステル、ユーデスモール、リモネン
備考:
●Eucalyptus goniocalyx
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン
その他:アルデヒド、ユーデスモール、リモネン、テルピネオール
備考:シネオールを非常に多く含み採取した精油がすぐに黒く濁る
●Eucalyptus grandis
精油含有量:極少
主成分:レプトスペルモン、ピネン、オシメン
その他:シネオール、エステル、スパスレノール
備考:シネオールを非常に少量含み花の香りが強い精油
●Eucalyptus gunnii
精油含有量:極少
主成分:シネオール、ピネン、フェランドレン
その他:スパスレノール、パラシメン、ビシクロゲルマクレン
備考:成分は多彩だが精油含有量が非常に少ない
●Eucalyptus kruseana
精油含有量:少
主成分:シネオール、ピネン
その他:ユーデスモール
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus lehmannii
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン
その他:テルピネン、アルデヒド
備考:
●Eucalyptus leucoxylon
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン、アロマデンドレン
その他:ビシクロゲルマクレン
備考:
●Eucalyptus macrandra
精油含有量:極少
主成分:シネオール、ピネン、アロマデンドレン
備考:
●Eucalyptus macrocarpa
精油含有量:少
主成分:ビシクロゲルマクレン、ピネン、アロマデンドレン
その他:シネオール
備考:シネオールを少量含む
●Corymbia maculata
精油含有量:少
主成分:シネオール、ピネン
その他:ユーデスモール、リモネン
備考:
●Eucalyptus melanophloia
精油含有量:極少
主成分:ピネン、パラシメン
その他:フェランドレン、テルピネオール、シネオール、グロブロール
備考:ピネン、パラシメンを多く含む
●Eucalyptus melliodpra
精油含有量:少
主成分:シネオール、ピネン
その他:フェランドレン、カリオフィレン
備考:
●Eucalyptus 'Moon Lagoon'
精油含有量:少
主成分:シネオール、ピネン、パラシメン
その他:ユーデスモール
備考:
●Eucalyptus morrisbyi
精油含有量:多
主成分:シネオール
その他:ピネン、リモネン、テルピネオール
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus neglecta
精油含有量:少
主成分:シネオール
その他:グロブロール
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus nicholii
精油含有量:普通
主成分:シネオール
備考:シネオールが成分のほとんどを占める
●Eucalyptus nitens
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン、オシメン
その他:リモネン、パラシメン、エステル、テルピネオール、レプトスペルモン
備考:シネオールを少量含み花の香りが強い精油
●Eucalyptus nova-anglica
精油含有量:普通
主成分:ネロリドール、アロマデンドレン、ユーデスモール、グロブロール
その他:ピネン、スパスレノール
備考:ペパーミント系の成分は含まれずにペパーミントの英名を持つ
●Eucalyptus obliqua
精油含有量:極多
主成分:ピペリトン、フェランドレン、パラシメン
その他:シネオール、ビシクロゲルマクレン、スパスレノール
備考:シネオールを少量含むペパーミント系精油
●Eucalyptus orbifolia
精油含有量:普通
主成分:エステル、リモネン、パラシメン、シネオール
その他:ピネン、テルピネオール
備考:
●Eucalyptus pachyloma
精油含有量:少
主成分:シネオール、ピネン
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus pachyphylla
精油含有量:極少
主成分:シネオール、ピネン、リモネン、アロマデンドレン
その他:テルピネン、オシメン、パラシメン、ピノカルベオール、テルピネオール、グロブロール
備考:成分は多彩だが精油含有量が非常に少ない
●Eucalyptus parvula
精油含有量:少
主成分:シネオール、ピネン、テルピネオール
その他:ユーデスモール、アルデヒド
備考:シネオールを非常に多く含む
●Eucalyptus pauciflora
精油含有量:普通
主成分:ユーデスモール、ピネン、シネオール、フェランドレン
その他:ピペリトン、スパスレノール
備考:ユーデスモールを多く含みシネオールを少量含む
●Eucalyptus perriniana
精油含有量:多
主成分:シネオール、ピネン
その他:リモネン、テルピネオール、アルデヒド
備考:シネオールを非常に多く含む
●Eucalyptus pluricaulis ssp. porphyrea
精油含有量:普通
主成分:ピネン、シネオール、アロマデンドレン
その他:グロブロール
備考:ピネンを多く含みシネオールを少量含む
●Eucalyptus polyanthemos
精油含有量:少
主成分:シネオール、ピネン
その他:フェランドレン、グロブロール、
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus polybractea
精油含有量:極多
主成分:シネオール
その他:パラシメン、フェランドレン、クリプトン、ピネン
備考:シネオールの純度が非常に高い精油を産する精油の王道(CT1/CT2)。
●Eucalyptus preissiana
精油含有量:極少
主成分:シネオール
その他:ユーデスモール
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus pruinosa
精油含有量:極少
主成分:シネオール、ビシクロゲルマクレン
その他:ピノカルベオール、グロブロール、スパスレノール
備考:シネオールを多く含むが精油含有量が非常に少ない
●Eucalyptus pulverulenta
精油含有量:極多
主成分:シネオール、ピネン、リモネン
その他:エステル、テルピネオール
備考:シネオールを非常に多く含み良質の医療用シネオール系精油として注目
●Eucalyptus punctata
精油含有量:少
主成分:ピネン、シネオール
その他:リモネン、パラシメン、テルピネン、テルピネン-4-オール、クリプトン、テルピネオール、フェランドレン
備考:シネオールを多く含み多彩なピネンを含む
●Eucalyptus pyriformis
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン、
その他:アロマデンドレン、ユーデスモール、アルデヒド
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus radiata
精油含有量:極多
主成分:フェランドレン、ピペリトン
その他:シネオール、テルピネン-4-オール、テルピネン、テルピネオール、ピネン、シトラール
備考:フェランドレンを非常に多く含むペパーミント系精油の王道
●Eucalyptus regnans
精油含有量:極多
主成分:ユーデスモール、フェランドレン
その他:パラシメン
備考:ユーデスモールを非常に多く含むペパーミント系精油
●Eucalyptus rhodantha
精油含有量:少
主成分:シネオール、ピネン
その他:ピノカルベオール
備考:シネオールを少量含む
●Eucalyptus risdonii
精油含有量:普通
主成分:シネオール、フェランドレン
その他:テルピネオール
備考:シネオールを多く含むペパーミント系精油
●Eucalyptus robusta
精油含有量:極少
主成分:ピネン、リナロール、パラシメン、テルピネン-4-オール、テルピネオール
その他:ピペリトン、フェランドレン、ピノカルベオール、シネオール
備考:シネオールをほとんど含まずユーカリ茶に最適
●Eucalyptus rubida
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン、スパスレノール
その他:パラシメン、テルピネオール、フェランドレン
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus rudis
精油含有量:少
主成分:シネオール、ビシクロゲルマクレン、ピネン
その他:アルデヒド、アロマデンドレン、フェランドレン
備考:シネオール、ビシクロゲルマクレンを多く含む
●Eucalyptus scoparia
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン
その他:グロブロール
備考:シネオールを非常に多く含む
●Eucalyptus sideroxylon
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン、グロブロール、ユーデスモール
その他:ビシクロゲルマクレン
備考:シネオールを非常に多く含む
●Eucalyptus smithii
精油含有量:多
主成分:シネオール、ピネン、グロブロール、ユーデスモール
その他:エステル
備考:シネオールを非常に多く含むユーカリ精油の王道
●Eucalyptus staigeriana
精油含有量:多
主成分:シトラール、リモネン
その他:フェランドレン、テルピネオール、シネオール
備考:シトラール、リモネンを多く含むレモン系精油の王道
●Eucalyptus sturgissiana
精油含有量:普通
主成分:シネオール
備考:シネオールが成分のほとんどを占める
●Eucalyptus subcrenulata
精油含有量:多
主成分:シネオール、ピネン、テルピネオール
その他:スパスレノール、パラシメン
備考:シネオールを非常に多く含む
●Eucalyptus tenuiramis
精油含有量:極多
主成分:シネオール、フェランドレン
備考:シネオール、フェランドレンを多く含むペパーミント系精油
●Eucalyptus tereticornis
精油含有量:少
主成分:ピネン、パラシメン、スパスレノール、ユーデスモール、グロブロール
その他:クリプトン、カリオフィレン、シネオール
備考:非常に多彩な成分と希少成分のクリプトンを含む
●Eucalyptus tetragona
精油含有量:極少
主成分:ユーデスモール、ピネン、グロブロール、フェランドレン、シネオール
その他:アロマデンドレン、ビシクロゲルマクレン
備考:ユーデスモールを多く含むが精油含有量が非常に少ない
●Eucalyptus tetraptera
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン、アロマデンドレン
その他:グロブロール、ユーデスモール
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus torquata
精油含有量:多
主成分:トルクアトン、ピネン
その他:ユーデスモール、シネオール
備考:固有成分のトルクアトンを多く含む
●Eucalyptus uncinata
精油含有量:少
主成分:シネオール、ピノカルベオール
その他:アロマデンドレン
備考:シネオールを多く含む
●Eucalyptus urnigera
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン
その他:テルピネオール
備考:シネオールを非常に多く含む
●Eucalyptus viminalis
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン、グロブロール、リモネン
その他:テルピネオール、アルデヒド、フェランドレン
備考:シネオールを非常に多く含むユーカリ精油の王道
●Eucalyptus viridis
精油含有量:普通
主成分:シネオール、ピネン、アロマデンドレン
その他:パラシメン、クリプトン、テルピネオール、シトラール
備考:シネオールを非常に多く含み希少成分のクリプトンを含む
●Eucalyptus woodwardii
精油含有量:多
主成分:ピネン、シネオール、トルクアトン、アロマデンドレン
その他:ユーデスモール
備考:Eucalyptus torquataの芳香成分トルクアトンを含む
多すぎるくらいの例をあげてみました。
品種で掲載希望があればこちらに追加していきます。
この内容は自分の資料としても活用していきますので、
長文ですが何卒ご容赦くださいませ。- # by eucalyptus_k | 2010-08-04 01:36 | ユーカリ(品種知識)
ユーカリの葉の白く粉をふいたもの
最近新しい情報を仕入れました。
ユーカリの葉で特徴的な
白く粉をふいたようなものについてです。
何となくそうかなあと思っていたのですが、
ズバリその思っていた通りの役割を果たしていました。
皆さんも聞いたことがあると思いますが、
ユーカリの生息地であるオーストラリアは、
オゾン層が薄くなっているため、
全世界の中でも特に日光がきつく、
紫外線の強烈な地域として知られています。
私も実際に現地に行って体験しましたが、
夏の一番暑い30~40℃の時でも
長袖長ズボンで過ごすのが主流です。
現地の気候に慣れていない外国人なら特にです。
日本では考えられない光景ですが、
オーストラリアは日本よりも遥かに湿度が低いため、
木陰に入ると長袖でも十分涼しいのです。
それよりも日向で肌を露出させている方が遥かに危険です。
サングラスも必須で、装着を忘れると、
軽い雪目のような症状になることもあります。
ユーカリはこのような環境下の植物ですから、
日本の植物よりも強力に紫外線カットの術を持っているはずです。
ズバリ、あの白く粉をふいているようなものは
人間の日焼け止めのような役割を果たしているのです。
これは非常に関心できるユーカリの特徴ですが、
この白く粉をふいたものが
日本での育成に少々問題となることがあります。
例えば日本では、明らかにオーストラリアより、
日差しも紫外線も穏やかになります。
確か世界で最も日差しが穏やかな地域のはずです。
そのような日差しの穏やかな日本で育てると、
この白い粉は必要以上に日光を遮断してしまいます。
調べたデータによると、品種によっては、
日本で最高の直射日光を一日中当てていたとしても、
そのユーカリが健康に生育できる
日光量に満たない場合もあるようなのです。
これは結果として、日本に合っていないということで、
せっせと日光に当てて、頑張って育てても
中々良いパフォーマンスが出せないということです。
ただ全てのユーカリがそうであるわけではなく、
特に西オーストラリアの砂漠地帯出身のユーカリに多いようです。
一応、私の経験と調べた情報から、
日本に合っていないと思われるユーカリを挙げます。
kruseana/crucis/albida/macrocarpa
rhodantha/Moon Lagoon etc...
これについては他国の栽培者からの情報にも見受けられます。
ユーカリの中でも特に銀葉の美しい品種が多いですね。
これらの品種というのは、
今の季節でも3~4時間、西日しか当たらない家のベランダでは、
ほぼ育苗は不可能かなと私が思っている品種なのです。
わざわざ日中に鉢を移動させて
極力直射日光に当てるようにしているのですが、
それでも生育が極端に悪く、小さな葉しか出てきません。
そして、貧相に育った後、どこかで枯れてしまいます。
これらの品種を育てる場合には、
一日中直射日光の当たる環境というのが
最低限、必要ではないかと思っています。
私もできる限りチャレンジしてみたいと思いますが、
今のところかなりお手上げ状態なのです。
これは種からの育苗時の結果ですが、
ある程度成熟した株ならどうなるでしょうか。
先日、親愛なるこあら師匠の農場から
立派なkruseanaを購入しましたので、
しっかり育つか観察していきたいと思います。
ちなみに半日直射日光の当たる環境に置いています。
いずれユーカリ紹介にも載せたいと思っています!- # by eucalyptus_k | 2010-07-19 17:15 | ユーカリ(品種知識)
マイペースなEucalyptus tetragona
家では「マイペース」の愛称で呼ばれているユーカリがあります。
Eucalyptus tetragona(テトラゴナ)というユーカリです。
今はこのtetragonaという名称は旧式のもので、
厳密には近年に新しく2種類に分類されました。
●Eucalyptus pleurocarpa(プレウロカルパ)
成熟した株の葉の色が銀白色になるため、
テトラゴナ・シルバーとも呼ばれます。
広域に生息するスタンダードなtetragonaです。
※家での相性は「マイペース・シルバー」
●Eucalyptus extrica(エクストリカ)
成熟した株の葉の色が濃い緑色になるため、
テトラゴナ・グリーンとも呼ばれます。
生息域の限られた少し変種のtetragonaです。
※家での相性は「マイペース・グリーン」
なぜマイペースと名付けたかというと、
環境が気にくわないと全くといっていいほど成長せず、
たまたま気候が合った時などにいきなり成長して、
またしばらく動かなかったりなど、
かなりマイペースに成長を続けるためです。
元々フラワーアレンジでも頻繁に使われる品種のようで、
親愛なるこあら師匠が先に手を出されていました。
そこで事前にかなり気難しく難易度は高めと伺っていました。
結論から言うと、家の環境にはかなり合わないようです(笑)。
家での成長の遅さはダントツトップです!
1ヶ月間ほぼ成長しないなど日常茶飯事です。
最近少しわかってきたのが直射日光がとくに重要みたいです。
私が分析したもので下記のような実験結果があります。
(1)現在の家の環境で育てた場合(最高気温30℃)
直射日光が当たるのは16時~日没まで(これでも一番当たる場所)
>>>1ヶ月間で葉1枚さえも成長なし。
(2)実家(一軒家)に持っていった場合(最高気温32℃)
直射日光は11時ごろから日没まで当たりかなり明るい
>>>持っていってから半月で葉2~3枚分成長。
(3)家で冬季室内管理を行った場合(最高気温22℃)
直射日光はほぼ終日あたるがブロンズガラス越しの室内
>>>1ヶ月間で葉1枚程度の成長
もう一つ厄介なのが、マイペースな癖に我儘なのです。
tetragonaの生息地域はそれはそれは過保護な気候です。
海流の影響で人間にも植物にも最高の状態なのです。
年間最高気温が28℃程度、年間最低気温も3℃程度
平均湿度は50%程度で年間雨量が650mm(大阪の約半分)です。
上記を見ていただくとわかると思いますが、
暑すぎるのも寒いのもダメ、過湿は苦手だけど、
さほどの乾燥もダメ、水はユーカリでは比較的好き。
最強に我儘ですね。。。
過湿には極めて弱く立ち枯れ耐性もありません。
ところが多くの西AZ軍団のように
かなり乾燥気味に育てすぎるのもまずいのです。
また私の育てている品種の中では最も耐寒性がありません。
幼い苗の間は5℃以上で管理が必須のようです。
植え替え耐性もあまり強くありません。
植え替え時に高確率で枯れるものが多く出ますね。
また、家では硬質赤玉土での育成が最適です。
いつになったら成長してくれるのかな~?
晩夏になって、直射日光が長時間当たりだしてからかな~?
今年中に果たしてどこまで育ってくれるのかな~?
最後に我が家のtetragona2種の写真で締めたいと思います。
成長は2ヶ月間ほぼストップしていますが、
頻繁に太陽の方へ向いて傾くことだけはします。
ちなみに種を播いたのが今年の2~3月頃です。
こちらがpleurocarpa、
次の葉が見えているのに一向に大きくなりません。
こちらがextrica、
こっちは全く音沙汰なしですね。。。
ちなみに今の段階では
2種類を見分けることは不可能です。- # by eucalyptus_k | 2010-07-03 05:06 | ユーカリ(品種知識)
ユーカリに関する心配事
今、ユーカリを育てていて
4つ心配なことがあります。。。
どうかこの悩みの答えについて
ご存知の方は助けてください!!
【心配その1】
下の写真を見てください。
Eucalyptus rubidaの苗の写真です。
rubidaというと新芽が赤やピンク色をしていて、
何よりもcinereaのような銀丸葉が美しいユーカリです。
ところがどう見ても丸葉には程遠い葉の形をしています。
今のところ、viminarisのようでさえあります。
まだ8cm程度の小さな苗ですが、
果たしてこれからこのrubidaは丸葉になるのでしょうか?
ちなみにタネの間違いはないと思います。
また何本か他にも苗がありますが、
全て同じような葉の形をしています。
【心配その2】
下の写真を見てください。
Eucalyptus dalrympleanaの苗の写真です。
私の調べた情報によると
dalrympleanaは青緑色の綺麗な丸葉に育つはずです。
形はpulverulentaのようにまん丸のはずです。
ところがどう見ても細葉ユーカリの葉をしています。
また私がネットで見たdalrympleanaの葉形は様々です。
葉の形が全く異なるほど個体差があるのでしょうか。
ちなみにタネの間違いはないと思います。
また何本か他にも苗がありますが、
全て同じような葉の形をしています。
【心配その3】
下の写真はEucalyptus nitensの苗の写真です。
nitensは里親募集で一番人気のユーカリです。
私が香りが良いと宣伝したからでしょうか。
ところが見た目は何の変哲もないユーカリです。
ほとんどglobulusと大差ありません。
色は本当に普通の緑色なので、
まだ新芽が白くなるglobulusの方が美しいです。
おまけにめちゃくちゃ病虫被害の多いユーカリです。
マンションの12階なのにアブラムシがたくさん付きます。
また、いくら薬をかけてもうどんこ病が絶えません。
成長力は旺盛なのであまり大きな影響はないのですが。。。
確かに香りはフルーツガムのような良い香りです!
でも、これを見て欲しい人はガッカリされないでしょうか。。。
【心配その4】
下の写真はEucalyptus urnigeraの種を播いたら出てきました。
urnigeraというのはgunniiに良く似た
白銀丸葉のユーカリですから、
まず、全く違う品種のユーカリであることがわかります。
これはurnigeraに混じってたった一本だけ発芽してきました。
当のurnigeraなんかよりも遥かに丈夫で
どんどん元気に育っていきます。
最初はレモンユーカリなどと同じ、
Corymbia種のユーカリかと思いましたが、
Corymbiaは何よりもタネがでかいので、
そんなものが紛れ込んでいたらいくらなんでも気づきます。
タネが気づきにくて、その種屋で他に扱っている品種で、
こんな形の光沢のある味気ない葉で、
少し毛の生えた葉と茎という特徴から識別してみると、
おそらく、Eucalyptus muellerianaではないかと推測しました。
これまた、、、マニアックなユーカリですね。
調べるまでは聞いたこともなかったユーカリです。
もう少し大きくなってみないとわからないので
じっくり育ててみることにします。
では、muellerianaの種を購入して確かめてみよう!
ってのはもう疲れたので、次年度にでも余裕があったら考えます。
というわけで、これは一体何のユーカリなんでしょう。
色々と悩みごとが尽きません。
どなたかご助言をお願いします!- # by eucalyptus_k | 2010-06-10 03:43 | ユーカリ(品種知識)
ハートリーフユーカリの品種特定
世間ではハートリーフユーカリという名称で
販売されているユーカリがたくさんあります。
もちろんそんな学名のユーカリはありませんので
販売用に名付けられた販売名ということになります。
日本でハートリーフユーカリというと、
一番有名なのが何といっても
polyanthemos(ポポラス)です。
フラワーアレンジ等で良く使われる品種としてお馴染みですね。
そのため、ハートリーフユーカリ=polyanthemos
として売られていることが多いです。
ところが実際はハートリーフ名で売られているものは
ほとんどがorbifoliaであることが多いです。
このたび、Osakano_Jieさんがお育てになっている
ハートリーフユーカリの特定を行いました。
もちろん正答率100%とはいきませんが、
私が今まで色々調べてきた知識と経験に照らし合わせて、
この品種はorbifoliaであると特定しました。
Osakano_Jieさんは、わざわざその葉をお送りくださいました。
この葉を早速拝見して、
私が所持しているorbifoliaの葉と似ていると思いました。
下の写真が私の所持しているorbifoliaの写真です。
そして次に、葉を一枚裂いて、その香りを嗅がせていただきました。
非常に爽やかで、ほんのり甘い、柑橘系の香りがしました。
ここで、その外観と香りから判断して、
polyanthemosではないなと特定しました。
外観については、うまく表現できないのですが
とにかくたくさん見てきた経験です。
polyanthemosやorbifoliaを
とにかくたくさん見ていただくと必ずわかります。
葉の付き方、葉脈、葉の形、色、見所はたくさんあるのですが、
下の写真がpolyanthemosの特徴を明確に表している一枚です。
香りについては、polyanthemosはシネオールの濃い品種です。
pulverulentaやcinerea等のような、
スーッとしたペパーミントや樟脳のような香りがします。
polyanthemosではなく、甘く爽やかな柑橘系の香り、
ということで、絞られるのは
orbifolia、websteriana、decipiensの三種です。
私のブログでハートリーフ三兄弟と呼んでいる3種ですね。
この3種の特定は非常に難しいです。
はっきりいって100%の正答率を出すことは不可能です。
よってここでは違った見方で特定していきます。
まず、decipiensはこの三種の中で少しだけ外観が異なります。
比較的、ツル性植物のような生え方、
真っ赤な幹の色、そして他種に比べて葉柄が短いことです。
また日本では余り見かけることのない品種でもあります。
上記の特徴と比較して、decipiensではないと特定しました。
次にorbifoliaかwebsterianaの比較ですが、
これは外観での判別はほぼ不可能です。
敢えていうならば、orbifoliaの方が新芽が白くなる、
websterianaは新芽のうちから綺麗なハート型だが、
orbifoliaの新芽は団扇型の傾向が強い、
orbifoliaは中心の葉脈以外目立たない、
orbifoliaは幹が緑~黄色でWebsterianaは赤茶色、
orbifoliaの方が葉の大きさが大きくなる。
といくつか特徴をあげることはできるのですが、
これは個体差で十分潰されてしまう程度の特徴です。
まず上記の特徴に照らし合わせてみると、
orbifoliaの可能性が高いと思われました。
次が決め手の要因です。
websterianaはとにかくマニアックで激レアです。
私も種子の輸入を試みましたが、
いくつかの種屋で手に入らないと断られました。
(今は何とか販売している種屋を発見しています。)
そのため、親愛なるこあら師匠の農場で苗を購入しました。
それから色々調べているうちに、websterianaは
日本ではこあら師匠の農場にしかないと気づきました。
現地でも知る人ぞ知る品種で生息地も非常に限られています。
またユーカリ栽培の盛んなアメリカやイギリスでも
websterianaはほとんど知られていません。
そんなマニアックなユーカリが日本で売られているはずがない。
それに反して、orbifoliaは結構たくさん売られています。
ハートリーフ名でネットでいくつか見つけることもできます。
Osakano_Jieさんは特定対象のハートリーフユーカリを
こあら師匠の農場で購入されたわけではありません。
よって、最後の要因、日本での流通を考えて、
Eucalyptus orbifoliaであると特定しました。
最後にpolyanthemosは大阪の冬に野外に出しておくと、
紅葉のように赤く紅葉することになります。
orbifoliaは紅葉することなく、
冬でも葉をほとんど傷めずにいきいきと育ちます。- # by eucalyptus_k | 2010-05-01 00:34 | ユーカリ(品種知識)