不明品種の確定に成功!
こちらの記事で紹介していた
品種不明のユーカリですが、
今回やっと品種確定に成功しました!
色々と海外の栽培者にも見てもらって
以前結論が出たのがEucalyptus kitsonianaでしたが、
別途タネを買ってkitsonianaを育ててみたところ
明らかに葉の質感が違うので
これは絶対違うなあと困り果てていました。
そんなこんなで辛抱強く育ててみた結果、
この度、私が他に育てているユーカリと
全く同じであることがわかりました。
灯台元暗しとはこのことで、
そのユーカリだとは思ってもみなかったので、
全くチェックしていなかったのが盲点でした。
このユーカリ! Osakano_Jieさんと
daaasさんに過去プレゼントしたことがあります。
daaasさんにはcamphoraと言って渡し、
Osakano_Jieさんには
camphora → ovata → kitsonianaと
どんどん推測が変わっていく始末。。。
そもそも、この品種は
camphora名で購入したタネだったのですが。。。
Osakano_Jieさん、daaasさん、お待たせしました!
この最初camphoraと言ってお渡ししたユーカリは
Eucalyptus melanophloia
で間違いありません!!!
とても時間がかかりましたが、
確定できてとてもスッキリしました!- # by eucalyptus_k | 2012-07-20 19:17 | ユーカリ(品種知識)
久々に品種未定のユーカリ
今まで品種の識別には色々ありました。
neglectaのタネを注文したのに、
発芽したのはcrenulataだったり。。。
cephalocarpaだと思って育てていたら、
実はfasciculosaだったり。。。
ずっとcamphoraだと思って育てていたのが
実は最近、kitsonianaだったと知ったり。。。
そして今回、accedensのタネに交じって
新しく育ったのが下記のユーカリです。
今わかっている一番重要な情報は
主に西AZのユーカリに多い
><型の双葉をしていたことと、
写真からはわかりにくいですが
茎が四角型であるということです。
これでユーカリ識別ソフトにかけて
識別してみることにしました。
出てきた中で、有力なのは4種類!
この中のどれかであることは間違いありません。
どれもNindethana seedに在庫がある品種なので
超レア品種というわけでもありません。
●Eucalyptus calycogona
●Eucalyptus celastroides
●Eucalyptus cneorifolia
●Eucalyptus gracilis
現在、幼苗の間の識別ではここまでが限界で、
この先は花や実や樹皮を見て識別するしかありません。
あとは実際にこの4品種を育ててみることです。
そうすれば、写真ではわからない違いが分かり、
明確な識別が可能になります。
実はこのうちの2種類、
calycogonaとgracilisについては
栽培を検討していたところだったので、
早速タネを取り寄せてみることにしました。
どちらも比較的低木なので
早期に低樹高での開花が見込めそうです。
特にcalycogonaはピンクの花が魅力的なので
ちょっと力を入れて育ててみたいと思います。
せっかく、久々にタネを購入する機会なので
下記の品種もついでに購入してみることにしました。
・Eucalyptus dolichorhyncha
・Eucalyptus nutans
・Eucalyptus youngiana
どれも低木での開花が見込める
少し面白そうなユーカリばかりです- # by eucalyptus_k | 2012-02-26 19:05 | ユーカリ(品種知識)
未だに識別できていないユーカリ
ユーカリをタネから育てていると、
違う品種のタネが紛れ込んでいて、
購入したユーカリとは全く違うユーカリが育つことがあります。
業者のタネの管理が悪いといえばそれまでですが、
あんな小さなユーカリのタネが、
少し紛れ込んだりするのは仕方のないことかもしれません。
購入したユーカリと別の品種が育つのは
ある意味少し得をした気分にもなります。
ところが、私のように品種で管理をしているマニアな栽培者や、
こあら師匠のように販売するために栽培されている方には、
ユーカリの品種が特定できずに困ることがあります。
私も数々の出自不明なユーカリたちを
ユーカリ識別ソフトと経験と
現地の栽培者との交流から何とか識別してきました。
cephalocarpaとされていた品種はfasciculosaでした。
neglectaとされていた品種はcrenulataでした。
その他にも色々ありました。。。
ところがcamphora名で購入したユーカリは
未だに完璧な識別ができていません。
Osakano_Jieさんや、daaazさんにも、
Eucalyptus camphoraとしてお配りしたユーカリです。
こちらが幼い時の写真
そしてこちらが現在1m程度まで育った状態の写真です。
ユーカリ識別ソフトや
現地のプロからの情報では90%近い確率で
Eucalyptus kitsoniana
ではないかということになっています。
現在、kitsonianaは別途育苗中です。
まだ数センチなので識別はできていません。
春を過ぎれば、恐らくわかってくることと思います。
このユーカリさえ、識別できてしまえば、
今育てているユーカリの中に、
出自不明なものは一つも存在しなくなります。- # by eucalyptus_k | 2012-01-09 19:30 | ユーカリ(品種知識)
高山植物のユーカリ・ベルニコサ (Eucalyptus vernicosa)
先日はイチゴの香りがするolidaを紹介しましたが、
その他にも貴重でレアで魅力的なユーカリがあります。
今回ご紹介するのは、
完全に高山植物で、とてつもなく成長が遅く、
樹高はわずか数十センチにしかならないという
非常に奇特で貴重なユーカリです。
その名は
Eucalyptus vernicosa
英名は
Varnished Gum
その英名の元にもなっているように
葉には非常に分かりやすい光沢があります。
生息地は標高1500m以上のタスマニアの高山で
耐寒性は-15℃以上とユーカリ中でも最強クラス。
過湿から猛暑にも幅広く対応できる
非常に強靭なユーカリではあるのですが、
育てていてびっくりすることがあります。
それは、、、
恐ろしく成長が遅いのです。
私が今育てている株が二年目ですが、
樹高が4cmで、葉の直径がわずか7mm程度です。
これは当初、私の育て方が
悪いのかとかなり悩んでいましたが、
現地の栽培者に確認したところ、
非常に順調な育ち具合だそうです!
我が家は決して良い栽培環境ではありませんが、
最高の栽培環境で育てたとしても
10年で25cm程度まで育てば良いそうです。
このような性質ですから、
タネを手に入れることも非常に困難で、
また非常に高価になっています。
現在、タネを販売しているところを
一カ所発見することができて、
そこから取り寄せて育てていますが、
タネはわずか40粒が800円近くもします。
これはびっくりするほど高価ですし、
在庫も限られた数しかありません。
これから何年もかけて、
上手く育てて、花が咲いたら
タネを量産してみたいなと思っています。
ユーカリ紹介で紹介できるのは
果たしていつの日になるのでしょうか。- # by eucalyptus_k | 2011-10-17 08:48 | ユーカリ(品種知識)
イチゴの香りがするユーカリ・オリダ (Eucalyptus olida)
色々マニアックなユーカリを育てている私ですが、
どうしても手に入れることのできない
とっても貴重でレアで魅力的なユーカリがあります。
その名は
Eucalyptus olida
英名は
Strawberry Gum
見た目は家で育てている
Eucalyptus grandisに良く似ています。
生息地も良く似ているため、
恐らく、性質も似ているものと思います。
grandisも青リンゴのような香りがして、
我が家では紅茶とミックスして
かなり美味なお茶として楽しんでいます。
このolidaはその名の通り、
イチゴの香りがするユーカリです。
イチゴやマツタケの香りの元になる
methyl cinnamate(ケイ皮酸メチル)
という芳香成分があります。
これは、イチゴの香りがするお菓子などの
香料としても使用されている成分です。
olidaの精油の成分は
98%以上がこのケイ皮酸メチルです。
また、精油の含有量もずば抜けて多いです。
有毒な成分は一切含まれていないために、
オーストラリアのBushFoodスパイスとして、
葉を細かく砕いたものが販売されています。
芳香成分がもろイチゴと同じですから、
完璧にイチゴの香りのする葉というわけです。
こんな魅力的なユーカリ育てないわけにはいかない!
と速攻でタネを探しましたが、
どうしても見つけることができません。
スパイスとして人気があるため、
過去に酷く乱獲されたことと、
元々かなり生息地の限られたレア品種であったことから、
現在は絶滅の危機に瀕しているようです。
そのため、野生の個体から葉やタネを収穫することは
どうやら禁止されているようです。
それでも、タネを持っている人はいないかと
1年ほど探し続けていますが、
ハッキリ言って全然ダメです。
正直、田舎のタネ収穫者個人にまで
アプローチをかけましたが、
今のところ成果は上がっていません。
一番有力なのは、オーストラリアの政府機関である、
CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)に
タネを分けてもらえるよう依頼している件です。
現在、タネの入荷待ちとなっています。
間違いなく、かなりお値段ははると思いますが、
ユーカリマニアとしてはここで引き下がれません。
これからどのような成果が上がるのか、
こうご期待ください!- # by eucalyptus_k | 2011-09-15 19:46 | ユーカリ(品種知識)