ユーカリのタネ播き方法(2014年2月版)
最近、ユーカリのタネを自分で播いて
育ててみたいという方からのお問い合わせが増えています。
タネを購入してみたい方にはご相談にのりますし、
場合によっては購入代行も可能です。
遠慮なくお問い合わせください
タネ播きの方法については、
全く初めての方には検討もつかないでしょうし、
とりあえず播いてみようでは中々うまくいかないようです。
ユーカリのタネ播きは
比較的難易度が高いと言われているようなので、
私なりの方法をご紹介したいと思います。
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【注意事項】
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●これは私なりの方法で決してベストではありません。
●あくまでも数苗の確保を目標としていますので、
商用で多数の苗を確保したい場合には、
発芽率UPや安定した苗の確保に関した工夫が必要になります。
●環境によって、左右されることも多々あり得ます。
●タネの品質によっては極端に発芽率が悪くなる場合があります。
●品種によって細かな差異がありますので詳しくはお問い合わせください。
0.タネ播き時期
平均気温が20℃以上になってからがベストです。
大阪ではゴールデンウイークくらいの時期になります。
最高気温が20℃を超えた程度でも発芽させることはできますが、
夜間がまだ寒い場合には、発芽までに少し時間がかかることがあります。
冬季であっても室内を常に20℃以上に保てる場合には、
発芽させて育苗をすることも可能ですが、
よほど冷涼湿潤を好む品種でなければ、
徒長するなど、生育状況がイマイチになります。
ベストなタネ播き時期は品種によっても差があります。
暑く乾燥した環境に生息するような品種では、
梅雨明けくらいからのタネ播きの方が良好な場合があり、
逆に冷涼な環境に生息するような品種では、
上記よりも少し早い時期の方が良好な場合があります。
1.タネ播き用土の準備
用土は環境・品種に合わせて様々です。
私は主に下記の二通りの用土を選択します。
1. バーミキュライト単用
2. 硬質赤玉土7:パーライトorゼオライト3
他では、品種に合わせて、バーミキュライトに
ピートモスを2割程度加えたものを使用することもあります。
市販のタネ播き用土を使用してもかまいません。
写真は硬質赤玉土とパーライトのミックスですが、
この用土は乾燥気味に管理できるという利点がある代わりに、
乾燥が早く、置き場所や水分管理が少し難しくなります。
とても乾燥を好む特殊な品種を育てるのでなければ、
初心者の方の場合には、主には市販のタネ播き用土や、
バーミキュライトの単用をオススメします。
私も最近は面倒なので、ほとんどの場合、
バーミキュライトの単用を選択しています。
2.タネ播き場所の準備
タネ播きトレイやポリポットなどを使用します。
我が家ではスペースの関係もあって、
ほとんどの場合、最も小さなサイズのポリポットに播きます。
数苗程度を確保したい場合にはポリポット、
多数の苗を確保したい場合には
タネ播きトレイを使用すると良いでしょう。
ユーカリは直根性で双葉の間から根を深く伸ばしますので、
深さは最低でも5cm程度は欲しいところです。
用土がバーミキュライトのように柔らかい場合に
素材の柔らかいポリポットを使用すると、
全体的に非常に軟くなり、そっと扱わないと、
握り過ぎて、用土が盛り上がってしまったりすることがあります。
特にバーミキュライトが乾いている場合には、
全体的にペコペコになるほどに柔らかくなるので、
手で持ち運びする際には扱いに注意してください。
3.タネの発芽前処理
一部、高山生息種や殻の固いタネなどで
発芽前処理(トリートメント)が必要なものがあります。
そのような品種の場合は、播く前に、
2~6週間程度、冷蔵庫で寝かす必要があります。
この処理を行わなくても発芽はしますが、
著しく発芽率が悪かったり、時間がかかったりします。
一般的なcinerea/gunnii/globulusなどの品種や、
西AZの品種には不要です。
タネを購入した場合に、そのタネが
収穫したてであるということは非常に稀です。
大概はそのタネ屋の冷蔵庫や涼しい暗室で
数か月間から数年間眠っていた在庫であることが多いです。
そのため、多くの場合では、
発芽前処理を必要とする品種であっても、
播いてすぐにそれなりに発芽することが多いです。
ただし、非常に長期のしっかりとした発芽前処理を必要とする
pauciflora/cocciferaなどの品種では、
冷蔵庫で寝かせた程度ではあまり発芽率が向上しないことがあります。
数苗程度の発芽であればあまり問題になりませんが、
これらの品種で多数の苗を確保したいような場合には、
晩秋頃にタネ播きをして、実際に越冬を経験させるという
本格的な発芽前処理を行う必要があります。
4.タネの消毒
この過程は絶対に必要というわけではありません。
タネにカビが生えたり、発芽率が悪かったり、
立ち枯れが多く発生する場合には良い方法です。
私の場合は殺菌剤(粉)をタネに混ぜ込んでしまいます。
無農薬が良い場合には竹酢液や木酢液の希釈液に
数時間程度タネを浸しておくという方法もあります。
5.タネ播き
私の場合、品種、状況などにより
二通りの方法で行っています。
一つは器具を使って、土を穴だらけにして、
そこにタネを播いて、器具で土をソフトに平らにする方法。
もう一つは、土の上にタネを播いて、
その上にパラパラと用土を振りかけて覆土をする方法です。
タネを播きすぎると、お互いが絡み合ったり、
目が詰まりすぎて、結局蒸れて枯れてしまうので、
くれぐれも播きすぎには注意してください。
これはあくまでも目安ですが、
ポリポットを使用する場合には
指二本の指先で軽く二つまみ程度です。
(1)穴をあけて埋める方法
これは、私の独自の方法です。
まず、たっぷり水をかけて濡らせた用土で行います。
針のような器具で、用土全体の表面を優しくプスプス刺して、
用土表面にたくさんの穴をあけます。
この時、あまり深い穴をあけないように気をつけてください。
実際には、穴をあける作業を行うというよりも、
用土をボコボコに、耕した畑のようにするといった感じです。
私は器具にたこ焼きなどに使用する竹串を使用しています。
写真のように、穴をあけてデコボコにした場所にタネを播きます。
一つの場所に固まらないように満遍なく播きます。
播いた後は、ヘラのような器具を使って、
ゆっくり土を平らに戻して行きます。
私の場合は、ピンセットの反対側に
ヘラのようなものが付いている器具を使用しています。
とにかくヘラを横にソフトに柔らかく動かして、
タネを播いた部分から上に柔らかな土を作ります。
間違ってもヘラでギュッと押さえて、
土を固めるようなことはしないでください。
上の写真は既にタネを播いて平らにした状態です。
決してガチガチに押さえているわけではなく、
自然でソフトな感じがわかるかと思います。
完成時には、一部のタネが表面に少し見えている程度が良く、
あまりにも深くまでタネが埋まってしまうと、
発芽不良などの障害が発生します。
このタネを埋める深さについても色々と実験しましたが、
深く埋めて良いことは何一つありませんでした。
土が全く上に被っていない播きっぱなし状態も試しましたが、
こちらの方が遥かに良く、ぶっちゃけこれでも発芽可能です。
(2)タネを播いてから覆土をする方法
こちらの方がスタンダードな方法です。
私は諸事情により、(1)の方法で行うことが多いです。
初心者の方はこちらの方法で行った方が良いでしょう。
まず、たっぷり水をかけて濡らせた用土で行います。
バーミキュライトなどの用土では、水を与えた直後は
カチカチに固まっていることがありますので、
その場合は、竹串などで用土表面を軽くつついて、
少し用土表面を少しほぐすと良いでしょう。
そこにタネを播いていきます。
一つの場所に固まらないように満遍なく播きます。
播いた後は、その上から、用土をパラパラと振りかけていきます。
上級者の場合は、タネの下の土台になる用土と、
振りかける用土を変えて調整することもありますが、
初めて方の場合は、土台になっている用土と同じ用土を振りかけてください。
振りかける量ですが、本当にタネを埋めるというより、
タネを見えなくするという程度で行ってください。
タネの大きさにもよりますが、本当に数mm程度の深さです。
(1)の方法でも書いたように、深く埋めて良いことは何もありません。
深く埋めすぎると、発芽せずにタネが腐ってしまったり、
発芽しても、その芽が地上に到達するまでに腐ってしまったりと、
様々な障害が発生する可能性が高くなります。
多くのユーカリのタネでは
発芽率は中々良く、70%以上は発芽します。
収穫したての非常に品質の良いタネでは、
ほぼ100%に近い発芽率をはじき出したこともあります。
逆に古いタネでは非常に発芽率の悪いものもあります。
特殊な品種では発芽前処理や温度などにうるさい場合もありますが、
皆さんに人気のメジャーな品種では、通常は発芽率は悪くありません。
6.発芽までの管理
用土は常に湿らせておき、表層が乾いてきたら水を与えます。
水はシャワーなどでは強すぎて、タネや用土が流れてしまうため、
霧吹きで与えるか、底からバケツの水に軽く漬けたりします。
水に漬ける場合にも、用土が軽く柔らかい素材の場合には、
思い切り漬けると、タネと用土が浮かび上がってしまいますので
ゆっくりと徐々にデリケートに漬けるようにしてください。
一般的にユーカリの発芽には日光は不要と言われています。
実際に実験として、日の当たらない場所で試してみましたが、
問題なく発芽するという結果が出ています。
ただし発芽してからは、結局たくさんの日光を必要とするため、
暗い場所での発芽はあまり実用的ではありません。
発芽に最も重要なのは、水分と何よりも温度です。
置き場所は、春の場合は日光の当たる暖かい場所に置き、
夏の場合には、直射日光は避けてください。
7.発芽
一般的な品種では平均気温が20℃程度あれば
早くて3日、遅くても1週間程度で発芽します。
ただし、発芽前処理が必要な品種で
処理をカットしたり、気温が足りていない場合には、
1ヵ月以上かかる場合もあります。
8.発芽後の管理
発芽したての苗はとても根が短く、
根の範囲の用土が乾燥してしまうと、
とたんに枯れてしまい、復帰は難しいです。
根が伸びきるまでは、乾燥には注意が必要です。
目安として、双葉の次の葉ができてきたら、
根はほぼ、ポリポットの底まで
達していると考えることができます。
発芽は全てが一斉にというわけではありません。
早く発芽するタネ、少し遅れるタネなど様々です。
ある程度、発芽量が確保できたら、
用土を常に湿らせておくことはストップする必要がありますが、
このタイミングは、初期に発芽したものを重視するのか、
後期のものを重視するのかによって変わってきます。
発芽した苗には、成長が早く、他よりも際立って大きくなるものや、
他に比べていつまでも小さなままのものなど様々です。
この場合、私の経験では、すぐに大きくなるような、
成長力の激しい苗を重視して確保した方が
後々で強健な株へと育つことが多いです。
ここからは通常のユーカリ管理のように
過湿を避けて、必要な水を適度に与えていきます。
シャワーでは双葉が折れてしまう場合があるので、
霧吹きや底面給水を心がけてください。
より乾燥気味に管理することへと変わっていくので、
給水方法を切り替えてから発芽した苗は、
水が足らずに枯れていくことになりますが、
これはある種、自然淘汰と考えてください。
発芽したての苗です。少し目が詰まりすぎです。
このくらいから徐々に給水を調整していきます。
9.定植(苗の取り出し)
タネ播きからの栽培の最も重要且つ難しいポイントです。
私も慣れるまでは失敗の連続でした。
とても発芽率が低いタネや希少な品種の場合に
ここで失敗して、何度も落胆したことがあります。
でも、何度も続けていると段々と上達していきます。
今では、失敗することはほとんどなくなりました。
定植には下記の二通りの方法があります。
どちらの方法にも共通するポイントは
双葉が土に当たるくらいまで深く植え付けることです!
(1)発芽初期の定植
双葉が完全に開ききった時点で、
双葉を指で軽くつまんで真っ直ぐに土から抜きます。
コツは用土が軽く柔らかくなっているので、
できる限り用土が乾いている時に行うことです。
このくらいが抜き時です。
この状態では、根が一本だけなので、
真っ直ぐにスッと抜くことができます。
抜く時にはピンセットなどを使用すると、
細く柔らかい幹を潰してしまいます。
必ず指で、双葉を持ってそっと引き抜いてください。
いざ抜いてみると根が長くてびっくりします!
本葉が少しでも出だしてしまったら、
すでに直根から多数の根が出てしまっているので、
もう真っ直ぐに抜くことはできなくなります。
その場合は(2)の方法を選択してください。
発芽直後の苗はとてつもなく脆く、
簡単に折れたり潰れたりしてしまいます。
豆腐を指で摘む以上にやさしく行います。
この時点で失敗して根が切れり、双葉が千切れてしまったり、
幹が少しでも折れてしまった場合はアウトです。
この方法は発芽した苗を無駄なく定植でき、
用土を大きく掘り起こすようなこともないため、
多くの苗を確保することができますが、
慣れるまではかなり難易度の高い方法です。
私はいつもできる限り効率的に苗を確保するために、
初期に発芽した苗には(1)の方法を実行し、
後期に発芽した苗にはじっくり待って(2)の方法を実行します。
(2)ある程度育ってからの定植
双葉が出て、本葉が2~4対くらい出揃ってから定植します。
定植サイズの参考です。
これは(1)(2)の方法に共通して言えることですが、
上の写真のように双葉が地面ぎりぎりになるように深く植え付けます。
この場合はしっかりと根が育ち、
ポリポットやタネ播きトレイの底にまで根が達しています。
くれぐれも引き抜くことは止めて、
しっかりと掘り起こしてから定植してください。
この場合は少しくらい根を切っても問題ありません。
まだまだ弱く、株元から根が切れることもあるため、
くれぐれもやさしくソフトに迅速に行います。
根が多量に切れた場合はアウトです。
また抜く時にもピンセットなどを使用すると、
つい力が入り過ぎて幹を潰してしまうことがあるので、
苗は必ず指で扱うようにしてください。
掘り起こした際に一緒に抜けてしまった
未成熟苗については、ほぼアウトになります。
最も良い苗を選択して掘り起こしてください。
この方法の方が失敗が少なく、簡単なので、
初心者の方にはこちらの方法をオススメします。
(3)慣れてきてからの番外編
これは余談として聞き流していただいてOKですが、
慣れてくると、少し強引な方法もあります。
(1)の方法に慣れてきて、ユーカリの根の構造がわかってくると、
(2)の方法でできる限り根を切らずに引き抜くという方法もあります。
この方法では大きく掘り起こす必要がないので、
引き続き他の苗を確保していくことができるのですが、
やはりある程度の根は切れてしまいますので、
定植後の成長が少し遅れることになります。
10.定植(苗の植え付け)
最後に苗を植え付ける作業になります。
まず用土にピンセットなどの器具を使用して穴を掘ります。
用土にもよりますが、赤玉土などの場合には、
用土が粘土状に潰れてぐちゃぐちゃになってしまうので、
指ではなく、先の鋭い器具を使用して掘った方が良いでしょう。
掘る時は徐々に掘るのではなく、
ガサッと一気に掘った方が用土が崩れにくいです。
また用土を良く湿らせておかないと、
掘った穴がボロボロと崩れていってしまうので、
事前に水をかけて良く湿らせておいてください。
この時の穴の深さは、かなり深いものになります。
根が完全に真っ直ぐに収まる程度の深さが理想です。
最も小さなポリポットを使用する場合には、
ほぼポットの底まで到達するほどの深さです。
(1)の方法の場合は、苗のサイズに合わせた深さにしないと、
苗が穴の中にストンと落ちてしまうことがあります。
このあたりを考えても、(1)の方法は上級者向けと言えます。
苗を差し込む時の難易度が高くなるので、
幅もそれなりに確保した方が良いです。
(1)の方法の場合は、小指が入るかも?程度の幅を、
(2)の方法の場合は、根の発育状況にも寄りますが、
親指が入る程の幅を確保することもあります。
そしてその穴にそっと苗を差し込みます。
この時、なるべく根が真っ直ぐに
穴に収まるようにするのが理想です。
また苗を差し込む時に、器具を使用すると
柔らかい幹を潰してしまうことがあるので、
葉の部分を必ず指で持って行ってください。
初めは、途中で引っかかって曲がってしまったりと
中々うまくいかないことが多いと思います。
これは慣れてくると必ずうまくできるようになります。
あまりにもうまくいかないからと、
何度も抜き差ししていると、幹や根が折れてしまうので、
最初はある程度のところで妥協した方が良いです。
この時に、根を真っ直ぐに収めることができると、
その後の水分管理が際立って楽になり、
後々の成長速度にも影響が出てきます。
苗の数に余裕がある場合には、
最初はダメ元で何度か練習してみると良いでしょう。
苗が穴に収まったら、指でゆっくりと穴をふさいでいきます。
指を軽く横に動かして、穴を掘った際に周囲に盛り上がった土を
ゆっくりと穴の中に落としていく容量です。
ここで完璧な状態を作り出す必要はありません。
苗が動かない程度に穴が塞がったら、そこでストップします。
これだけでは、穴の入口付近は塞がっていますが、
穴の底の方にはまだ空間ができています。
仕上げは指ではなく、水流で行います。
この際に使用する水流は、できる限りソフトなものを使用します。
じょうろやホースの水では強すぎます。
シャワーの強さ最弱が最も適しています。
どうしてもそのような器具がない場合には、
霧吹きなどを使用すると良いです。
用意ができたら、苗の周囲から水流をかけて
土を徐々に安定させていきます。
一つの方向からだけ水をかけていると、
苗が反対方向に傾いたり、流されたりしてしまうので、
優しく、ポットをくるくる回しながら、
急がずに用土を安定させていってください。
ここで失敗して少し苗が傾いてしまったとしても、
指で無理に真っ直ぐに戻すことは止めた方が良いです。
特に(1)の方法の場合は、動かすと簡単に幹が折れてしまいます。
傾きを修正する場合もあくまでも微弱な水流で行い、
指での無理な作業は行わない方が無難です。
水をかけていると、事前に土を掘っていますので、
用土によって、ポットの底から微塵が流れ出します。
しっかりと微塵が流れきるまで良く水をかけて流します。
ただし、くれぐれも苗を流してしまわないように、
微弱な水流でじっくりと行ってください。
十分に流し終わったら定植は完了です。
11.定植時の容器について
上の9の写真ではタネ播きに使用したのと同じ
最も小さなポリポットを使用していますが、
我が家では湿気が籠りやすいことと、
ポットを置くスペースの根本的な問題により、
止むなくこのサイズのポットに定植していました。
水分管理のコツが掴めてきた昨今では、
もうこの一番小さなポリポットに定植することは、
ほとんどなく、あっても余剰苗に限られています。
普通のお宅で定植される場合には、
もっと大きなポットや鉢に定植されることをオススメします。
私が最近、定植用に使用しているのはスリットポットです。
これはスリット鉢と同様に根のサークリングが防止でき、
鉢への本定植までの育苗がとてもスムーズに進みます。
この企画のものは普通にホームセンターで販売されていますし、
似たような形のものでも問題ありません。
また、日当たりの良い場所で育てられる場合には、
さらに大きなサイズのスリットポットを使用してもOKです。
上記のスリットポットで
このくらいの大きさまで問題なく育てられます。
12.本定植
あとは、20cmを超えるようになってきたら、
お気に入りの鉢へと本定植を行うだけです。
ポットから根をそのまま抜き取り、
根鉢はほぐさずに植え付けるようにしてください。
その際の参考はこちらの記事をご覧ください。
タネ播きに関する写真がまだまだ少ないので、
次回、タネ播きを行う際に
わかりやすい写真を追加していきます。
また、気づいた点やお問い合わせがあった内容について
随時加筆していきますので、
こちらの記事は永久保存版でお願いします!
他にも不明なことがありましたら
何なりとお問い合わせください- # by eucalyptus_k | 2014-02-27 13:59 | ユーカリ(タネ播き)
Eucalyptus neglectaの種子エラー。。。
種子を注文して全く違う種子が届く、
もしくは全く違う種子が混ざり込んでいる。
これは何種類も育てているとたまにあることです。
海外からの輸入がメインですから、
外国の品質管理の問題もあるのでしょう。
ところが、こちら側も初めて育てる品種の場合、
それが果たしてその品種なのかわけもわからず、
本当に悲惨なことになります。
私も違う種子が混ざり込んでいるとか、
発芽しない種子をつかまされたことは何度も経験しています。
ところが種子自体が違う品種のものであったという経験を
今回初めてすることになってしまいました。
今回、困惑の元となったのは
Eucalyptus neglecta(ネグレクタ)です。
このようなときには私の所持している
ユーカリ識別ソフトが非常に役に立ちます。
葉や茎等各パーツの形状や色、大きさなどを入力すると、
それに適合するユーカリが自動でピックアップされてきます。
かなり細かく判別することができ、非常に優れものです。
まず、私が育てているneglectaの写真です。
下の写真は実家の庭で育てている一番大きな苗です。
この苗はオーストラリアの種屋から
もちろんneglecta名で購入したものです。
そして下の写真は実際のneglectaの写真です。
比べてみてどうですか?
いくら小さな苗の写真とはいえ、
こうもかけ離れているものでしょうか!
そして、私が育てているneglectaを
私の経験とユーカリ判別ソフトで調べてみると、
下の写真の品種の可能性が高いと思われました。
比べてみてください。
葉の形状等、非常に良く似ていると思いませんか?
これはEucalyptus crenulataです。
crenulataは私も別に育てていますが、
実際に同じサイズの苗を比較してみるとほとんど区別がつきません。
ところが、実際のneglectaとcrenulataは
ほとんど類似点のないほど、全く異なる品種です。
類似点があるとすれば、種子のサイズと形状と色。。。
本当に厄介なところだけ良く似ていますね><;
というわけで、家のneglectaは、
ほぼ全てがcrenulataだったようです。
里親募集で3名の方が名乗りを挙げてくださっていましたが、
本当に申し訳ございませんでした。
※個別にあらためてメールを差し上げます。
またneglectaの苗としてお渡ししました、
こあら師匠とOsakano_Jieさんにもご迷惑をおかけしました。
私の方では再度別の種屋よりneglectaの種子を購入し、
至急種播を行いたいと思っています。
非常に寒さに強い品種ですから、
比較的小さなサイズの苗でも冬を容易に越せそうです。
実はこのneglecta名で買ったcrenulataの種子。
その中にたった一苗だけ、
本物のNeglectaのようなものが混じっていました。
非常に発芽率が良く、育苗時にかなりの数の苗を間引いたので
実際はもう少し多く存在していたのかもしれません。
2種とも、種子は本当に良く似ていますので、
双葉の時点では全く区別することはできませんでした。- # by eucalyptus_k | 2010-08-17 00:06 | ユーカリ(タネ播き)
ユーカリの種を播き始めてから。。。
去年の夏過ぎからユーカリの種播を始めて、
まだ一年が経過していませんが、
思えば内容の濃い一年弱でした。
冬季でもお構いなしで種を播き続け、
貧弱で徒長しながらも結構育ってみたり、
立ち枯れに苦しめられて絶望を味わったり、
様々な用土への種播を試してみたり。
結果として冬季の種播は実際にやってみて、
あまりやらない方がいいなというのが実感です。
でも、困難なことを半ば無理やりやったことで、
短期間で非常に様々な知識が身につきました。
こあら師匠という大先輩がいたことも大きな力でした。
今のところ、東オーストラリアのユーカリは
普通に種を播けば、ほぼ不発や全滅はなくなりました。
自分としても安心してトライできます。
一部、寒いのに強く、暑いのが余り好きでないユーカリは、
(delegatensis、tenuiramis、risdonii、neglectaなど)
発芽不良があったり、温度と湿度と用土の関係で
予測不可能にいきなり枯れてしまうことがあり、
そこだけが注意です。
中央オーストラリアのユーカリは
少し水分管理がデリケートですが、
用土と水はけ、水遣りのタイミングにさえ注意すれば
まだ比較的安心して育てられます。
西オーストラリアのユーカリは
今でもまだまだ困難なことに変わりありませんが、
以前は立ち枯れる、原因不明で枯れてしまう、
などの症状に悩まされていたところから、
生育が悪い、遅いという悩みに変わってきています。
以前も書きましたが、我が家は冬季は非常に日照が良く、
部屋の中にまで日光が差し込むという好環境です。
ところが、夏季はベランダ全体に日照ゼロ!
ということについて実は今年初めて知りました。
毎年、夏季は全ての植物の生育が悪いなあと思っていましたが、
暑さのために生育を休止しているためと思っていました。
ところがこの日照の悪さが原因だったのでしょうね。
よくこの環境でゴーヤを数十本も収穫できたものです><;
(虫が一切こないので、自分で受粉するんですよw)
これからの課題は、
この余りよろしくない環境でユーカリの生育状況を改善すること、
それと何よりマイペースでくじけないことです。
まあ、私は相当のマゾなので頑張っていきますけどね♪(笑)。- # by eucalyptus_k | 2010-06-09 19:29 | ユーカリ(タネ播き)
Eucalyptus nitensのその後とユーカリ種播追加
先日、発芽のご報告をしたnitensが
何とか順調に育ってきています。
やはり、発芽率はイマイチですね。。。
時期も時期なので
室内越冬で春の成熟に期待です。
同じように発芽がほぼ皆無だったperrinianaも
別のところから取り寄せた種を播いてみたところ、
たくさん発芽しました。
これも悲しいことに種が悪かったみたいですね><;
先日、近所のホームセンターで
色んなユーカリがごちゃまぜに販売されており、
全てユーカリ・グニーの札が付いていました(笑)
その中にnitensらしきユーカリを発見しました。
そのユーカリは一見大きなglobulusで
やたらめったら甘くて良い香りがしました。
nitensは外観がglobulusに良く似ているようです。
そしてまた、ついつい悪い癖が出てしまい、
bridgesianaの種播を行いました。
やはり沼地出身の子なだけあって、
家での発芽率・成長率は抜群です!
camphora、robusta、そしてこのbridgesiana。
沼地出身のユーカリ達とは本当に相性が良いようです。
家のベランダはさながら沼地の如くといったところでしょうか。。。><;
実は悪い癖どころでは収まらず、
さらに新しいユーカリのタネを入手しましたw
早速、種を播きましたよ。
↓ ここからが新しいユーカリです!
●Eucalyptus viridis
>>>他にはない糸葉ユーカリ!ユーカリっぽくない
●Eucalyptus dives
>>>polybracteaと並んで精油採取の定番!
●Eucalyptus archeri
>>>gunniiの高山生息種、白くて綺麗!
●Eucalyptus camaldulensis
>>>スタンダードなユーカリ!コアラの餌として利用
●Corymbia citriodora
>>>レモンユーカリ!遂に手を出してしまった。。。
実はこれらのユーカリ、
既に発芽し始めています。
近日中にお写真を公開できると思います。
中でもcitriodora(レモンユーカリ)の
タネの大きさにはビックリしました!
大きいとはいっても、
スイカのタネには遠く及ばないですが、
埃のようなその他のユーカリのタネと比べると、
格段に大きいサイズになります。
macrocarpaのタネもそこそこ大きいですが
レモンユーカリのタネには及びませんね。
種播に最適な用土や湿度を何となく掴み、
苗の生存率も少しずつ上がってきた今日この頃ですが、
macrocarpaの苗が残り3苗に。。。
追加で種を播こうか検討中です。
いったい何度追加で播いたのか。。。トホホ...- # by eucalyptus_k | 2009-10-22 19:07 | ユーカリ(タネ播き)
ユーカリを種から育ててみる~総合版~(3)【写真公開】
何とか育苗も落ち着いてきました。
生育がいまいちだったのは
ハダニにやられている苗がたくさんあったからでした><;
ちょっと家のベランダでハダニ繁殖しすぎ!!
ホントこいつとは長い付き合いになりそうです。
とりあえず慌ててもしようがないので
ボチボチいきますか~♪
あかんかったら来春に再チャレンジ!
このくらいのほほんとポジティブに進みましょーw
というわけでようやっと写真が撮れましたので
現在育苗中の全てを公開いたします。
もしよろしければお付き合いくださいませ^^
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●Eucalyptus glaucescens
これ!いけてますよ!5苗も!
私の初チャレンジユーカリ苗です。
しろこさんまだ入用でしたらお待ちください。
来春には適度なサイズまで成長するかなぁ~。
●Eucalyptus macrocarpa
まだまだ安心できないサイズですが、何とか全力を注いでここまできました!
このユーカリ!ぶっちゃけ難しいです。
少しでも過湿だと株元が腐って折れます!
1日以上乾かすと水不足でうな垂れて折れます!
天気と気候を考えてものすごく微妙な水遣りを要します。
今、6苗育っていますが、
ここにくるまでに相当数の種を播き、相当数の苗を枯らせました。
そこでようやっと掴んだ水分管理です!
もうひとつ、種播用土を事前にストレプトマイシンで消毒しました。
そこから格段に枯死する数が減ったのは画期的でした。
●Eucalyptus staigeriana
発芽率が相変わらず激悪です。。。
一つのポットに種を50以上は播いていますが、
一苗発芽するかどうかです。
今のところ2苗発芽中です。
この苗を大切にして来春は大きくなってほしい。
耐寒性に難ありのため、室内で越冬予定です。
●Eucalyptus robusta
先日の順調に育っていた3苗を植え替え時に枯らせました。
くじけずにもう一度種播しましたよ!
そうしたら他に追いつかんばかりに成長中。
こいつも室内で越冬して来春に期待です!
●Eucalyptus pulverulenta
比較的順調に育っていますが
植え替え時に全て枯れていきます。
おまけに手前の方、思いっきりハダニにやられてます。
何とか駆除しましたがさらに数が減りそうな予感。。。
これ以上減ったらもうこのまま育苗します。
●Eucalyptus cinerea
結構たくさん種を播いているんですが
発芽率が悪くこれだけしか育ちません。
苗床をバーミキュライト100と
バーミキュライト50:ピートモス50で試しましたが、
後者の方がほんの少し発芽率がいいように思います。
それでも他に比べると発芽率は悪い方です。
数が必要なのでこのまま育苗する予定です。
●Eucalyptus polyanthemos
発芽率が良すぎて、ご覧のようにツメツメ状態。
用土もバーミ+ピートは少し失敗かも。
混み合ってるところは蒸れて折れていきます。
かなり過湿には苦手っぽいので、
次回チャレンジするときは川砂か何かでやると良さそうです。
何とかいくつかは確保できそうですかね。。。
●Eucalyptus camphora
こちらトップクラスの成長率で一番順調に育っています。
数が少ないのはすでに個別のポットに植え替え済みだからです。
ただ結構ハダニにやられている苗が多く少し心配です。
でも、一苗確保できればいいので何とかいけそうかな~?
●Eucalyptus neglecta
こやつ意外に難しいです。
一度目に種播したポットはハダニと過湿で全滅しました。
次はより乾燥気味で間を空けてと思ったのですが、
発芽率だけは凄いもので、また間が詰まってしまいました><;
何とか頑張って育てなきゃ。
このユーカリ!意外に人気で結構数がいるんですよ!
(最強耐寒性+冬には紅葉する美しい葉+良い香り+小型が人気の秘訣)
●Eucalyptus pruinosa
前評判ではすっごく難しいと思っていました。
でも発芽率も生存率もなかなかのものです。
他のユーカリはこれだけ間が詰まっていると
結構蒸れて枯れていきますが、
こいつはほとんど蒸れて枯れることがありません!
多分。。。来年1苗は確保できるはずです。
耐寒性は一番ありませんので室内越冬ですね。
●Eucalyptus orbifolia
発芽率はちょい悪ですが、生存率は高いです。
このまま育苗してもいいかなあと思っています。
こいつやmacrocarpa/kruseanaは
写真でわかるようにV字型の双葉を出します。
この双葉!間が詰まると絡まりまくるのが難点です。。。
耐寒性はないらしいので室内で越冬を予定。
●Eucalyptus cordata
以前も書いたように平均的な成長率です。
種播数が少ないのでこの量の発芽になっています。
ハダニにやられて半数はピンチ!
このまま育苗を予定しています。
●Eucalyptus globulus var. compacta
これも平均的に成長していきます。
種播数が少ないのでこの量の発芽になっています。
ハダニ地獄にあって、ハダニを一切寄せ付けない強靭さ!
試しに一度植え替えてみたら枯れました。。。
もうこのまま育苗することに決めました!
●Eucalyptus kruseana
発芽率は天下逸品ですが、
そのおかげとこの双葉の計上で、
絡まりまくり蒸れまくりで数が激減。。。
こいつも数がいるのでもう1ポット予備に種播。
そっちは順調な速度と間隔で発芽しています。
●Eucalyptus polybractea
バーミ+ピートの過湿用土は失敗><;
この間隔でも結構蒸れていきます。
本当は川砂混じりくらいでいいかもしれません。
少しデリケートに管理しながら何とか一苗は確保したいものです。
耐寒性が危ないので室内管理を予定。
●Eucalyptus radiata
こあら師匠のブログでは発芽に難ありと拝見していたため、
結構たくさん種を播きましたが、cinereaよりはマシな発芽。
ちょっとデリケートに管理した方が良さそうなので
なるべく多く目をかけるようにしています。
何か害虫にも弱いらしい?のでハダニにも注意します。
●Eucalyptus morrisbyi
絶滅危惧種とのことなので凄く難しい?と思っていましたが
発芽の速さと成長の速さはピカイチです。
寒いところのユーカリなので秋という時期が良かったのかな?
ところがこいつ!pulverulentaと1、2を争うへそ曲がり。。。
太陽の方を向いて思い切りグニョっと曲がります><;
●Eucalyptus tereticornis
こあらさん産の取れたて種だからでしょうか?
発芽の速さ成長速度ともに堂々の一位です!
ついこの間種播したところなのにもう双葉から先が出そろっています。
恐ろしく根っこが長いです。(これはいいことらしい。)
こんな小さな苗なのに根っこが下から出る程長いんです。
そこで。。。植え替えは非常に困難です。。。
数が減ったらこのまま育苗しちゃいましょうかね~♪w
↓ ここからは発芽なし他くん達です
●Eucalyptus perriniana
はっきりいって全然発芽しない!と諦めていました。
そうしたらついさっき一つだけ発芽しているのを確認!
ただポットの外壁なのでうまくいくか微妙です。
親父にオーダー受けてるんですがいけるかなぁ。。。
●Eucalyptus nitens
こいつは1g全てを3つのポットで全て播きましたが
全てにおいて一つも発芽しませんでした。
種が悪いかもしれないので、
この前と違うところで種を注文しました。
それを播いてからどうなるかのお楽しみ!
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長々とお付き合いありがとうございました。
ここまで読んでいただけたかなぁ。。。心配です。
ああ~枯れてる~ToT おお!凄く成長してる^^/
やった!結構順調かも^0^ ぐあ~いけるとおもったのに>0<
ホント毎日が一喜一憂です!
貴重な経験をさせてくれるユーカリに
心から感謝を表します。
それからいっぱい枯らせてしまったことをお詫びしますm(_ _)m
とりあえず、私も一緒に成長できてるかな?- # by eucalyptus_k | 2009-10-03 04:14 | ユーカリ(タネ播き)