最近の近況
最近本当に冷えてきましたね。
こう寒くなってくると
ユーカリの世話もとても暇になります。
毎年冬になると同じ事を書きますが、
本当に私はユーカリ育成初期の頃、
冬に水をあげすぎていたんだなと反省します。
現在の水遣りは、
2mを超えるような水好きの品種では
週に1~2回程度を鉢の上から与えますが、
1m以内程度の乾燥を好む西AZの品種では、
週に1回程度、鉢底のスリットから水を少しかける程度です。
一部、根張りが良く、鉢が小さめの下記の品種に限り、
1~2週に一回程度、鉢表面から水を与えます。
■ 80cm程度のalbida
■ 120cm程度と150cm程度のorbifolia
■ 80cm程度のwebsteriana
■ 160cm程度のerythrocorys
■ 140cm程度のcaesia ssp. magna
■ 80cm程度のMoon Lagoon
■ 樹高50cmでも幅も50cmのplatypus
■ 樹高80cm程度のuncinata
これでも十分すぎるほどで
日照の悪い我が家のベランダの話ではありますが、
どれほど水を吸わないかが良く分かります。
比較的、耐寒性が高いと言われながら、
我が家では、毎年早いうちから葉が赤く染まり、
0℃程度でも結構葉の散っていた、
viminalis/nicholii/bridgesiana/neglectaなども、
水を減らしてからは、全くそのような兆候が見られません。
特にneglectaは最強クラスの耐寒性が特徴と言われますが、
東AZには珍しく、かなり乾燥に耐えることができるので、
乾燥した環境があってこその強い耐寒性のようです。
一方ではかなり冷涼地の湿地帯に生息している、
ovataやcamphoraなどは、本当に夏の調子はさっぱりですが、
この時期でも他と比べるとかなり早いペースで水を吸います。
我が家のovataやcamphoraはまだ樹高が60cm以下で
鉢はそこそこ大きめの鉢に植えているにも関わらず、
コンスタントに週一回程度の水遣りを行っています。
恐らくこれ以下でも問題なく生存できるでしょうし、
これ以上でも耐えることができるでしょう。
この2種に関しては、今の時期でも、新芽を吹くので、
思った以上に冷涼湿潤な環境が好きなようです。
もうユーカリを育て始めて5年近くになりますが、
最近になってやっと理解・納得のできた、
個々のユーカリの性質が本当にたくさんあります。
まだまだ勉強と経験あるのみですね!
寒い中、私はちょっと体調を崩し気味で、
記事の更新もかなり遅れ気味になっていますが、
皆さまは体調に十分気をつけて、
寒い日々を達者にお過ごしくださいね- # by eucalyptus_k | 2013-12-18 12:14 | ユーカリ(栽培実績)
計算違いだった台風の結果
昨晩から今朝にかけて
近畿圏でも台風が近くを通りました。
大阪は直撃ではなかったものの、
かなり強烈な風が吹き荒れ、
近所の用水路の近くなどでは、
床上浸水などが発生して大変でした。
いつもこのくらい台風の影響がある場合には、
鉢を移動させたり、危ないものは室内に移動したりなど
ある程度の防護策を実行するのですが、
今回はたまたま何の防護策も行いませんでした。
というのも私の計算が大きく狂っていたからで、
近畿圏に最も台風が接近したのは、
9/16の朝方だったのですが、
9/15の昼ごろとかなり古い情報で認識していたためです。
9/15の昼は風こそ強かったものの、
ほとんど荒れることもなかったので、
台風は大きくそれたのかなと勝手に思っていました。
ところが当初の予定よりも大きく遅れていたようで、
気づいたのは9/16の夜中1時ごろでした。
もうこの頃にはかなりの暴風が吹き荒れ、
暗い中、鉢などを移動させるのは余計に危険なので、
一か八か新しい配置体制にかけることにしました。
というのも以前は、
かなり無理のある、株の配置をしていたので、
台風が近くを通るだけでもかなり厳戒態勢でしたが、
先日、様々な機材を購入して、
しっかりとした安全なレイアウトに改善していました。
一か八かこの新レイアウトにかけてみることにして、
ユーカリに「頑張ってくれ!」と一声かけて、
敢えてベランダを注視しないように床につきました。
それでも、以前台風がかなり直撃に近かったときには、
退避場所に置いていた二股のラベンダーが、
完全に二つに裂けていたりしたので、
それはそれは気が気ではありませんでした。
そして今朝、台風が通り過ぎて、
風も穏やかになった頃、恐る恐る様子を見てみると、、、
大きな2m級の鉢はいくつか倒れていましたが、
これは全て近くに寄り掛かるものがあるため、
完全に倒れることはなく、
30度くらいの角度で互いに寄りかかり合っている状態で
根もパンパンなので土がこぼれることもなし。
その他の心配な風の強い場所の鉢も、
少し回転しているものはありましたが、
しっかりとスクラムを組んでいるので転倒はゼロ。
いくつか支柱に括りつけたビニ帯が外れていて、
だらんとしているのがある程度でした。
一番心配だった蕾の付いている株も全く問題なし!
私の計算違いで危機を迎えたユーカリたちは、
何とか全て無事に台風を乗り切ることができました。
今まで高層階特有の強風に
度々悩まされてきた私の小さな知恵ですが、
・風の強い場所ではしっかりと鉢同士でスクラムを組むこと
・ビニ帯は少し緩めに付けておくこと
・支柱はあまりガチガチに組まず上部には遊びを設けておくこと
これでかなり転倒を防ぐことができるはずです。
ただし、遊びがあるため、
葉同士がかなり激しくお互いをはたき合うので、
銀葉の綺麗な品種や蕾のある品種などは、
激しく傷んで、銀色が剥げたり、
蕾が取れてしまったりするので、
そのような株は素直に取り込んだ方が良いですね。
何はともあれ、かなり焦りましたが、、、
結果良好で何よりでした。- # by eucalyptus_k | 2013-09-16 14:31 | ユーカリ(栽培実績)
今年の夏は暑い!...
今年の夏は本当に暑いですね!
実は私も先日、脱水症でノックアウトしました。
急に強烈な寒気に襲われて、
熱を測ってみても平熱。。。
そこからしばらく休んでも寒気は治まらず、
次に熱を測ったら40℃近い高熱が出ていました。
意識が朦朧として、
徒歩5分の病院に行くのもやっと。。。
診断の結果は脱水症で点滴+半日入院。
もう少しで危ないところだったようです。
こんな危ない程に暑い夏ですから、
さすがのユーカリ達も少しまいっているようです。
初心者のうちは冬が怖いといいますが、
慣れてくると最も怖いのは夏です。
早速2品種もの枯死を出してしましました。
■Eucalyptus pauciflora ssp. niphophila
このユーカリは本当に難しいですね。。。
実はもう数回チャレンジしているのですが、
毎回夏に枯れてしまいます。
知人で購入して何度か育てていた人も
毎年夏になると枯れてしまうようです。
恐らく原因は、湿気と暑さのダブルパンチによる
根の蒸れによるダメージでしょう。
実はpauciflora系はそこそこ水好きなのですが、
原種以外は大そう夏に弱いようです。
そのため、用土は早急にカラカラになるような、
西AZ並みの乾燥力を心掛けないといけないですね。
とっとと乾燥させて、サッと水を与える。
蒸れる水分を残さぬようにして夏を乗り切るしかありません。
上の写真のssp. debeuzevilleiも夏には弱いようで、
全くと言って良いほど成長が進みませんが、
用土が硬質赤玉土と軽石しか入っていないような、
サボテン用土級のものを使用していますので、
こちらは枯れずに夏を乗り越えられそうです。
あとpauciflora系は異様に高pHを嫌う性質があり、
弱酸性でも高いpHだとすぐに鉄分欠乏症になり、
肥料あたりも結構激しいので、
酸性シフトの乾燥用土で肥料はほとんど要りません。
特に原種はすぐに水切れを起こしますが、
そんな荒れた土で育てることで最も良い結果が出ます。
こんな性質を掴むのに何年もかかりましたし、
発芽率も超級に悪いので、かなり厄介なユーカリです。
■Eucalyptus preissiana
こちらで最も小さなユーカリの一つとして
紹介したことのあるpreissianaですが、
これが枯れたのは正直かなりショックでした。
もうユーカリ紹介の写真ネタも確保済みで、
樹高は1m弱もあったので、
そろそろ開花かなと思っていた矢先の枯死でした。
実は我が家には、preissianaが2株あり、
1つは実家の庭にでも地植えしようかなと
確保していた株だったのですが、
この2株がほぼ同時に枯れ出しました。。。
1つが枯れたなら単純に水遣りのミスかな?と思うのですが、
置き場所も良い2株が同時に枯れ出したのは、
恐らく根本的に環境がまずかったということになるでしょう。
preissianaはれっきとした西AZのユーカリですから、
そこまで暑さに弱いはずがないと考えていました。
また育苗時にも際立って過湿に強い部類だったのですが、
意外にも、蒸し暑い大阪の夏は辛かったようです。
この経験を踏まえて、さらに乾燥力の強い用土で
仕切り直しということになります。
■Eucalyptus vernicosa
これも成長は遅いし、タネは高いしで
非常にショックな品種です。
昨年はそこまで暑さに対する
弊害を感じなかったのですが、
さすがに今年の夏は暑すぎたようです。
これも湿気と暑さのダブルパンチによる
根の蒸れによるダメージでしょう。
次回からはもう少し用土を工夫して、
夏は少し乾燥気味に管理することにします。
これらの3種については
既にタネ播きを完了しています。
とはいっても、preissiana以外は
とても暑さを嫌う性質のため、
夏の間の発芽はイマイチになるでしょう。
メインは寒くなる秋口か翌年になることと思います。
枯死はとても辛い経験ですが、
これも何とか身にしていきたいと思います。
そして最後に嬉しいお話です。
決して調子の良くない、わずか樹高60cm程度の
Eucalyptus torwoodに蕾がたくさんついていました。
このtorwoodは正式なユーカリ品種ではなく、
torquataとwoodwardiiのハイブリッド品種です。
ピンク色の花を咲かせるtorquataと
黄色の花を咲かせるwoodwardiiの交配種なので、
ちょうどその間のオレンジ色の花が咲きます。
これはとてもレアなユーカリなので、
うまく花が咲いてくれるととても嬉しいです。
最後に、皆さんも暑い夏には十分に気を付けて、
水分を十分に取るようにしてくださいね。- # by eucalyptus_k | 2013-08-22 16:10 | ユーカリ(栽培実績)
実家の庭の銀葉ユーカリ
前の記事に引き続きまして
実家の庭のユーカリのレポートです。
今日は銀葉の美しいユーカリについて
いくつか紹介していきたいと思います。
特に銀葉の美しいユーカリは
激しい日光を好む品種が多いです。
また日照が足らない場所で育てると
どうしても白銀色が上手く出ずに、
緑色の濃い葉色になってしまいます。
これらの銀葉のユーカリは
どれも人気のあるユーカリばかりですが、
白銀色を美しく出したい場合には、
終日、激しい直射日光の下で育てると良いです。
さて、まず元祖、銀丸葉ユーカリのcinereaです。
やっぱり定番なだけあってとても美しいです。
cinereaの白銀色の美しさは間違いなくトップクラス!
比較的冷涼な地域出身ではあるのですが、
暑さにもとても強く、真夏でもそこそこ元気に育ちます。
過湿にも強いので、初心者向けなのも良いですね。
次に銀世界ことpulverulentaです。
pulverulentaの春の新芽の美しさは、
cinereaと同等かそれ以上です。
ところがcinereaとは異なり、
葉が古くなってくると白銀の粉が落ちて、
比較的緑色の強い葉色に変わっていきます。
これは風などで葉がこすれて
時間の経過とともに粉がなくなっていくようです。
またcinereaよりも暑さには弱く、
あまり暑すぎるのは好きではないので、
夏はあまり目立って成長しなくなります。
そのため古い葉が多くなって、
夏場は比較的緑色が強くなりますが、
それでもかなり白い方です。
この夏場はあまり成長が進まず、
葉が緑色になりがちなユーカリとしては、
perriniana/risdonii/tenuiramisなどがあります。
どれもあまり暑さには強くないユーカリですね。
次は学名の意味がそのまま「白」である
最近人気沸騰中のalbidaです。
このユーカリは本当に白一色ですね。
激しい直射日光を必要として、
他のユーカリよりも少し難易度は高めですが、
その白さは間違いなくユーカリ中でトップでしょう。
夏の暑さにもとても強く、
春~夏場でも成長が進むユーカリなので、
葉はずっとこの白一色でひと際映えます。
次は花が咲きやすくて美しいgilliiです。
このユーカリは花の咲きやすさや
婦人病に効く精油成分が注目されがちですが、
その白さも実はユーカリ中トップクラスです。
白一色のalbidaとは少し異なり、
白に近い水色のような葉色になりますが、
albidaやcinereaにも十分匹敵する白さです。
過湿はあまり得意ではなく、
とても激しい直射日光と高温を好みますが、
albidaやkruseanaに比べると
かなり楽に育てることができます。
このgilliiも夏場に成長が進む方です。
次はまた少し違った銀葉のkruseanaです。
kruseanaはalbidaのような白というよりは
白みがかったエメラルドグリーンの葉色をしています。
本当に美しいエメラルドグリーンの葉に
そのままワックスを塗ったかのような感じで
この葉の面白さは他のユーカリには見られません。
樹高も低く、花がとても咲きやすく、
花はライムグリーンという珍しい色をしていますが、
とても激しい直射日光と排水性や風通しの良さなど、
色々と育てるのには骨が折れます。
ベランダの方では、上手く育てるのに必死ですが、
実家の庭ではすこぶる調子が良いです。
ポイントは強烈な排水性と日光と高温ですね。
とても過湿を嫌うので、
ベランダの方では夏でも底面吸水のみにしています。
そして先日紹介されたばかりのurnigeraです。
gunnii良く似ていますが、
gunniiよりも白が強くなり、
グレイや水色に近い葉色になります。
このユーカリは準高山や冷涼地のユーカリの癖に、
暑さにもなかなか強く、とても激しい日光を必要とします。
この実家の庭のurnigeraは、
とても生育が良く、
goniocalyx並みの大葉になっています。
とにかく日光にしっかりと当てることで、
美しい葉色と安定した成長力を確保できます。
日照さえよければとても楽に育てられます。
そして最後は、melanophloiaです。
このmelanophloiaは我が家のベランダでは
日照不足のため、とても鮮やかな
緑葉の映えるユーカリに育っていますが
本来は銀葉の美しいユーカリの一つです。
どちらかというと新芽が白く、
下の葉になるほど青くなるケースが多いのですが、
melanophloiaでは新芽は薄い緑色をしており、
下の葉になるほど白みが強くなっています。
葉の質感はツルっとした光沢のある葉に
粉をふったような感じで、
こちらで紹介しているgamophyllaに良く似ています。
melanophloia自体はとても育てやすいユーカリで、
過湿にもとても強く、耐陰性もそこそこあるのですが、
日照が足りない場合には、このような美しい銀葉にはなりません。
こちらのユーカリ紹介を見ていただくとわかりますが、
銀葉の美しいユーカリとは思えない外観に育ちます。
初心者でも非常に楽に育てられるmelanophloiaですが、
美しい葉色を出したい場合には、
激しい直射日光の下で育ててください。
元来、沖縄のような高温多湿な環境を好むので、
過湿よりも寧ろ水切れに気を付ける必要のあるユーカリです。
他にもpleurocarpaやaccedensなど、
銀葉の美しいユーカリはたくさんありますので、
またの機会に是非ともレポートしたいと思います。- # by eucalyptus_k | 2013-08-01 13:49 | ユーカリ(栽培実績)
葉色の美しいリズドニー (risdonii)
葉色のとても美しいユーカリとして
Eucalyptus risdoniiはぴか一です!
特に冬季~冬を越えた新芽の色は美しいです。
その白さは時には銀丸葉のcinereaや
白の名を持つalbidaにも勝るほどです。
実際には、新芽は純白というよりは、
薄い紫色といった感じです。
risdoniiの葉は寒さで紅葉して紫になるのではなく、
自然と最初から紫がかった色をしていますので、
ある種、紫葉ユーカリと言えなくもありません。
ここまで白さを引き立たせるためには
良く日光に当てて育てる必要がありますが、
半日陰程度でも良く育ち、それなりに美しく育ちます。
下の写真はベランダの半日陰に置いてある
risdoniiの秋口の葉色です。
そして、下の写真がそのrisdoniiの
今春の撮りたて写真です。
日照はさほど良くなくても
なかなか良い葉色で丈夫に育ってくれます。
葉がツキヌキ状なのも面白いですね。
risdoniiは、暑さに若干弱いところはありますが、
日照の悪い我が家のベランダでも、
既に軽く230cmを超えており、
camaldulensis/leucoxylon ssp. pruinosaと並んで、
我が家で最も大きなユーカリの一つです。
※camaldulensis...250cm超
※leucoxylon ssp. pruinosa...200cm超
鉢は6号スリット鉢ですから、
そのまま置いておくと容易に転倒してしまいますので、
物干し竿にしっかりと括りつけています。
risdoniiは、かなり水食いな性質を持っており、
我が家の株は樹高がかなり大きなこともありますが、
今の時期でもしっかりと1日1回の水遣りを要します。
※冬場でも晴れの日が続くと3日に1回以上を要します。
鉢土にほぼ日光は当たらない状態で、
毎朝たっぷりと水を与えているにも関わらず、
翌朝には土がカラカラになっているのでビックリです!
最高樹高は3~8m程度と
ユーカリの中では比較的小型ですから
管理しやすく、非常にオススメなユーカリです!
そろそろ開花も見込めるかもしれませんね- # by eucalyptus_k | 2013-05-27 12:38 | ユーカリ(栽培実績)