冬のユーカリ管理 その1(室内管理は厳禁)
先日メールをいただいた方から
冬のユーカリ管理について書いてほしいと
ご要望があったので、書いてみたいと思います。
あくまでも私の環境と経験に基づいた内容ですので
ご自身の栽環境とは必ずしも当てはまらないので
そのあたりはご了承くださいね。
まず、寒くなって、考えること!
お家の中にいれよう!
これは絶対にダメです!!!
ユーカリの室内管理は
止めてください!!
私も数々のユーカリ栽培者の方と
メールでやり取りをしていますが、
冬季に室内管理をされた方は、
ほぼ全員が全滅させたと伺いました。
室内で植物を管理すると、
思った以上に余分な水分が用土内に残ります。
表面は乾いたように見えても、
内部にはまだまだ湿った部分がたくさんあり、
これがいつまで経っても乾かないのです。
また、風通しも悪いので、
悪質な菌類が発生することにもなります。
実は室内管理の成功データもいくつかありますが、
これは一部の湿潤を好むユーカリのみになります。
比較的、室内管理が容易なものとしては、
citriodora(レモンユーカリ)/gunnii/camphora
robusta/rudis/staigeriana
などがあげられると思います。
このうち、gunnii/camphoraなどは
かなりの耐寒性を持っていますから、
わざわざ室内で管理する必要はありません。
これ以外の特に西AZ出身のユーカリなどは
室内管理で起こる、用土内部の過湿に耐えきれず、
かなりの確率で枯れることになります。
私の知っている方はほとんど枯らせていますし、
私もうまく越冬させられる自信は全くありません。
枯らせたくない場合は
室内管理は厳禁と思ってください。
ただし、一部室内管理は可能ですし、
ある程度、有効な方法でもあります。
これはとても面倒なので
時間的余裕のある方だけにしてください。
その方法とは
昼は屋外に出し、夜は屋内に取り込む。
お店をされている人などは
面倒なく、日課としてできるかもしれませんね。- # by eucalyptus_k | 2011-11-08 19:37 | ユーカリ(栽培知識)
ユーカリは基本「弱酸性」を好みます!
最近、ネットでユーカリに関する情報を拝見していると、
良く見かけるのがこの情報です。。。
ユーカリは酸性を嫌う
ハッキリいいますが、
この情報は大きな間違いです!
一般的にハーブが酸性を嫌うからでしょうか?
それともオーストラリア=石灰岩と思うからでしょうか?
中にはアルカリ性寄りの方が
好調な品種もわずかながら存在します。
例えばMoon Lagoon/erthrocorysなどです。
ほとんどの方が好んで育てられている
cinerea/pulverulenta/gunniiなど、
多くの東AZ出身のユーカリは
ほぼ全てが弱酸性~酸性を好みます。
主に弱酸性を好む日本の植物と比べても、
さらに酸性の強いものを好む品種も多いです。
leucoxylon/cladocalyx/fasciculosaなどの
アデレード近郊に生息しているユーカリは
基本的には弱酸性を好みますが、
かなり高いアルカリ耐性を持ち、
アルカリ寄りのpHでも比較的順調に育ちます。
ただ私は良くユーカリに
有機石灰や苦土石灰を与えることがあります。
それはpHを操作するためではなく、
マグネシウム等のミネラル分を補給するためです。
これが不足すると、葉の葉緑素が抜けた
クロロシスのような状態になることがあります。
あと最近思うのは意外に肥料当たりが多いです。
リン酸分の塩分に当たることが多いようですね。
慣れない方は肥料は控えた方が良いかもしれません。
急に寒くなった今年の秋口、
ユーカリを枯らせてしまったお話を良く聞きます。
私も苗サイズであれば、結構枯らせています。
夏季と同じ調子で水遣りをしていたため、
根腐れになってしまったことが主な原因ですが、
上記もぜひ、ご参考にしてみてください。- # by eucalyptus_k | 2011-10-28 21:13 | ユーカリ(栽培知識)
ユーカリは色々あって面白い♪
最近は陽が傾いてきて
ユーカリたちに満遍なく直射日光が降り注ぐため、
気がつくと私の肩や頭の高さを超えていて
ビックリすることが多くなっています。
ベランダは育苗場から
さながら草むらへと変わっていきます><;
昨晩はどこからやってきたのか、
マンション12階にも限らず
バッタが美味しそうに葉っぱをほおばっていました。
良くユーカリを食害するのはオンブバッタですが、
キリギリスのような、かなり大型のバッタでした。
これも、本当にビックリな出来事でした。
最近、育てていて実感するのは
見た目だけでなく、個々でかなり
その性質が異なるということです。
まず、ユーカリは暑いのが得意というイメージで
実際に多くのユーカリは暑いのが得意です。
特に私は西AZの品種を多く育てていますから、
砂漠のユーカリといったイメージで考えています。
ところが、中には暑いのが苦手で
夏でも涼しい高山などに生息する品種も多くあります。
このようなユーカリは、寒さには抜群に強いですが、
暑さ、特に高温多湿を極度に嫌います。
昨日も比較的元気だった
Eucalyptus cocciferaの苗を
蒸れで枯らせてしまいました。。。
ずっと涼しい日が続いていたこの頃、
昨日から急に残暑が到来しましたが、
こんなとき、今までのような水遣りを続けていると
蒸れて枯死が出ることがあります。
このcocciferaやその他では
pauciflora/regnans/darlympleana
delegatensis/glaucescensなどの
涼しい高山出身のユーカリや、
cladocalyxなどの夏も涼しい地域のユーカリは
上が25℃くらいまでの気候が良いようですね。
特に高山の品種は、30℃を超えると
逆に水を吸わずに元気もなくなります。
例えば、glaucescensは大阪で育てていると
年中成長が遅く、イマイチ勢いを感じませんが、
現地では決して成長の遅いユーカリではありません。
恐らく、長野県や北海道などで育てると
抜群に成長して、元気なユーカリになるでしょうね。
これらの品種は激暑い季節には、
水切れしない程度に少し潅水量を減らしたり、
潅水する時刻を限定する必要があります。
他では品種によって
根張りに違いがあることもわかりました。
globulusやrobustaのように
根張りが激しいといわれる品種は
直根性ではありながら、
比較的、日本の植物のような根張りをします。
細かい根で鉢がパンパンになるような感じです。
このような品種は水切れももちろん早く、
移植にも強くなっているようです。
最近、ビックリして戸惑っているのが
やたらと深く直根を伸ばす品種です。
あまり細かい根を出さずに、
直根をどんどん太らせ下へと伸ばしていくのです。
わずか数センチの苗に
20cm以上の根がついていてビックリします。
家ではベランダの日照不足の関係から
5.5cmという非常に小さなポットで育苗しますが、
このような根を持つ品種は
このポットではうまく育てることができません。
特に砂漠地帯に生息し、
強い日照を好むものが多いのですが、
できる限り早めに、底の深い鉢やポットへと
植え替えるのが無難です。
このような性質の品種は
kruseana/woodwardii/torwood/oleosa/pimpiniana
などがあります。
特に激乾燥地帯のユーカリばかりですね。
特にwoodwardiiの根張りは特徴的で
本当に長く真っ直ぐに伸びます。
わずか4cm程度の苗で
ポット底部に激しくサークリングして、
限界サインで新芽に枯れが出るので、
本当に泣きそうになります。
woodwardiiのハイブリッド品種である
torwoodもほぼ同じような性質を持っています。
この少し癖のあるwoodwardiiは
黄色い花が特徴的な純白葉の美しい品種だったりします。
woodwardii
torwood
本当にユーカリは
色々あって面白いですね(*^^*)- # by eucalyptus_k | 2011-09-12 19:15 | ユーカリ(栽培知識)
ユーカリ栽培最大の障害
私がユーカリを育てている中で
最大の障害が二つあります。
それは、、、
うどんこ病とハダニです。
主な発生時期は
うどんこ病が5~7月と10~11月、
ハダニが7~10月です。
この二つの発生時期は微妙に被らず、
ダブルパンチを食わないのが唯一の救いです。
この二つの障害は
ユーカリを屋外の日光が良く当たる
風通しの良い場所で育てている人には
あまり縁のない存在かもしれません。
我が家はベランダと言う閉鎖された環境で
日照もかなり悪いということから、
この二つがかなり猛威を奮うのです。
ハダニは比較的大きく育った株に発生し、
執拗な水攻めと毎日の確認で
枯れを出すほどのことは中々ありません。
また、被害の酷くなる品種も限られています。
とにかく早目に発見して、
水で流してしまえば何とか乗り切れます。
最も暑い時期に大発生して、
手がつけられなくなるときには、
ニッソランという薬品を使用することがあります。
この薬品はハダニに対しては絶大な効果があり、
撒いてしまえば、そのシーズンはまず乗り切れます。
また、希釈倍率が高いので、
比較的幼い苗でも薬害が出ることはありません。
ただ、閉鎖環境で撒くと少し気分が悪くなるので、
本当に最後の最後にだけと決めています。
次にうどんこ病ですが、
これがある種、最強の障害といえます。
なぜかというと、
ミント系ユーカリの一部の品種以外、
ほぼ全ての品種に大発生し、
わずが数センチの超幼苗にも多発するからです。
大きな株の場合、葉が汚くなる程度の被害ですが、
小さな苗の場合は枯死する可能性が高いです。
また、閉鎖されたベランダですから、
もう広がり放題に広がり手がつけられません。
最初はなるべく農薬は使用せず、
ネットで色々調べて、木酢や重曹など
オーガニック系の方法を色々試しましたが、
家でははっきりいって全てまやかし。。。
効き目は全てがゼロでした。
うどんこ病というものは、
様々な植物で発生する病気ですが、
植物によって発生する菌はそれぞれが別種なのです。
うどんこ病といえば、イチゴやバラが有名ですが、
イチゴ、バラ、ユーカリにつく菌は異なるわけです。
そこで、ユーカリのうどんこ病に効く薬で
尚且つ薬害の出ない薬を探す旅が始まりました。
おそらくうどんこ病に効く薬として
そこらで売っているものは
全て試しきったといっても過言ではありません。
薬が効かずにうどんこ病で枯れた苗、
薬害で枯れた苗は数知れず。。。
周りでは最も葉が豊かに生い茂る時期が
家では最も葉が汚くなる時期になっていました。
あんなこんなで数年がかりで試しましたが
ユーカリのうどんこ病に効く薬というものを
どうしても見つけきれずにいました。
敢えて効果のあるものとしては、
トップジンMスプレーとカリグリーンです。
ただ、トップジンMスプレーは
多くの品種に薬害が出て、幼苗には使えず、
葉が白く汚れてしまうという欠点がありました。
また、完全に根絶するには力不足でした。
カリグリーンは撒いて1週間は押さえられますが、
1週間以上たつと、どんどんと再発していきました。
また展着剤の使用量が難しく、
展着剤の量を間違うと酷い薬害が出ました。
ユーカリの葉は白く粉を吹いているものが多く、
かなり強く水を弾く性質を持っています。
そのため、通常の展着剤の使用量では、
葉が薬を弾いてしまい、あまり効き目が望めません。
ただ、量を増やしてしまうと、白い粉を剥がしてしまい、
葉が汚くなり、そこから酷く枯れてしまいます。
私のイメージですが、
ユーカリはかなり薬害の出やすい植物です。
日光の良く当たる環境で
丈夫に育った葉ならともかく、
家のような日照不足の環境で育った
柔な葉であれば余計に薬害も酷くなります。
まあ、そんなこんなで、
数年越しで大概の薬も試し終わり、
半ばあきらめかけていたところでした。
ネットで何気なく調べていたときに、
ある薬品を見つけました。
紹介されていたうたい文句は、
うどんこ病の最後の砦だとか!
ただ一つ大きなネックがありました。
この薬は異様に高価なのです!
家にはかなりの量の株がありますから、
薬を買うときは業務用の100~250gの大袋で買います。
大概の薬はそれで大体1000円と少々
くらいの値段で買えるのですが、
この最後の砦は100gでなんと!
3500円近くもするのです(高すぎ!)
最後の最後まで迷いましたが、
ベランダは真っ白粉景色、、、
もうこれっきゃないと買うことにしました。
撒いてみて。。。
まず薬害はまったくありません!
家で最も薬害の多発する品種でも
ほぼ薬害は見られませんでした。
希釈倍率が2500倍なので、
薬害が出にくくなっているのでしょう。
次に効き目は。。。
一回撒いただけで、
うどんこ病の新規発生がほぼなくなりました!!
家で一番うどんこ病の被害の多い4品種。。。
Eucalyptus leucoxylon
Eucalyptus cladocalyx nana
Eucalyptus melanophloia
Eucalyptus Forrestiana
特にCladocalyxなんて、
我が家のうどんこ病の媒介主で、
葉を毎日ふき取っても、翌朝には真っ白。。。
もう手がつけられない品種でした。
この4品種だけは何度か繰り返し撒いて、
これもほぼ発生を抑えることに成功しました。
もちろん薬害もありません。
数センチの幼苗にも撒きましたが、
これもほぼ薬害はなしといえる状態でした。
これから先の経過を見ていかないと、
最終的な結果はわかりませんが、
この薬害のなさで、この効き目は凄いと思いました。
私みたいに閉鎖環境で苗同士の葉が触れ合うくらい密に
100品種以上も育てている人はいないと思いますが、
うどんこ病に悩まされる人がいたらぜひお試しください。
ただし、2500倍希釈の薬品が100gで3500円前後。
これは普通の人には中々手が出しにくいかもですね。
その最後の砦の名は!?
ポリオキシンAL水溶剤
他に水和剤や乳剤もありますが、
水溶剤を選択してください。
成分は土壌細菌から発見された天然物質で
純国産の抗生物質だそうです。
そのため、人体や他の動物に対する
危険性が極めて低くなっています。
私は撒いても気分が悪くなったり、
肌が荒れるようなことは一切ありませんでした。
この成分を食らったうどんこ病菌は
新たな胞子や菌糸を生成することができなくなるため、
強力な防除効果と治療効果があるようです。
また凄いことに!
ハダニにも効くようで
殺ダニ剤としても認識されています。
これは本当にお役立ちですね!
ユーカリのうどんこ病&ハダニに効く薬
そして私のためにあるような薬
やっと見つけることができました♪- # by eucalyptus_k | 2011-06-26 01:05 | ユーカリ(栽培知識)
ユーカリ栽培のポイント
今回はユーカリ栽培の参考になる情報を
少し書いてみたいと思います。
昨年は早春からうどんこ病や生育不良に悩まされましたが、
今年は全てのユーカリがすこぶる好調に育っています。
まだ春も早いうちから、どの品種もたくさんの脇芽を出して、
みてわかるほどに元気な状態です。
この昨年との大きな差は私の水分管理術の向上が
最も大きな要因といえるでしょうが、
スリットポットの導入と用土の工夫も挙げられると思います。
ユーカリを育てていて常に思うのは、
非常に乾燥を好む植物だなあということです。
ところがここで注意していただきたいのが、
乾燥を好むということは、
水を必要としないということとは全く別
ということです。
乾燥を好むということは、
用土が長い間湿っていることを嫌うということです。
この用土が長い間湿っていることを避けるためには、
鉢と用土と置き場所(植え場所)に工夫が必要なのです。
ちなみに日本で一番有名なgunniiですが、
これはユーカリの中でもかなり水を必要とする品種で、
水切れに対する耐性をほとんど持ち合わせていない品種です。
それでも日本の在来の植物や一般的な観葉植物に比べると
かなり乾燥を好む植物であるといえます。
日本で乾燥を好む植物というと
サンスベリアやサボテンなどの多肉植物が思い浮かびます。
多肉植物は自分自身に水分を蓄えることができるため、
用土が完全に乾いても、その水分で長く生きることができます。
ところがユーカリは自分自身に水分を蓄える力は強くないので、
どんなに乾燥を好むユーカリでも、用土が完全に乾くと、
容易に水切れを起こしてしまうことを忘れないでください。
<1. 置き場所(植え場所)の工夫>
はっきりいってこれさえ十分に満たすことができれば、
鉢や用土はどうでもいいほどに重要な要素です。
一般的にユーカリの栽培難易度は簡単で、
庭に適当に置いておけば大きく育ったという話を良く聞きます。
これはこの1の要素が十分に満たされているからです。
実際に相応の庭をお持ちであればこの1の要素は満たせます。
ところが人によっては十分な置き場所を
確保することが難しい場合もあります。
例えば、家のようなベランダでは
この置き場所を十分に確保することはできません。
それではどのような置き場所が良いのでしょうか。
それはズバリ下記の二つの要素に絞られます。
----------------------------------------------
●日光が一年中、終日で良く当たる場所
●風通しの良い場所
----------------------------------------------
なぜこの二つの要素が重要かというと、
用土を早く乾かすために乾燥力の強い環境を作り、
日光を良く浴び、高い土中温度を確保できるからです。
ユーカリは、在来の日本の植物よりも
遥かに激しい日光と高い土中温度を好みます。
そのため、ユーカリの室内管理は無理があります。
室内は日光量や日照力が弱く、
何よりも風の動きが少なすぎるために、
どうしても余分な水分を用土に残してしまいます。
はっきり言い切りますが、
ユーカリの室内管理は不可能です。
私でも室内ではうまく育てる自信は全くありません。
この置き場所という要素を満たせない場合は
次の2と3の要素でカバーする必要があります。
<2. 鉢の工夫>
環境以外で乾燥力を上げるためには
鉢という要素があります。
乾きやすい鉢といえば、まず、素焼き鉢です。
率直に素焼き鉢はユーカリ栽培には向いているといえます。
素焼き鉢のデメリットをあげるとすれば、
重いことと、場所をとること、耐寒性が落ちることです。
素焼き鉢は冬季に用土が冷えやすいため、
根がダメージを受けやすく、明らかに耐寒性が下がります。
特に耐寒性が微妙なdecipiensなどの品種には不向きですね。
また、室内に取り込むとカビの温床にもなりやすいです。
そこで、今流行のスリット鉢がオススメです。
特長である根のサークリングを防げる能力だけでなく、
底面にも大きな穴が開いているために、
底面からも用土の乾燥が進みやすいです。
また、低価格で薄く軽く、コンパクトで場所も取りません。
ただ、1の置き場所の要素が満たされ過ぎているような場合には、
品種によっては乾燥力が強すぎる場合もあります。
特に湿地帯に生息するようなユーカリでは、
乾燥力が強すぎて、少し生育が悪くなることもありますし、
水切れが早すぎて少し面倒なこともあります。
環境に合わせて適切な鉢を選択してください。
<3. 用土の工夫>
1が十分に満たせず、鉢も素焼きやスリット鉢は嫌だという場合、
この用土という要素でカバーすることが重要になってきます。
率直に市販の観葉植物用の用土では少し保水性が高すぎます。
自家製ブレンド用土が面倒くさい場合は、
粒状培養土として販売されているものが良いでしょう。
自家製でブレンドする場合には、
赤玉土をメインに鹿沼土、桐生砂、日向土などを加え、
くん炭やゼオライトまたはパーライトを加えるとなお良いです。
肥料分となる用土はあまり使わなくても良いです。
ユーカリは雑菌に弱いところがありますので、
堆肥分や腐葉土などは余り使用せずに、
品種によりピートモスで保水力を調整すると良いでしょう。
ちなみに私の自家製用土は下記の通りです。
非常に乾燥力が強いので参考になさってください。
---------------------------------------
硬質赤玉土(小粒)-5割
鹿沼土(中粒)-2割
桐生砂or日向土orパーライト-1割
くん炭-1割
ゼオライト-1割
ピートモス-品種により調整
---------------------------------------
この中でゼオライトについてですが、
ユーカリにはかなり有効な用土であると考えています。
実際に家ではゼオライトを配合した用土を使用しているユーカリは、
非常に根張りが良く、丈夫に成長している実績があります。
Osakano_Jieさんのレポートによると、
オーストラリアの土壌にはゼオライトが多量に含まれ、
ユーカリへのミネラル分補給に一躍かっているとのことです。
ゼオライトには大きく分けて2種類が存在します。
モルデナイト系ゼオライトとクリノプチロライト系ゼオライトです。
前者のモルデナイト系は日本では比較的良く見かけるゼオライトで、
水質改善剤や根腐れ防止剤として
使用されている和製やアジア製のゼオライトです。
後者のクリノプチロライト系は北米産が多く、
アルカリ分の強いゼオライトです。
この2種類の中でオーストラリアのゼオライトにより近く、
ユーカリに有効であると思われるものは、
後者のクリノプチロライト系ゼオライトです。
ところがこのクリノプチロライト系ゼオライトは
ホームセンター等では滅多に売っておらず、
主にネット通販で購入できますが、
少しレアなために、かなり高価になっています。
もし余裕のある方は、使用して損はないと言っておきます。
ユーカリには日本で販売されている
多くの肥料がほとんど効きません。
その中で有効な成分のみを
効率よく吸収させるのにもゼオライトが役立ちます。
<肥料について>
ユーカリには日本の多くの肥料がほとんど効かないといわれます。
肥料には大きく分けて、窒素・リン酸・カリウムの三種があります。
良く売っている化成肥料や液肥などを見ていただくとわかりますが、
リン酸分が最も多く、窒素がそれに次いで
多くなっていると思います。
この中でユーカリはリン酸を特に嫌います。
私が試してみた結果、窒素もそんなに与えない方がいいでしょう。
この中でユーカリに有効なのは主にカリウム肥料なのです。
ところがカリウム肥料は中々吸収されにくいようです。
それを効率よく吸収させるためにゼオライトが役立つようです。
私は化成肥料を置肥している程度であまり肥料分は与えていません。
プロのお話では有機肥料(鶏糞や牛糞)は効果があるようですが、
あまり鉢植え栽培では実用的ではありません。
※一部、多肥を好む品種も存在します(Moon Lagoonなど)
最後に、栽培難易度の難しいユーカリ、
簡単なユーカリがありますが、
この差は本当に水分管理の難しさに直結します。
難しいユーカリは過湿に弱く、すぐ根腐れするということで、
簡単なユーカリは過湿に耐性があり、
水分管理がアバウトでも丈夫に育つユーカリということです。
ユーカリはいきなり枯れることがあると言われますが、
ユーカリが枯れる理由の90%は過湿による根のダメージです。
1、2、3の要素をうまく工夫して
より良い栽培環境を実現してください。
用土の表面がカラカラに乾いていたとしても、
用土の中は湿った状態であることが良くあります。
慣れないうちは少し用土を指で掘ってみて、
用土の内部の状況を確認することも参考になるでしょう。
それでは、皆さんがユーカリを
楽しく育てられることを願っています。
何か質問があったら遠慮なくどうぞ^^- # by eucalyptus_k | 2011-04-09 23:41 | ユーカリ(栽培知識)