レモンユーカリの葉の変化と耐寒性
先日、同居人の実家に帰省しました。
実はこちらのお庭にも勝手にユーカリを持ちこんでいます
こちらの両親は二人とも仕事でとても忙しいので、
最も育てやすく手のかからないユーカリを選択しました。
globulus ssp. globulus、globulus ssp. maidenii
perriniana(ツキヌキユーカリ)が1本ずつと
Corymbia citriodora(レモンユーカリ)が2本あります。
どれも持ち込んだ時には、20cm程度の小苗で
レモンユーカリに至っては、
わずか5cmくらいだったと記憶しています。
お庭は南向きで非常に日照が良いので、
既に全ての株の樹高は私の背を軽く超えています。
これでも何度も剪定を行っているとのことですが、
まだ1年半ほどしか経っていません。
我が家よりも大きな鉢へと
鉢増ししてもらっていることもありますが、
非常に素晴らしい成長力を発揮しています。
ここで面白い写真が撮れたのでご紹介したいと思います。
レモンユーカリは最初、葉に激しく毛が生えていますが、
ある程度成長を進めると、その毛がなくなり、
ツルっとした光沢のある葉へと変化します。
何が基準になっているのかは不明ですが、
我が家のレモンユーカリは、既に樹高が3m近くありますが、
まだ全ての葉にはふさふさに毛が生えています。
これは葉に毛の生えたユーカリ全てに言えることですが、
毛がなくなると大幅に耐寒性が増すようです。
この毛がなくなることによる耐寒性の増加は、
他の毛の生えたユーカリである、
pleurocarpaやerythrocorysでも実証済みです。
特にerythrocorysは初期の耐寒性が弱く、
越冬後には、さほど寒くはならない我が家の株でも、
毎年瀕死に近くなるほどまでボロボロになっていましたが、
毛のなくなった今年は、例年より寒い冬であるにも関わらず、
大した葉の痛みは起こっていません。
また、レモンユーカリは、ユーカリの中では
トップクラスに香りの強いユーカリで、
毛の生えた葉を軽く指で撫でるだけでも
強く香りが指に残るほどです。
ところが毛がなくなると同時に、この香りは非常に弱くなり、
もう軽く指で撫でた程度では香らなくなります。
こちらの庭には2本のレモンユーカリがありますが、
そのうちの1本は既に、ほぼ全ての葉の毛がなくなっています。
この家は、少し高地にある住宅地なので、
我が家のベランダよりも遥かに寒くなり、
先日の大雪でもかなり積もったと聞いています。
レモンユーカリは日本での購入時の説明では、
一般的に耐寒性が3℃程度で
冬は室内に取りこんでくださいと言われます。
下の写真はその大雪を乗り越えたばかりの
葉の毛がほぼなくなった方の株です。
葉は青々としており、
ほとんど葉の傷みのないことがわかります。
面白いのはもう1本の方の株です。
こちらの株では、毛の生えた葉が半分あり、
もう半分の葉の毛がなくなっているという状態です。
上の方の葉は毛が既になくなった葉で、
下の方の紫の葉がまだ毛のある葉になります。
さらに近くで見てみると、傷みの差が良く分かります。
こちらがまだ毛のある方の葉で
全体が紫色になって、かなり傷んでいます。
酷いものではここまでボロボロになっています。
ところが既に毛のない葉では
とても傷みが少ないです。
軽く変色している程度で全く心配のない状態です!
こちらのお庭では、最低気温は-5℃以下になり、
霜どころか積雪まで経験しているわけですが、
耐寒性に難ありといわれるレモンユーカリでも
葉の毛がなくなった後は、ここまで問題なく
冬を越せるようになるということがわかります。
私の経験では、初期の毛のある葉でも、
吸水量を調整することで、葉はボロボロになっても、
-5℃くらいまでは耐えることができます。
この写真を見る限りでは、毛がなくなった後は、
-8℃くらいまでは全く問題ないように思います。
また越冬が完了した後には、
我が家のerythrocorysも紹介したいと思います。
最後に耐寒性最強クラスのperrinianaです。
さすがに葉の痛みは全く見られず、
寧ろ最もperrinianaが美しく映える季節と言えます。
このperrinianaは単にperrinianaとして
購入したタネから育ったものですが、
薄紫に変色する小さな可愛い葉が特徴である
Tasmanian Formのperrinianaであることがわかりました。
春の到来はもうすぐそこまで来ています。
また、皆さんの越冬後のユーカリ状況など、
お時間のあるときに教えていただけると嬉しいです- # by eucalyptus_k | 2014-02-24 12:21 | ユーカリ(栽培知識)
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