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【ユーカリ紹介-55】
ユーカリ・メリオドラ (Eucalyptus melliodora)

続きまして第55回目は
現地ではとてもありふれたユーカリで
街路樹などの定番品種としても有名。
とても香りの良い花と豊富な蜂蜜が特徴の
ユーカリ・メリオドラです。

◎ユーカリ・メリオドラ
【学名:Eucalyptus melliodora】
【英名:Yellow Box / Honey Box / Yellow Ironbox】
fancyboxメリオドラ(Eucalyptus melliodora)の画像1

fancyboxメリオドラ(Eucalyptus melliodora)の画像2

このmelliodora
日本ではまず見かけることはありませんが、
現地では非常に幅広い地域に自生しており、
とてもありふれた親しみのあるユーカリです。

melliodoraの花自体はアイボリーの良くある花ですが、
とてもたくさん花を咲かせることが特徴です。

また、その花がとても甘く良い香りがすること、
そして、その花にはとても蜂蜜が豊富で、
蜂蜜の収穫用にも利用されていることから、
現地ではハニーユーカリなどと呼ばれることがあります。

学名のmelliodoraもその特徴から名づけられたもので、
蜂蜜と花の甘い香りという意味になります。

とても魅力的な特徴ですが、少し残念なのは、
melliodoraは、ユーカリでは比較的大型の
30m級の立派な樹木に成長するというところです。

恐らく、melliodoraの魅力的な花を咲かせるには、
最高樹高30mというところを考えると、
鉢植えでは難しく、広い場所での地植えが必要になるでしょう。

ただ、花自体は数も多く、とても咲きやすい品種なので、
とても広い庭のある方ならば、大型シンボルツリーとして
面白い特徴を持ったユーカリになると思います。

fancyboxメリオドラ(Eucalyptus melliodora)の画像3

基本的にユーカリの花は蜂蜜を多く含むものが多く、
melliodoraは特にその量が豊富ということですので、
ミツバチや時にはスズメバチが多く飛来します。
地植えする場合には少し注意が必要かもしれません。

そんな魅力満点のmelliodoraですが、
見た目は比較的特徴のない、
良くあるユーカリの外観をしています。

fancyboxメリオドラ(Eucalyptus melliodora)の画像4

葉は比較的幅があり、丸みのある、
槍の先のような形をしています。

fancyboxメリオドラ(Eucalyptus melliodora)の画像5

また葉の葉脈に特徴があり、
葉の周囲を縁取ったような葉脈が目立ち、
茎は基本的に四角形の角ばった形をしています。

あまり日光の当たらない場所で育てると
冒頭の写真のように緑色の強い葉になりますが、
良く日光に当てて育てた葉は、
下の写真のように、エメラルド色が強くなり、
比較的美しい銀葉に育ちます。

fancyboxメリオドラ(Eucalyptus melliodora)の画像6

melliodoraは非常に良く剪定に反応するユーカリです。
そのまま切らずに育てると、大型品種ですから、
真っ直ぐに樹高を伸ばすことに集中します。

ところが早いうちから適宜剪定を行っていると、
脇芽をたくさん出して、こんもりとした樹形になります。

大型樹木のユーカリは、
樹高を伸ばすことだけに必死の品種が多いのですが、
melliodora脇芽をたくさん出す性質を持っています。
そのため、鉢植えで美しい樹形に仕立てながら
育てていくユーカリとしても最適です。

そんなmelliodoraの育て方ですが、
性質は非常に強健で成長も激しく、
cinereaなどのメジャーなユーカリと
同じような管理で問題なく育てることができます。

個人的にはgunniicinereaなどよりも
melliodoraはさらに強健で、
栽培は容易であると感じています。

gunniiなどのユーカリは、
夏の高温多湿に少し弱いという特徴がありますが、
melliodoraは暑さにもとても強く、
高温障害の症状が出たことは一度もありません。

そのmelliodoraの強健な性質に信頼を置いて、
今年の夏は、我が家で最も過酷な場所である、
クーラー室外機のななめ前に置いていました。

我が家のmelliodoraは既に180cm近い樹高があるため、
クーラー室外機の熱風をガンガンに浴びていましたが、
特に目立った傷みはありませんでした。

melliodoraのメインの成長時期は、
真夏はそこまで大きな動きはありませんが、
polyanthemosなどと同じように、
比較的高い気温の季節をメインに成長します。

またmelliodoraの生息地の降雨量は、
日本の少し雨の少ない場所と同じ程度なので、
cinereaなどよりもさらに過湿に強く、
暖かい季節はかなりの水食いになるので、
水切れには注意が必要になります。

耐陰性もかなりのものがあり、
半日陰以下でも育てることはできますが、
その場合は徒長しやすく、
葉の白銀色が出ずに濃い緑色の薄い葉になります。
また、そのような貧弱な葉には
うどんこ病の被害が出ることもあります。

とはいえ、精油にミント系の成分が含まれているため、
病害虫にはかなり強い方です。
ただ一つ、我が家ではハダニによる被害が
比較的激しいユーカリになっています。

ただし、melliodoraの成長自体はとても激しく、
ハダニ被害が出るのは、
日光のあまり当たらない下の方の貧弱な葉だけです。
上の方の日光に良く当たった丈夫で分厚い葉には、
ほとんど被害が出ることはないので、
毎年そこまで大きな心配はしていません。

melliodoraの耐寒性ですが、
東AZの中ではそこまで高い方ではありませんが、
それでも地植えの成樹で-9℃程度までは大丈夫です。

polyanthemosが育てられる場所であれば、
屋外越冬は問題なく、さらに安心してできると思います。

大阪の冬くらいでは、葉の周囲が少し赤くなる程度で、
大きな葉痛みが起こったりするようなことはありません。

冬には新芽の部分が真っ赤に紅葉するので、
エメラルドの葉と新芽の赤がとても美しく見えます。

melliodoraはほとんど弱点のないユーカリですので、
あまり枯れる気のしない、とても育てやすいユーカリです。

気になるmelliodoraの香りですが、
シネオール系の香りをベースに、
ミント系の少し甘みのある香りが強くします。
総合的には甘みのある爽快なユーカリの香りです。
gunniiの香りをさらに心地よく甘くしたような感じです。

香り自体はそこまで強くはありませんが、
とても魅力的で、現地では香りを楽しむ切枝として、
それなりに高い評価を得ているようです。

香りはとても良く、香りの強さ的にはギリギリで
香りを楽しむユーカリとしても活用できそうです。

fancyboxメリオドラ(Eucalyptus melliodora)の画像7

melliodoraはパッと見はあまり特徴がなく、
外観だけでは、少しPRのしにくいユーカリです。

ところが、とても強健で育てやすいところや、
脇芽を出す性質が強く、樹形を調整しやすいところ、
たくさんの甘い香りのする花と豊富な蜂蜜など、
隠された魅力がとても多いユーカリでもあります。

日本ではまず見かけることはないmelliodoraですが、
現地ではとてもメジャーなユーカリですから、
タネを手に入れるのは容易で比較的安価でもあります。

育苗難易度も低く、育苗初心者にも最適です。
実はこの写真のmelliodoraは、冬季の室内でタネを播き、
そのまま、冬季の室内で越冬して、
翌年の春に大きく成長を進めた株です。

そのように、あらゆる管理にも対応できるほど、
育苗初期から育てやすいユーカリです。

もし興味のある方がいらっしゃったら、
タネの販売先をご紹介しますよ♪

隠された魅力満載のmelliodora
興味があったら育ててみませんか?

------------------------------
<栽培難易度:A>
香良さ:★★★★
香強さ:★★★
成長力:★★★★

要水分:★★★★
耐過湿:★★★★
耐水切:★★
耐日陰:★★★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★★
耐暑性:★★★★
耐病虫:★★★
------------------------------
※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい

 
# by eucalyptus_k | 2012-11-29 10:44 | ユーカリ紹介
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Trackback(0) |  Comments(1)
By SECRET at 2021-02-23 19:25 x
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