【ユーカリ紹介-37】
ユーカリ・スタージシアナ (Eucalyptus sturgissiana)続きまして第37回目は、
超レアで特徴的な外観を持ち
人呼んで「東AZのマクロカルパ」
ユーカリ・スタージシアナです。
◎ユーカリ・スタージシアナ
【学名:Eucalyptus sturgissiana】
【英名:Ettrema Mallee】
写真を見ていただくとわかりますが、
このsturgissianaはとにかく面白い外観をしています。
確かに「東AZのマクロカルパ」と呼ばれるように
Eucalyptus macrocarpaのようでもあり、
Eucalyptus perriniana(ツキヌキユーカリ)
のようでもあります。
sturgissianaは元々、Ettremaという
非常に限られた地域にのみ生息している、
超マニアックなユーカリなのですが、
その面白い外観からか、
園芸用として若干タネが流通しています。
このsturgissianaは、
私の特にお気に入りのユーカリなのですが、
実は私の鬼門のユーカリでもあります。
私は既に100種類以上のユーカリを育てていますが、
その中でも、酷く失敗したユーカリなんです。。。
私は始めての品種を育てる場合、その生息地の気候や
同じ地域に生息するユーカリを割り出し、
大体の性質を予測して、用土や育て方を考えているのですが、
このsturgissianaについては
大きくその性質を読み間違えてしまいました。
このsturgissianaの生息する地域のユーカリは
比較的湿潤を好む、強健な品種が多いのですが、
sturgissianaはそれに反して、
かなり乾燥を好む、少しデリケートな品種だったのです。
これらを踏まえて再度タネ播きをした結果、
写真の株とは別の株も非常に順調に育っています。
海外のとある文件には沼地生息種で
かなり湿潤を好むという情報もありますが、
それを信じて失敗したということもあります。
ユーカリは非常に情報が少なく曖昧なので、
このように実際に自分で育てて経験してみるしか
わからないことがとてもたくさんあります。
ただそのデリケートさも主に育苗初期だけで、
しっかりと根を張りきった株であれば、
ほとんどデリケートさを感じることはなくなります。
sturgissianaを実際に育ててみた感じとしては、
乾燥と風通しの良さを好み、暑い夏よりも涼しい季節を好む性質から
Eucalyptus pulverulentaやEucalyptus perrinianaに
良く似た性質を持っているように思います。
樹木としては、かなり小さめの灌木型で
大きくても5m程度にしかならないようです。
また、あまり幹を太らせることをせずに、
幹の細い頼りない樹形の樹木に育つようです。
例えるなら常に風に揺られているような、
竹のようなイメージでしょうか。
樹高は低めのため、早い段階で
開花を目指すことができると思われます。
十分な日光を受けて、
硬く丈夫な葉に育った個体は大丈夫ですが、
育苗初期の薄い葉のときには
うどんこ病やハダニなどの酷い被害を受けます。
成長力については、
初期にはかなり緩慢な品種と思わされますが、
根張りが完了して、栽培環境に慣れてからは、
平均的な東AZのユーカリ並になります。
暑い季節にはほとんど動かずに
4~5月や10月以降の涼しい季節メインで育ちます。
ただし耐暑性は決して低くはなく、
我が家では高温障害の症状が出たことはありません。
成長期に十分な日光を浴びずに育つと、
葉が薄っぺらく貧弱な状態のままとなり、
病害虫による被害を酷く受けてしまいます。
少しデリケートなsturgissianaですが、
その耐寒性についてはぴか一で、
-12℃くらいまでは全然大丈夫です。
大阪の冬では降雪があったとしても
葉の痛みさえ起こることはありませんでした。
気になるsturgissianaの香りですが、
ずばりシネオール!といった非常に男前の香りです。
非常に爽快でクールな香りがスッと突き抜けます。
globulusやviminalis、cinereaよりもっとシネオール!です。
実際にその精油の成分を調べてみると、
ほとんどがシネオールという内容です。
シネオールがお好きな人にはオススメのユーカリです。
この面白い外観が魅力のsturgissianaですが、
今のところ日本で手に入れる方法はありません。
タネを買って自分で育ててみるしか
手に入れる方法はないかと思います。
かなりレアなユーカリですから
タネの入手方法も少しマニアックなので、
なかなか日本で出回ることもないでしょう。
ただ、鬼門はしっかり克服したいので、
これからも何度かタネを播いていきたいと思っています。
今後、私のところでもしかしたら
苗のプレゼントがあるかもしれません。
何度かタネ播きをして、現在はこの鬼門を克服しました。
初期は乾燥気味に管理をして、根張りを万全にすることがキーでした。
初期にしっかりと根を張らせた健康な株は、
他の東AZのユーカリのように、楽に管理することができます。
とにかく!この面白い外観が
たまらなく愛おしい私の超お気に入りです♪
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<栽培難易度:B>
香良さ:★★★
香強さ:★★★
成長力:★★★
要水分:★★
耐過湿:★★★
耐水切:★★★
耐日陰:★★★
耐移植:★★★
耐寒性:★★★★
耐暑性:★★★
耐病虫:★★
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※A簡単~E難しい / A+...Aより少し難しい- # by eucalyptus_k | 2011-10-11 19:45 | ユーカリ紹介
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